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世界の二輪車生産と販売:インド、中国、ASEANの概況

排ガス規制強化とEV振興策への対応、コロナ禍の影響

2020/07/14

要約

  本レポートは世界の二輪車生産・販売台数の集計とともに、二輪車の主要生産国であるインド、中国、およびインドネシア・タイ・ベトナム等ASEANの概況を報告する。

  世界主要国の二輪車生産台数は合計5,700万台水準と見られる(各国統計より推計)。2019年の二輪車の世界需要は前年比7.0%減の5,339万台(ヤマハ資料)。アジアは8.8%減の4,268万台で、全需の80%以上を占める。

  インドの2019年度(2019年4月~2020年3月)の二輪車生産台数は前年比14.1%減の2,104万台、販売台数は17.8%減の1,742万台と大幅に減少した。景気減速に加えて、排ガス規制強化に対応する新装備導入などで車両価格が上昇し、消費動向が鈍化した。2020年3月以降はコロナウイルスの影響による操業停止もあり、当面は厳しい市況が続く見通し。

  中国では近年、四輪車の普及が進む一方で二輪車市場は縮小する傾向にあったが、2019年は生産・販売とも1,500万台超となり、前年より100万台以上増加した。電動二輪車の規格が明確になったことで、メーカー各社による電動バイクの投入が加速している。

  ASEAN各国における2019年の二輪車市場は堅調に推移。コロナウイルスの影響で先行き不透明な状況にはあるが、インドと同様にスクーターの販売は好調で、各社とも新型車を投入してラインアップを拡充している。

  電動車は未だ市場規模が小さいものの、政府主導による電動化政策が各国で展開されはじめ、大手メーカーのみならず、新興EVメーカーが台頭している。充電インフラやサービス網が未整備な状況の中で、EV機種の先行導入や配車サービスとの連携などにより、市場での優位性確保を急ぐ動きが見られる。


主要5カ国の二輪車生産台数 主要5カ国の二輪車販売台数
主要5カ国の二輪車生産台数 主要5カ国の二輪車販売台数

(出所:各国自動車工業会、二輪車協会などの統計データよりMarkLines作成)


二輪車の月次台数データは下記よりご参照ください。

インドの二輪車生産台数
タイの二輪車登録台数


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