第1回ReVision次世代ビークルサミット:ソニーと日産の講演より

未来のクルマとテクノロジー:EV、自動運転、コネクティビティ

2021/11/16

要約

  本レポートは、2021年10月に開催された第1回ReVision次世代ビークルサミットにおけるソニーグループと日産自動車の講演のポイントを報告する。


  ソニーグループ株式会社 常務 AIロボティクスビジネス担当 AIロボティクスビジネスグループ部門長 川西泉氏より「VISION-Sプロジェクト:未来のクルマとライフスタイルの変化」と題した講演があった。

  ソニーグループは、今後のモビリティの発展に、ソニーグループとして何ができるかとの問題意識を持ってVISION-S Prototypeを開発している。川西氏が担当する「AIロボティクスビジネスグループ」が取り扱う製品は、自律型エンタテインメントロボットのaibo、ドローンのAirpeak、ADASから自動運転を目指すVISION-S Prototypeというように、いずれも自律的に動くことを共通の課題としている。

  また、携帯電話からスマートフォンへ変わるとともにプラットフォーマーが台頭し、その規格(AndroidやiOSなど)をベースにしたハードウエアやサービスにより、画一化したサービスを多くのユーザーが受けられる環境が実現した。同様の変化がCASEの流れのなかでモビリティの世界でも起こるのではないかと考え、EVの開発に着手したという。


  日産自動車株式会社 コネクティドカー&サービス技術開発本部 コネクティド技術開発&サービスオペレーション部 部長 村松寿郎氏からは「これからのクルマづくりに必要なテクノロジー」と題した講演があった。村松氏はコネクティドカーを担当しているので、主にコネクティビティを切り口にNissan Intelligent Mobilityの今後の展望について説明した。

  コネクティドカー&サービス構成概要として、車載システム、クラウドサーバーが外部サービスと連携するシステムの全体像を示し、また2019年に刷新したNissan Connectが提供している主要なサービス、ProPILOT 2.0のシステム、および既に受注予約を開始した「日産アリア」が搭載する新技術を紹介した。

  今後の展望としては、上記の「コネクティドカー&サービス構成概要」は大きくは変わらないと思われるが、環境変化と技術の進化に対応して個々の機能を発展させていく方向性を示した。同時に今までの車両個々の知能化・エネルギー・マネジメントの進化から、集合知・協調型・マスマネジメントに進化するとの見通しを示した。

VISION-S Prototype NISSAN ARIYA
ソニーのVISION-S Prototype
(出典:ソニーグループ)
NISSAN ARIYA (Electrified, Automated, and Connected)
(出典:日産)


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