Robert Bosch GmbH 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
グループ全体
売上高 51,494 47,259 9.0 1)
EBIT 2,698 3,167 (14.8) -
自動車技術部門
売上高 30,404 28,097 8.2 2)
EBIT 2,331 2,341 (0.4)

-


要因
1) グループ全体
-2011年同社の売上高は、前年比9.0%増加の51,494百万ユーロとなり、過去最高の売上を記録。為替影響分(約430百万ユーロ)調整後の売上高は、前年比9.9%の成長となった。
-第2四半期に日本で売上が減少したが、通年で減少分を取り戻した。

2) 自動車技術部門
-自動車技術部門の売上高は、前年比8.2%増加の30,404百万ユーロ。
-製品面では、燃費向上、安全、快適性といった分野での需要の高まりが業績に寄与。主にガソリンダイレクトインジェクションシステム、電動パワステ、運転支援システム、スタート・ストップシステム等が好調。また、ABS等のアクティブセーフティシステムの需要も引き続き拡大した。
-一方、シャシーシステム・ブレーキ部門は昨年に引き続き、軟調に推移。

受注

-2011年の主な受注
搭載モデル 製品名 備考
Citroen 「DS5」 -ディーゼルハイブリッドシステム -同社とPSA Peugeot Citroenは2008年にディーゼルハイブリッド技術に関する戦略的提携契約を締結。
Peugeot 「3008 Hybrid 4」 -ディーゼルハイブリッドシステム
-セパレーターモータージェネレーター
-PM(永久磁石)同期モーター
-ハイブリッドパワーコントロールユニット
-ダブルインバーター
-
Opel 「Insignia」、「Astra」、「Meriva」、「Zafira Tourer」 -モジュラーインフォテインメントシステム -
スズキ 「SX4 Style」 -インフォテインメントシステム -
スズキ 「SX4」 -コモンレール式ディーゼル噴射システム
-ブレーキ制御システム (ABS・ESP)
-ブレーキブースター
-スターター
-
Ford 「Focus」 -直接駆動式ワイパーシステム
-マルチファンクションディスプレイおよびナビゲーション
-フューエルインジェクション
-エンジンブロワーおよびスターターモーター
-スパークプラグ 等
-直接駆動式ワイパーシステムは、ワイパーアームとワイパーブレードを電動モーターへ直接取り付けるため、その他の追加部品を必要としないため、小型化および部品数の削減により、車両の軽量化とスペース拡大を実現。

-Bosch Mahle Turbo Systems (Mahle GmbHとの合弁会社)がカーメーカー6社よりターボチャージャーを受注していると発表した。これにより、供給量は年間1百万個超にのぼる見込み。Bosch Mahle Turbo Systems製品に含まれるのは、ガソリンエンジン用のウエストゲート付きターボチャージャーで、出力範囲は45~220kW。ディーゼルエンジン用製品は出力範囲が30~530kWで、可変タービンジオメトリー(VTG)型ターボチャージャーなども含まれる。また、タービンハウジングにエキゾーストマニホールドを統合した超小型ターボチャージャーシステムも同社製品に含まれる。なお、Bosch Mahle Turbo SystemsはドイツのBlaichachとオーストリアのSt. Michaelに生産2拠点を保有。両拠点では既にパイロット生産を開始しており、2012年はじめの量産開始に向け準備を進めている。(2011年9月13日付プレスリリースより)

事業動向

<コモンレールシステム>
-1997年にコモンレールシステムを生産開始して以来、累計生産数が75百万ユニットに達したと発表。2011年単年では約9百万基を生産しており、乗用車・商用車・オフハイウェー車をはじめ、船舶などに使用される大型ディーゼルエンジンにも採用されている。(2011年12月22日付プレスリリースより)

<電動パワーステアリングシステム>
-ZF Lenk-systeme製の電動パワーステアリングシステム「Servolectric」の累計生産数が、20百万ユニットを突破したと発表。ZF Lenk-systemeは、Robert BoschとZFの折半出資による合弁会社。この電動パワーステアリングシステムは、従来の油圧アシストパワーステアリングシステムに比べて、100kmあたり0.4リットルの燃費削減を実現している。(2011年9月13日付プレスリリースより)

