現代自動車:高級車ブランド"Genesis"とエコカー"Ioniq"シリーズを投入

中国・米国市場で苦戦し、2016年グローバル出荷台数は14万台減、4年連続で営業減益

2017/04/07

要約

2016年に新発売したGenesis G90 Luxury Flagship。V8 5000ccまたはV6 3300ccエンジンと8速ATを搭載し、Mercedes-Benz S ClassやBMW 7 Seriesなどトップレベルの高級車に対抗する(写真:現代自)。
2016年に新発売したGenesis G90 Luxury Flagship。V8 5000ccまたはV6 3300ccエンジンと8速ATを搭載し、Mercedes-Benz S ClassやBMW 7 Seriesなどトップレベルの高級車に対抗する(写真:現代自)。

<新たな商品戦略>

 本レポートは、現代自グループの新たな商品戦略と業績の推移を報告する。

 同グループの業績は、ここ数年足踏み状態にあるが、今後の戦略の重要な柱として、商品/ブランド価値を向上させることにより、安定的に売上と利益の拡大を実現するとしている。具体的には、2016~2017年から、1)高級車ブランド "Genesis"を立ち上げ、2)エコカー分野で現代"Ioniq"と"起亜"Niro"シリーズを投入、さらに3)高性能車"N"シリーズを投入する。

 既存商品分野では、これまで出遅れていた4)Crossover車を強化する計画。



<現代自グループの業績は、伸び悩み状態>

 現代自グループの世界販売は、2007年の400万台から2011年の660万台へ、4年間で66%の大幅拡大を実現した。しかし、急速な拡大に伴うリスクを懸念し、しばらく生産能力拡大を中断して品質向上など内部充実に努めた。

 その結果、顧客満足度のランクは大幅に上昇したが、2015年のグループ出荷台数は1万台増にとどまり、2016年は韓国の工場での全面ストライキの影響もあり、14万台減少し788万台。

 現代自の営業利益率は、2010年の10%から、2014年の8.5%、2016年の5.5%と低下している。同じ期の起亜自の営業利益率も、7.5%、5.5%、4.7%と低下した。最大および2番目の大市場である中国と米国で苦戦し、販売台数を維持するために値引きを拡大していることが、収益性低下の主因とされている。

 中国では、2016~2017年に北京現代第4工場・第5工場が稼働し、2018年の現代自グループの生産能力は270万台に達する。2017年のグループ出荷計画台数は195万台で、工場稼働率の低下が懸念されている。

 また、中国で、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備の問題から反韓感情が高まり、2017年3月の販売が52.2%減少したと報道されている。この状況が長引けばかなりの影響が考えられる。

関連レポート:

現代自:上半期の世界出荷台数が10万台減、減収・減益(2015年10月)
現代自動車グループ:2013年から営業減益が続く(2014年9月)



高級車ブランド"Genesis"を新設、2020年までに6モデルを投入

Kiaの後輪駆動ラグジュリー車Stinger Fastback Sport sedan(写真:起亜自)
Kiaの後輪駆動高級車Stinger Fastback Sport sedan(写真:起亜自)

 現代自は、10年越しで高級車ブランドの新設を検討してきたが、Genesisブランドを新設することを決定し、2015年11月に発表した。2016年8月に、G80とG90を米国で発売し、さらに2020年までにG80とG90を含めて合計6モデルに拡大する。従来の大型セダンEquusはG90に、GenesisセダンはG80に吸収される。Genesis coupeは生産を中止し、2018年に発売されるG70 coupeが後継車となる。

 ラグジュアリーセグメントで一定の地位を確保するためには、顧客の認知と評価が必要だが、そのためには10年以上の時間が必要で、また一定のシェアを得るには20年レベルの年月が必要と言われている。ブランドマネジャーに就任したFitzgerald氏も、Genesisブランドを育てるには忍耐が必要だとしている。

 GenesisブランドにはEV、HVも計画され、FCVも検討中とされる。

 また、起亜自の後輪駆動の高級車としては、G80ベースのKia Stinger Fastback Sport sedanを2017年後半に投入する。2014年に発売したK900は、2019年にG90ベースでフルモデルチェンジを計画。



