Magna International Inc. 2019年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2019年
12月期
2018年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 39,431 40,827 (3.4) 1)
営業利益 2,223 2,951 (24.7) -
製品別売上高
ボディ外装・構造 16,458 17,527 (6.1) 2)
パワー・ビジョン 11,312 12,321 (8.2) 3)
シ―トシステム 5,577 5,548 0.5 4)
車輌開発 6,707 6,018 11.4 5)

 

要因
1) 全社売上高
-2019年12月期の売上高は、前年比3.4%減の39,431百万ドル。為替の影響で約12.8億ドルの減少となった。売却や買収によっても749百万ドルのマイナス影響を受けた。上記の影響を除くと、主に車両開発部門における新規プログラム立ち上げにより637百万ドルの増加となった。GMのストライキ、BMW 5シリーズの生産終了、その他さまざまなプログラムの終了及び顧客に対する価格の変更によるライトビークルの生産減少により増収は一部相殺された。

2) ボディ外装・構造
-2019年12月期の売上高は、前年比6.1%減の16,548百万ドル。Ford「Ranger」GMC「Sierra」Chevrolet「Silverado」Jeep「Gladiator」Chevrolet「Blazer」Cadillac 「XT6」BMW「X3」等の新規プログラム立ち上げが同部門の売上高増に貢献したものの、ライトビークルの生産減、為替の悪影響による392百万ドルの減少、Chevrolet「Cruze」の生産終了及び顧客価格の変動により相殺された。

3) パワー・ビジョン
-2019年12月期の売上高は、前年比8.2%減の11,312百万ドル。売却の影響により861百万ドルの減少、為替の影響により383百万ドルの減少となった。売却等の影響及び為替の影響を除いた同部門の売上高は、BMW 「X3」 Jeep 「Gladiator」Chevrolet「Blazer」 Cadillac「XT6」BMW 「X7」の新規立ち上げ、及びダイムラー向けデュアルクラッチトランスミッションの立ち上げにより235百万ドルの増加となった。なお、上記の売上増は、ライトビークルの生産減少及び顧客価格の変動により一部相殺されている。

4) シ―トシステム
-2019年12月期の売上高は、前年比0.5%増の5,577百万ドル。BMWのX5、X7及び1シリーズにかかわるプログラムの立ち上げにより増収となった。また、買収により108百万ドルの増収効果を受けた。なお、上記の増収はプログラムの終了、為替による149百万ドルの減少、顧客価格の変動及びライトビークル生産の減少により一部相殺された。

5) 車輌開発
-2019年12月期の売上高は、前年比11.4%増の6,707百万ドル。好調の要因は主にBMW「Z4」Jaguar 「I-Pace」Mercedes-Benz「G-Class」トヨタ「Supra」のプログラム立ち上げによるもの。なお、これらの増収はBMW 5シリーズ及びJaguar「E-Pace」の販売減、為替による389百万ドルの減少により一部相殺された。
  

買収

-高級自動車用照明エンジニアリング企業Wipac Czechの買収に合意したと発表した。取引は11月25日に完了する見込み。チェコOstrava に拠点を置くWipac Czechは、40名超の従業員がアストンマーチン、ベントレー、ロールスロイス、マクラーレン、ランボルギーニ、ブガッティ、アウディ、ダイムラー、BMW、ポルシェなどの高級自動車メーカー向けにサービスを提供している。(20191120日付プレスリリースより)

-Tスペインに本拠を置くシート構造および関連システムサプライヤーのVIZA Gecaの買収が完了したと発表した。MagnaVIZAの専門知識を生かし、特に欧州での競争力強化を図るという。(2019429日付プレスリリースより)

再編

-Rico Autoは、同社とその子会社のRasa AutocomMagna PowertrainからMagna Rico Powertrainの株式21,120,000株を取得したと発表した。買収額は約85.6百万ルピー。(2019330日付証券取引所報告書より)

-Hanon Systemsは2019年3月29日付で、同社の油圧制御 (Fluid Pressure and Controls) 事業部門の買収を完了したと発表した。取引金額は約12億米ドル 。Magnaの油圧制御事業部門は、ハイブリッド車や電気自動車の中核部品である電動冷却水ポンプ、ブラシレスDCモーターベースの電動冷却ファン、電子制御トランスミッション用オイルポンプなどを取り扱っている。今回の買収により、欧州、北米、アジア地域における約4,100人の従業員および9つの生産およびエンジニアリング拠点がHanon Systemsに編入される。なお、2018年のHanon SystemsとMagnaの油圧制御部門の年間売上高を合算すると、約7兆6,000億ウォン (約7,448億円) に達するものと推定される。(2019年3月29日付プレスリリースより)