<フューエルインジェクター>
-2013年のガソリン噴射システムの販売数が、2010年の3倍にあたる7.2百万ユニットに達する見込みと発表。コモンレール式ディーゼル噴射システムに関しては、2010年の9百万ユニットに対して、2013年は12百万ユニットを販売する見込み。また同グループは、電気自動車関連事業 (トラクションバッテリー、電気モーター、パワーエレクトロニクス)向けに、400百万ユーロを投入している。電動モビリティ分野において2013年まで に、カーメーカー12社のプロジェクト約20件向けに供給を行う予定。(2011年9月13日付プレスリリースより)

-ディーゼルエンジン用インジェクターの噴射圧高圧化を加速する。年内には圧電素子を使った「ピエゾ式」で2,200バールタイプの量産を開始する。また、コイルを用いた「ソレノイド式」では2,000バールタイプを2012年にも量産開始する。環境問題への対応で、欧州の自動車メーカーを中心に噴射圧の高圧化に対する欲求が高まっていることに応える。さらに13年にもピエゾ式で2,500バールタイプの量産開始することも目指している。(2011年7月19日付日刊自動車新聞より)

-ガソリンシステム部門において、フューエルインジェクター「HDEV-5」の累積生産数25百万ユニット、高圧ポンプ「HDP line」の累積生産数5百万ユニットを達成したと発表。同社は2006年に、この2つの製品の量産を開始した。「HDEV-5」は、まずPSA/BMW共同開発のエンジン「Prince」に採用され、「HDP line」はGMのエンジン「Ecotec」に初搭載された。同社は現在、フューエルインジェクターおよび高圧ポンプの生産を、NurembergおよびBamberg(ドイツ)、Bursa(トルコ)、Wuxi(無錫:中国江蘇省)の各工場で行っている。これらの製品は、同社のMotronicシステムの一部。この電子エンジンマネジメントシステムは、ターボチャージャーと組み合わせることで、ガソリン直噴内燃エンジンに関して約15%の燃費向上・CO2削減に貢献する。(2011年6月30日付プレスリリースより)

-同社は、2015年までコモンレール式ディーゼル噴射システムの売上を毎年10%増加させるほか、2013年までにガソリン直噴システムの売上を3倍にする計画。さらに2011年は、スタート・ストップシステムを約2.6百万ユニット販売し、2010年実績から倍増させる考え。(2011年6月7日付プレスリリースより)

<エアバッグコントロールユニット>
-エアバッグコントロールユニットの累計生産数が111百万ユニットを突破したと発表。同社は1980年にこの製品の量産を開始した。(2011年4月6日付プレスリリースより)

<国内事業>
-ドイツのHildesheim工場において、スタート・ストップスターターの累計生産数が5百万個に達したと発表。同グループは、この製品を2007年に生産開始した。新欧州ドライビングサイクル(NEDC)において、スタート・ストップシステムは燃料消費およびCO2排出を最大5%削減。また、都市交通では8%の削減を実現する。(2011年12月19日付プレスリリースより)

-2011年10月にドイツのSalzgitter拠点において、電子エンジンコントロールユニットの累計生産数が250百万個に達すると発表した。同社はこのエンジンマネジメントシステムの第1世代製品を1979年に発表しており、2011年は約25百万個のエンジンコントロールユニットを生産する計画。現在は、この製品の生産をドイツ・Salzgitter工場、ブラジル・Hatvan工場、メキシコ・Juarez工場、中国江蘇省・蘇州(Suzhou)工場など、世界10拠点で行っている。(2011年10月5日付プレスリリースより)

<海外事業>
日本
-自動車の横滑り防止装置(ESC)が2012年10月から日本で装着義務化が決まったのを受け、同社は、新世代ESCの生産を日本で開始。(2011年1月5日付日刊自動車新聞より)

