ホンダ(1):軽自動車を国内販売の4割に、HVを登録車の5割に拡大

新パワートレイン技術を導入し、3年以内に全カテゴリーで燃費No.1を目指す

2012/01/13

要 約

 以下はホンダの、(1)日本国内市場において、HV(Hybrid Vehicle)と軽自動車を強化し販売増を図る計画と、(2)今後の商品およびパワートレイン開発計画、の概要である。(ホンダの海外事業については、別途レポートする予定。)


 (1)日本国内市場の強化については、ホンダが国内で販売するHVは6車種に増え、2012年3月(単月)には登録車のHV比率が50%に達し、さらに上昇する見込みとしている。

 また2011年12月、新型軽自動車「N」シリーズの第一弾となる、背高ワゴンタイプのN BOXを発売した。軽自動車市場は今後も堅調に推移するであろうと見て、軽自動車生産を連結子会社の八千代工業からホンダ本体の鈴鹿製作所に移すなど体制を強化。2012年度に国内販売目標70万台のうち4割、28万台を販売し、さらに安定的に30万台販売する体制を構築する。

 N BOXは、新世代のガソリンエンジンとCVTを搭載するとともに、最新製造技術の採用により、ホワイトボディーを10%軽量化した。今後この工法を国内外の工場に導入し、登録車を含む各車種に展開する。


 (2)今後の商品およびパワートレイン計画では、ホンダは2011年11月に、次世代革新技術"EARTH DREAMS TECHNOLOGIES"を発表した。ガソリン/ディーゼルエンジン、CVTを一新、新たな電動車両システムを導入して、3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指すとしている。

 新たな電動車両としては、Fit EVを2012年夏に日米市場で発売し、現行の1モーターのIMA(Integrated Motor Assist)に加え、2 モーター式HV/PHVシステム搭載車を2012~2013年に導入する。また、2012年1月のDetroitモーターショーに、NSXコンセプトを出展した(Acuraブランドで発売し、新開発の電動四輪駆動システムを搭載する)。ホンダは、ホンダらしい個性の際立ったクルマづくりに再度取り組むとし、その象徴として中断していたNSX後継車の開発を再開したとしている。

 また北米をAcuraブランド車開発・生産の拠点とし、今後3年間で全モデルを一新すると発表した。

関連レポート: 東京モーターショー2011 (日本自動車メーカー取材 1: 2011年12月掲載)

                  (日本自動車メーカー取材 2: 2011年12月掲載)、 ホンダ (2010年度:2011年5月掲載)



2012年3月(単月)に登録車の5割がHVの見込み、さらに拡大を目指す

 ホンダが国内で販売するHVは、5ナンバーサイズのミニバン/ハイトワゴンとして初のHV、"Freed HV"、"Freed Spike HV"を発売し、合計6車種となった。

 ホンダの2011年4~9月期の国内登録車販売台数は172,909台、うちHVは61,569台で35.6%を占める。2012年3月(単月)には登録車の半数がHVとなる見込みで、2011年度HV販売は15万台を超えるとしている(2010年度の国内HV販売は10.3万台)。

ホンダ:HVラインアップを拡充

Fit Shuttle HV 2011年6月  Fit Shuttleは、全長がベース車のFitより510mm長い4410mmのワゴンタイプ車で、Fitと部品の70%を共有する。ガソリン車は、1500ccエンジンを搭載。
 1300cc i-VTECエンジンとIMAシステムを搭載するHVを設定した(10・15モード燃費はFit HVと同じ30km/L)。

(注)Fit Shuttleは当面国内市場のみで販売し、シリーズで月販4,000台の計画。6月16日に発売し、約2週間後に約12,000台受注し、うち86%がHV。

Freed HV 2011年10月  Freed(Fitをベースとするミニバン)シリーズをマイナーチェンジするとともに、HVを設定し発売した。5ナンバーミニバン初のHVで、ミニバンはセダンより200kg重く、またIMAシステム搭載で80kg重くなるが、ミニバンの持つ快適性とHVの燃費性能を、ギリギリの線でバランスさせたとしている。
 HVは1500ccガソリンエンジンとIMAシステムを搭載し、燃費はJC08モード21.6km/L、10・15モード24.0km/Lと、5ナンバーのミニバン/ハイトワゴンでクラスNO.1の低燃費を実現した(ガソリン車比で燃費が30%弱向上した)。ガソリン車も含め、VSA(Vehicle Stability Assist)を標準装備した。
Freed Spike HV 2011年10月  Freed Spikeは、2列シート5人乗りのFreed派生車。HVの燃費は、Freed HVと同じJC08モード21.6km/L、10・15モード24.0km/L。

