Bosch [Robert Bosch GmbH] 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 78,465 78,066 0.5 1)
EBIT 5,502 4,944 11.3 2)
モビリティー・ソリューションズ
売上高 47,567 47,384 0.4 3)
EBIT 3,531 3,346 5.5 4)

要因

1) 全社売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比0.5%増の78,465百万ユーロ。為替差損の影響を除くと3.2%増。為替の悪影響は2.1億ユーロ。米州と欧州の売上高は為替による悪影響にもかかわらず、それぞれ0.2%と1.5%増加した。一方、アジア太平洋地域は1.1%減となった。

2) EBIT
-2018年12月期のEBITは、前年比11.3%増の5,502百万ユーロ。年金制度の変更により、430百万ユーロの恩恵を受けた。自動車市場と中国の全般的な低迷により、予想よりも小幅な増益となり、原材料価格の上昇も影響を及ぼした。

3) モビリティ・ソリューションズ 売上高
-2018年12月期の同部門の売上高は、前年比0.4%増の47,567百万ユーロ。為替の影響ならびにスターターモーター&ジェネレーター事業の売却を除くと、売上高は5.8%増加した。商用車およびオフハイウェイ用パワートレイン、電動化、排ガス処理、排気センサー、トランスミッション関連事業はすべて増加したが、ディーゼル用パワートレインの需要減と中国市場の低迷により相殺された。また、運転支援システム、電動ステアリングシステム、サーマルシステム、ディスプレイシステム、 コントロールユニット、センサー、セキュリティ関連もプラス成長となった。

4) モビリティ・ソリューションズ EBIT
-同部門EBITは、5.5%%増の3,531百万ユーロ。自動車市場の低迷や将来のプロジェクトへの投資増にもかかわらず、同部門の収益は増加した。

 

買収

-2019年初め、EM-motiveを完全子会社化すると発表した。EM-motiveはBoschと Daimlerとの折半出資による 2011年設立の電気モーターメーカーで、これまで約45万基の電気モーターを製造している。

-米ミシガン州Detroitを拠点とするスタートアップSplitting Fares (SPLT)を買収し、ライドシェア事業に参入すると発表した。2015年設立されたSPLTは、企業や大学、地方自治体向けライドシェアサービスのプラットフォームを運営し、米国やメキシコ、ドイツに約14万人の利用者がいる。Boschのメキシコ従業員はこのサービスを既に利用しているが、今後は全社規模に利用を拡大する計画。SPLTは、Boschグループの完全子会社となるが、独立した事業体として事業を継続するという。(2018年2月21日付プレスリリースより)

 

再編

-同社とMahle Groupは、合弁会社Bosch Mahle Turbo SystemsFountainVest Partnersへの売却が完了したと発表した。Bosch Mahle Turbo Systems2008年設立、ドイツのStuttgartBlaichach、オーストリアSt. Michaelおよび中国上海に拠点を置く。従業員数は約1,300名で、乗用車、商用車、オフハイウェイ車両向けターボチャージャーを開発、製造する。売却に伴いBosch Mahle Turbo Systemsは社名をBMTS Technologyに変更する。新たな親会社となるFountainVest Partnersは、香港を本拠とするプライベート・エクイティ・ファンド。(2018312日付プレスリリースより)

-コネクテッドモビリティソリューション事業部門の設立を発表した。従業員数は600名超で、カーシェアリング、ライドシェアリング、コネクティビティサービスなどのモビリティサービスの開発・販売を行う。今後4年間で、モビリティサービスおよびデジタル関連サービス市場は1,400億ユーロ規模に成長するとしており、さらに新事業のサービス強化を目指すという。同社が最近買収したSplitting Fares(SPLT)は、企業、大学、地方自治体向けライドシェアサービスのプラットフォームを開発した。また子会社のCOUPは、2016年からドイツBerlinでeスクーターのレンタルサービスを展開している。(2018年2月21日付プレスリリースより)

-傘下のSEG Automotive Germany(旧:Robert Bosch Starter Motors Generators Holding)とそのすべての子会社を、中国鄭州の鄭州煤鉱機械集団(ZMJ)と香港の崇徳資本投資(CRCI)に売却する取引が完了したと発表した。ZMJは、自動車用スターター、ジェネレーター、その他エンジン部品のサプライヤー。投資会社のCRCIは、長年のビジネスパートナーとしてZMJをサポートする予定。(201812日付プレスリリースより)

 

事業提携

-ドイツのウェブサイトclever-tanken.de.との協業を発表した。clever-tanken.de.は、毎月2,000万回以上のアクセスを記録するドイツの燃料価格情報の主要サイトで、Boschは価格比較アプリ「Clever Laden」を共同開発する。このアプリは、ガソリン、ディーゼル、LPGの価格だけでなく、ドイツ全土の11,500カ所の充電スポットの場所も検索可能。また、充電スポットの利用可能状況、充電コネクターの種類、利用可能な充電容量や料金情報も入手できるという。(20181129日付プレスリリースより)

 

事業動向

-インド現地法人Bosch Indiaは、現在の市場状況と需要減を考慮して、2018年12月28日から29日の2日間 Bidadi工場の操業を停止すると発表した。同工場ではコモンレールポンプ、燃料噴射ポンプなどを製造している。(20181220日付プレスリリースより)

-同社のベンチャーキャピタルであるRobert Bosch Venture Capital (RBVC) は、ABAX Sensingへの追加投資が完了したと発表した。ABAXは、先進運転支援システムや自動運転などの自動車用を中心にフルソリッドステートチップLidarを開発。第1世代となるLidar製品の小規模な生産テストや顧客トライアルを実施している。ABAXのチップレベルで強化されたソリューションは、必要な機能と安全性を組み合わせることで、低コストでと小型設計を実現。その干渉防止技術特性は、個々のLidarデバイス間の相互干渉性をなくし、周囲光によっておこる障害を非常に効率よく解消するという。(2018918日付プレスリリースより)

