欧州での2021/2030年のCO2規制、ディーゼル車への逆風と電動化

ドイツは電動化とディーゼル車の両面作戦

2018/04/20

要約

プラグインハイブリッド車
2018年にもDaimlerが投入するE-ClassとC-Classのディーゼル・プラグインハイブリッド車(2018年3月のジュネーブモーターショーで発表)
(資料:Daimler)

  本レポートは、欧州での2021/2030年のCO2規制、ディーゼルエンジンへの逆風およびEV・48Vハイブリッドなど電動化の進展について報告する。

  欧州では、VWの不正に端を発したディーゼルエンジンへの逆風が続いている。西欧での乗用車ディーゼルエンジン比率は、2016年の49.5%から2017年は44.4%に低下し、2018年に入りさらに低下する傾向にある。

  EUでは、2021年に乗用車のCO2排出量を95g/kmとする規制が実施される。欧州の自動車メーカーはCO2規制にディーゼル車で対応してきたが、ディーゼル車の減少とCO2を多く排出するSUVの増加により、2021年のCO2排出量規制をクリアできない自動車メーカーもあるとの調査結果が発表されている。

 欧州各社は、2018年から48Vマイルドハイブリッド車を急速に増強して規制強化に対応していく計画。

  EUでは、さらに2030年のCO2排出量を2021年比30%削減する(2025年に15%削減)計画が検討されている。またLZEV(Low- and zero-emission vehicle、CO2排出量が50g/km以下の車両)を、2025年に総販売台数の15%、2030年に30%に高める方針。CO2排出量目標もLZEV比率の上昇を前提としている。

  欧州自動車工業会(ACEA)は、2030年に実現可能なCO2排出量削減目標は20%減であると反論。また2030年規制目標の達成には、車両の電動化が必須であり、そのためにはEVの充電インフラや電動車購入のインセンティブが必要と主張。実現の鍵はEUよりむしろ各国の政策であり、2025年は中間チェックポイントとして、電動車の普及などを確認したうえで2030年の目標を最終決定すべきだとしている。

  欧州では、英国・フランス・ノルウェー・オランダなどで、内燃エンジン車の販売を禁止する方針が打ち出されている。ドイツでは、VWのディーゼル不正が発覚後も、政府や産業界はディーゼルエンジン、ひいては自動車産業の雇用を守ることを重視してきた。そのドイツにおいても、2017年の乗用車ディーゼル比率は38.7%に低下した。また2018年2月には連邦行政裁判所(Verwaltungsgericht)が、「大都市へのディーゼル乗用車乗り入れを禁止することは法的に有効」との判断を示した。

  ドイツ3社は、電動化を進めるとともに今後もディーゼルエンジンの開発を継続する方針。またドイツ政府は、環境性能を改善したディーゼルエンジンを投入することにより、ディーゼル乗用車の大都市乗り入れ禁止を避ける手立てを模索している。

 2021/2030年のCO2規制とディーゼル車の退潮は、上記のように欧州市場に大きな影響を及ぼしている。

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