Beijing Horizon Robotics Technology R&D Co., Ltd.[北京地平線機器人技術研発有限公司] 2023年12月期の動向
新会社
VW傘下のCARIADと合弁会社を設立
-地平線は、VWグループ傘下のソフトウェア会社CARIADと合弁会社酷睿程(CARIZON)を設立したと発表した。この合弁会社の本部は北京に設置され、2023年末までに約300名の従業員を雇用する計画。CARIZONは、地平線のソフト・ハードウェア統合技術能力およびCARIADのインテリジェントボディとソフトウェアシステム統合技術を活用し、業界トップクラスかつ高度に最適化されたフルスタック式自動運転支援システムと自動運転ソリューションを開発する。CARIZONは地平線の車載チップ「征程」をベースに研究開発を行い、インテリジェントドライブソリューションをVWグループの中国市場のEVモデルに搭載する。(2023年12月8日付の地平線のWechat公式アカウントより)
戦略的提携
OEMとの連携
哪吒汽車(Neta)
-哪吒汽車(Neta)は、地平線と上海モーターショー2023で戦略的提携深化に関する協議に合意したと発表した。両社は高度自動運転専用チップ「征程(Journy) 5」をベースとし、電気自動車(EV)などのアルゴリズム技術に関する協力提携を深め、高度NOA自動運転支援システムを開発する。同システムは複数のモデルに応用される予定で、初搭載モデルの量産を2024年に開始する予定。両社は2021年に提携して以来、すでに多くのプロジェクトで成果を上げ、地平線の車載チップ「征程3」は「哪吒U-II」、「哪吒GT」などのモデルに搭載されている。地平線は今回のモーターショーで、「征程5」の出荷量がすでに10万枚を突破し、累計で自動車メーカー9社、約20モデルから受注を獲得していると発表した。(2023年4月19日付哪吒汽車のWechat公式アカウントよりより)
北汽集団
-地平線は、北汽集団とスマート運転ソリューションの開発で提携すると発表した。北汽集団は地平線の車載チップ「征程(Journey)」の全シリーズをベースに、同社ブランドのスマート運転ソリューションの開発と応用を推進する。両社が共同開発するシステムを搭載する量産車は、2023年に投入される予定だという。(2023年2月24日付の地平線WeChat公式アカウントより)
広汽埃安
-地平線は、広汽埃安と包括的な戦略的提携を締結したと発表した。広汽埃安は車載AIチップ「征程(Journey)」シリーズをベースに、スマート運転とスマートコックピットのインタラクションプラットフォームの研究開発と応用を中心に、先進技術を用いたスマート化製品の開発を行う。2021年4月に車載チップ「征程2」を搭載した広汽埃安「AION Y」がされるなど、現在、「征程2」搭載のモデルが量産を実現している。両社は「征程5」を含む車載チップ「征程(Journey)」の全シリーズについて採用を検討していくという。(2023年1月18日付地平線のWeChat公式アカウントより)
サプライヤーとの連携
StradVision
-地平線は、韓国の画像認識技術企業であるStradVisionと戦略的提携について合意したと発表した。両社はStradVisionのセンシング技術と地平線の「征程(Journey)」シリーズのコンピューティングソリューションをベースに、Tier-1及び自動車メーカー向けに自動運転ソリューションを提供する。(2023年10月9日付の地平線Wechat公式アカウントより)
四維図新
-地平線は、スマート運転システムなどの分野で北京四維図新科技股份有限公司[NavInfo Co., Ltd.](四維図新)と戦略的提携を締結したと発表した。両社は今後、地平線の車載チップ「征程(Journey)5」および四維図新のスマート運転システムをベースに、高度スマート運転ソリューションを開発する。さらに、車載チップおよびコックピット用チップ、MCUチップを活用して高処理能力を持つコックピットシステムを共同開発する。このシステムは、コックピットとスマート運転のドメインを統合し、ハードウェアリソースの最適化配置を実現し、単一機能のハードウェアコストを低減する。(2023年7月4日付地平線のWechat公式アカウントより)
Wind River