高級車ブランド"Genesis"を立ち上げ

  現代自は、Genesisブランドのスタートに当たって、GenesisブランドマネジャーにManfred Fitzgerald、チーフ・デザイナーにLuc Donckerwolkeを採用した。二人は、1998~1999年からVWグループで当時苦戦していたLamborghiniブランドの立て直しを担当し、成功させた。今回の業務は、新しい高級ブランドをゼロから立ち上げて、BMWやMercedesに対抗できる一流の高級ブランドに育て上げるというより困難な仕事になるとされる。
 2016年8月に米国で発売したG90とG80のデザインは、この二人が入社する前に決定されていた。しかし二人は、2017年に投入されるG70セダン以後のモデルについて、全面的な拒否権を与えられていると報道されている。
  Genesisブランドは、2016年8月に、G90、G80の2車種を持って、Hyundaiディーラーで販売をスタートした。2車種のみで、しかも大型セダン、ラグジュリーセダンという、市場規模が縮小しているセグメント(注)でのスタートは容易なことではないが、2020年に6車種が揃うと、G70などは販売ボリュームも期待できるので、本格的に立ち上がるだろうとしている。
資料:現代自プレスリリース 2015.11.4、Automotive News 2016.8.8/2016.9.19/2017.1.23
(注)Ward's Automotive Reportsによると、G80を含む"Middle Luxuryセダン"セグメントの米国販売台数は2015年の22.8万台から2016年の20.6万台へ、G90を含む"Upper Luxuryセダン"は9.2万台から8.9万台へ、それぞれ減少した。


Ioniqシリーズを投入し、エコカーモデルを2020年28モデルに拡大

 エコカー、特にEV市場の進展はここ数年ゆっくりしたものであったが、ここにきて、Tesla Model SやChevrolet Boltの投入、さらには中国でのEVの急速な拡大に刺激され、急加速している。

 現代自グループは、2016年からエコカー "Ioniq"シリーズの投入を開始した(米国市場へは2017年から)。ボディータイプはコンパクト・ハッチバックで、サイズはトヨタ・プリウスと殆ど同じ。一つの専用プラットフォームからEV、HV、PHVの3モデルを開発した。起亜自も、Ioniq姉妹車であるNiroシリーズ(ボディータイプはクロスオーバー)のHVとPHVを投入する。

 現代自グループは、エコカーのモデル数を、2016年の11モデルから2020年28モデルに大幅拡大する。2020年に約30万台のエコカーを販売し(2015年は7万台強)、トヨタに次ぐエコカー世界第2位を狙う。現代自は、韓国メーカーとして韓国国内の電池メーカーとエレクトロニクス・メーカーを活用できることがメリットとされる。

 EVの1充填当たりの航続距離については、2017年に米国投入するIoniq EVは、容量28kWhのリチウムイオン電池を搭載し航続距離は124マイル。しかし、EVの要素技術を進歩させて、2018年に航続距離200マイル、2020年には250マイルのEVを投入する計画。

Hyundai Ioniq Hybrid(写真:現代自) Kia Niro Hybrid(北京モーターショー2016)
Hyundai Ioniq Electric(写真:現代自) Kia Niro Hybrid(北京モーターショー2016)



米国市場に投入するIoniqシリーズ

  米国発売 燃費他 駆動用電池
HV 2017年春 EPA燃費 58 mpg(combined) リチウムイオン
ポリマー
EV 2017年4月 電池容量 28kWh、航続距離 124マイル
PHV 2017年後半 電池容量 8.9kWh
資料:現代自 Investor Presentation March 2017、Automotive News 2017.3.13



カテゴリー別のエコカーモデル数計画

カテゴリー 2016年 2020年
HV 6 10
PHV 2 8
EV 2 8
FCV 1 2
合計 11 28
モデル数の世界ランク 3位 2位
資料:現代自 Investor Presentation March 2017
(注)現代、Genesis、起亜ブランドの合計モデル数。



