メキシコ:2013年生産は300万台規模、販売は100万台へ

輸出はブラジル/アルゼンチンへの無関税輸出額の制限で減少

2013/07/31

要 約

メキシコの生産台数予測 (LMC Automotive) メキシコは、北米・南米共に輸出しやすいという地理的条件に加え、自由貿易協定を44カ国と締結しており、北米・南米および世界各国への輸出拠点としても存在感を増している。

 2012年の生産台数は過去最高の288万台、輸出台数も236万台で、過去最高を更新。2013年1-6月では、生産は前年同期比5.1%増の149万台となり、上半期で過去最高。各社の新工場建設があり、今後も生産は拡大していく見通し(右グラフ参照)。

 国内市場は、2012年は前年比9.0%増の98.7万台、2013年1-6月は前年同期比8.6%増の50.2万台を販売。LMC Automotiveは2013年の販売は前年比8.5%増の107万台、2016年には126万台まで拡大すると予測している(6月時点)。同社は「(この2013年の販売は)、2008年以来初めて100万台の大台を超えることになる。ただ、欧州の債務危機と、米国の「財政の崖」の影響に伴う新車販売低迷がリスク要因となる可能性がある。2014年には前年比6.6%増の113万台近くの販売となり、経済危機前の水準に回復が期待される」としている。

 また、自動車メーカーの新たな投資も続いている。日本メーカーでは日産、ホンダ、マツダが、それぞれ年産能力17.5万台、20万台、23万台の新工場を建設し2013-14年に稼動する。また、欧州メーカーではVW傘下のAudiが年産能力15万台の工場を2016年に稼動。

 2013年1-6月の輸出台数は前年同期比1.2%減少の116万台となった。それは、重要な輸出先であるブラジルとアルゼンチンとの間で、2012年初頭からメキシコとの自動車協定をめぐって摩擦が生じ、それぞれ2015年3月まで無関税輸出の制限が課せられることが一因。

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