-地平線は、Aptivおよび米Wind River (風河)と戦略的に提携すると発表した。地平線は、征程(Journey)シリーズの車載チップをベースとして、Aptiv及び傘下の風河公司が自動車メーカーに統合したソフト・ハードウェアソリューションの開発支援を行う。地平線は征程シリーズチップでWind River VxWorksリアルタイムオペレーションシステム(RTOS)、Wind River Helix仮想化プラットフォーム、Wind River Linux、Wind River Studioおよびコンテナアーキテクチャおよびミドルウェアを含む風河の複数のソフトウェア製品をサポートする。(2023年7月3日付地平線のWechat公式アカウントより)
均聯智行
-地平線は、均勝電子傘下の均聯智行と戦略的提携に合意したと発表した。今回の提携で、地平線は車両向けチップ、車載コンピュータープラットフォーム、視覚センサ、マンマシンインタラクションなどを含む「チップ+参照アルゴリズム+開発ツール」をベースとしたスマートカーソリューションを提供する。均聯智行は車両向け自動運転技術の知見をベースに、地平線と共同で先進運転支援システム(ADAS)、自動運転、スマートマンマシンインタラクションなどの分野における製品の開発を推進し、自動運転ソリューションの展開を加速させる。(2023年5月19日付地平線のWechat公式アカウントより)
ZF
-地平線は、ZFと戦略的提携を深めると発表した。ZFは、地平線の車載チップをベースに中国版「ProAI(采睿星)」高性能コンピューティングプラットフォームソリューションを開発し、中国の自動車メーカー向けに高性能なパイロット運転支援システムに対応する拡張可能なコンピューティングプラットフォームを開発する。このシステムは6-12台ののカメラ、5-6個のミリ波レーダー、12個の超音波センサーによる構成が可能。より多くのシナリオへに対応するようにLiDARの拡張性を考慮することで、顧客ごとの様々な要件に対応できる。ZFが今回開発する地平線の車載チップ「征程5」をベースとしたコンピューティングプラットフォームは、2024年第3四半期に投入予定だという。(2023年4月21日付地平線の公式サイトより)
KargoBot
-地平線は、滴滴の自動運転トラックブランドKargoBotと戦略的提携に合意したと発表した。両社は車載チップ「征程(Journey)」シリーズをベースに高性能・高信頼性・高い冗長性を特長とした無人運転トラックのドメインコントローラーの開発を行う。レベル4の自動運転システムで求められる高速データ処理、リアルタイムな環境感知、スマート意思決定の処理能力に対応させ、自動運転トラックの安全性を確保させる。地平線は高い統合化と高い処理能力を実現するための高性能車載チップを提供する。KargoBotはドメインコントローラーに高効率なアルゴリズムや安定したソフトウェアによる支援を提供する。共同開発した自動運転ドメインコントローラーは2024年に量産予定であり、KargoBotの初の量産モデルに搭載予定。(2023年4月19日付地平線の公式サイトより)
科博達
-地平線は、自動運転ソリューションプロバイダーの科博達智能科技と製品開発や技術研究で協業すると発表した。科博達は地平線の車載チップ「征程(Journey)」をベースに、異なるレベル、シーンに向けたドメインコントローラー及びスマート運転ソリューションを開発し、AEB(自動緊急ブレーキ)、AES(自動緊急車線変更)などのアクティブセーフティ機能およびIALC(スマート車線変更)、Navigation on Autopilot(NOA)などを含む走行機能および自動駐車製品を提供する。(2023年4月13日付地平線の公式サイトより)
奇瑞集団傘下 大卓智能
-地平線は、奇瑞集団傘下の大卓智能と戦略的提携に合意したと発表した。両社は自動運転の普及を推進する。協議に基づき、地平線は車載チップ「征程(Journey)シリーズ」をベースとして、大卓智能による高度運転支援システム(ADAS)およびドメインコントローラーシリーズ製品やソリューションの開発に加えて、奇瑞汽車ブランドの複数モデルへの搭載を推進する。また、両社はハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムおよびツールチェーンなどでも協業し、効率的な開発や統合を目指す。(2023年4月12日付地平線の公式サイトより)
