(株)ヨロズにおけるカーボンニュートラルへのチャレンジ

2040年に生産工程のCO2排出ゼロを目指す

2022/04/11

要約

  自動車業界ではライフサイクルアセスメント(LCA)全体でのカーボンニュートラルが世界的にも日本国内でも潮流になっていく中で、自動車メーカーがスコープ3まで含むサプライチェーン全体でのCO2排出削減を求める動きが活発化しつつある。

  (参考)スコープ(Scope)は温室効果ガス(GHG)排出量の算定、報告の基準の1つ。

  • Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
  • Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

  • 参照先:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム
    https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/index.html

 

製品のライフサイクルでの取り組み
製品のライフサイクルでの取り組み
(資料:ヨロズ)

  自動車サスペンション部品メーカー大手の(株)ヨロズは、中期経営計画「Yorozu Sustainability Plan 2023」(YSP2023)における施策の1つとしてESG(環境・社会・ガバナンス)経営を掲げ、2040年に向けての具体的な取り組みとして、気候変動対策のためのカーボンニュートラルへのチャレンジを推進している。同社は業界に先駆けて太陽光発電システムの導入など再生可能エネルギーへ切り替えを進め、CO2排出削減に向けた具体的な施策に取り組んでいる。


  ヨロズの志藤会長(日本自動車部品工業会理事)は日本の自動車部品メーカー全体のモデルとして同社の取り組みを紹介したいと語った。マークラインズは2022年2月末に久米専務執行役員(ESG推進室長)ならびに山口主担(人事担当)より説明を伺い、Tier1サプライヤーによるカーボンニュートラルならびにESG施策の実践例として同社の取り組みを紹介する。

 

関連レポート:
第6回ReVisionモビリティサミット:三菱自動車の講演より (2022年4月)
ホンダの2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みと未来作り (2022年2月)
脱炭素 - COP26における世界的合意と地域/OEMへの展開 (2022年1月)
ライフサイクルアセスメント (2021年6月)
日系OEM各社が電動化、脱炭素への方針を発表 (2021年6月)

 

このレポートは有料会員限定です。 残り 4 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。