-Bosch Mexicoは、非連結子会社の売上と関連会社への売上を含んだ2017年の売上が、前年比10%増の32億ドルに達したと発表した。メキシコ市場での売上は、4.5%増の13億ドルだった。同社、メキシコでのプレゼンス拡大に向け、120百万ドルを投じてメキシコCelayaに電子部品生産工場を開設する計画。同社は2017年、80百万ドルを投資し、メキシコQueretaroに初の自動車用ステアリングパーツ工場を開設した。(2018829日付プレスリリースより)

-燃料電池開発企業のCeres Powerの株式4%を取得する計画を発表した。2018820日、両社は燃料電池技術のさらなる開発とBoschの小規模生産事業の設立ならびに株式購入契約のための共同ライセンス契約を締結した。固体酸化物形燃料電池(SOFC) 技術は、燃料電池スタック内の電気化学反応を利用して、天然ガスまたは水素などの燃料を電気に変換する。BoschCeres Powerと協力して、SOFC技術をさまざまなアプリケーションに利用できるようにするために取り組む予定。SOFCシステムは、都市、工場、およびデータセンターで使用されるほか、電気自動車(EV)の充電ポイント用の電源としても使用される。(2018821日付プレスリリースより)

-グループ傘下のベンチャーキャピタルRobert Bosch Venture Capital GmbH (RBVC)が、米カリフォルニア州Palo Altoに拠点を置くスタートアップのDeepMapへの出資を完了したと発表した。DeepMapは、自動運転車向けマッピングサービスを展開するソフトウェア企業で、斬新なアプローチの採用により異なる会社の異なる特性やデータ構造で構成されるカスタム高精度(HD)マップを作製している。このHDマップは実際の3D環境を完全かつ精密に再現し、自動運転車に重要な事前情報を提供するという。DeepMapは大規模なスケールでマップを起動する豊富な経験を有する75人のチームの組織。経営陣の一部はDeepMapの設立に先立ちApple Mapsを共同で設立している。RBVCは、Andreessen HorowitzAccel PartnersGSR Venturesなどの投資会社とともにDeepMapをバックアップする。(201889日付プレスリリースより)

-日本法人ボッシュ (東京都渋谷区) のクラウス・メーダー社長は6日、東京・渋谷区の本社で開いた年次記者会見で、自動運転などの最新の先進技術を日本市場で本格展開する方針を明らかにした。車両が所定の駐車スペースに自動駐車するシステム「自動バレーパーキング」の国内市場での実用化に向けて準備しており、パートナー企業との共同開発も進める。ライドシェアなどのモビリティーサービス事業の展開も視野に入れる。(2018年6月7日付日刊自動車新聞より)

-ドイツのラジオ局Antenne Bayernと提携し、逆走車による交通事故死亡者ゼロを目指すと発表した。Boschのクラウドベースの逆走車警告システムをAntenne Bayernのリスナー向けアプリに統合し、逆走ドライバーだけでなく、近くを走るすべての道路利用者に即座に警告する。Antenne Bayernは、約25万人の同局のアプリ利用者により、全国規模で即座に逆走車警告が出せるようになるという。ドイツでは、毎年約2,000台の逆走車情報がラジオで流れ、逆走による交通事故で1年に平均約20人が死亡している。 (2018316日付プレスリリースより)

-欧州委員会は、2000年から11年までの間、自動車用スパークプラグの取引でデンソー日本特殊陶業、同社の3社が価格カルテルを結んでいたことを認定したと発表した。このうち、デンソーは同委員会に最初にカルテルの事実を通報したことから制裁金を全額免除された。日本特殊陶業は約3千万ユーロ (約40億円) 、ボッシュが4600万ユーロ (約61億円) の制裁金をそれぞれ科された。3社がスパークプラグの価格を事前に申し合わせるなどして価格カルテルを結んでいた欧州競争法違反の疑いで同委員会が11年7月から調査していた。デンソーは同委員会の調査開始前に違反行為を取り止め、同委員会に減免申請していた。デンソーでは10年2月の米国司法省による子会社への立ち入り調査を受けて以来、独占禁止法順守の徹底を図ってきたとしており、現在は完全な順法状態にあるとしている。また、日本特殊陶業は、同委員会と和解に向けた協議を継続していたが、今回の決定は和解手続を経て決まったものとしている。同社では「コンプライアンス教育の徹底を継続し、再発防止、信頼回復に努める」としている。(2018年2月23日付日刊自動車新聞より)

-HERE Technologiesは、HEREの株式をBMW GroupAudiDaimlerから、同社とContinentalがそれぞれ5%取得することに最終合意したと発表した。今回の株式取得により、同社はサービス事業を拡大し、HEREは位置情報サービスのグローバルサプライヤーになるという目標にさらに近づくことになるという。一方、Continentalは、HEREとの提携にも署名する見通し。提携は、互いの技術を補完するもので、ContinentalITS事業部のモビリティサービスやサイバーセキュリティ、埋め込みシステムなどの技術や、HEREの高精度デジタルマッピング、ソフトウェアやクラウドサービスにおける技術などが含まれるという。(201814日付プレスリリースより) 
 

受注

-世界初のカーブを描いたインストルメントクラスターを発表した。このカーブ・インストルメントクラスターは、VWTouareg」に初採用される。薄い液体を使用してディスプレイとガラスを互いに直接接着する光学的接合という特別なプロセスで製造されるこのインストルメントクラスターは、反射光を4倍以上減少させることにより、ディスプレイが鮮明に表示されるという。また人間の目の湾曲を模倣した曲率により、ドライバーは通常見づらい画面の端のインジケーターライトや警告信号などもよりよく視認することができるとしている。(20181114日付プレスリリースより)

-同社の開発した電子ミラーが、2019年に独ダイムラーが量産する大型トラックで採用されることが決まった。ボッシュの電子ミラーが採用されるのは初めて。ダイムラーが欧州市場で受注を開始し、19年に量産を始める大型トラック「アクトロス」で電子ミラーが採用される。アクトロスはトラックで電子ミラーを採用した世界初のモデルとなる。ボッシュが開発した電子ミラー「デジタルサイドミラー」は、カメラとディスプレーで構成。カメラで左右後方を撮影し、車内のディスプレーに映像を表示する。ミラーが車内にあるため、雨などの天候に左右されず、視認性が高いのが特徴。ボッシュは今回の採用実績をもとに他車種への展開を狙うほか、電子ミラーの機能もさらに高めていく。(2018年10月1日付日刊自動車新聞より)
 

