Tesla Model Y 分解調査:HMI(基本構成とGUI基本コンセプト)
Model 3と同じく極力ハードスイッチを排したシンプルなHMI
2021/10/06
- 要約
- ステアリング周りのハードスイッチ
- ハードスイッチ(その他)
- ディスプレイの画面基本構成
- 運転にかかわる機能のタッチパネル操作
- オーディオ機能のタッチパネル操作
- 空調機能のタッチパネル操作
- その他の機能のタッチパネル操作
要約
Model YのHMIは基本的にModel3と同じである。ハードスイッチは咄嗟の操作が必要な機能に限定しており、ほとんどの操作と表示をインスツルメントパネル中央に設置された15インチのLCDタッチパネルで行う極めて特徴的なHMIである。(なお今回の調査車両は左ハンドル米国仕様であり、走行ができず地図の表示もできなかったために、コックピットの操作表示系のHMIの基本構成とGUIの基本コンセプトについて解説する。)
タッチパネルのGUIは15インチの大画面をいかした余裕のあるデザインでタブレット感覚の操作性を実現している。使用頻度が高い機能はできるだけ少ない手数で操作ができるように配慮されている他、運転にかかわる機能のメニューとその他の一般的な機能のメニューを分け、それぞれを縦並びと横並びに表現を変えるなどの工夫で機能も探しやすい。なお走行中に瞬時に対応操作が必要なターンシグナル、ワイパー、ハイビーム/ロービーム切り替えはステアリングコラム左型の一本のレバーで操作できるようになっている。またハザードやドア、ウインドウ、シートの操作にも専用のスイッチを残している。これらの配慮により走行中の操作性は確保されている。しかし画面内のソフトスイッチのサイズがそれほど大きくないことや使用頻度の少ない機能は操作回数が従来型のHMIよりも多いことなどから走行中に複雑な操作を行うのには向いておらず、各種のオート機能を有効に使うことを前提としたHMIと思われる。ソフトウエアはPCと同じように頻繁にアップデートされており、機能の追加・変更だけではなく、GUIの変更もしばしば行われている。マニュアルも画面上で読むことができ、フル画面を使ったゲームや環境ビデオ的な映像も表示できるなどPC的な側面が強い新世代のHMIである。
図1. コックピットまわり全景(マークラインズ ベンチマークセンターにて撮影) ハードスイッチは最小限でインストゥルパネルは極めてシンプルでクリーンである。タッチパネルは乗員側にやや近づけた配置でハンドリーチを考慮している。 |
マークラインズは、デトロイトに本拠地を置く車両ベンチマークのエンジニアリング会社Munroと提携している。Munro社は各種車両の分解調査を行い、全ての部品について、重量・寸法など詳細スペック、コスト分析を実施、分析結果のレポートを提供している。詳しい情報をご希望の方は、下記へお問い合わせください。
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