米国の日系部品メーカー:日米自動車メーカーからの受注拡大に備え、生産能力を拡充

曙ブレーキ、小糸製作所、FCC、東プレ、豊田自動織機、帝人、タチエス、アルパインなどの動向

2012/07/19

要 約

 米国の2011年自動車販売(乗用車、小型トラック)は1277.6万台で前年比10.5%増。2012年も好調を維持し、上半期(1~6月)の累計販売台数は前年同期比14.8%増の727.2万台。2012年通年で1400万台をうかがう勢いにある。

 そ れに伴い、米国での生産も回復し2011年は前年比10.4%増の837.5万台、2012年1-5月は累計で前年同期比26.3%増の435.1万台。 日本メーカーの米国生産をみると、2011年は日本/タイでの災害の影響があり、前年比9.9%減の238.8万台。2012年1-5月はその反動増で前年同期 比53.3%増の147.0万台へ急回復した。

 中期的には、さらなる市場の拡大を見込み、日本メーカー各社は、北米での積極的な生産能 力 の増強を図っており、2012年1-5月の、現地生産比率(=米国生産/米国販売)は66.0%まで高まっている。また、日本メーカー各社は米国からの完 成車輸出の増加も計画している。

 こうした動きに対応して、日系部品メーカーは、既存工場の生産能力増強を進めている。顧客ニーズに対応して新たな品目を生産開始するのは、曙ブレーキ小糸製作所東プレユニプレスパイオラックスなど。

 また、ミツバ、丸順などは米国子会社の統合でホンダ向け事業の効率化・強化を図っている。古河電工、丸一鋼管は新事業・新顧客開拓に備え、現地子会社を改編し、社名も変更した。

 帝人、アルパインエフテック河西工業タチエスティラドは、米国での研究開発体制を強化している。ファルテックは米メーカーとの提携によるグローバルな供給体制づくりを、タカタは企業買収により新事業へ進出を目指している。

米国の年次生産台数(乗用車/小型トラック)
参考:米国のメーカー・ブランド別月次生産実績

トヨタ・日産・ホンダの北米での生産増強計画

トヨタ  2011年11月にミシシッピー新工場(生産能力15万台)が生産開始。2013年初頭にカナダのウッドストック工場、同年後半に米インディアナ工場の生産能力を各々約5万台引き上げ、米国からの輸出を計画。パワートレインの現地生産能力増強も計画している。
日産  テネシー州とミシシッピー州の工場で3シフト制を取り、生産能力を2013年までに合計で10万台増強する。EV Leafの生産は2012年から開始。このほか、メキシコに当初17.5万台の小型車を生産する新工場を2013年末までに稼働させる。
ホンダ  2012年に日本から輸出するCR-V生産の一部をカナダの工場に移管し、アラバマ/インディアナ工場でも生産能力増強。2014年前半から、メキシコ新工場稼働(年産能力20万台)を計画。

 以下は、米国(カナダを含む)における日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2012年7月上旬までの約1年間)。

 
関連レポート:日系部品メーカー動向レポート
ASEAN (インドネシア、ベトナム、マレーシア他) 編 (2012年6月)、
中国(華東地区)編
(2012年6月)、 (東北/華北地区)編 (2012年5月)、
インド編 (2011年12月)、 メキシコ/ブラジル編 (2011年12月)、欧州編 (2011年11月)

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