-Rico Autoは、同社とその子会社のRasa Autocomが、Magna Rico Powertrainの全保有株式を取得することに取締役会が承認したと発表した。Magna Rico Powertrain は、Rico Auto Magna International傘下のMagna Powertrain2008年に折半出資により設立した合弁会社。(2019212日付プレスリリースより)

合弁事業

-同社と北汽新能源股份有限公司[Beijing Electric Vehicle Co., Ltd.]の合弁会社麦格納衛藍新能源汽車技術(鎮江)有限公司[Magna Blue Sky Technology (Zhenjiang) Co., Ltd.](麦格納衛藍)は江蘇省鎮江で開業式を行うと同時に、麦格納衛藍新エネルギー車試験センターの建設に着手した。麦格納衛藍は北汽新能源のハイエンドブランドARCFOXのEVを開発する。2020年には最初のモデルの量産を開始する予定。それと同時に麦格納衛藍新エネルギー車試験センターは電池セルモジュールと電池パックの研究開発測定、シャシー及び耐久性研究開発測定、電子制御システム及び完成車の研究開発測定などを手掛ける。(2019年1月16日付けプレスリリースより)

最近の動向

-米国調査会社のJ.D. Powerは、「2019 U.S. Seat Quality and Satisfaction Study」を発表した。この調査は、2018年11月から2019年2月までに新車登録された2019年モデルの乗用車およびライトトラックの購入者75,000名超から購入後90日間での反応を基に作成されており、シートの品質及び満足度を数値化したもの。優秀な評価を得た主なサプライヤー別の結果は以下の通り(搭載車種・100台当たりの問題有りシート点数の順で記載)。(2019年8月22日付プレスリリースより)

  • Learは、ポルシェ「918」 [0.0]、ポルシェ「911」[2.5]、現代「サンタフェ(Santa Fe)」[3.0]、シボレー「シルバラード(Silverado)」[2.8]。 
  • Magna International (マグナインターナショナル) は、フォード「エッジ(Edge)」[4.7]、ジープ「グランドチェロキー(Grand Cherokee)」[4.7]。 
  • Faurecia (フォルシア) は、VW「ゴルフ (Golf)」[3.2]、シボレー「コロラド(Colorado)」[4.0]。
  • Adientは、シボレー「マリブ(Malibu)」[3.9]、トヨタ「アバロン(Avalon)」[3.9]。
  • タチエスは、日産「マキシマ(Maxima)」[3.5]、三菱「アウトランダースポーツ(Outlander Sport)」[1.4]。
  • トヨタ紡織は、トヨタ「4Runner」[4.5]など

受注

-英国化学品メーカーのイネオス(INEOS)の自動車部門のINEOS Automotiveは12月17日、オフロード車「グレナディア (Grenadier)」の開発でMagnaグループとの提携拡大を発表した。Magnaグループ傘下のMagna Powertrainはプロジェクトの開始以来、シャシーとサスペンションの開発を担当してきた。今回、Magna Steyrが開発サポートに加わる。サウスウェールズ州ブリジェンド(Bridgend)の新工場で製造する「グレナディア」は、BMWの直列6気筒ターボガソリンおよびディーゼルエンジンを搭載する。INEOS Automotiveは現在、重要なシリーズ開発段階に移行しており、生産開始に照準を合わせているという。 (2019年12月17日付INEOS Automotiveのプレスリリースより)

-同社は、フェラーリ「SF90 Stradale」用新型8速DCTを開発したと発表した。このDCTは、トルクとシフトを改善し、重量とCO2排出量を削減している。ハニカムハウジング構造などの新技術を統合して、重量を約10kg削減し、トルク対重量のパフォーマンスを改善したという。SF90 Stradale」向けプロジェクトは効率、重量、パッケージングの改善技術が応用できるため、従来型内燃エンジンやハイブリッド用DCTなど全製品にメリットをもたらすとしている。(20191211日付プレスリリースより)

-BMWから史上最大規模のトランスミッション製品を受注したと発表した。複数年契約により、Magnaハイブリッドトランスミッションを含む前輪駆動デュアルクラッチトランスミッションを供給する。これらのトランスミッションは170種類を超える車両に使用される予定。新ハイブリッドソリューションは、トランスミッション全体のパッケージサイズに影響を与えず、BMWに製造上の柔軟性をもたらすという。トランスミッションハウジング内にコンパクトな48V電気モーターを使用するハイブリッドトランスミッションは、革新的な駆動機能を提供すると同時に燃費効率も改善する。今回Magnaが供給するトランスミッションはドイツNeuensteinおよびスロバキアKechnec工場で製造される。(20191030日付プレスリリースより)