星宇股份
-地平線は、常州星宇車灯股份有限公司と戦略的提携を締結したと発表した。両社は「車載チップ+アルゴリズム」技術を協業の対象として、「車両法規対応、量産化、納期対応」を提携目標とする。「走行駐車一体型」ソリューションの量産と普及を推進し、同技術がスマートカーの標準装備になるよう働きかける。なお、星宇股份が地平線の車載チップ「征程(Journey)3」をベースに開発した「走行駐車一体型」ソリューションは国内大手OEMから受注を獲得し、2023年に量産開始予定だという。(2023年2月15日付地平線のWeChat公式アカウントより)
Pony.ai
-地平線は、Pony.ai(小馬智行)と戦略的提携に合意すると発表した。両社は地平線の車載チップ「征程(Journey)」及びPony.aiが開発した走行駐車一体型スマート運転アルゴリズムをベースに、高性能で高コストパフォーマンスのスマート運転ソリューションを開発する。(2023年1月9日付地平線のWechat公式アカウントより)
受注
-地平線は、奇瑞汽車傘下の「星紀元(STERRA)ES」に車載チップ「征程(journey)3」およびモノビジョンセンシングソリューション「Horizon Matrix Mono 3」を標準装備として供給していると発表した。これにより、全車線クルーズアシスト(NEP)、アダプティブクルーズコントロール、インテリジェントクルーズアシスト、車線逸脱防止システム、レーンキープアシスト、死角検出など複数のレベル2の自動運転支援機能が実現可能になっているという。Max長航続バージョンにはさらに禾多科技(HoloMatic)が2つの「征程3」チップをベースに開発した「HoloArk 1.0」自動運転ドメインコントローラーを搭載し、総演算性能は18TOPSで、高速クルーズアシスト(NEP)、 自動駐車、遠隔駐車、メモリー機能付き自動駐車を含む走行駐車一体型機能を実現している。(2023年12月22日付地平線のWechat公式アカウントより)
-地平線は、東風日産の電気SUV「啓辰 (Venucia) VX6」に製品が採用されたと発表した。「啓辰VX6」の520Proと520Maxバージョンはいずれも地平線の車載チップ「征程3 (Journey3)」およびモノビジョンセンシングソリューション「Horizon Matrix Mono 3 (Mono 3)」を搭載する。「征程3」チップを搭載することにより、「啓辰VX6」はインテリジェントクルーズコントロール(ICC)、レーンキープアシスト(ELKA)、交通渋滞アシスト(TJA)を含む豊富なレベル2の自動運転支援機能が実現可能。(2023年11月13日付地平線のWechat公式アカウントより)
-地平線は、同社の車載チップが採用された福瑞泰克ODINデジタルシャシーソリューションが長安啓源のコンパクトセダン「A05」(145Maxバージョン)に搭載されたと発表した。福瑞泰克ODINデジタルシャシーソリューションは、「征程2 (Journey 2)」及びモノビジョンセンシングソリューション「Horizon Matrix Mono 2」をベースに開発されたもので、レベル2のADAS(先進運転支援システム)機能を実現している。また、C-NCAPの安全評価で5つ星を獲得し、ADASの基準に合格している。(2023年10月30日付地平線のWechat公式アカウントより)
-地平線は、上汽GM五菱のMPV「凱捷(海外名:Victory)」のハイブリッド(HV)バージョン(凱捷HVプラチナバージョン)に地平線の車載チップ征程(Journey)2をベースとした福瑞奏克(Freetech)ODINデジタルインテリジェンスベースソリューションが搭載されたと発表した。これにより、レベル2の先進運転支援システム(ADAS)の全機能をサポートしているという。(2023年2月28日付地平線WeChat公式アカウントより)
投資
