世界の二輪車生産と販売:インド、中国、インドネシア・タイほかASEANの概況
アジア各国で二輪車の排ガス規制強化や電動車投入が進む
2019/07/26
- 要約
- 世界の二輪車需要と生産台数
- インド:2,000万台市場の電動化に着手、各種規制強化で生産調整も
- 中国:生産・販売台数とも1,400万台割れ
- インドネシア:官民で輸出拡大、バイクタクシーなどの課題に直面
- タイ:スクーターの販売が増加、環境対策強化で電動車を導入
- (参考) ベトナム・フィリピン・マレーシアの生産/販売台数
要約
本レポートは世界の二輪車生産・販売台数の集計とともに、二輪車の主要生産国であるインド、中国、およびインドネシア・タイ等ASEANの概況を報告する。
二輪車の世界最大市場であるインドでは、2018年度(2018年4月~2019年3月)の生産台数が前年比5.8%増の2,450万台、販売台数は4.9%増の2,118万台に達した。同国ではスクーターや高級車など新車投入が続くものの、政府による各種規制強化を背景に2019年の新車販売は失速している。
中国の二輪車市場は年々縮小し、2018年は生産・販売台数とも1,400万台を下回った。
インドネシアは2018年の二輪車販売台数が前年比8.4%増の638.3万台、輸出台数が44.3%増の62.7万台となり、生産規模は700万台超に回復。
タイの2018年生産台数は1.7%増の257.8万台、販売台数は1.2%減の178.8万台。AT車/スクーターの販売台数は伸びており、各社とも新型車を投入してラインアップを拡充している。
世界主要国の二輪車生産台数は合計5,800万台水準と見られる(各国統計より推計)。2018年の二輪車の世界需要は前年比6.2%増の5,737万台(ヤマハ資料)。アジアは5.7%増の4,678万台で、全需の80%以上を占める。
二輪車の市場規模が大きいアジア各国では、環境対策として二輪車への排ガス規制強化や課税見直しが行われている。また、二輪車を含めた電動化政策の導入が進められ、メーカー各社はEV・HVモデルの市場投入に着手している。
二輪車の月次台数データは下記よりご参照ください。
・インドの二輪車生産台数
・タイの二輪車登録台数
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主要5カ国の二輪車生産台数 | 主要5カ国の二輪車販売台数 |
(出所:各国自動車工業会、二輪車協会などの統計データよりMarkLines作成)
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