Ficosa International, S.A. 2014年12月期までの動向
近年の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 増減率 (%) | |
売上高 | 949 | 935 | 1.5 |
EBITDA | 79 | 62 | 27.4 |
-2014年、ADAS、通信機器関連、電動車両向け製品の売上高が前年比で倍増。
事業再編
パナソニックとの資本業務提携
-2014年9月、パナソニックと資本業務提携の出資契約を締結したと発表。パナソニックが同社の株式の49%を取得する。両社の技術を融合して電子ミラーを製品化するとともに、相手先の販路を活用して日系自動車メーカー向けの既存事業の拡販につなげる。同取引は2015年6月30日付けで完了。
ADASENS Automotive GmbH
-2013年末をめどに、子会社ADASENS Automotive GmbHの株式50%を、デンソーに売却すると発表。ADASENS Automotiveはドイツで画像認識技術の開発を手掛ける。
企業買収
-2011年、米国のリアビューミラーメーカーCamryn Industries LLCを買収すると発表。この買収により、同社のNAFTA (米国、メキシコ) における売上は20%増加する。また、NAFTAにおける同社リアビューミラーの市場シェアは28.7%となる。さらに、Ficosaの売上高のうちアジアメーカーが占める割合は、今回の買収で2%から25%に拡大する。同社は今後5年以内に、同割合を30%まで増加させる計画。(2011年3月3日付プレスリリースより)
受注
-2013年、バッテリーマネジメントシステムがVolkswagen 「e-up!」および「e-Golf」に搭載されたと発表。この2モデルは、2013年フランクフルトモーターショーに展示される予定。(2013年9月9日付プレスリリースより)
-2011年、Renault日産の次世代小型車セグメント向けに、オートマチックシフターシステムを供給すると発表。同社は、欧州・NAFTA・Mercosur (南米南部共同市場)・アジアの各市場向けに生産および販売を行う。なお、中国・日本市場に関しては、富士機工が生産を行う予定。今回の受注による売上額は、45百万ユーロの見込み。(2011年10月5日付プレスリリースより)
-2011年、同社は自動車用テレマティクスシステムを受注。これにより、年間では37.5-50百万ユーロ、今後4年間で150-200百万ユーロの売上増加が見込まれる。このシステムは、事故が起きると救急サービスを呼び、衝突時の速度や正確な事故現場を報告する機能を持つ。また、2G・3G通信、衛星通信 (GPS/GLONASS)、短距離通信 (WiFi) に対応。このテレマティクスシステムの開発は、スペインBarcelonaのViladecavalls研究開発本部で行われる予定。欧州・ブラジル・北米・日本・中国・韓国向けに販売される。2013年1月に生産を開始する計画。(2011年7月20日付プレスリリースより)
合弁事業
-2011年、同社とスペインのインフラ企業Comsa Emteは、折半出資によりスペインにIdneo Technologies S.L.を設立したと発表。新会社はターンキーソリューションの研究・開発を行う。新会社の年間売上は、2015年までに25百万ユーロを見込む。内訳は、アジア市場で2.5百万ユーロ、NAFTA市場で3百万ユーロ、欧州市場が残りを占める。新会社は、再生可能エネルギーおよび環境部門 (Renewable Energy and the Environment)、輸送製品部門 (Transportation Applications)、電気自動車部門 (Electric Vehicles) を含む6部門で構成。2012年に上海オフィス、2013年に米国オフィスを開設する予定。(2011年5月5日付プレスリリースより)
受賞
年 | 賞 | 会社 |
2011 | Johnson Controls Leadership Award in Continuous Improvement | Johnson Controls |
2015年12月期の業績見通し
-販売量の増加、事業効率の改善、新製品の上市により、2015年の売上高を1,000百万ユーロ超に引き上げる計画。
研究開発費
-毎年、売上高の4%を研究開発に充てており、2014年は44百万ユーロを投資。
研究開発拠点
-世界13カ所にテクニカルセンターを保有:
- ブラジル
- 中国
- フランス
- ドイツ
- インド
- イタリア
- 韓国
- メキシコ
- ポルトガル
- スペイン
- トルコ
- 米国
研究開発体制
-2015年6月現在、13カ所の研究開発拠点で600名が研究開発に従事。その内400名はスペインのバロセロナに位置するViladecavalls Technology Centreに在籍。
-2015年、Viladecavalls Technology Centreにおいて75名のエンジニアを増員する計画。
研究開発費
-2014年12月末現在、470件の特許を保有。
製品開発
ロシア市場向け車両緊急通報システム
-フランスのデジタルセキュリティシステムメーカーOberthur Technologiesと、スペインBarcelonaで開催される「Mobile World Congress 2014」において、ロシアの自動車市場で使用される車両緊急通報システム「ERA GLONASS」を実演する。これは、欧州におけるeCallシステムにあたるもの。車両に搭載されるこの緊急通報システムは、特殊なSIMカード「DIM ERA GLONASS」を内蔵したテレマティクスユニット (in Vehicle Telematic Unit:iVTU) と、ユーザーインタフェースモジュール (HMI) で構成されている。両社は、「DIM ERA GLONASS」を内蔵したHMI・テレマティクスシステム「CLARAプラットフォーム」を用いて実演を行う予定。(2014年2月25日付プレスリリースより)
4G通信対応アンテナ
-2013年、2Gから4G通信に対応したアンテナを開発。スペインで4G通信対応アンテナを生産するのは同社が初めてとなる。すでに複数の欧州および北米自動車メーカーが関心を寄せており、2014年中には受注を獲得したいとしている。(2013年6月19日付プレスリリースより)
車載テレマティクスユニット (iVTU)
-バルセロナで開催された「2013 Mobile World Congress」に衛星測位システム対応アンテナモジュールを統合したテレマティクスユニットを出展。マルチチャンネルレシーバーが統合されていることで、さまざまなタイプの衛星測位システムに対応できるとしている。このため、同製品を採用すれば自動車メーカーは市場ごとに複数のテレマティックスユニットを用意する必要がなくなる。さらに、小型ICおよび表面実装型デバイスを用いることで小型化・軽量化を実現。
技術提携
-2014年、携帯電話大手のNTTドコモとM2M事業で提携すると発表。日本を中心に自動車市場に4G LTEサービスを導入することを目指す。両社の提携は、車内での4G使用促進に向けた重要な一歩となるとみられる。(2014年5月13日付プレスリリースより)
国内投資
-2011年、同社のグループ資産の大半をスペインViladecavalls拠点に集中させる計画。現在はスペインのRubiおよびスペイン国外で行っている自動車関連事業を、今後2年間をかけて同拠点に統合していく考え。Viladecavalls拠点では、ソニーから委託されているTV生産を2012年まで継続する計画。それと同時に、自動車用システム・部品の生産を徐々に増やしていく予定。同社は4つ目となる中核研究拠点 (Centre of Excellence) をViladecavallsに新設する。また、ギアシフト、アクチュエーター、車両メカニズムのバイワイヤ技術に関する研究拠点は、スペインのRubiとMolletからViladecavallsに移転。一方、アウトサイドリアビューミラーの研究拠点はスペインのSoriaに留まるという。(2011年1月26日付プレスリリースより)