Ford(下):米国では2023年にピックアップRangerとF-Series Super Dutyを投入
欧州ではEVの商用車2車種、中国では顧客の嗜好に合わせたSUVを導入
2023/05/15
- 要約
- 米国:ピックアップトラック、SUV、商用バンが好調
- 北米における生産拡大の動き
- 欧州:商用車事業を引き続き強化
- 中国:新型コロナウイルス対策の行動制限で販売減少
- 南米:RangerとTransitの生産に集中し、業績改善
- インドで車両生産終了、南アフリカ・アジアで新型Ranger生産・輸出
- 2022年の業績:売上高は前年比16%増、調整後EBITは4.2%増の104億ドル
- LMC Automotive生産予測:Fordグループのライトビークル生産は2026年に419万台へ
要約
フルサイズピックアップトラックの新型F-Series Super Duty(写真:Ford) |
米国市場では、Fordが2022年に投入したF-150 Lightningが同年、同国の最量販電気ピックアップトラック、E-Transitが最量販電気バンとなった。2023年には旗艦モデルのMustang、ピックアップトラックのRangerとF-Series Super Dutyの新型車を発売する。新モデルのミッドサイズ電気クロスオーバーSUVも投入する予定。
欧州の新型車投入計画では、2023年にEVの商用車2車種(E-Transit/E-Tourneo Custom)、VWのMEBプラットフォームをベースにした電気SUVのExplorer、内燃エンジン車のオフロードSUV Broncoと旗艦モデルのスポーツカーMustangを発売する計画。
Fordは中国市場で2019年以降、SUVの新型車を多数投入し、顧客の嗜好に合わせてラインアップを強化している。2023年にはFordの中型SUV Everest、Lincolnの新型中型SUV Edge LとフルサイズSUV Navigatorを投入する予定。
Fordは2023年3月23日、今後は地域別ではなく3つの事業セグメント別(EV事業、内燃機関車事業、商用車事業)に業績を報告すると発表した。同日、発表された事業セグメント毎の2023年のEBIT予想によると、EV事業は開発や生産拡大への投資が増加し、約30億ドルの赤字を見込む。他の2つの事業の利益が、引き続きEV事業の赤字を補うと予想している。
既掲載のFord(上)では、同社の電動化戦略、EVとEV用バッテリーの生産計画、自動運転技術、商用車事業のデジタルソリューションについて報告した。本編はその後編として、Fordの米国、欧州、中国、南米、その他市場の状況、並びに2022年の業績を報告すると共にLMC Automotiveによるグローバル生産予測を掲載する。
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