-華域麦格納電動駆動系統有限公司[Huayu Magna Electric Drive System Co., Ltd.]は2019年10月18日、国産eドライブシステムアセンブリを初めてラインオフした。この製品はモーター、電気制御、減速機を一体化したもので、高効率、軽量、低騒音などの特徴を有している。独VWグループの各工場、上汽VW安亭MEB新工場、一汽VW佛山MEB工場に順次供給されるが、先ずVW、アウディの電気SUV 3モデルに搭載される。今後4年で華域麦格納はVW MEB eドライブシステム、GM BEV3 eドライブシステムの生産に順次着手する。第1フェーズの生産能力は30万台分を計画する。(2019年10月18日付け上汽集団WeChat公式アカウントより)

 

受賞

-2019年、ソリッドステートLiDARおよび拡張現実 (AR) カメラの同社の2製品が が2019 PACE Awardの最終選考に残った。複合材スペースフレームは2020 PACE Awardにノミネートされている。

 

研究開発費

(単位:百万ドル)

  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 640 588 522

 

研究開発拠点

-2019年12月期において、同社は95の研究開発拠点及び15地域にわたる販売拠点を保有。

 

研究開発動向

-イリノイ工科大学とウィスコンシン大学マディソン校と提携し、次世代エネルギー推進システム向けの先進電気モーター技術を開発するため、米国エネルギー省から助成金が授与されたと発表した。プロジェクトの目的は、125 kWの最高出力を提供しながら、現在の電気モーターに比べて半分のコストで8倍の出力密度を持つ次世代車両推進システム用の非永久磁石電気モーターを開発することにある。このプロジェクトでは、電動ドライブシステムの一部として、専用の電気モーター技術をトランスミッションとインバーターに統合する。同社は革新的な材料、冷却技術、巻線技術、シミュレーションモデル、制御および最適化技術を開発、使用してプロジェクトに取り組む。また、Magna包括的な設計フレームワークを使用した低コストの設計も重要な要素になるという。この電気モーター技術は、2021年に米国エネルギー省に発表予定。(20191030日付プレスリリースより)

-スウェーデン北部の凍結テストトラックで試作車および現行生産車を使用した最新の推進システム技術(フル電動、高電圧、48Vマイルドハイブリッドなど)の試験を行うと発表した。「Magna Wintertest ’19」では、初公開となる試作車「e2」などが厳しい気候条件や運転条件のもとで最新機能を披露する。e2」はハイブリッド・デュアルクラッチギアボックスと、異なるパワーレンジで作動するトルクベクタリング付き電動リアアクスルの両方を備えており、10種類のパワートレイン構成の実証と比較が可能だという。(2019227日付プレスリリースより)

-配車アプリを展開するリフトと、自動運転レベル5 (完全自動運転) の自動車を使ったライドシェアの公道走行試験に成功したと発表した。マグナとリフトは、自動運転向けソフトウエア・スタックやハードウエアキットを共同開発している。今回、米国パロアルトにある両社の開発チームの拠点と北カリフォルニアにあるカルトレインの駅を結ぶルートで、自動運転レベル5の車を使用したライドシェアを試験的に実施した。両社が共同開発した自動運転車は今後数年でリフトの配車ネットワークに展開していくことを目指している。(2019年1月17日付日刊自動車新聞より)

製品開発動向

フランクフルトモーターショー2019
-フランクフルト・モーターショーにて、進化するモビリティ・エコシステムに対する同社の展望を披露すると発表した。同社は自動化、電動化、スマートモビリティ、軽量化の4分野をメインに展示を行う。自動化分野では、先進運転支援システム (ADAS) 技術による将来像を、電動化分野では複雑性を減らし、多様な車両に動力を供給するモジュラー式で拡張可能な電動パワートレインを出展する。またスマートモビリティ分野では、ライドシェアや家族旅行から物流に至る様々なニーズに応じた最適な車両の使われ方・シェアのされ方のコンセプトを披露する。軽量化では、将来モビリティの形成に貢献する車両軽量化を実現するための新素材や車両構造の専門性を活用した技術を紹介する。(2019年8月26日付プレスリリースより

シートトリム技術「FreeForm」
-車内で乗員が直接触れる重要な箇所であるシートについて、自動車メーカーはブランドバリューを伝えられるように特別な付加価値をつけようと画策している中で、同社が提供するソリューションとなる。この技術は様々なシート形状を綺麗なスタイリングで実現できるため、設計に対する自由度を持つ。また特許申請中の技術で、人間の身体を包むような形状を実現し快適性を向上させる。さらに、製造プロセスが容易であることから、様々なシートの仕様に対して柔軟に適応させることができるという。(2019年6月13日付プレスリリースより