受賞

-浙江亜太機電股份有限公司[Zhejiang Asia-Pacific Mechanical & Electronic Co., Ltd.]は2018年3月23日、上汽大通の第8回サプライヤー大会においてエクセレントサプライヤー賞を受賞したと発表した。同社は2010年に上汽大通と戦略パートナーシップを結び、安定的な供給を維持している。なお、この賞は華域三電汽車空調有限公司[Huayu Sanden Automotive Air Conditioning Co., Ltd.]、聯合汽車電子有限公司[United Automotive Electronic Systems Co., Ltd.]、博世汽車柴油系統有限公司[Bosch Automotive Diesel Systems Co., Ltd.]にも授与された。(2018年3月26日付けプレスリリースより)

 

2019年12月期の見通し

-2019年12月期の売上高は為替レートの影響を除いて前年度と同水準と予測。最善のシナリオでは、売上高はわずかに増加する見込み。モビリティー・ソリューションズ事業部門のEBITは、自動車生産台数の減少と将来のプロジェクトへの投資増により減少すると予想される。

-長期的には年率平均8%の成長率を目指す。買収に伴う増加分は最大3%増。EBITマージンは売上高の約7%を目指す。



事業戦略

地域別計画

-2018年12月期の同社の設備投資は以下の地域の事業に投じられた:

  • 欧州: 30億ユーロ
  • アジア・太平洋地域: 14億ユーロ
  • 米州: 4億7,000万ユーロ

<欧州>
-2018年12月期のドイツへの設備投資は15億ユーロから18億ユーロに増加した。主な投資先は、Dresdenの半導体ウェハー工場の建設、Reutlingen工場の自動車用エレクトロニクス製品の生産能力拡大など。また、カメラシステム、ブレーキシステムおよび国内拠点の一般的拡張および近代化にも投資が行われた。

-ドイツ以外では、パワーエレクトロニクスを生産しているハンガリー Hatvanにある工場拡張やBudapestのエンジニアリングセンターの規模拡大に投資。またチェコ共和国 Ceske Budejviceの排気処理システムやルーマニア Clujのエレクトロニクスシステムの能力も拡張。他にもヘッドユニットやディスプレイを生産しているポルトガル Bragaの工場にも投資が行われた。

<アジア太平洋>
-アジア太平洋地域への設備投資は主に中国の生産能力拡大に注力。また蘇州と南京の新エンジニアリングセンターにも投資。他にインド BidadiとNaganathapuraの生産施設およびAdugodiのエンジニアリングセンターを拡張。そのほか、CVT用プッシュベルトを製造するベトナムLong Thanh向上にも投資を行った。

<米州>
-米州では、米国サウスカロライナ州 Charleston、Anderson、Florenceの各拠点に設備投資を行ったほか、ブラジルCampinas工場にも投資した。

自動車市場向けの開発方針
-モビリティ・ソリューションズ事業部門は、電動化、自動化、コネクテッド化分野で世界の大手サプライヤーの一社になるとの目標を掲げている。同社はまたIoTにおける世界の有力企業の一社になることも目的。

-自動運転分野では、2件の開発に焦点を当てる。1件目は現在利用できる運転支援システムから、レベル2およびレベル3の自動運転技術への開発の発展で、通勤者のストレスを軽減するために自家用車に実装する計画。2件目は、密集した都市部でのロボットによる無人運転車両の導入で、大都市での渋滞問題緩和への貢献を目指す。

-パワートレインに関しては、長期目標として二酸化炭素およびその他排出物を可能な限り削減することを目標とし、パワートレインソリューション部門では、ディーゼル、ガソリン、ハイブリッド、完全電動パワートレインなど、様々なパワートレインでの技術開発に取り組む。

-電動モビリティ市場をリードすることを目的とし、2018年は数十億ユーロに相当する30件のモビリティプロジェクト買収を行った。同部門の売上高を、2025年までに年間50億ユーロに拡大することを目指す。

-また、AIの産業および消費者用アプリケーションにも注力。2017年に人工知能センターの拡張に5年間で300百万ユーロを投資すると発表。2018年には、2021年までにAIの専門家を1,000人から4,000に4倍にする計画も発表した。

-2018年に下記売却を実行した。

  • スターターモーターおよびジェネレーター部門
  • Mahleグループとの合弁のBosch Mahle Turbo Systems
  • 修理工場機器サプライヤーBeissbarthおよびSicam

-電動ステアリングシステムへの注力を従来のステアリングシステムよりも高めるために、ステアリングコラム事業を再編している。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
グループ全体 5,963 7,045 6,911
-モビリティ・ソリューションズ 5,284 5,739 5,285

-2018年12月期の研究開発費の減少は、IFRS第15号基準の初適用によるもの。IFRS第15号の影響を除くと、研究開発費は前年度比で増加した。

-2018年12月期の研究開発費のモビリティ・ソリューション事業への投資は主に電動化、運転支援システム、自動運転技術、ディスプレイおよびインフォテインメントシステム、センサーに充てられた。

 

研究開発体制

-2018年12月末時点の研究開発要員は前年比約5,700名増の約68,700名。従業員の増加は、アジア太平洋地域における研究開発施設の拡大によるもの。研究開発要員の56%はドイツ国外の従業員で、37%がアジア太平洋地域に勤務している。

研究開発拠点

-Mexico-Nowは、同社が10百万ドルを投じてメキシコGuadalajaraに新オフィスと技術革新ハブを開設したと報じた。新オフィスはソフトウェア開発、人工知能(AI)、拡張現実、モビリティ、コネクティビティ、エンジニアリングソリューションに注力する。また10階建てのビルの1階には専門家、起業家、クリエイターの間でアイデアの交換を促進することを目的とした共同作業スペース「Connectory」を設けている。同社は過去8年間、メキシコで毎年最大120百万ドルの投資を行っている。(2018125日付 Mexico-Nowより)