(注) 新Freedシリーズを10月28日に発売、約2週間後に20,000台超受注し、うち63%がHV。なお、Freedシリーズの月間販売目標は10,000台。

Insight
(マイナーチェンジ
と1.5L車設定)
2011年11月  HV専用車Insightをマイナーチェンジし、従来からの1300ccエンジン車の燃費を30km/Lから31km/L(10・15モード)に1km/L向上させ、ホンダのHV車の燃費ナンバーワンとした。また新たに1500ccエンジンとIMAシステムを搭載する「Insightエクスクルーシブ」(10・15モード燃費は26.5km/L)を設定し、より上質な内外装によりワンランク上の車として満足してもらえることを目指した。

資料:ホンダ広報資料 2011.6.16/2011.10.27
(注)ホンダが2012年1月時点で国内販売するHVは、上表の4車種とFit HV、CR-Zの6車種。

 



新型軽自動車「Nシリーズ」を鈴鹿製作所で生産

 ホンダは2011年12月に、新型軽自動車「N」シリーズの第一弾となる、背高ワゴンタイプの「N BOX」と「N BOXカスタム」を発売した。2012年春に後席の自由度を高めた「(東京モーターショーに出展した)Nコンセプト3(スリー)」、秋に「Nコンセプト4(フォー)」(セダンタイプ、往年のヒット車N360に似たデザイン)、2013年に「Nスポーツ」(仮称)を投入する計画。「N」はホンダが1960年代に発売したN360に由来し、また軽自動車をもう一度強化するとの思いの表れとしている。

 ホンダは、軽自動車生産を八千代工業から本体の鈴鹿製作所に移し、軽自動車とコンパクト車を中心に販売する店舗網の整備なども進め、軽自動車事業を建て直す方針。


N BOX "Custom G"
東京モーターショーに出展し、2011年12月に発売したN BOX "Custom G"

 

2011年12月、新型軽自動車N BOXを発売

 ホンダは2011年12月、新型軽自動車N BOXを発売した。新開発プラットフォームを採用し、ホンダ独自の燃料タンクのセンターレイアウトに加え、衝突時に補機類がつぶれたり、スイング構造によって隙間に潜り込むようにするなどでエンジンルームを小さくし、室内長を2180mmに延長、クラストップの室内空間を実現した。ホンダは、N BOXをミニ・ミニバンと表現している。国内月間販売目標は12,000台。
 パワートレインには、小型化した新エンジンに加え、新開発トルコン付CVTを組み合わせた。これまでHV車で展開してきたアイドリングストップも組み合わせて、背高軽ワゴントップクラスのJC08燃費22.2km/L(FF車)を達成した。またVSA(Vehicle Stability Assist)を全車標準装備した。

(注)N BOXは2011年12月16日(金)に発売し、約1月後の2012年1月10日(火)現在で、月間販売目標12,000台の約2.3倍となる27,000台を受注した。

軽乗用車は、順次鈴鹿製作所で生産
 ホンダは、軽自動車を連結子会社の八千代工業で生産してきた。さらに2008年3月に、八千代工業に軽自動車を生産する新工場を建設すると発表したが、2010年7月に新工場計画を白紙撤回し、今後の重点車種としてホンダ本体で生産することに変更した。
 N BOXからスタートし、ホンダ本体の鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)でエンジンから一貫生産する。八千代工業で生産している軽乗用車は、新型車投入や全面改良に合わせて生産を順次鈴鹿製作所に移す。異なるシャシーを使用するトラックやバンの生産は、八千代工業に残す。

資料:ホンダ広報資料 2011.11.30、日刊自動車新聞 2011.1.14
(注)N BOXは、ダイハツ「Tanto」などに対抗する、居住性を重視した背高タイプで、燃費はダイハツ イースなどに及ばないが、ホンダはNシリーズを拡充するなかで、JC08モード30km/L超の低燃費車を2013年めどに投入するとされる。