合弁企業

-同社とDaimlerは、折半出資によりEV用電気モーターの開発・生産・販売を行う合弁会社を設立することで合意したと発表。新会社の名称は「EM-motive GmbH」。ドイツHildesheimに本社および生産拠点を置く。エンジニアリング拠点は、BoschとDaimlerの本社近郊のStuttgart地方に設置する予定。従業員約100名の体制で、2011年第4四半期に操業を開始する。2012年初めに新会社でのモーター生産を開始し、同年にはトラクションモーターがDaimlerの「Mercedes-Benz」および「smart」のモデルに搭載される予定。まず、2012年初めに発売予定のEV「smart fortwo」向けに納入する。また、BoschおよびDaimlerにもEV用電気モーターを供給する予定。第3者への販売はBoschが担当する。なお、新会社は2020年までに100万個超の電気モーターを生産する計画。(2011年7月14日付プレスリリースより)

事業提携

-長城汽車と戦略的提携契約を締結したと発表。エンジンマネジメントシステムやシャシー・ブレーキなどの研究開発に関して、長城汽車と協業する。同社と長城汽車は、2005年に協業を開始。2006年に、共同でディーゼルエンジン用電子制御式高圧コモンレールシステムを開発した。このシステムを搭載したエンジンは、長城汽車の「Haval」シリーズに採用。さらに、2011年5月からBoschのコモンレールシステムが、「Wingle 5」のディーゼルエンジン「Green Static 2.0T」に採用されている。(2011年10月8日付プレスリリースより)

-現代自動車と次世代パワートレインの電子制御およびインフォテインメントシステムの開発に向けた覚書(MOU)を交わしたと発表。今回の提携により、両社は新型パワートレインの開発を迅速化するとともに、現代自動車の技術と同社のプラットフォームを融合した新たなIT製品の生産を目指す。(2011年1月20日付プレスリリースより)

事業再編

-曙ブレーキ工業は4日、同社と協議を進めていた「ファウンデーションブレーキ」における北米を除く全世界の事業の譲受に関する協議を中止したと発表した。協議を進めていく中で、同社の将来戦略と合致しないと判断した。同社はファウンデーションブレーキの生産体制に余剰感が出ている状況を受けて、一昨年に北米事業について曙ブレーキに売却を行った。同社ではこれに引き続き、従来以上に業務体制のスリム化が求められているなかで、ABSを始めとした制御システムに経営資源を集中していくことを狙い、昨年11月に曙ブレーキに欧州、アジア、オーストラリア、南米など全世界の事業譲渡を打診。協議を進めていた。(2011年3月5日付日刊自動車新聞より)

受賞

-Robert Bosch Actuation Systemsが、Johnson Controlsより「Quality」部門で表彰された。(2011年11月10日付プレスリリースより)

-PSAグループより「PSA Suppliers Award」を「Innovation」カテゴリーで受賞した。Citroen 「C4」向けサイドビューアシストシステムと、Peugeot 「3008 HYbrid4」向けハイブリッド技術が評価されたもの。(2011年4月1日付プレスリリースより)

-トヨタ自動車より「Global Contribution Award」を受賞したと発表。2002年および2006年に次いで、同社がこの賞を受賞したのは三度目となる。(2011年2月28日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
グループ全体 4,190 3,810 3,603
自動車技術部門 3,270 3,004 2,862

-2011年の研究開発費4,190百万ユーロの内、約半分を環境対応に資する製品開発に投資。これらの製品は同社の売上高の約40%を占める。

-毎年400百万ユーロを、ハイブリッド車および電気自動車関連に投資。

研究開発体制

-2011年、研究開発要員を4,300名増員。その過半数がアジア太平洋地域に所属。現在、同社の研究開発要員は世界で38,500名。その内24,400名が欧州(主にドイツ)、2,400名が米州、11,700名がアジア太平洋地域に所属。

-日本では研究開発関連で2010年に比べ0.7ポイント増となる売上高の7.6%相当を投資し、研究施設の拡充や電動化を始めとした環境関連技術の研究に注力する。2011年の日本事業については、アジア向けビジネスや、電動化を始めとした次世代車関連の研究開発を強化する。手狭となりつつある横浜(神奈川県)や、東松山(埼玉県)の研究関連設備設の拡充なども検討する。(2011年7月15日付日刊自動車新聞より)

研究開発拠点

-同社はドイツ、米国、ロシア、シンガポール、中国、日本に併せて10カ所の研究開発拠点を保有。

-Stuttgartに研究および先進エンジニアリング拠点を開設予定。全世界で行われている研究開発ネットワーク、およびシナジー効果の強化が目的。2012年の中旬から建設開始予定。