-博世汽車部件 (蘇州) 有限公司[Bosch Automotive Products (Suzhou) Co., Ltd.]は新しい研究開発センターの運営を開始した。この研究開発センターの総投資額は3.3億元、建築面積は34,000平方メートル。同社の世界最大の研究開発拠点の一つとなる。2018年末までに約1,500名の人員がスマート交通とコネクテッドインダストリーズの研究開発に取り組むことになる。(2018年9月7日付けリリースより)

-インド現地法人Bosch Indiaは、モビリティソリューションに関するアジャイル・プロジェクトハウスを設立したと発表した。このプロジェクトハウスは、Bosch Indiaのソフトウェア部門とエンジニアリングサービス部門がグローバルソリューションを活用しながら、地域のニーズに対応するという。(2018810日付 Bosch Limited conference callより)

-ハンガリー投資促進公社(HIPA)は、同社が120百万ユーロを投じてハンガリーBudapestのエンジニアリングセンターを拡張すると発表した。同センターでは自動運転システムを開発し、エレクトロモビリティ関連の研究開発活動に大きな役割を果たす。第1段階の投資は2021年に完了する予定。のハンガリー拠点には現在14,000同社名以上の従業員が従事しており、様々な製造、商業、開発部門のサービスネットワークが全国をカバーしている。また、同社の欧州物流センターもハンガリーに拠点を構えている。(2018710日付HIPAのプレスリリースより)

-ポルトガルBragaに技術センターを開設したと発表した。新センターは広さ4,500平方メートルで、200名の従業員が自動運転用センサーおよびソフトウェアの開発を2018年末までに開始するという。従業員のうち100名は新センターから約4kmの距離にある本社から移転し、残りの100名は新規雇用となる。また、地元のMinho大学と長期的な研究協力体制をとり、自動運転用センサーを調査する3年間の共同プロジェクトにも取り組む予定。(2018530日付プレスリリースより)

-12百万ドルを投じてメキシコGuadalajara市に広さ10,000平方メートルで10階建てのソフトウェア開発センターを新設すると地元メディアが報じた。現在同じGuadalajara市のCiudad Creativa Digitalのオペレーションセンターに勤務する400名の従業員が移転する。Bosch2014年からGuadalajaraで操業しており、当時14社だった協力パートナーが2017年末に400社に増え、予想以上の成長を遂げたことが移転の理由だとしている。今後は2020年までに従業員数を1,000名に増員する見込み。新センターには、Boschが最近買収したSPLTなど他社とのコワーキングスペースなども備える。また、Mexico Cityで同様の共同作業スペースを運営するCentraalも新センターを使用するという。(201846日付 Mexico-Nowより)

-米シリコンバレーの研究・技術センター (RTC) Palo AltoからSunnyvaleに拡張移転したと発表した。新施設の総工費は約36百万ユーロで、広さは40%増の約1万平方メートル。現在は200人が勤務するが、最大で300人増員する余地があるという。センターでは、人工知能(AI) やセンサー、自動運転などについての研究を進める。(201845日付プレスリリースより)

-自動車の電動化製品のインド現地化を大幅に拡張する計画を発表した。ドライブコンポーネントや充電インフラを含めたトータルソリューションをまもなく提供する予定だという。同社は、インドの道路事情に適した電気自動車(EV) や電動化ソリューションの提供に向け、システムの統合やプロトタイプの開発などを行う「Agile Project House」をインドに設立。インドNew Delhiの「Auto Expo 2018」では、現地で開発された高電圧の電動パワートレインを出展している。 (201826日付プレスリリースより)



研究開発活動

-ガソリンエンジンの排ガス量削減の研究開発を継続。これには、さまざまな噴射圧力を利用するシステムの開発、複数の噴射を利用するシステムの開発、および追加の排気処理システムなどが含まれる。

-2018年初め、同社は現在および将来のバッテリーセル技術の研究の中止を決定した。次世代のリチウムイオンバッテリ技術の開発に焦点を当てたGSユアサ・三菱商事との合弁Lithium Energy and Power GmbH & Co.KGを解散。2019年には固体電池技術を研究するSeeoの事業も終了する予定。

-Daimlerは、2019年後半から同社と共同で開始する予定の自動運転配車サービスのテストを米国カリフォルニア州San Joseで行うと発表した。両社は自動運転レベル4-5対応の配車サービスを、Daimler Mobility Servicesのアプリを通じて導入する計画。Mercedes-BenzS-Class」を使用してSan Joseの中心部と西部間でサービスを展開するという。これまで両社は、Silicon Valleyで自動運転パイロットプログラムを行う計画を発表していたが、場所の詳細については発表していなかった。自動運転パイロットプログラムはGoogle傘下のWaymoが間もなく開始予定。また、GM2019後半の導入を予定している。Daimlerと同社は、ドイツとSilicon Valleyで自動運転技術を共同開発し、2021年までに自動運転車両を市場投入する目標を掲げている。(Daimler press release on November 8, 2018) (Detroit Free Press article on November 8, 2018)


-同社とVodafone、華為技術 (Huawei) が、第5世代通信方式(5G)を用いたセルラーV2X (車車間・路車間通信)技術の実証実験を欧州で初めて実施したと発表した。ドイツ・バイエルン州のA9高速道路で行われた実験では、車車間の直接・瞬時のデータ通信が、アダプティブ・クルーズ・コントロール (ACC)などのドライバー支援システムの向上に役立つと実証。セルラーV2Xはこれまで、高速道路上での車線変更や前を走る車が急ブレーキをかけた時のリアルタイム警告システムとして用いられてきたが、車車間の直接・瞬時のデータ通信により、ACCは自動的に加速したりブレーキをかけたりすることができるようになるという。(2018124日付プレスリリースより)



技術提携

-商用車の燃料電池技術に関して、複数の協業を行っている。Weichaiと共同で商用車用の燃料電池パワートレインを開発。また、Nikolaとは燃料電池パワートレインを搭載した大型トラック用の電動アクスルおよびパワージェネレーターと蓄電媒体の両方として機能する燃料電池を備えた効率的な電動パワートレインの共同開発を行っている。