Clear Viewヴィジョンシステム
-同社のCarViewヴィジョンシステムは、車両の内側および外側に付けられたミラーにカメラを搭載することで、車両周辺の視界を改善している。車両外側のカメラは、セルフクリーニング機能を持ったサイドビューミラーを使用し、車内でライブビュー映像を見ることが可能。方向指示灯やグラウンドイルミネーションライティング、サラウンドビューカメラなどの他の機能もミラーに統合されている。車内のミラーは、従来のリアビューミラー機能もしくはリアカメラからのフルサイズ映像の表示を切り替えることが可能。ClearViewシステムはまた、空気抵抗を減らし燃費改善や車内のノイズを小さくできる。

Flecsformライティング技術
-Flecsformは同社がRohinniとの合弁により開発した柔軟性のあるライティングソリューション。この技術はOLEDなどのその他の技術よりも、さらに明るく、軽量で、省エネ性の高い、高効率で柔軟性のあるライティング技術。紙の厚さ程度の薄型フィルムのマイクロおよびミニLEDを使用し、均一な照明効果を発揮する。

複合スペースフレーム
-同社の複合スペースフレームは、軽量化への継続的な取り組みを代表する製品。このスペースフレームは従来のスチール製と比較して約10%軽量で、リフトゲートモジュールやサイドドアモジュール、ウィンドシールドヘッダーに使用可能。この複合スペースフレームはトヨタ「Supra」の2020年モデルから量産適用される。

Sony「Vision-S」コンセプト車両
-同社子会社Magna SteyrはSonyと協業して、CES 2020で披露されたEVの試作セダンSony「Vison-S」の設計・製造を支援した。Magna Steyrは、車両開発やスタイリング、システム統合、などの様々な開発フェーズでSonyのサポートを行った。「Vision-S」コンセプトは、車両全体に設置された33個の異なったセンサー、複数のワイドスクリーンディスプレイ、360度オーディオ、常時接続されたコネクティビティ機能を特徴とする。

SmartAccessパワードアシステム
-同社のSmartAccessパワードアシステムは、ハプティック (触覚) モーションコントロールシステムを使用した業界初のコンプリートパワードアシステム。このシステムにより、ドアはジェスチャーを通じて開閉することが可能。SmartAccessシステムは、ドアと人、物との接触を防止する先進的な障害物検知システムが組み込まれている。また搭載されるアンチスラム技術は、よりドアに掛かる恐れのある力を抑制する。

e4デモンストレーション車両
-e4デモンストレーション車両は、EVに搭載される同社のeドライブシステムを強調するもの。この車両は、従来の量産モデルより約120kmも航続距離を伸ばし、永久磁石を使用した同期モーターeドライブシステムをフロントおよびリアに配置している。フロントのシステムには機械式ディファレンシャルを搭載し、リアにはツインクラッチ・トルクベクタリングシステムを搭載している。e4に搭載されている他社製のシステムには、ギアボックス、インバーター、インバーターソフトウェア、車両制御ストラテジーなどがある。

再利用可能な熱可塑性リフトゲート
同社は、軽量で再利用可能な熱可塑性リアゲートを自動車メーカーに提供していると発表した。金属製と比べて最大で25%軽く、よりフレキシブルな設計が可能という。同社は、1999年に欧州高級自動車メーカー向けに熱可塑性リアゲートの生産を開始し、その後、複数の欧州メーカーに採用された。北米では、2014年に日産「Rogue」、2018年に2019年型Jeep「Cherokee」と2019年型Acura「RDX」に供給し、中国でも、2018年後半に2モデルへの供給を開始するなど、計300万ユニット以上の熱可塑性リアゲートを世界で出荷している。英調査会社IHS Markitによると、世界のSUV/小型SUV市場は2018年の34百万台から2025年まで43百万台への拡大が予想されることから、同社は、同セグメントに熱可塑性リアゲートを供給する大きなチャンスがあるとみている。(2018年8月30日付プレスリリースより)

複合素材のバッテリーフレーム
-同社は、業界初となる複数の素材を使用したバッテリーフレームを開発したと発表した。このバッテリーフレームは、EVやハイブリッド車のバッテリーハウジングの要求仕様に適合するように高度な複合材と金属で構成されている。