軽・コンパクト車を主力とする新店舗を展開
 ホンダは、2006年に販売チャネルを「ホンダカーズ」に一本化して以来、高級車から軽自動車まで手がける総合店舗の整備に注力してきたが、新たに軽自動車やコンパクト車を中心に扱う店舗を全国的に展開する。軽自動車やコンパクト車を豊富に展示し、女性客にも入りやすい店舗とする。2011年1月に、熊本県に実験店舗を開設し、その後ホンダカーズ大阪が9カ所の軽販売拠点を設置するなど、体制を整備している。

資料:日本経済新聞 2011.9.5/2011.9.9、日刊自動車新聞 2011.5.31/2011.10.28/2011.12.26

 

N BOXのホワイトボディーを10%軽量化、他車種にも展開

 ホンダはN BOXの開発において、製造工程から見直し、「インナーフレームを採用した高効率継ぎ手骨格」、「ホットスタンプ型内トリム製法による超高強度スティフナー」などの工法を採用して、N BOXのホワイトボディー重量を10%軽量化した。生産拠点の鈴鹿製作所では、2本ある生産ラインの1本を改造し、新たな工法に対応させた。今後新工法を国内外の工場に展開し、小型車を手始めに数年で全車種に広げる。軽より重量の重い登録車では、10%以上の軽量化が図れる可能性が高いとされる。

 一例として、「インナーフレームを採用した高効率継ぎ手骨格」工法の概要を下表に示す。

インナーフレームを採用した高効率継ぎ手骨格を採用

 従来の工法では、ルーフとサイドパネルをそれぞれサブアッセンブリーしておき、それらをフロアと結合したため、ボルトで結合し、ガセット(接合部を補強するプレート)で補強することが必要だった。
 新工法では、ルーフとサイドパネルのインナーフレームのみを先にフロアと結合して「骨格」を組み立ててから、サイドとルーフのアウターパネルを貼り付ける。これまでボルトで結合していた主要フレームをスポット溶接で結合することで、より強固な継ぎ手(接合部)構造となり、またボルトや補強材が不要になる分軽量化できた。

資料:ホンダ広報資料 2011.11.30

 



2012年度に軽自動車販売を28万台に倍増し、国内販売の4割に拡大

 ホンダの2010年度軽自動車販売は15.4万台で、2006年度の28.3万台からほぼ半減した。ホンダは、今後N BOXを皮切りに、軽自動車事業に再度本格的に取り組み、2012年度の軽自動車販売は2011年度の倍の28万台を計画し、さらに安定的に30万台販売する体制づくりを目指す。

 登録車を含めた2012年度国内販売を、2010年度の61万台から70万台に増やす計画で、上乗せ分の大半を軽自動車でまかない、軽の比率を4割とする計画。

ホンダの国内小売販売台数

2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4~11月
2011年
4~11月
登録車
軽四輪車
軽四輪比率
408,183
283,346
41.0%
416,276
223,782
35.0%
391,037
189,109
32.6%
503,841
158,429
23.9%
454,270
154,210
25.3%
319,665
101,489
24.1%
242,029
74,609
23.6%
合計 691,529 640,058 580,146 662,270 608,480 421,154 316,638

資料:ホンダの月別四輪車生産・販売・輸出実績リリース
(注)国内販売(登録車 + 軽自動車)全体における軽自動車の比率は、2010年に34.8%、2011年は36.1%(自販連のデータより算出)。


 ホンダの国内生産能力は130万台で、当面100万台生産を維持するとしている。2010年度は約91万台生産し、輸出が約31万台(生産台数の34.0%)、国内販売が約61万台であった。

 円高が続き、また新興国市場ではさらに開発・生産の現地化を進めることが必要とされ、今後生産が回復しても輸出を増やすことは困難になっている。ホンダにとって、国内生産台数を維持するためにも、国内市場の3分の1を占める軽自動車市場での販売拡大が急務になっている。