-PowerCell Swedenは、同社との間でPowerCellの自動車用燃料電池スタック「PowerCell S3」および燃料電池システムに関する共同開発契約に合意したと発表した。また、同社燃料電池システムの試作品向けにPowerCellが燃料電池スタックを供給することも併せて発表した。今回の取引は2019年上半期に完了する見込み。(20181218日付プレスリリースより)

 
-Cinemoは、Robert Bosch Car Multimediaと共同で、CES 2019において最新のインフォテインメントソリューションを出展すると発表した。Bosch Car Multimediaは2年連続でCinemoマルチメディアと接続フレームワークを活用して、Android Automotiveベースのインフォテインメントおよびテレマティクスハードウェアのデモを行う予定。両社はさらに、車内コックピット用の商用プロジェクトでも協業する計画。(20181213日付プレスリリースより)


-中国のIoT開発を促進するため華為 (Huawei)と提携したと発表した。華為は、Bosch IoT Gatewayソフトウェアで事前設定され、Bosch IoT Remote Managerを通じて管理され、華為のクラウド上で動作するIoTハードウェアゲートウェイを開発する。Boschのソフトウェアプラットフォームは、Web対応のオブジェクトを接続して、多くののデジタルサービスやビジネスモデルのデータ共有を容易にするという。中国の大手自動車メーカーは、FOTA (firmware over the air)更新用にBosch IoT Suiteを導入することを決定した。このソリューションは、今後数年間にわたって展開される予定。Bosch IoT Suiteは、華為のクラウドで入手可能な車両管理ソリューションで、予測診断や無線ソフトウェア更新などのクラウドベースのサービスのための技術基盤を提供する。(20181010日付プレスリリースより)

-SiTimeとの間でマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に注力した戦略的提携を締結したと発表した。SiTimeは、米カリフォルニア州Santa Claraに本拠を置き、タイミングデバイスの開発、販売を行う企業。両社は5GIoTおよび自動車エレクトロニクス向けアプリケーションに使用される次世代MEMS発振器のプロセスを開発する。このMEMS発振器はアプリケーションの心臓部で、5Gの高速化、IoTデバイスのバッテリーの長寿命化、運転支援システムの信頼性向上につながるという。SiTimeはエレクトロニクス業界の多分野にわたってこれまで10億個を超えるMEMSタイミングアプリケーションを製造しており、Intelとともに5Gアプリケーションのタイミング革新を推進している。(201894日付プレスリリースより)

-フィンランドのForecaと提携し、自動運転車に路面状況予測サービスを提供すると発表した。自動運転機能の安全性と利用可能性を向上させるサービスという。気象データをベースとしたサービスの運用を2020年に全世界で開始し、コネクテッドカーの数が増えるに従って、サービスは車両データによって補完されていく。Forecaは、全世界の、常時更新される道路状況データを同社に提供する。Forecaは、最も正確な路面状況データを全世界に配信する企業としてパートナーに選ばれたという。(2018725日付プレスリリースより)

-中国の新興電気自動車 (EV) メーカー蔚来汽車 (NIO) と、センサー技術や自動運転、モーターコントロール、ITS(高度道路交通システム)分野で戦略的提携を締結したと発表した。NIOは、20186月に7人乗り電気自動車SUVES8」を中国市場に投入。同社は「ES8」にドライバーアシスタンスシステム、コントロールユニット、センサー、電動ブレーキブースター「iBooster」を提供しているが、NIOの今後のモデル向けにも部品を開発するという。(201879日付プレスリリースより)

-カナダのスタートアップMojioとコネクテッドカー技術で提携すると発表した。車両通信、車両診断、衝突検出・通知などのコネクテッドカーサービスを共同開発する。同社は、2018年初めのコネクテッドモビリティソリューション事業部設立以降、モビリティサービス分野の構築に取り組んでいる。Mojio2012年設立、カナダVancouver、米カリフォルニア州Palo Alto、ブルガリアSofiaに拠点を置く。北米および欧州のDeutsche TelekomT-Mobile USTELUSなどのネットワークオペレーターの加入者に提供するプラットフォームサービスの一環として、70億マイルを超える走行データを収集しているという。(2018627日付プレスリリースより)

-Bosch中国と長江汽車(Changjiang Automobile)は2018年4月、貴陽市で戦略提携契約の調印式を行った。両社はインテリジェントドライブ、IoV、智能交通、EV部品の分野で全面的に提携し、自動車の電動化、インテリジェント化、コネクテッド化および未来のインテリジェントドライブの普及を推進するとしている。(2018年4月13日付け各種リリースより)

-ドイツAachenを拠点とする自動車メーカーe.GOと提携し、自動バレーパーキングの協働プロジェクトを進めると発表した。駐車場のインフラに関する技術面をBoschが受け持ち、自動駐車サービスで使用される車両はe.GOが受け持つ。プロジェクトの第1段階では、自動バレーパーキングにe.GO Lifeの電気自動車(EV) を最大12台導入して同サービスの周知を図り、第2段階では、自動バレーパーキングを活用した駐車スペースの稼動率向上を目指す。Boschの自動バレーパーキングは、2018年に建設されるアーヘン工科大学の製造関係工学部向けキャンパス内の駐車場に導入されることが決定している。(2018411日付プレスリリースより)



製品開発

中国市場向け電動化製品
-2018年末、中国でエントリーレベルのハイブリッド車用の新型48Vバッテリーの生産を開始した。また、モーター、コントロールユニット、充電器、ディスプレイ、スマートフォンアプリの接続機能を備えた二輪車および小型四輪車用の標準型48Vシステムも提供。2019年には中国でモーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションを1つのモジュールに統合したeアクスルの生産も開始予定。

ハイウェイアシストシステム
-2018年、アダプティブクルーズコントロール、ストップアンドゴー・トラフィックハンドリング、車線維持サポート機能を組み合わせたハイウェイアシストシステムを投入した。このシステムは車線内走行中の縦方向および横方向のアシストを最適化することで、自動運転レベル2に対応している。