高性能車"N"シリーズを開発、2年間で6モデルを投入

 Nシリーズは、モータースポーツで鍛えられた、運転の興奮と喜びを提供する高性能車。Nシリーズを開発する部門は、2012年に設置され、2015年4月にBMWでMシリーズを30年間担当していたAlbert Biermannを、Nシリーズの責任者として招聘した。「N」のロゴを付け、Hyundaiのサブブランドとして育てる。

 最初の量産モデルは"i30 N"で、欧州市場で2017年後半に発売される。一般道とサーキット両方で走行可能だが、一般道走行に配慮したバージョンとサーキット走行に特化したバージョンを開発する。VW Golf R、Ford Focus STやホンダCivic Type Rに対抗する。

 2019年までに6モデルを投入する計画とされるが、全容は発表されていない。



Crossover車を刷新、新モデルを投入

 現代自グループは、Crossover車で出遅れており、中国・米国市場での不振理由の一つとされている。

 中国市場では、起亜自のCrossover車は、2016年末時点でサブコンパクトCrossover KX3、コンパクトCrossover KX5の2車種であったが、2017~2018年に3車種を追加して5車種とする。現代ブランドでも同様のCrossover強化を図るとみられる。2017年4月に、新しいサブコンパクトCrossoverのモデル名をKonaに決定したと発表した。

 米国市場では、現代・起亜両ブランドとも2017~2018年にサブコンパクトCrossoverを投入する。また現代自のSanta Feと小型のSanta Fe Sportについては、2018年にSanta Feを本格的8人乗り車に、Santa Fe Sportはオフロード性能を強化することで明確に差別化する方針。起亜自の姉妹車Sorentoも、8速ATを搭載するなど大幅改良を計画している。

 Genesis、Ioniq/Niro、N、Crossover車以外も含めた、現代自グループの2019年までの北米モデル計画を、下記に掲載する。



北米でのモデル計画

現代自動車

  2016年 2017年 2018年 2019年
現代
ブランド
・Elantra  ・新型Accent
・Elantra GT
・新型Veloster
・Ioniq HV/EV/PHV
・Fuel Cell Crossover
・Veloster N
・新型Santa Fe
・Santa Cruz Pickup
・サブコンパクトCrossover
・新型Sonata
Genesis
ブランド
・G80
・G90
・G70 ・G70 Coupe
・中型Crossover
・新型G80
・コンパクトCrossover



起亜自動車

  2016年 2017年 2018年 2019年
起亜ブランド ・新型Sportage 
・新型Cadenza
・新型Rio
・Stinger Fastback Sport Sedan
・Niro HV/PHV
・サブコンパクトCrossover
・新型Forte 
・Niro EV
・新型Soul
・新型K900
・新型Optima 
・大型Crossover
資料:Automotive News 2016.8.8/2016.11.21


業績:現代自は4期連続の減益、2016年の営業利益率は5.5%

 現代自の連結決算では、売上高は増加しているが、営業利益は4年連続の減益。2011~2012年に10%を超えていた営業利益率は2016年に5.5%に低下した。

 起亜自の営業利益率は5年連続で下降し、2016年は4.7%。なお、起亜自は現代自の持ち分法適用子会社で、起亜自の業績は現代自の純利益に反映されている。
(現代自資料によると、2015年の自動車メーカーの平均営業利益率は、Luxury Brandで9.0%、Mass Brandで4.4%であり、現代自グループは、世界の大手自動車メーカーに伍する収益性を保っているとしている。)

 現代自グループの世界販売は、2007年の400万台から2011年の660万台へ、4年間で66%の大幅拡大を実現した。しかし、急速な拡大のリスクを懸念し、しばらく生産能力拡大を中断し、品質向上など内部充実に努めた。

 その結果、顧客満足度のランクは顕著に上昇したが(注)、2015年のグループ出荷台数は1万台増にとどまり、2016年は韓国の工場で12年ぶりに実施された全面ストライキの影響もあり、14万台減少した。

 (注)現代ブランドは、米国でのJ.D. PowerのInitial Quality Study(購入後90日間の不具合件数調査)において、2012年のノンプレミアム車での第 9位から2014年第 1位、2016年に第 2位に躍進(同年第一位は起亜ブランド)。Vehicle Dependability Study(購入後3年間の不具合件数)においても、2015年第 15位から2017年第 3位に向上した。