ホンダの生産台数と輸出台数

2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4~11月
2011年
4~11月
国内生産 1,348,085 1,296,682 1,148,361 901,775 912,307 654,385 443,688
海外生産 2,354,307 2,658,801 2,425,936 2,402,755 2,664,055 1,776,026 1,325,933
世界生産 3,702,392 3,955,483 3,574,297 3,304,530 3,576,362 2,430,411 1,769,621
日本からの輸出 645,203 695,678 573,561 230,010 310,254 213,512 141,013
輸出/国内生産 47.9% 53.7% 49.9% 25.5% 34.0% 32.6% 31.8%

資料:ホンダの月別四輪車生産・販売・輸出実績リリース

 



次世代パワートレイン技術 "EARTH DREAMS TECHNOLOGIES"を発表

 ホンダは、2011年11月、次世代革新技術"EARTH DREAMS TECHNOLOGY"を発表した。ガソリン/ディーゼルエンジン、CVT、各タイプ電動技術の合計6項目について、走りと燃費を高次元で両立させ、3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指すとしている。

 ガソリンエンジンは、排気量別に3気筒660cc~V6 3.5Lまで7機種を設定。660ccエンジンを新型軽自動車N BOXに搭載し、直列4気筒2.4Lエンジンを2012年秋に発売する次期型米国仕様Accordに搭載する。2013年までに、全機種のエンジンを少なくとも1車種に搭載する計画。

 電動車両については、2012年夏に日米市場にFit EVを投入する。世界最高の「電費性能(一定距離を走行するのに消費する電力量)」を訴求している。また、駆動用と発電用の二つのモーターを搭載する中大型車用HVシステムを開発し、このシステムを搭載するPHVを2012年に、HVを2013年に発売する。電動四輪駆動システムも新開発した。

次世代革新技術"EARTH DREAMS TECHNOLOGY"を発表

1 ガソリンエンジン  VTEC技術の進化や、熱効率の向上と低フリクション化により、高出力と低燃費を両立させ、3年以内に各カテゴリーで燃費性能No.1を目指す。
 660ccクラスから、1.3L、1.5L、1.8L、2.0L、2.4L、3.5Lのクラスまで多様なバリエーションを設定する。排気量別に多少ずつ異なるが、DOHC、直噴技術、アトキンソンサイクル、吸気・排気両側のVTC、大量EGR等の低燃費技術を導入する。
(注) 1. VTECは、"Variable valve Timing and lift Electronic Control system"(可変バルブタイミング・リフト機構)の略で、吸気バルブリフト量を低速と高速の2段階で切り替えるシステム。VTCは、"Variable Timing Control"(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)の略で、バルブの開閉タイミングを連続可変させる。ホンダは、この2つを合わせたシステムを、"i-VTEC"と称している。
2. ホンダは、今回の発表で、3.5Lエンジンに新動弁機構を搭載するとしている(詳細は発表していない)。
2 ディーゼル
エンジン
 現行の2.2Lから1.6Lにダウンサイジングし、また1.6Lクラスで世界最軽量のディーゼルエンジンとする。小型高効率のターボチャージャーを採用。
3 CVT  軽クラス、小型クラス、中型クラスのCVT 3機種を新たに開発した。高強度ベルトの採用により、ワイドなレシオレンジ設定を可能にし、高精度油圧制御システムも導入する。
 電動オイルポンプを採用し、高い応答性を実現したアイドリングストップにより、燃費と扱いやすさを大幅向上させた。
 小・中型クラスは、レシオレンジを拡大しながら伝達効率も大幅向上させることで、従来のCVTに対して5%、同クラス5速ATに対して約10%の燃費向上を実現。
4 2モーター
HVシステム
 従来の小型車向け1 モーターのIMA HVシステムに加え、2 モーターHVシステムを新たに開発した。2013年に、中型車(次期型米国仕様Accordとされる)に、2000ccエンジンと組み合わせ搭載する。
 市街地での「EV走行モード」、エンジンで発電した電力により走行する「ハイブリッド走行モード」、高速走行時の「エンジン直結走行モード」と3つの走行モードを使い分けることにより、世界最高効率を実現したとしている(ホンダ調べ)。
(PHV)  専用リチムイオン電池、チャージャーを開発し、PHVにも搭載可能。2012年に 2モーターHVをベースとするPHVシステムを搭載した米国仕様Accordを発売する。
5 電動SH-AWD  大型車に最適なHVシステムとして新開発した。前輪をV6 3.5Lエンジン + モーターを内蔵する7速DCT(Dual clutch transmission)で駆動し、後輪を左右2つのモーターで独立して駆動する、電気式の四輪駆動システム。2013年に搭載車を発売する。
 V8エンジンと同等の加速性能と、直列4気筒エンジン以上の低燃費を実現する。
6 EV用小型電動
パワートレイン
 高効率モーター、低フリクションギアボックス、電動サーボブレーキシステム(注)などにより、交流電力消費率29kWh/100マイル(米国規制値)という、世界最高の電費性能を実現したと訴求している(ホンダ測定値)。
 Fit EVを、2012年夏に日米市場で発売する。20kWhの東芝製リチウムイオン電池を搭載し、航続距離は123マイル(LA-4モード)、210km(JC08モード)を達成した。

