米新車販売、2016年通年は0.4%増の1,755万台で過去最高

・オートデータが4日に発表した12月の米国新車販売台数は、前年同月比3.1%増の169万429台となった。12月の季節調整済み年率換算(SAAR)は1,843万台/年だった。
・1-12月の米国市場の累計販売は1,755万351台で前年同期比0.4%増となり、これまで過去最高であった2015年の1,747万9,469台を上回り、記録を更新した。

12月の販売は営業日が1日少なかったが、週末が5回あったこともあって前年同月比で3.1%増となった。
・安定した労働市場、低金利、低いガソリン価格、高い消費者心理など販売を後押しする環境は続いており、需要は高水準を保っている。
・車型別の販売では、乗用車が前年同月比4.7%減だったが、ライトトラックは8.3%増と販売が増加、乗用車からピックアップとSUVへの需要シフトが継続している。

米国の新車販売台数(2016年12月)

 
2016年
12月
2015年
12月
増減率
2016年
1-12月
2015年
1-12月
増減率
乗用車
624,837
655,551
-4.7%
7,105,162
7,731,429
-8.1%
ライトトラック
1,065,592
984,135
8.3%
10,445,189
9,748,040
7.2%
合計
1,690,429
1,639,686
3.1%
17,550,351
17,479,469
0.4%

出所:Autodata, U.S. Market Light Vehicle Deliveries - December 2016 (January 4, 2017)より抜粋

米国メーカーの12月販売は、GMが前年同月比9.9%増、フォードは0.1%増だった。FCA US (クライスラー)は10.0%減。GMは12月の個人向け販売は3%増。個人向けの市場シェアは0.3%ポイント増の17.6%になったという。FCAは個人向け販売は2%減だったが、フリート販売が34%減となったことが12月の大幅な販売減少につながった。
・日本車は、トヨタが前年同月比2.0%増、ホンダは6.4%増、日産は9.7%増、スバルは12.3%増、マツダは1.8%減、三菱は6.4%減だった。
韓国車は、現代自動車が1.9%減、起亜は0.2%増となった。
・米国VWグループは17.1%増、ディーゼル車排気規制の不正スキャンダルを抱えるVWが20.3%増と2カ月連続でプラスになった。アウディは13.7%増で72カ月連続で前年同月比増を更新している。

・高級車では、レクサスが0.5%減の4万1,182台で首位、BMWブランドが5.2%減の3万2,835台で2位、メルセデス・ベンツが6.4%減の3万2,011台で3位だった。

・2016年通年のメーカー別販売では、GMが1.3%減、フォードが0.1%減、FCAが0.4%減、トヨタが2.0%減となった。一方で、ホンダは3.2%増、日産は5.4%増、現代は1.7%増、起亜は3.5%増、スバルは5.6%増となってシェアを拡大した。
・高級車では、メルセデス・ベンツが0.8%減の34万237台で首位、レクサスが3.9%減の33万1,228台で2位、BMWブランドは9.5%減の31万3,174台で3位だった。
・2016年通年のモデル別販売では、フォード「Fシリーズ」が前年比5.2%増の82万799台で35年連続で最量販モデルとなった。乗用車の最量販モデルは15年連続でトヨタ「カムリ」、9.5%減の38万8,618台だった。
・2017年の販売予測としては、2016年と同等か、やや減少するという見方が多い。需要の頭打ちに備えて、GMやフォードは生産調整を乗用車工場などで実施し始めている。