現代自グループの営業利益 現代自グループの出荷台数



現代自動車グループの業績

(10億ウォン)

    2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
現代自動車 売上高 66,985 77,798 84,470 87,308 89,256 91,959 93,649
営業利益 5,918 8,029 8,441 8,316 7,550 6,358 5,194
営業利益率 8.8% 10.3% 10.0% 9.5% 8.5% 6.9% 5.5%
純利益 6,001 8,105 9,061 8,994 7,649 6,509 5,719
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
起亜自動車 売上高 35,827 43,191 47,243 47,598 47,097 49,521 52,713
営業利益 2,490 3,499 3,522 3,177 2,573 2,354 2,462
営業利益率 7.0% 8.1% 7.5% 6.7% 5.5% 4.8% 4.7%
純利益 2,698 3,519 3,865 3,817 2,994 2,631 2,755
資料:両社の決算発表資料
(注)1. 現代自、起亜自とも、K-IFRS基準での決算。
2. K-IFRSでは50%超出資する子会社が連結対象となる。現代自の起亜自への出資比率は、2016年12月31日現在で33.88%。このため、起亜自は現代自のフル連結の対象ではなく持分法が適用され、持分利益が現代自の純利益に反映されている。



現代自動車グループの出荷台数(卸売り販売台数)

(1,000台)

    2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
計画
現代自動車 韓国生産車 1,885 1,911 1,820 1,879 1,867 1,667 1,748
(内)国内販売 682 667 641 684 712 657 683
(内)輸出 1,202 1,244 1,179 1,195 1,155 1,010 1,065
海外生産車 2,174 2,499 2,912 3,083 3,096 3,191 3,332
合計 4,059 4,410 4,732 4,962 4,963 4,858 5,080
対前年比増 447 351 322 230 1 -105 222
起亜自動車 韓国生産車 1,581 1,589 1,598 1,706 1,725 1,551 1,545
(内)国内販売 492 481 458 465 527 533 515
(内)輸出 1,089 1,108 1,140 1,241 1,198 1,018 1,030
海外生産車 957 1,131 1,229 1,335 1,325 1,467 1,625
合計 2,538 2,720 2,827 3,041 3,050 3,018 3,170
対前年比増 408 182 107 214 9 -32 152
現代自
グループ
合計
韓国生産車 3,466 3,500 3,418 3,585 3,592 3,218 3,293
(内)国内販売 1,174 1,148 1,099 1,149 1,239 1,190 1,198
(内)輸出 2,291 2,352 2,319 2,436 2,353 2,028 2,095
海外生産車 3,131 3,630 4,141 4,418 4,421 4,658 4,957
合計 6,597 7,130 7,559 8,003 8,013 7,876 8,250
対前年比増 855 533 429 444 10 -137 374
資料:現代自・起亜自の決算発表


中国・米国市場で苦戦、収益が悪化

 現代自グループは、最大市場の中国と2番目の市場である米国で苦戦している。両市場ともSUV/Crossoverラインアップの不足など商品力が落ちて値引き額が大きくなり、収益を圧迫している。



中国市場で苦戦、新たに2工場を新設するが、稼働率低下の懸念も

 中国では、2015年に現代自・起亜自とも出荷台数を減らした。2016年は多少回復したが、2014年のレベルに戻った程度にとどまった。

 起亜自資料によると、2016年の全体需要の伸び率14.5%(2,383.4万台)に対して、起亜自の販売は6.6%(65.7万台)にとどまった。起亜乗用車モデルの高齢化と、現地メーカーが力をつけ、低価格を売り物にシェアを拡大していることが、販売が伸びない要因としている。

 例えば、中国のSUV市場は、2012年の200万台から2016年の905万台に急拡大したが、その間に現地メーカーはSUVの販売を86万台から524万台の6倍に増やした。現代自グループは、29万台から60万台に倍増したにとどまる。現代自グループはSUVのラインアップを強化し、販売の立て直しを目指す。