(注)Fit EVが搭載する電動サーボブレーキは、電気モーターの回生能力を超えないかぎりは、基本的に機械ブレーキを使わずに回生ブレーキだけで減速するシステムで、エネルギー回生量を増やし、電費性能を高め航続距離を延ばしたとしている。機械ブレーキが必要になったときだけ、瞬時にブレーキが切り替わる。
資料:ホンダ広報資料 2011.11.30、Automotive News 2011.12.5

 



2012年Detroitモーターショーに、NSXコンセプトを出展

 ホンダは、2012年1月のDetroitモーターショーに、Acuraブランドの3モデル、 ILX、2代目となるRDX、NSX後継車コンセプトを出展した。3モデルとも米国で開発し、米国で生産する。

 ホンダは、北米をAcuraブランド車開発と生産の拠点とし、今後3年以内に全モデルを一新する。また現在販売している北米・中国でブランドを強化するとともに、2013年以降に、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ロシア、ウクライナなどにAcuraブランドを展開する。

 Detroitモーターショーに、2012年秋に発売する次期型Accordも出展した。

2012年Detroitモーターショーに、NSXコンセプトを出展

ILXコンセプト 2012年春  若者に向けた、CivicをベースとするAcuraブランドのエントリーモデル。パワートレインは、4気筒2.0L、2.4Lと、1.5LエンジンとIMAシステムを組み合わせたAcura初のHV、の3タイプを揃えた。米国インディアナ工場で生産する。ホンダのHV海外生産は初。
2代目RDX 2012年春  2代目Acura RDX(北米仕様)のプロトタイプを出展した。パワートレインは、現モデルの4気筒2.3Lターボエンジンから、V6 3.5Lガソリンエンジンに切り替え、ラグジュリーCUVにふさわしい重厚感、走行性能を持たせた。現モデルに引き続き米国オハイオ工場で生産する。
Acura NSX
コンセプト
2014年
(米国発売)
 ホンダスポーツカーのフラッグシップモデルの名前とDNAを受け継ぎ、顧客ニーズと技術の進歩に合わせた次世代スーパースポーツカー。米国で開発し、オハイオ州の工場で生産する。全長4330mm×全幅1895mm×全高1160mm。
 新開発の「Sport Hybrid SH-AWD (Super handling All Wheel Drive)」を搭載する。11月に発表した「電動SH-AWD」と前輪・後輪の駆動が逆で、V6直噴エンジンをミッドシップレイアウトで配置し、高効率モーターを内蔵したDCT (Dual clutch transmission)と組み合わせて後輪を駆動し、左右の前輪を独立した2つのモーターで駆動する。
次期型米国仕様
Accord
2012年秋  次期型Accordクーペ(北米仕様)のコンセプトモデルを出展した。Civic、CR-Vに続いてAccordを刷新し、環境性能と燃費性能を両立させ、ホンダブランドを強化するとしている。2012年に、2モーター式HVベースのPHV、2013年に2モーター式HVを設定する見込み。

