現代自動車グループ:2013年から営業減益が続く
中国/メキシコ新工場を建設、供給力を増加し、ウォン高に対応
2014/09/01
- 要 約
- 2013年から営業利益が減少、2014年は売上高も減少
- ウォン高:2014年さらにウォン高が進み、8月では1ドル=1,020ウォン前後
- 労使問題:残業代のベースとする金額をめぐり時限ストライキを実施
- 燃費・品質問題:燃費過大表示の問題が韓国でも発生
- 輸入車の増加で、現代自グループの韓国国内シェアが70%割れ
- 米国販売:2013年に販売台数が微減、シェアは8.7%から8.1%へ低下
- 出荷台数(卸売り台数)
- 重慶工場を建設し2016年に中国で225万台体制、メキシコ新工場を建設
- LMC Automotive 販売予測:2017年現代自グループの53カ国での販売台数は747万台
要 約
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現代自動車グループの出荷台数は、2010年に前年比107.5万台増、2011年に85.5万台増と急拡大した。その後、品質面等への配慮から新規工場の建設を凍結し、品質向上他グループ内部の充実を進めてきた。
2012年業績では、現代自・起亜自とも営業増益で、営業利益率はそれぞれ10.0%、7.5%と他のグローバルOEMを凌駕する水準を維持していた。
しかし、ウォン高、労使関係の緊張、燃費過大表示、韓国国内販売において輸入車の急増によりシェアダウンするなど多くの課題が浮上しており、いずれの項目もこれまで現代自グループの急成長と高収益の両立を支えてきた前提条件に、かなりの痛手となる。特にウォン高の影響で、卸売り台数の増加に比べ売上高と利益は伸び悩みまたは低下している。
2013年には、両社とも2010年にK-IFRS基準での決算を開始して以来初の営業減益となり、2014年1~6月期もその傾向が続いている。特に韓国からの輸出比率が高い起亜自で、減益幅が大きい(2014年1~6月も、現代自の営業利益率は9.1%、起亜自は6.3%と高い水準にある)。
2014年末の、現代自グループの世界生産能力は約800万台。2016年に、中国重慶市に建設する年産30万台の現代自新工場が稼動開始する計画。また起亜自が、メキシコに年産30万台の新工場を建設する計画を2014年8月に発表した。
中国/メキシコ新工場の建設・稼働により、現代自グループは商品供給力を強化し、またウォン高影響の軽減を目指す。しかし上記の困難な状況の大部分は続いている。
関連レポート: 現代自動車グループ:品質向上を優先し、急拡大路線を修正(2013年8月掲載)
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