広州卡爾動力科技有限公司(卡爾動力)は、地平線から戦略的投資を獲得したと発表した。将来的に、両社は高性能な自動運転ドメインコントローラーに関して技術面や事業面での協力を推進し、卡爾動力のスマート車列編隊システムを活用した幹線物流における大規模な無人化を目指す。卡爾動力は滴滴(DiDi)の自動運転インキュベーション企業であり、2021年2月以降、幹線道路における自動運転レベル4の無人貨物輸送技術の開発や実用化に注力している。2023年4月に戦略的提携を締結した後、卡爾動力と地平線は車載チップ「征程(Journey)シリーズ」をベースに、無人化を目標としたドメインコントローラーの共同開発や検証を行っている。(2023年12月11日付卡爾動力のWechat公式アカウントより)
研究開発
名称 | 所在地 | 設立時期 | 概要 |
上海自動運転R&Dセンター | 上海市 | 2017年5月 | ADAS・自動運転の製品開発、車載ソフトウェアの開発・システムテストおよび適合、完成車への統合、フロントエンドのカスタマーサポートサービス |
シリコンバレーAIテストラボ | 米国 シリコンバレー | 2018年8月 | AI基礎研究所とAI応用研究所から構成される研究拠点 |
南京R&Dセンター | 南京市 | 2016年8月 | 特にシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、音響信号処理の3つの技術領域、およびスマートホーム、自動運転、深層学習チップの3つの用途における研究開発を行う |
車載AIチップグローバルR&D本部 | 上海市 | 建設中 | 2020年11月、中国(上海)自由貿易試験区臨港新片区管理委員会との間でプロジェクト契約を締結。 総額約30億元の投資を行い、今後2年間で100万台の車載AIチップ搭載スマートカーの量産を計画。ADAS・コックピットHMI向けAIコンピューティングに資する半導体チップの開発および量産化に注力。 |
-同社創業者の余凱博士および研究チーム、清華大学の張钹学術研究員および国内のAI研究チーム、そして南京政府が2018年4月に「南京先進AI研究所」を設立。
-長安汽車、PATEO CONNECT+、上汽集団、中国第一汽車股份有限公司智能網聯開発院と共同でAIラボを設立。
認証
-地平線は、自社の車載チップ「征程5(Journey 5)」が中汽研華誠認証(天津)有限公司により公布された「自動車用SoCチップのセキュリティ製品認証」を取得したと発表した。中汽研華誠認証(天津)有限公司は、中国汽車技術研究中心有限公司(中国自動車技術研究センター/CATARC)に属しており、今回、車載コンピューティングセキュリティ試験、主要性能及び信頼性試験評価に関して、「CATARCマーク認証実施規則-自動車用SoCチップのセキュリティ等級評定」を策定・発行した。(2023年2月2日付地平線のWechat公式アカウントより)
展示会
-地平線は、第21回広州国際汽車展覧会(広州モーターショー2023)で次世代車載チップ「征程(Journey) 6」を出展したと発表した。2024年4月に発売し、同年第4四半期からチップ搭載モデルが投入されるという。「Journey 6」は統一したBPU (Brain Processing Unit)コンピューティングアーキテクチャをベースに開発された。中でもフラグシップのものは都市部での高度自動運転専用であり、処理能力は560TOPSに達する。地平線はさらに広州モーターショー期間にBYD、広汽集団、VWグループ傘下のソフトウェア会社CARIAD、Boschなどの「征程6」を活用する意向パートナーを公開した。(2023年11月17日の地平線のWechat公式アカウントより)
-地平線は、ドイツMunichで開催のIAA Mobility 2023でエネルギー効率に優れたコンピューティングソリューション「Journey」 シリーズと、ドライビングソリューション「Matrix」を出展することを発表した。また、国内外のパートナーと共同開発した複数の自動運転のユースケースも発表するほか、STRADVISIONとの提携など、重要なパートナーシップについても発表する。地平線とSTRADVISIONの提携では、STRADVISIONのSVNetと地平線のJourneyコンピューティングソリューションをシームレスに統合し、ADASソリューションの実現を目的としている。地平線のパートナーであるJOYNEXTは、レベル 2から 2++の自動運転機能を可能にする、nDriveシリーズのJourney搭載ドメインコントローラーを展示した。(2023年9月4日付プレスリリースより)