-ベトナムに東南アジア初のソフトウェアエンジニアリングセンターを開設したと発表。このRobert Bosch Engineering and Business Solutions Vietnam Company Limited (RBVH)では、最先端ソフトウェアソリューションおよびエンジニアリングサービスを提供する。ECUやITサービスで使用される組み込みソフトの開発などがこれに含まれる。主に日本、韓国、中国の自動車メーカー向けに開発を行う計画。このエンジニアリングセンターへの投資額は3百万ユーロ。従業員60名で操業開始し、2015年までに約500名に増員する見込み。なお同グループは、インドのBangaloreおよびCoimbatoreに同様のセンターを保有している。(2011年5月13日付プレスリリースより)

研究開発活動

-SB LimoTiveの子会社Cobasys LLC (米国ミシガン州)は、米国先進電池コンソーシアム(United States Advanced Battery Consortium LLC : USABC)から電気自動車用の高密度エネルギーリチウムイオン電池セルおよびパックの開発契約を受注した。受注金額は8.36百万米ドルで、契約期間は3年間。USABCは、米国3社(Chrysler、Ford、GM)による共同研究機関である米国自動車研究協議会(United States Council for Automotive Research LLC : USCAR)傘下の一部門。米国エネルギー省との協力により、電気自動車・ハイブリッド電気自動車・燃料電池自動車の製品化に向けた、電気機械式エネルギー貯蔵技術の開発を行っている。また、SB LimotiveはRobert Bosch(ドイツ)とSamsung SDI(韓国)による、2008年設立の合弁会社。(2011年3月2日付プレスリリースより)

-英国のモバイル通信会社Vodafoneと協業すると発表。それぞれの機器間(M2M)プラットフォームを統合し、インターネットへワイヤレス接続できる製品を開発していく計画。(2011年3月1日付プレスリリースより)

製品開発

センサー
気圧センサー
-ディーゼルおよびガソリンエンジン用のエンジンマネジメントシステム向けに、「SMP480」気圧センサーを開発した。従来品と比べて75%小型化することで、自動車用ECUへの統合を容易にする。このセンサーは12ビットのデジタルインターフェースを備える。圧力測定範囲は40kPaから115kPa、測定公差は1.0 kPa以下となる。(2011年11月25日付プレスリリースより)

ラムダセンサー
-ラムダセンサー「LSF Xfour」を開発した。スイッチ型センサー「LSD4.2」の次世代版で、エンジン始動からコントロールモードまでの時間が従来の半分になるもの。これにより、エンジン排出ガスを制御できない時間が大幅に減少する。また、全長を短縮してセンサー全体の設置スペースを削減すると同時に、耐熱性の向上も実現した。その結果、乗用車用排気管の設置場所に関して、幅広い選択が可能になる。(2011年8月18日付プレスリリースより)

マイクロメカニカルロールオーバーセンサー
-第3世代のマイクロメカニカルロールオーバーセンサー「SMG10x-series」を開発した。エッジ長さは10.3ミリ。これまでの第2世代センサー(SMG06x)に比べて、65%の小型化を実現。この「SMG10x-series」は、エアバッグシステムなどのセーフティシステムに適している。なお、同社は1995年にマイクロメカニカルセンサーを生産開始。累積生産数は16億個を超えている。圧力センサー、加速度センサー、ヨーレートセンサー、マスフローセンサー、トルクセンサーなど、様々な自動車・家電製品に使用されている。(2011年8月12日付プレスリリースより)

ペダルトラベルセンサー
-ペダルトラベルセンサー「PWG」を開発した。ハイブリッド車および電気自動車用電動ブレーキペダルの主要部品となるもの。このセンサーは非接触式で耐磨耗性を持つ。「PWG12」は、センサーと磁気回路を別々に搭載。一方の「PWG13」には、磁気回路が統合されている。この2つのモデルは既に試作品が完成しており、近日量産を開始する見込み。(2011年7月22日付プレスリリースより)

