現代自動車:電動化戦略を推進、SUV KONAのEVなどを投入

SUV、高級車ブランド"Genesis"、高性能車"N"シリーズのラインアップ拡大

2018/12/13

要約

Kona Electric
サブコンパクトSUV KONAのEVモデル

  現代自動車グループの世界販売は、2017年に中韓の外交関係が悪化した影響で中国販売が低迷し、前年比8.1%減の724万台に落ち込んだ後、2018年1-9月は前年同期比0.6%減の526万台となった。販売は持ち直しているが、米中など主要市場の成長が鈍化し、両国の貿易摩擦の余波もあって、本格的な回復には至っていない。

  現代自の営業利益率は2013年の9.5%から徐々に低下して2018年1-9月には2.7%、起亜自の営業利益率も2013年の6.7%から2018年1-9月には1.9%に低下した。現代自グループは、直近の収益性低迷はリコール費用などの一時費用とウォン高が要因だと説明しているが、長引く不振の原因は、需要が高まるSUVのラインアップ不足や商品の競争力低下の影響が大きい。

  今後、現代自グループは、SUV、高級車ブランド"Genesis"、高性能車"N"シリーズのモデルラインアップを強化し、ブランド価値と商品力の向上を目指すとしている。また、CASE等次世代技術において、先進企業との提携戦略も推進する。既に自動運転技術では百度、Aurora、Metawaveと提携。モビリティサービスでは配車サービスのGrabとMigoに投資した。

  電動化計画では、電動車(HV、PHV、EV、FCV)を2018年の14車種から2020年には31車種、2025年には38車種に拡大する。EVとFCVでは性能面で他社をリードする地位を維持し、電動車の販売台数でトヨタに次ぐ世界第2位を目指す。

  米国市場では、ラインアップを乗用車中心からSUVへとシフトしてきた戦略の効果がようやく表れ、小型トラックの販売が拡大してきた。今後も引き続きSUVの品揃えを拡大するとともに、Genesisブランドの高級車や電動モデルを投入し、一層の販売増加を図る。

  中国市場はTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備による中韓外交への影響が終息し、2018年1-9月は現代自・起亜自とも販売が拡大したが、2016年のレベルにはまだ戻っていない。2018年には現代自の年産能力が15万台拡大したが、現代自グループの合計年産能力は出荷計画台数をはるかに上回っており、工場稼働率の低下が懸念される。

  インド市場でスズキに次ぐ第2位のシェアを有する現代自は、2019年にChennai工場の年産能力を5万台引き上げ、2020年までに電動車を含む9車種の新型車を投入する。起亜自は2019年にインド市場に参入する予定で、年産能力30万台の新工場を建設中。

 

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