車両デジタルキーシステム「Perfectly Keyless」
-スマートフォンで操作するキーレスエントリーシステム「Perfectly Keyless」を発表した。「Perfectly Keyless」はクラウド経由で車両とスマートフォンアプリを接続し、指紋認証と同レベルの安全性を誇るデジタルキーシステム。乗用車のみでなく、カーシェアリングやフリート車両などの商用車でも使用でき、ドライバーが交替する場合でも物理的なカギの引き渡しの必要がないなど利便性が高まるとしている。また、スマートフォンを紛失した場合でもオンラインでデジタルキーをロックし、車両へのアクセスを防ぐこともできるという。(20181219日付プレスリリースより)

CES 2019に出展のモビリティソリューション
-AudiA3 e-tron」をベースとした車両に搭載した最新のモビリティソリューションをCES 2019に出展すると発表した。同社は充電とナビゲーションを統合したソリューションを発表。このソリューションは電気自動車(EV)の充電が切れる時間を正確に知るとともに、充電ステーションの情報も入手できるため、日常生活に利点をもたらすという。またドライバーが運転中にスマートフォンアプリを安全に使用できる、MirrorLink対応のスマートフォンソリューション「mySPIN」や、ドライバーが道を間違った時に10秒以内に警告するクラウドソリューション、道路の傾斜やカーブ径に関するデータをナビゲーションに提供するエレクトロニック・ホライズン、自動運転車が道路状況を判断する予測サービスなども公開する。(20181213日付プレスリリースより)

CES 2019に出展のコンセプトシャトル
-CES 2019でコンセプトシャトルを出展すると発表した。このシャトルバスには、電動パワートレイン、360度サラウンドセンサー、コネクティビティ管理、車両コンピューターなどモビリティサービスに必要な技術が搭載されている。同社は現在、自動運転コネクテッド電動シャトルバス用のシステムおよび部品を開発しており、将来的には予約、シェアリング、ネットワーキングのプラットフォーム、駐車および充電サービス、車両管理と保守のためのソフトウェアソリューションなどをひとまとめにしたモビリティサービスを提供するとしている。(20181212日付プレスリリースより)

V2X通信用中央制御ユニット
-V2X技術で米国のスタートアップVeniamとの提携を発表した。Boschはコネクテッド自動運転の実現において周囲との容易な通信が不可欠だとしており、コネクティビティユニットとテレマティクスユニットを個別に組み合わせたV2Xデータ通信用のオールインワン中央制御ユニットを製造している。都市部ではWi-Fiネットワークを使用し、その他の地区では携帯電話などによるネットワーク通信を行うソリューションに、BoschVeniamのソフトウェアを活用している。Veniamはシリコンバレーに本拠を置き、コネクテッドカーや自動運転の車両ネットワーク用ソフトウェアを開発する新興企業。(2018125日付プレスリリースより)

自動運転用モーション/位置センサー
-自動運転車の位置を正確に測定する新型のモーション/位置センサーを開発したと発表した。このセンサーには自動運転車の絶対位置を測定するのに必要なグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号用の高性能受信ユニットが組み込まれており、GNSS位置信号、補正データ、慣性センサー、車輪速度センサー、舵角センサーからの情報を受信するという。同社はまた、車両サラウンドセンサーに基づく地図ベースの自車位置推定サービス「Bosch road signature」も発表。衛星とモーション/位置センサーベースのアプローチに、「Bosch road signature」を組み合わせることにより、高い安全性要件を満たすとしている。(20181127日付プレスリリースより)

曲面インストルメントクラスター
-世界初のカーブを描いたインストルメントクラスターを発表した。このカーブ・インストルメントクラスターは、VWTouareg」に初採用される。薄い液体を使用してディスプレイとガラスを互いに直接接着する光学的接合という特別なプロセスで製造されるこのインストルメントクラスターは、反射光を4倍以上減少させることにより、ディスプレイが鮮明に表示されるという。また人間の目の湾曲を模倣した曲率により、ドライバーは通常見づらい画面の端のインジケーターライトや警告信号などもよりよく視認することができるとしている。(20181114日付プレスリリースより)

電動バンによるカーシェアリングサービス
-電動バンによるカーシェアリングサービスを開始すると発表した。ドイツの小売グループReweの子会社toomと共同で、ホームセンターでテストを行う。当初はBerlinFrankfurtLeipzigTroisdorfFreiburgでサービスを展開する予定。これらの店舗では、StreetScooterが提供する小型電動バンの充電スポットがすでに設置されており、Boschはこの車両のパワートレイン部品を供給している。シェアリングサービスが普及すれば、Boschはその他のtoomの店舗、家具店、スーパーマーケットや電気店などでもサービス展開を計画する。(2018109日付プレスリリースより)

セミトレーラーに統合可能なeアクスル
-独Hannoverで開催されるIAA国際商用車ショーにおいてセミトレーラーに統合可能なeアクスルを出展すると発表した。同社はインバーターと関連する車両制御ユニット(VCU)も供給。セパレーターモータージェネレーターは電気モーターとして設置することができ、ローター、ステーター、レゾルバなどのアクティブコンポーネントをアクスルに組み込むことができる。また、エネルギーを貯蔵するバッテリーシステムも必要とする。同社は年間最大9,000リットルのディーゼル燃料を節約できると試算しており、電動スタートおよび加速機能が追加燃料を削減するのに役立ち、CO2排出量の低減につながるとしており、この技術をトレーラー用製品や新ソリューションに活用している。(2018828日付プレスリリースより)

商用車向けデジタル車両キーシステム
-従来のアナログ車両キーに代わってスマートフォンを使用したデジタル車両キーシステムをIAA国際商用車ショーで初公開すると発表した。新システムは、トラックの発車係とドライバーの両方がスマートフォンに持つアプリで、数回のクリックで車両へのアクセス権限が割り当てられる。同社のソリューションでは将来、デジタルキー管理も運送業者の派遣・計画システムに完全に統合する予定。Boschのデジタルキー管理では、クラウドを介してスマートフォンアプリとトラックを結合し、ドライバーが自分のトラックに到着するとトラックに組み込まれたセンサーが無線リンク経由で検出する。センサーはドライバーが車内にいることも検知し、スタート・ストップボタンを押すことによりエンジンが始動する。(2018823日付プレスリリースより)