低G加速度センサー
-シャシーシステム制御の低G加速度センサー「SMB431」および「SMB433」を開発した。「SMB431」は、±1.6gの範囲(1g=9.81m/s2)で車体の垂直運動を記録する。「SMB433」は、±16gの範囲でホイールの垂直加速度を測定。両センサーはエンジニアリング用サンプルとして既に使用されている。(2011年2月21日付プレスリリースより)

安全性
ハイブリッド車対応横滑り防止装置
-PSA Peugeot Citroenと共同で、ハイブリッド車対応の横滑り防止装置「ESP」を開発。これらの技術により「3008 HYbrid4」は、100km走行に必要なディーゼル燃料が3.8L、1kmあたりのCO2排出量99gを達成した。(2011年9月13日付プレスリリースより)

衝突予知緊急ブレーキシステム
-2010年に量産を開始した衝突予知緊急ブレーキシステムに新機能を追加した。時速30km以下の低速走行中でも、追突の危険性を検知すると自動で緊急ブレーキを最適に作動させるもの。この新型ブレーキシステムは、Audi「A5」に初搭載される予定。このシステムには、同社の物体検知用の長距離レーダーセンサー「LRR3」および横滑り防止装置「ESP」が採用されている。(2011年9月13日付プレスリリースより)

エアバッグ用リファレンスプラットフォーム
-同社のAutomotive Electronics部門が、米国の組み込み半導体メーカーFreescale Semiconductorと共同で、自動車エアバッグ用リファレンスプラットフォームを開発したと発表。インドや中国などの新興市場向けで、Freescaleの32ビットマイクロコントローラーと、同社のエアバッグASSPのチップセットをベースとする。両社はこのプラットフォームを、2012年の第1四半期から販売する予定。(2011年8月24日付プレスリリースより)

快適/利便性
ラジオナビゲーションシステム
-同社のCar Multimedia部門がVolkswagen Group向けにラジオナビゲーションシステム「RNS 315 CN」を開発したと発表。中国市場特有のニーズに対応するもの。6.5インチのカラータッチスクリーンディスプレイは、燃費を最適化する経路を迅速に算出。また、中国語の音声入力システム「Pinyin First Letter Input」により、中国語での目的地入力が大幅に容易になる。さらに、受信・サウンド性能に優れ、MP3、iPod、iPhoneなど様々な接続オプションの利用が可能。Bluetoothインターフェースの統合により、車内での安全な通話を実現する。(2011年10月12日付プレスリリースより)

マルチファンクションディスプレイおよびナビゲーションシステム
-マルチファンクションディスプレイ(MFD)およびナビゲーションを開発。このナビゲーションシステムは、最速・最短経路だけでなく、燃料消費を最適化する効率的な経路も提供。様々な試験結果を平均すると、最速ルートに比べて所要時間が9%長くなるが、9%の燃費向上につながる。(2011年5月17日付プレスリリースより)

インフォテインメントシステム
-Opelと共同で「Touch & Connect」システムを開発した。Opelの新型「Corsa」に搭載される。このインフォテインメントシステムは、オーディオ、ナビゲーション、通信機能を小型ヘッドユニットに一体化したもの。ラジオ受信のほかにCDやMP3などのミュージックファイルも再生が可能。内蔵ドライブ、またはUSBスロットやAUX-inジャックに接続されたデバイスを使用する。また、ナビゲーションシステムは効率的な経路を選択し、燃料消費を最適化する経路を提供。さらにBluetoothインターフェースやハンズフリー操作により、車内における安全な電話使用を実現する。(2011年2月14日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
グループ全体 3,226 2,379 1,892
自動車技術部門 2,321 1,556 1,165

国内投資

-ドイツEisenachにリチウムイオン電池の試験生産ラインを設置すると発表した。2012年より最初のサンプルを生産し、2015年までに年間生産量を20万セル超に拡大する計画。同社はこのプロジェクトにおいて、原料についてはBASFの、プラント設計についてはThyssenKrupp System Engineeringの協力を受ける。これを契機に同社は、欧州におけるサプライヤーネットワークの構築を推進する。なお、プロジェクトチームの人員は段階的に約80名まで増員される予定。(2011年8月23日付プレスリリースより)