 一方、現代自は、2016年10月に河北省滄州市に建設した北京現代第4工場で生産を開始した(当初の生産能力は20万台、2018年に30万台に増強する)。2017年には重慶に建設中の第5工場(年産30万台)が稼働し、2018年の現代自グループの生産能力は270万台に達する。2017年のグループ出荷計画台数は195万台で、工場稼働率低下が懸念されている。



2017年3月、THAAD配備の問題で、現代自グループの販売は半減

 2017年2月28日、韓国のロッテグループが、THADD(高高度防衛ミサイル)配備を予定する土地を国有地と交換する契約を締結した。これを契機に中国での反韓感情が高まり、現代自グループの3月の販売は72,032台で、52.2%減少したと報道されている。中国市場は、グループのグローバル販売台数の22~23%を占める最大市場で、この動きが長引けばかなりの影響が出る可能性がある。



米国市場では、フリート販売比率が増加し、値引き額が増加

 米国市場では、2016年の現代自グループのシェアは2015年の7.9%から8.1%に向上した。しかし、乗用車でのシェア13.8%に比べ、SUVやピックアップトラックなど小型トラックのシェアは4.3%にとどまった。

 これまで、工場稼働率を維持するために、販売が落ちている乗用車を過剰生産して在庫が増え、それを処分するためにフリート販売やインセンティブが増加し、収益を悪化させてきた。そのため、フリート販売比率が高く、2016年1~10月で現代・起亜車の27万台がフリート向けで、総販売台数の23%、前年同期比5.7万台増となっている。フリート販売は新車販売の利益が少なく、中古車価格も落ちるので、リース契約時残存価格(residual price)も下がり収益を圧迫する。

 インセンティブも急速に拡大している。2016年12月の実績では、

  • 現代自:台当たり2,606ドル(2015年12月比31.0%増、台当たり販売価格に占める割合は12.1%)
  • 起亜自:台当たり3,416ドル(2015年12月比20.6%増、台当たり販売価格に占める割合は15.9%で全ブランド中第一位)

 2017年には、乗用車/小型トラックの供給比率を市場実勢に近づけ、こうした状況を改善していくとしている。

 なお、2017年1~3月の米国市場全需要は、3カ月連続で前年を下回り、1~3月累計で1.6%減の403万台。現代自グループは3カ月累計で7.2%減の29.7万台でシェアを7.4%に落としている。



現代自グループで米国に31億ドルを投資

 現代自は2017年1月、今後5年間で米国に、31億ドルを投資すると発表した。起亜自や系列部品メーカーを含むグループ全体の額で、2016年までの5年間の投資額21億ドルの1.5倍になる。詳細は発表されていないが、自動運転の研究開発を進め、また新工場建設も検討する模様。

 起亜自は、メキシコに新工場を建設し、2016年5月に生産を開始した。当面メキシコに追加投資する計画はないとしている。



参考データ:海外工場の出荷台数、米国での乗用車/小型トラック別販売台数

海外工場の出荷台数(卸売り販売台数)

(1,000台)

    2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
計画
現代自動車 米国 338 361 399 396 380 387 380
中国 740 856 1,031 1,120 1,063 1,142 1,250
インド 616 641 633 613 643 662 672
チェコ 251 303 304 308 342 358 350
トルコ 91 86 104 203 227 230 680
ロシア 138 225 229 237 230 207
ブラジル   27 167 179 174 161
CHMC(注)     45 27 32 39
合計 2,174 2,499 2,912 3,083 3,096 3,191 3,332
起亜自動車 米国 272 358 370 366 371 372 340
中国 433 481 547 646 616 650 700
スロバキア 252 292 313 323 338 340 335
メキシコ           105 250
合計 957 1,131 1,229 1,335 1,325 1,467 1,625
(注)CHMC(Sichuan Hyundai Motor Company)は、現代自と中国の商用車メーカーSichuan Nanjun Automobile Groupとの合弁会社。新工場を建設し2014年半ばから生産開始した。