資料:ホンダ広報資料 2011.12.12/2012.1.10


 なおホンダは、HV・軽自動車以外のモデルでは、2011年12月にCR-Vを発売した。次期型Fitを2014年に投入する。

HV・軽自動車以外の商品投入

CR-V 2011年12月
(日本と北米)
 ホンダは2011年12月、4代目モデルとなる新型CR-Vを発売した。日本仕様の前モデルでは、2.4LのFFと4WDの設定であったが、新モデルでは2.0L FF車と2.4L 4WDの設定とした。2.0L車はトルコン付CVTと組み合わせ、クラストップのJC08モード燃費14.4km/Lを達成した。月間販売目標は1,500台。
 CR-Vは、1995年から2011年9月末で世界累計500万台販売を達成したホンダの主力車種。米国でも12月に新型に切り替えた(FF車燃費は、21→23 mpg city/28→31 mpg highwayに向上)。順次世界各国に投入する。
次期型Fit 2014年  日本、中国、アジア・大洋州、北米、南米、欧州の世界6地域に分かれた開発・調達拠点で、同時並行で開発を進めている。車両の骨格やエンジンなど基幹部品は共通だが、細部仕様や部品調達先は、各地の状況に合わせて決定する。

資料:ホンダ広報資料 2011.11.28、日本経済新聞 2011.9.8

 



2011年度4~9月期に四輪事業が営業赤字、通期業績見通しは未定

 ホンダの2010年度連結決算の純利益は5,340億円で、自動車業界のみならず、日本の全上場企業で初の首位となった。

 しかし、2011年度4~9月期は、3月の東日本大震災の影響で、世界売上台数が前年同期の180万台から132万台に26.6%減少し、売上高3兆6,004億円(22.0%減)、営業利益750億円(81.1%減)。四輪事業は1,053億円の営業赤字となった。2011年度通期決算見通しは、タイ洪水の影響が今年度いっぱい続くため、合理的な判断は困難であるとして、8月1日に2011年度4~6月期決算と同時に発表した見通しを撤回し、売上台数も含めて「未定」とした。

ホンダの世界売上台数

(1,000台)
2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4~9月期
2011年
4~9月期
日本 672 615 556 646 582 322 222
北米 1,788 1,850 1,496 1,297 1,458 738 494
欧州 324 391 350 249 198 101 75
アジア 620 755 793 950 1,008 505 425
その他 248 314 322 250 266 131 103
世界 3,652 3,925 3,517 3,392 3,512 1,797 1,319
資料:ホンダ連結決算報告書
(注) 1. 世界売上台数は、ホンダ及び連結子会社の、完成車と持分法適用会社への生産用部品の販売台数の合計。
2. 上表は卸売り台数であり、国内売上台数は、前出の小売販売台数とは一致しない。

 

ホンダの連結業績

(100万円)
2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4~9月期
2011年
4~9月期
売上高 11,087,140 12,002,834 10,011,241 8,579,174 8,936,867 4,613,374 3,600,488
営業利益
(内)四輪事業
851,879
599,543
953,109
661,665
189,643
24,543
363,775
126,758
569,775
264,550
397,916
235,327
75,090
(105,369)
税引き前利益 792,868 895,841 161,734 336,198 630,548 422,353 105,854
当期純利益 592,322 600,039 137,005 268,400 534,088 408,416 92,226
設備投資
減価償却費
研究開発費
627,000
361,700
551,800
654,000
417,300
587,900
599,100
408,200
563,100
329,700
366,600
463,300
311,300
325,200
487,500
132,500
164,000
239,600
132,100
141,200
237,800
為替レート(1米ドル)
為替レート(1ユーロ)
117円
151円
114円
162円
101円
142円
93円
130円
86円
114円
89円
115円
79円
113円
資料:ホンダ連結決算報告書
(注) 1. 2011年度4~9月期営業減益の要因としては、東日本大震災後の減産による売上台数減少が最も大きく1,849億円、次いで減産に伴うコスト影響や原材料価格の上昇等が1,171億円、為替影響が522億円、など。
2. ホンダの、2011年4~9月期の事業セグメント別業績では、四輪事業が1,054億円の営業赤字となった。二輪事業は838億円、金融サービス事業は964億円の営業黒字で、連結営業利益は750億円を確保した。
3. タイ洪水の影響で、ホンダは2011年10月4日からタイ工場での生産活動を停止、11月28日に排水作業が完了し、清掃など復旧作業を開始した。生産再開は2012年4月の見込みとされている。

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