海外投資

<セルビア>
-セルビアのPecinciにフロントワイパーシステム工場を建設する計画を発表した。2019年までに約70百万ユーロを投じる予定。2012年はじめに着工し、2013年初旬から生産を開始する。工場面積は約22,000平方メートル。まず、従業員約60名を雇用し、2019年までに約620名まで増員する見込み。なお、同工場はBosch Electrical Drives部門に属する予定。同部門ではパワーシート、スライディングルーフパネル、パワーウィンドウ、ワイパー部品などの自動車用電動ドライブを生産している。(2011年12月1日付プレスリリースより)

<ポルトガル>
-ポルトガルの生産拠点拡大に向け、2011-2013年の間に約65百万ユーロを投じると発表した。主な対象分野は、エレクトロニクス、ナビゲーションシステム、サーモテクノロジー。現在、同社はポルトガルに6子会社を保有。これらの拠点に、過去5年間で130百万ユーロを投じている。また、同社は1990年に、同国北部のBraga拠点(Bosch Car Multimedia Portugal)でカーラジオの生産を開始した。同拠点では、2010年にカーラジオ3.3百万ユニット、ナビゲーションシステム1.5百万ユニットを生産。その他エレクトロニクス部品の生産を開始している。なお、2011年はポルトガル子会社の売上額(輸出を含む)が、11億ユーロ弱に達する見込み。(2011年9月30日付プレスリリースより)

<ハンガリー>
-ハンガリーのMiskolcに自動車部品工場を開設したと発表。建設期間は1年間。投資額は約20百万ユーロ。同社のハンガリー子会社Robert Bosch Energy and Body Systems Kftが所有し、ワイパーシステム、エアコン部品、スターター、オルタネーターを生産する。従業員数は2014年までに、現在の約1,900名から約3,000名に増員する予定。(2011年9月22日付プレスリリースより)

<インド>
-同社は、2013年までにインドへ250億ルピー(約382百万ユーロ)を投資する計画を発表した。この投資は、生産能力拡大・事業多角化・研究開発を対象とする。(2011年6月2日付プレスリリースより)

-Bosch Electrical Drives India (Igarashi Motors Indiaとの合弁会社)は、インドのChennai地域に新工場を建設すると発表。2012年末までに稼動開始し、ワイパーシステム・エンジン冷却ファンモジュール・HVACブロアー・ウィンドウリフトドライブ製品を生産する計画。投資額は370百万ルピー(約5.7百万ユーロ)。9,000平方メートルの敷地に建設する新工場で、現地生産拡大を目指す。また、Bosch Electrical Drives Indiaには現在、従業員200名が勤務。新工場開設に伴い、3年間で350名を増員する予定。(2011年5月25日付プレスリリースより)

<中国>
-自動車技術部門は、アジア市場での事業を拡大中。2011年から2013年にかけて約15億ユーロを投資する。同社は、中国でABSやESP(横滑り防止装置)の生産能力を大幅に拡大している。これに伴い、江蘇省の蘇州(Suzhou)拠点では生産施設を増設 し、従業員1,200名を増員した。また、四川省成都(Chengdu)には、従業員1,000名が勤務する新工場が2013年までに完成する予定。

<ベトナム>
-ベトナムにCVT用プッシュベルト工場を開設したと発表。ドンナイ省ロンタン工業団地(Long Thanh Industrial Zone)に位置する同工場は、同社グループのガソリンシステム部門の一部。工場面積16万平方メートルで、初年度はプッシュベルト160万本の生産を目指す。これらのプッシュベルトは、ディーゼル・ガソリン・ハイブリッドエンジン搭載のサブコンパクトカーからSUVまで様々な車種に装着される。同工場へのこれまでの投資額は30百万ユーロ。2015年までに投資額55百万ユーロ、従業員800名を見込んでいる。(2011年4月15日付プレスリリースより)

<ロシア>
-ロシア事業の新本部をモスクワに建設する。2013年までに100百万ユーロ以上を投資。新社屋の有効面積は57,000平方メートルで、2013年中盤までに約700人の従業員が勤務する。同社はこの新拠点に、販売、カスタマーサービス、トレーニングなどの機能を持たせる計画。(2011年3月16日付プレスリリースより)