Ford(上):事業戦略「Ford+」の目標達成に向け電動化戦略を加速
2026年までにEVを年間200万台生産へ、SK OnおよびLGとバッテリー工場建設
2023/04/17
- 要約
- 事業戦略「Ford+」の目標達成に向け新たな電動化戦略を発表
- EV生産:米国テネシー州で年産能力50万台のEV工場を建設
- SK Onと合弁で米国に計129GWhのEV用バッテリー工場を建設
- 自動運転技術:VWと共同出資のArgo AIを清算、完全子会社Latitude AIを設立
- 商用車事業部門Ford Pro:フリート顧客向けにデジタルソリューションを導入
要約
VWのMEBプラットフォームをベースにした新型ミッドサイズクロスオーバー電気SUV Explorer EV(写真:Ford) |
Fordは2022年7月21日、2021年に発表した事業戦略「Ford+」の一環として、2026年までに電気自動車(EV)を年間200万台生産するためのEV・バッテリー戦略および原材料調達計画を発表した。新たなEV計画では、2026年までにEVに500億ドル超を投資し、EV販売の年平均成長率90%超を目指す。2030年までに世界生産台数の半分をEVとし、2050年までに世界でカーボンニュートラルを達成する。
FordはVWと共同で設立したArgo AIを通して自動運転技術を開発していたが、2022年10月に同社の事業を清算。完全に自動化するレベル4以上の技術から、自社開発のレベル2+/レベル3先進運転支援システム(ADAS)の開発にリソースをシフトすると表明した。2023年3月には完全子会社となるLatitude AIを設立し、「ハンドルから手を離したり道路から目を離したりできる技術」を中心に開発する。
事業戦略「Ford+」のもう1つの柱である商用車事業部門「Ford Pro」は、商用車の販売に加え、ソフトウェア、充電、修理、ファイナンスなどに関わるサービス一式を提供し、顧客にとって利便性の高いワンストップショップとなることを目指している。この取り組みにより、商用車事業の売上を2025年までに450億ドルとする計画。2022年には欧州と米国のフリート顧客向けに、生産性を加速させる包括的なデジタルソリューションを導入した。
本編ではFordの電動化戦略、EVとEV用バッテリーの生産計画、自動運転技術、商用車事業のデジタルソリューションに焦点を当てて報告する。後編では、米国、欧州、中国、その他地域の状況や戦略、企業業績、2023年の見通し、並びにLMC Automotiveによるグローバル生産予測について報告する予定。
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