蓄電池としてのEV活用、バッテリーシェアリングサービス

スマートエネルギーWeek 2020 日産とホンダのセミナーより

2020/03/25

要約

日産:蓄電池としてのEV活用

  第10回[国際]スマートグリッドEXPOの特別講演「EVが電力グリッドに引き起こすインパクト」では、日産自動車株式会社 グローバルEV本部 EVオペレーション部 主担 林 隆介氏による「蓄電池としてのEV活用」の講演があった。

  最近のEVはバッテリー容量が大きくなり、日産リーフでは40kWh、62kWhのバッテリーを搭載している。EVのバッテリーに蓄えられた電力を走行に使用するだけでなく、外部で活用しようとするのがV2Xであり、V2H (Vehicle to Home) や V2G (Vehicle to Grid) などがある。本講演では電力業界を含む参加者向けに、Grid(電力配電網)に対して大容量バッテリーを搭載しているEVがポジティブなインパクトを与え、インフラコストを低減する可能性があることを紹介していた。

  EVが増えた場合、充電のための電力増加が電力グリッドに対して与える影響を懸念する声もあるが、EVの充放電を適切に制御したり、中古電池を活用することでピーク電力を抑えることができる。さらに、再生可能エネルギーを利用した発電量を安定化させるといった電力グリッドに対するポジティブなインパクトも可能であり、新たなビジネスチャンスも生まれる。林氏は、再生可能エネルギーとEVの普及を進めることを呼びかけている。

 

ホンダ:バッテリーシェアリングサービス

  第11回[国際]二次電池展 専門技術セミナー「電池が拡げる、新モビリティの可能性」のうち、株式会社本田技術研究所 ライフクリエーションセンター エネルギープラットフォーム開発室 主任研究員 LPL 岩本 淳氏による「小型電動モビリティの普及と拡大」と題した講演の概要を報告する。

  CASEの進展や再生可能エネルギーの需給拡大、環境意識の高まりを背景に、今後もモビリティの電動化は世界中で進んでいく。電動モビリティを普及させるためには、「長い充電時間」「短い航続距離」「高い車両コスト」という電池技術に起因する3つの課題を解決する必要がある。バッテリーシェアリングサービスは現在の電池技術で電動モビリティを普及させるための1つのアプローチであるとし、交換式電池パック(Honda Mobile Power Pack)や電池パック交換機(Battery Exchanger)を紹介。これらの使用状況を分析してエネルギーとデータを上手に利用することにより、ガソリン車を超えるクリーンかつ高効率な移動が見えてくるという。

日産リーフによるV2Xデモンストレーション Honda Mobile Power Pack
日産リーフによるV2Hデモンストレーション ホンダのEVバイク「PCX-Electric」に交換式電池パックを搭載

 

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