電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年3月

3月の電気自動車販売台数は前年同月比19.1%増の112.5万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)

2024/04/24

電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア

 本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。

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 主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ

 北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド

 電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。

 

(注1)2024年4月22日集計
     過去の台数データの一部に修正が入りました。
     2024年1月よりタイを集計対象に加えました。
     中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。

(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
    1. 国民の元々の環境意識が高い
    2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
    3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
    4. 電気自動車のモデルラインナップが多い

 

 主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における3月の電気自動車販売台数は112.5万台となった。前年同月比で19.1%増、前月比で66.1%の大幅増加となった。3月の電気自動車シェアは19.7%で、前月と比較して3.3ポイント増となった。2月は中国の春節休暇の影響などで自動車販売台数全体が落ち込み、電気自動車販売にも影響があったが、3月は台数、シェア共に回復した。1~3月の電気自動車の累計販売台数は、前年同期比24.1%増の269.8万台となり、自動車販売台数全体に占めるシェアは18.5%だった。

 HVの3月の販売台数は前年同月比6.4%増、前月比で25.9%増の42.7万台だった。シェアは前月から0.7ポイント減の7.5%となった。1~3月のHV累計販売台数は111.2万台、前年同期比で14.5%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.6%となった。

 EUでは中国製の電気自動車に対して、7月にも暫定的な関税を課す可能性が高いと見られている。米国では2月末に中国製コネクテッドカーのリスク調査の計画が発表され、4月にはメキシコ政府が中国企業の現地生産へのインセンティブを供与しない方針であると報じられた。中国メーカーは中国国内での補助金を得て安価な電気自動車を生産・販売しており、メキシコ製EVが米国のインフレ抑制法(IRA)の補助金対象になるなど、中国国外の市場でも現地のインセンティブを利用して不当に競争優位性を得ていると懸念されている。中国メーカーのEVを取り巻く規制の動きは引き続き注視したい。

 

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