日産のEV戦略:2022年までに日米欧中で全ての主要セグメントにEVを投入
10月に航続距離400kmの新型LEAFを発売、2022年に600kmを目指す
2017/09/22
- 要約
- 新6カ年計画「アライアンス2022」を発表、全ての主要セグメントにEVを投入
- 新型LEAFを発表、日本で2017年10月に、欧米で2018年1月に発売
- 今後のEVは航続距離よりも車の魅力の競争に
- 中国市場:東風汽車と共同でEV開発会社を設立、AセグメントSUVのEVを開発
- 日産のリチウムイオン電池性能向上の経緯
- VCターボエンジン技術を活用しe-Powerの発電専用エンジンを開発
要約
2017年10月に日本で発売する新型LEAF(日産広報資料) |
日産は、2017年8~9月の2カ月間に、EV事業に関する4件の発表を行った(下表参照方)。
9月15日、Renault、日産、三菱自は共同で、新6カ年計画「アライアンス2022」を発表。EVの領域では、複数のセグメントに展開可能なEV専用プラットフォームを開発し、2022年までにEVの航続距離600kmを達成、また日米欧中市場において全ての主要セグメントにEVを投入する。( 「アライアンス2022」の全容については、次回レポートで報告する。)
2017年10月に、容量40kWhの電池を搭載し、航続距離を現行モデルの280kmから400kmに延長した新型LEAFを日本市場に投入する。今まで以上に安心して長距離ドライブが楽しめるとしている。新型LEAFでは、プロパイロット、プロパイロットパーキング、e-Pedalの導入も訴求している。
中国市場では、東風汽車と共同で小型SUVのEVを開発し、2019年に生産を開始すると発表した。中国には、B、C、D各セグメントに中国市場で受け入れられるEVを投入していく。中国政府は、2018年(または2019年)から、大手メーカーに一定の台数のEV/PHVの販売を義務付けるほか、ガソリン・ディーゼルエンジン車の販売禁止についての検討を開始した。
リチウムイオン電池事業の売却も発表した。EVの航続距離400kmを達成し、さらに600kmも見えてきた今日、航続距離はEVの差別化要因ではなくなると見て、電池の生産は手放して車本来の魅力を強化したEVの開発・生産に専念していく方針。
なお、シリーズハイブリッド車で、燃費37.4km/Lを達成したNote e-Powerの販売が好調。2017年内にミニバンSerenaにe-Powerを搭載する。またVCターボエンジンの技術を活かして、さらに高効率な発電専用エンジンを開発する計画。
日産のEV事業に関する発表(2017年8~9月)
9月15日 | 新6カ年計画「アライアンス2022」の一環として、EV事業を大幅増強する |
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9月6日 | 航続距離400kmの新型LEAFを10月に日本で発売する |
8月9日 | 中国市場向けEVを東風汽車と共同で開発する |
8月8日 | リチウムイオン電池事業をGSRキャピタルに売却する |
資料:日産のプレスリリース |
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