米国での乗用車/小型トラック別販売台数およびシェア

    2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
乗用車 現代自 413,213 514,922 574,881 589,858 570,505 579,985 547,087
起亜自 188,164 283,271 384,133 389,486 420,202 419,075 407,535
合計 601,377 798,193 959,014 979,344 990,707 999,060 954,622
シェア 10.0% 12.6% 12.8% 12.5% 12.5% 13.2% 13.8%
米国全体 5,988,536 6,339,884 7,473,850 7,810,515 7,934,814 7,566,668 6,893,078
小型トラック 現代自 125,015 130,769 128,126 130,925 155,213 181,725 220,970
起亜自 168,104 202,221 173,466 145,693 160,032 206,743 240,063
合計 293,119 332,990 301,592 276,618 315,245 388,468 461,033
シェア 5.2% 5.2% 4.3% 3.5% 3.7% 3.9% 4.3%
米国全体 5,601,738 6,439,123 7,018,548 7,793,163 8,596,256 9,916,173 10,645,974
合計 現代自 538,228 645,691 703,007 720,783 725,718 761,710 768,057
起亜自 356,268 485,492 557,599 535,179 580,234 625,818 647,598
合計 894,496 1,131,183 1,260,606 1,255,962 1,305,952 1,387,528 1,415,655
シェア 7.7% 8.9% 8.7% 8.0% 7.9% 7.9% 8.1%
米国全体 11,590,274 12,779,007 14,492,398 15,603,678 16,531,070 17,482,841 17,539,052
資料:Automotive News


LMC Automotive生産予測:現代自グループのライトビークル生産は2020年に880万台

LMC Automotive、2017年2月)

 LMC Automotiveの生産予測(2017年2月)によると、2020年の現代自グループのライトビークル生産は880万台に到達する。2016年の生産レベルに82.3万台を加えることになる。2016年の韓国生産は9.6%減少した。現代自では、12年ぶりの全面ストライキが実施された。生産を24回にわたって中断し、ストライキは10月初めに終了したが、生産ロスは14.2万台に達した。起亜自も同様で、23回にわたり生産を中断し、10.7万台が失われた。韓国での生産は、2018~2020年の間350万台程度で推移する見込み。

 2016年の中国での生産は、6代目Elantra Lingdongや改良型Sportageが貢献し、180万台へ7.3%増加した。しかし、中国での生産は2016年が当面のピークになる見込みで、2017年と2018年は減少する。2019年から増加に転じるが、2020年にも2016年レベルまで回復しない。

 米国での生産は、2020年まで75万台前後で推移する。現在Hyundai Santa Feは起亜自のWest Point工場と現代自のMontgomery工場の2工場で生産している。2018年に予定される次期型Santa Feから現代自のMontgomery工場に集約する。そのために、Montgomery工場は設備を改善するとともに、2019年に生産能力を60万台に増強する。現在Montgomery工場は、公称生産能力を超えてElantra、SonataとSanta Feを生産しているが、拡張してSanta Feの全モデルを生産するときには、稼働率は80%未満となる見込み。

 メキシコでの生産は、2018~2020年の間35万台強で推移する。メキシコ工場は、2016年にKia Forteの生産を開始し、2017年からKia RioとHyundai Accent の生産も開始した。現代自のピックアップSanta Cruzも生産される予定で、メキシコ工場の生産能力は40万台近くまで高まる見込み。

 欧州の3カ国(チェコ共和国、スロバキアとロシア)での生産は、2020年まで概ね横ばいで、チェコで32~37万台、スロバキアとロシアは、それぞれ30万台前後で推移する見込み。