ICON RADAR
-同社は、高精度レーダーシステム「ICON RADAR」を北米国際自動車ショーで発表した。「ICON RADAR」は米軍が使用する先進技術を組み込んでおり、広範囲で精密な検出や、高い弾力性を実現している。同社はエンジニアリングと製品開発でスタートアップ企業Uhnderと協業しており、2019年の市場投入を目指す。「ICON RADAR」は300m超の広範囲にわたって継続的に周辺をスキャンし、対象物の距離、高さ、スピードなどを探知する。この検出・探知機能は競合のシステムと比較して約100倍の対象物を検知するという。ガードレール、路上のがれきや段差、車両や歩行者など探知した対象物をドライバーに知らせる。コンパクトサイズの「ICON RADAR」は外装に柔軟性も持ち合わせ、各自動車メーカーの自動運転システムやMagnaの自動運転車両プラットフォーム「MAX4」に容易に組み込むことができるとしている。(2018年1月15日付プレスリリースより)

 

特許

-2019年12月31日時点で、同社は世界で3,800件超の特許を持ち、そのうち1,300件は2017年以降に取得したもの。

  

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
全社 1,441 1,650 1,875

 

海外投資

<U.S.>
-同社は、50百万ドルを投じた米国ミシガン州Grand Blanc Townshipの電子機器製造施設が開設したと発表した。230,000平方フィートの新工場は、Magna Electronics Hollyや2018年に設立されたMagna Rohinni Automotiveの合弁会社など近隣3拠点を統合し、先進運転支援システム (ADAS)、先進ロボティクス、マイクロLED照明用製品を製造する。先進ロボティクスR&Dテストラボも備え、グローバル拠点の効率的なロボットと生産プロセスにも対応するという。同工場は600名超を雇用して2020年秋までにフル稼働し、330カ所を超える米州、欧州、アジアの各拠点に製品を出荷する予定。Magna Electronics Hollyは2005年に自動車用カメラの製造を開始し、これまで4,600万個を超えるADAS製品を生産している。Magnaは現在、カメラをレーダーやLiDARなどの他のセンサーと組み合わせた自動運転用ADAS製品を開発している。(2019年8月14日付プレスリリースより)



-同社は、米国オハイオ州Lancasterに同州5拠点目となる新工場を設立すると発表した。約60百万ドルの投資を受け建設工事が開始された当該工場は、広さ150,000平方フィートの施設となり、2020年第1四半期に稼働開始する。その後、将来的な成長を見込んで2021年までに300名を雇用する。この工場は米国で同社初のシート機構専用の製造工場となり、ロボットによるレーザーとミグ溶接機能を装備する。納入先に合わせた戦略的な立地に設立され、グローバルカーメーカーのプラグインハイブリッド車 (PHV) 向けのシート生産から開始されるという。(2019年7月30日付プレスリリースより)



-デトロイトニュースとFCAのプレスリリースによれば、Dakkota Integrated SystemsがFCAのデトロイト新工場に製品を供給するため55百万ドルを投じて工場を新設する。Dakkota Integrated Systemsの新工場は広さ60万平方フィートで、2012年に閉鎖されたデトロイト東部の32エーカーの学校跡地に建設される。新工場では625名の新規雇用を見込む。自動車用内装部品を手掛けるDakkota Integrated Systemsは、トラック輸送業者のRush GroupとMagna Internationalによって2001年に設立された。FCAは2020年後半開始予定のJeep「Grand Cherokee」およびJeepの3列フルサイズSUV生産のため、16億ドルを投じて休止状態のMack Avenueのエンジン工場の刷新を開始、また9億ドルを投資してDodge「Durango」と新型Jeep「Wagoneer」を生産するJefferson North工場の拡張に取り組んでいる。(FCA release on July 9, 2019) (Dakkota Integrated Systems announcement) (Detroit News article on July 9, 2019)



-各種報道によると、同社の子会社であるMagna Seating of Americaが14.6百万ドルを投じてオハイオ州ランカスター(Lancaster)に自動車用シートの部品・組立工場を設立するという。ランカスター市長によると、同社は当該工場の竣工までの間、ランカスター港湾局が所有する建物に1ライン導入し、先行して生産を行うとのこと。なお、量産は2020年の第1四半期より開始されるとしている。(2019年3月25日付各種報道より)



<Morocco>
-同社は、モロッコKenitraで新工場の建設を開始したと発表した。11.3百万ドルを投じて新設される広さ61,400平方フィートの新工場は、最大275名の雇用を創出する見込み。同工場は2020年春に操業開始予定で、内装および外装ミラーシステムを生産し、インテリジェントビジョンシステムを通じてドライバー体験の向上を目指すとしている。(2019年4月23日付プレスリリースより)