日産:2022年度までに年間100万台の電動駆動車販売を目指す

プロパイロット搭載車を年100万台販売、全ての新型車をコネクテッドカーに

2018/03/28

要約

Nissan IMx
東京モーターショー2017に出展したNissan IMx

  日産自動車は2018年3月、中期計画「日産M.O.V.E to 2022」の一環として、2022年度までに年間100万台の電動駆動車(100%電気自動車(EV)とe-Power搭載車)の販売を目指すと発表した。E-Powerの採用を大幅に拡大し、100万台の過半数を占めるとされる。

  次いで、2022年までに自動運転技術「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入すると発表。2022年までに、プロパイロット搭載車の販売台数が年間100万台になると見込んでいる。

  さらに、2022年度までに主要市場で販売するニッサン、インフィニティ、ダットサンブランドのすべての新車に「アライアンスコネクテッドクラウド」を導入し、コネクテッドカーとモビリティサービスを拡充すると発表した。

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電動化の推進

  日産は中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」の一環として、2022年度までに年間100万台の電動駆動車(100% EVとe-Power搭載車)の販売を目指すと発表した。e-Power搭載車が、100万台の過半数を占めるという。

  現在日本で販売するノートとセレナに設定しているe-Powerは、発電専用のガソリンエンジンを搭載し、モーターで走行するシリーズハイブリッド車。力強い加速性能、静かさ、低燃費(ノートの2WD車で37.2km/L)、運転感覚を訴求している。ノートe-Powerは発売から最初の1年で累計12.9万台以上を販売しており、ノートを購入した顧客の3分の2がe-Power搭載モデルを選択している。また、2017年にノート(ガソリン車を含む)は前年比36%増の13.9万台を販売して、登録車でプリウスの16万台に次ぐ第2位となった。

  日産は、電動車両のうちFCVやPHVも検討していないわけではないが、FCVやPHVはコストが高く、2022年度までの中期計画期間中の電動車両はEVとe-Powerが中心になるとの考え。
 日産は、e-Power技術を拡大採用していく計画。中国、東南アジア、南米などで展開する。

 なおOEM各社は、最近相次いでEV・PHVなど電動車の販売目標・見込みを発表している。しかし各社は、電動車への顧客の反応の予測に苦労している模様。今回の日産の発表は、EVとガソリンエンジンを搭載するシリーズハイブリッド車であるe-Power搭載車を合わせて「電動駆動車」としている。有力な独自商品であるe-Powerを有効活用する、日産の新たな電動化戦略の表れと思われる。



EVを拡充、中国市場に積極投入

  EVについては、下記の計画を発表した。

  • 新型「日産リーフ」の成功を基盤に、EVを新たに8車種開発
  • 中国で、各ブランドによるEVの積極投入
  • 日本に軽自動車のEVを投入
  • ニッサンIMxコンセプトカーから発想を得たグローバルなクロスオーバーEVを投入
  • 2021年度以降投入するインフィニティの新型車を電動駆動化

  中国市場では、新型「日産リーフ」の技術を生かしたCセグメントのEVや、東風汽車との合弁会社eGT New Energy Automotiveが開発する、AセグメントSUVプラットフォームをベースのEVを投入。さらにヴェヌーシアブランドから2車種の派生型EV(既存モデルのEV化)も計画している。

  日産は、中国市場に、2022年までに40以上の新車種を投入する予定で、その半数を電動駆動モデル(EVとe-Power)とする計画。総販売台数は、2017年の152万台から2022年260万台に100万台以上増加させるとしている(2018年2月発表)。


  インフィニティは、2021年度以降に発売する新型車両をEVもしくはe-Power搭載車とし、電動化を加速する。また、インフィニティは2025年までにグローバル販売台数の半数以上が電動駆動車になると見込む。


  日産は、EVとe-Power搭載車を含む電動駆動車の全販売台数に占める割合を、地域別に下表のように見込む。最も早く電動化が進む日本と欧州では2022年までに40%、2025年までに50%に達すると見込んでいる。



日産:電動駆動車が全販売台数に占める割合(見込み)

日本 欧州 中国 米国
~2022年 40% 40% 30% -
~2025年 50% 50% 35~40% 20~30%

資料:日産

新型リーフ セレナのe-Power搭載車
新型リーフ(東京モーターショー2017) セレナのe-Power搭載車(東京モーターショー2017)

 

 



自動運転技術の展開

  日産は、2022年までに自動運転技術「プロパイロット」を20車種に搭載し、20の市場に投入する計画。プロパイロット搭載車の販売台数が2022年度までに年間100万台になると見込んでいる。

  「プロパイロット」に、高速道路で複数車線を自動で走行する機能を追加し、1年以内に日本市場に導入する予定。

  なお、ルノー・日産・三菱自アライアンスとして、2017年9月に、自動運転車の展開について下記の計画を発表している。今回の発表では、2018年に投入する予定の「高速道路高度自動運転車両」の導入を確認したことになる。


<3社アライアンスが2017年9月に発表した計画>

2018年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーは常に周囲を監視する必要あり)
2020年:市街地高度自動運転車両(ドライバーは常に周囲を監視する必要あり)
2020年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーは必要に応じて運転に関与)
2022年:初の完全自動運転車両(ドライバーの運転への関与は不要)


  なお中国では、政府の規制緩和に伴い、日産は2019年からレベル1とレベル2の自動運転技術を導入する予定(2018年2月発表)。

 

 



コネクテッドカーとモビリティサービス

  日産は、2022年度までに主要市場で販売するニッサン、インフィニティ、ダットサンブランドの新型車すべてに、「アライアンスコネクテッドクラウド」を導入する。クラウドシステムは、インフォテインメントサービスもサポートする。アライアンス3社はコネクテッドカーのデータを一元管理することが可能になる。また全車両に対して、共通メカニズムを通して無線通信でのアップデートが可能となるなど、多くの便益をもたらす。

  本クラウドシステムは、モビリティサービス拡大の土台を提供する。無人運転車による配車サービスもその一部であり、日産はパートナー企業であるDeNAと、2018年3月上旬に無人運転車両を活用した新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を開始した。2020年代早期に本格的なサービス開始を目指す。

 

 



日産の新中期計画「日産M.O.V.E. to 2022」:新しいモビリティサービスを開発

  日産は2017年11月、2017~2022年度の新6カ年中期計画「日産M.O.V.E to 2022」を発表した。

  M.O.V.E.は、それぞれ、Mobility、Operational Excellence、Value to Customers、Electrificationを表す。ルノー・日産・三菱自アライアンスで技術を共有しながら、電動化、自動運転、コネクティビティと新モビリティという3つの中核要素を網羅する「ニッサン インテリジェント モビリティ」を顧客に提供することに重点を置いている。

  6カ年計画の終了までに、中国合弁会社を比例連結した会計基準で、8%の営業利益率を確保しながら年間売上高を2016年度の12兆8,000億円から16兆5,000億円へ増加させ、期間中に累計2兆5,000億円の自動車事業のフリーキャッシュフロー実現を目指している。

Nissan M.O.V.E. to 2022 2022年に向けて:進化をリード
Nissan M.O.V.E. to 2022 2022年に向けて:進化をリード

資料:日産


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キーワード
日産、EV、e-Power、プロパイロット、アライアンスコネクテッドクラウド、日産M.O.V.E. to 2022

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