Hyundai Groupの2020年ライトビークル生産は880万台

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
Hyundai 4,966,746 4,934,128 4,807,468 4,943,161 5,049,420 5,161,758 5,228,232
Kia 3,140,964 3,113,047 3,112,371 3,133,821 3,278,625 3,396,903 3,330,947
Genesis 0 1,828 56,697 110,833 173,791 190,335 236,540
Horki 34 26 8 2,149 2,087 1,992 1,866
Dianyue 0 0 0 241 649 1,264 1,500
Total 8,107,744 8,049,029 7,976,544 8,190,205 8,504,572 8,752,252 8,799,085
Korea Hyundai 1,835,008 1,818,132 1,590,622 1,638,640 1,706,652 1,763,913 1,702,653
Kia 1,708,610 1,714,584 1,549,936 1,507,186 1,611,668 1,673,721 1,624,603
Genesis 0 1,828 55,852 110,281 173,214 189,651 235,782
Korea sub-total 3,543,618 3,534,544 3,196,410 3,256,107 3,491,534 3,627,285 3,563,038
China Hyundai 1,120,082 1,052,277 1,142,115 1,034,801 990,738 987,890 1,061,469
Kia 641,055 614,381 647,021 606,411 618,641 665,584 691,146
Horki 34 26 8 2,149 2,087 1,992 1,866
Dianyue 0 0 0 241 649 1,264 1,500
China sub-total 1,761,171 1,666,684 1,789,144 1,643,602 1,612,115 1,656,730 1,755,981
India Hyundai 612,604 642,842 665,017 710,262 744,266 810,142 845,272
USA Hyundai 507,145 496,725 485,323 505,660 477,418 473,658 489,818
Kia 259,487 252,280 262,695 258,995 270,439 271,938 251,672
USA sub-total 766,632 749,005 748,018 764,655 747,857 745,596 741,490
Mexico Kia 0 0 107,409 240,413 244,615 250,244 239,401
Hyundai 0 0 0 40,349 123,960 119,440 112,376
Mexico sub-total 0 0 107,409 280,762 368,575 369,684 351,777
Czech Republic Hyundai 307,900 342,326 358,883 372,722 347,611 332,707 320,009
Slovakia Kia 262,520 294,294 307,203 292,349 291,642 294,342 305,047
Russia Hyundai 139,362 136,916 131,722 148,172 165,174 176,298 177,224
Kia 199,057 166,243 151,052 142,349 151,029 146,670 120,090
Genesis 0 0 845 552 577 684 758
Russia sub-total 338,419 303,159 283,619 291,073 316,780 323,652 298,072
Brazil Hyundai 217,089 192,403 182,337 218,855 212,930 219,019 223,269
Turkey Hyundai 202,832 231,257 234,764 220,508 207,591 192,216 197,898
Iran Hyundai 3 0 409 33,029 52,089 64,668 75,721
Kia 558 6,621 12,726 14,865 15,725 16,277 16,476
Iran sub-total 561 6,621 13,135 47,894 67,814 80,945 92,197
Vietnam Kia 26,580 37,120 53,595 48,457 49,809 51,428 55,122
Taiwan Hyundai 13,474 12,341 10,215 14,283 14,453 14,611 14,862
Kia 77 1,414 1,046 1,488 1,636 1,693 1,733
Taiwan sub-total 13,551 13,755 11,261 15,771 16,089 16,304 16,595
Uruguay Kia 11,986 12,520 10,986 10,955 11,046 11,558 11,575
Malaysia Hyundai 6,890 6,089 1,484 3,766 4,125 4,514 4,973
Kia 8,996 3,150 3,449 3,190 4,012 4,413 4,408
Malaysia sub-total 15,886 9,239 4,933 6,956 8,137 8,927 9,381
Kazakhstan Kia 11,963 3,452 956 2,314 3,381 3,935 4,505
Hyundai 3,298 2,154 3,637 1,594 1,876 2,131 2,146
Kazakhstan sub-total 15,261 5,606 4,593 3,908 5,257 6,066 6,651
Ecuador Kia 10,075 6,626 4,142 4,849 4,982 5,100 5,169
Indonesia Hyundai 730 666 940 520 537 551 542
Kia 0 362 155 0 0 0 0
Indonesia sub-total 730 1,028 1,095 520 537 551 542
Pakistan Hyundai 210 0 0 0 0 0 0
Ukraine Hyundai 119 0 0 0 0 0 0
資料: LMC Automotive ("Global Automotive Production Forecast" February 2017)
(注) 1.データは、ライトビークル(乗用車 + 車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
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現代自動車、起亜自動車、ジェネシス、Ioniq、Niro

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