商用車向け自動運転化・コネクテッド化・電動化技術
-独Hannoverで開催されるIAA国際商用車ショー2018で、未来の貨物輸送向けの最新技術を披露すると発表した。商用車の自動運転化・コネクテッド化・電動化を通じて、物流コストの削減や物流チェーンの改善、運転手の負担軽減を実現し、物流の効率・安全性の向上を目指すとしている。IAAでは、コネクテッドサービス向けクラウドベースのコネクティビティ・プラットフォームや予測診断などに加え、左折・右折時の警告システムや死角認識、予測緊急ブレーキ、レーンアシスタントなどで構成される商用車向け運転支援システムも披露される予定。(201882日付プレスリリースより)

電子制御式ワイパー
-2018年末をめどに新構造を採用した電子制御式ワイパーの量産を開始する。払しょく能力や静粛性、格納性といった電子制御式のメリットを生かしたまま、構造を簡素化して課題だったコストパフォーマンスを高める。リンクアームを使用する従来の機械式ワイパーと比べて、コストと重量を30%低減できる。19年半ばにかけて量産を本格化していく。新型システムではモーター1個で2本のアームを動作させる構造を採用。モーターの数を減らし、コストパフォーマンスを向上する。2本のワイパーアームに動力を伝達するためのリンゲージを用いているものの、ワイパーアームの反復はECUで制御するため、機械式のリンクアームよりもシンプルな構造になる。(2018年7月31日付日刊自動車新聞より)

EV用ルート最適化システムおよびエネルギー管理システム
-電気自動車(EV)の利便性向上を図るソリューション開発を本格化。EVの使用状況から航続可能距離を予測、充電スポットを考慮したルート案内や、EVと自宅の間で電力を効率的に使用するエネルギーマネジメントシステムを開発。一部は既に欧州で実用化している。今後、急速充電中の時間を有効活用するためのサービスを実現するため、業界以外の事業者と連携していく構想も持つ。EVの本格的な普及を見込み、EV関連部品だけでなく、EV関連サービスも積極的に開発し、電動化時代をリードする。今年2月、ドイツで開催したイベント「ボッシュコネクテッドワールド2018」に、EVの利便性を向上するサービス「システム!e」を紹介した。主に三つのサービスで構成しており、その一つがEVの航続可能距離の高精度な予測だ。EVはエアコンやオーディオのオン/オフ、走行する道や走り方などによってバッテリー残量の減り方が大きく変わる。同社はバッテリーの使用状況を監視するビークルコンピューターなどのハードの知見を活用して車両情報からEVの正確な航続可能距離を予測できる技術を確立した。 (2018年6月25日付日刊自動車新聞より)

NOx排出量を大幅に削減するディーゼル技術
-窒素酸化物 (NOx) 排出量を大幅に削減することのできるディーゼル技術を開発したと発表した。NOx排出量を、2020年に欧州で導入される規制値の1/10に抑えることが可能という。インテリジェントな温度管理システムと組み合わせることで、NOx排出量を削減。新システムは既存の技術をべースにしているため、即座に入手可能で、生産計画に組み入れることもできる。同社は、大気に何の影響も与えない燃焼エンジンの開発に向け、人工知能 (AI) の活用も視野に入れているという。(2018425付プレスリリースより)

自動運転用制御システム
-自動運転用のブレーキおよびステアリングに冗長性を持たせた制御システムを開発したと発表した。同社は自動運転全レベルに対応するリダンダントブレーキシステムの開発に取り組んでいる。同社のブレーキシステムは、電動ブレーキブースター「iBooster」と横滑り防止装置(ESP)の組み合わせで構成されており、2つの部品のうち1つに障害が発生した場合、ドライバーが介することなく他方のシステムが作動する仕組みとなっている。また同社は、非常時に自動操縦機能が起動するステアリングシステムの開発にも取り組んでいる。(2018116日付プレスリリースより)

北米国際自動車ショー出展技術
-周囲の状況をより正確に検知・把握する、より効果的でより安全な自動車を実現するシステムを北米国際自動車ショー (NAIAS)に出展すると発表した。2017年のNAIASで発表されて以降、大成功を収めている電動アクスルドライブシステム「eAxle」や、自動運転を実現するブレーキとステアリングシステム、未来の自動車に不可欠とされるコネクテッドシステムなどが出展される予定。(2018116日付プレスリリースより)

スマートコックピット技術
-米ラスベガスで開催される「CES 2018」で、ドライバーが運転に集中できるスマートコックピット技術を紹介すると発表した。同社は将来的に、コックピットコンピューターを通してすべてのヒューマン・マシン・インターフェース (HMI)を制御し、1つの中央処理装置により多くの機能を統合したい考え。これにより、インフォテインメントシステムやインストルメントクラスター、ディスプレイなどの集中制御や同期が可能になり、すべての情報が組織化され、車内のあらゆる場所にいつでも表示できるようになるという。(201818日付プレスリリースより)

HMI音声アシスト
-多言語に対応し、外部データ接続が不要な音声アシスト機能を開発したと発表した。新機能は、44種類の女性と9種類の男性の声を取り揃え、30の言語に対応可能。自然な構文を理解し、アクセントや方言も理解する。この新技術により、ドライバーは雑事から解放され、運転に集中できるようになるという。(201813日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
グループ全体 4,946 4,345 4,252
-モビリティ・ソリューションズ 3,800 3,300 3,300

-2018年12月期のモビリティ・ソリューションズ部門の設備投資額は前年比15.1%増の38億ユーロ。設備投資はガソリン直噴インジェクションシステム、電動ドライブシステム、eアクスル、CVTユニット、iBooster、一体型パワーブレーキ、電動二輪車、自動運転システムに集中させた。

国内投資

-ドイツDresdenの半導体工場の建設を開始したと発表した。新工場は広さ100,000平方メートル、投資額は10億ユーロ超で、単一投資としでは同社の130年を超える歴史の中で過去最大となる。新工場は700名以上が従事する見込みで、主にIoTおよび自動運転用半導体を生産する。(2018424日付プレスリリースより)



海外投資

<インド>
-インド現地法人Bosch Indiaは、今後3年間で総額170億ルピー規模の設備投資を行うと発表した。同社は2022年までにAdugodi本社の改築などを行う計画。また、Bidadi100エーカーの土地に工場を新設し、Bangalore工場の生産を2019年中頃までに移管する予定も発表した。その他、研究開発施設にも投資を行う見込み。(2018115日付カンファレンスコールより)

-インドにおける事業の中期的な発展の展望について発表した。インドでは20204月から排ガス規制基準がBS-IVからBS-VIに変更となる。政府もインド市場に適したエレクトロモビリティソリューションの開発を推進しており、Bosch Groupは両方の取り組みをサポートする技術を提供する。インド市場の需要に対応するため、同社は今後3年間で220百万ユーロ超の投資を行う予定で、工場新設とは別に投資の大半はAdugodiスマートキャンパスに費やされるという。また、同社は人工知能(AI)技術が今後の重要な役割を果たすとしており、300百万ユーロを投じてインドBengaluru、米国Sunnyvale、ドイツRenningenBosch Center for Artificial IntelligenceBCAI)を設立している。(2018620日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-16百万ドルを投じてメキシコAguascalientesに工場を新設したと発表した。広さ36,000平方メートルの新工場は、ブレーキブースター「iBooster 2」、ABS、横滑り防止装置用製品などを製造する。同工場は2018年末までに220名の従業員を雇用し、2021年には生産ラインを追加する予定。(2018829日付 Mexico-Nowより)

-メキシコGuanajuatoCelayaで新工場の起工式を行ったと発表した。120百万ドルを投じて建設される21,000平方メートルの新工場では1,200名の従業員を雇用して米国市場向け電子制御ユニット(ECU)を製造する。Celaya工場は、Juarez工場の姉妹工場という位置付けで建設された。Juarez工場は従業員数が4,000名を超えて限界に達したため、10月から24,000平方メートルの生産施設と11,000平方メートルの物流センターの建設を開始する。(2018827日付 Mexico-Nowより)

-Bosch-Tolucaは、2018年にメキシコ国内で実施される様々なプロジェクトに総額150百万ドルを投資すると発表した。メキシコ国内では12カ所の工場に16,000名が従事しており、Tolucaではコンフォートシステム、ブレーキシステム、サーマルシステム、燃料ポンプ、低圧センサーなどを製造している。同工場の2017年の売上高は10億ドルに達しており、1日当たり125,000基の電気モーターを生産する能力を有する。製品の80%超は北米市場向けで、残りはアジア、欧州、南米向けに輸出される。(201887日付 Mexico-Nowより)

-100百万ユーロを投資し、メキシコ中部グアナフアト州Celayaにコネクテッドカー向け電子部品を生産するスマート工場を2020年までに建設すると発表した。新たな「インダストリー4.0」工場の敷地面積は17万平方メートルで、延床面積は約21,000平方メートル。米国市場向けにECU (電子制御ユニット)を生産する。1,200人以上を新規雇用する見通し。(2018417日付プレスリリースより)

<オーストリア>
-オーストリア経済振興会社(ABA)は、Bosch Austria2018年内に95名の開発者を雇用する予定であると発表した。モビリティ事業が好調で、2018年は少なくとも前年比5%増の成長が見込まれるとしており、特に大型エンジン向け噴射システムと排気後処理システムの需要が高くなっているという。また、主要事業であるインターネットベースの技術においてもViennaで強化を図る。Bosch Austria2017年の投資額は前年比13%増の24百万ユーロ。従業員数は約2,900名で、うち1,000名が研究開発部門に従事している。(2018613日付オーストリア経済振興会社プレスリリースより)

<タイ>
-Tタイの健全な経済成長が地元の自動車産業のさらなる発展を促進すると発表した。好調な2018年の見通しと自動車生産の好状況が今年の同社の成長を可能にすると考えており、インダストリー4.0と政府が掲げる東部経済回廊(Eastern Economic Corridor)スキームという2つの政策がタイへの投資を促進するとしている。同社の2017年度のタイでの売上高は前年比7.5%増の128億バーツ、投資額が16億バーツだったことも併せて発表した。電動パワートレイン事業に大きな投資を行い、効率を高めて排出ガスを低減するための燃焼エンジンの技術革新を進めているという。(201866日付 Bangkok Postより)

<中国>
-中国の蕪湖にインフォテインメント製品工場を新設したと発表した。40百万ユーロを投じて新設した広さ18,000平方メートルの新工場では、中国市場向けにインフォテインメントシステム、インストルメントクラスター、コネクティビティ・コントロールユニット等を製造する。2018年末までに、研究開発部門160名を含む900名を雇用する見込み。Bosch20183月、Alibabaと上海汽車の合弁会社でインフォテインメントのスタートアップBanmaと戦略的提携を締結しており、デジタルディスプレイ、ボイスサポート、触覚フィードバック、マンマシンインターフェース技術の開発に取り組むという。(2018523日付プレスリリースより)

-2018年3月27日、無錫で博世汽車系統(無錫)有限公司[Bosch Automotive System (Wuxi) Co., Ltd.]の新工場建設の鍬入れ式を行い、全国初の自動車用48V電池生産工場の建設を開始した。2017年9月、Boschと無錫市ハイテク区は戦略提携に関するMOUを交わし、自動車用電池生産、自動車電動化、IoT技術の応用などの分野で全面的に提携することで合意していた。今回工場建設に着工した48V電池は電気自動車や従来型燃料自動車に用いる電池で、2021年には売上高87億元に達する見込み。(2018年3月29日付け各種リリースより)

<ベトナム>
-ベトナム・ドンナイ省のパワートレイン工場におけるアジア太平洋・北米向けCVTプッシュベルトの累計生産本数が25百万本を突破したと発表した。工場は、2008年の設立。その後、生産設備を順次増強し、201712月時点の生産ライン数は18本。また、当初は10社に満たなかった協力会社も、2017年末までに1,900社以上に増えた。Boschは、2015年以降、工場排水のリサイクルシステムに約100万ドル以上を投資し、2017年末には、生産能力の拡大とスマート工場への移行に67百万ドルの追加投資を発表した。同工場への2018年末までの総投資額は372百万ドルとなる見込み。(2018315日付プレスリリースより)