タイの日系部品メーカー:能力拡大、地域統括会社設立、開発機能強化などが続く

アイシンAW、曙ブレーキ、オムロン、JVCケンウッド、信越化学、住友ゴム、トヨタ紡織、日本ガイシ、日本精工など

2015/09/10

要 約

Thailand Map 以下は、タイにおける日系自動車部品メーカーの新生産拠点構築、生産能力増強、生産品目拡大、事業体制・開発拠点強化等の動きである (収録対象は、2015年8月下旬までの約12カ月間)。

 タイの2015年1-7月の自動車生産台数は、110.1万台(前年同期比0.2%減)と停滞が続いている。消費の低迷、輸出の不振による景気回復の遅れや厳しい銀行のローン審査などから国内販売台数が2015年1-7月に43.0万台(同15.8%減)となっているため。輸出は、同67.8万台(同4.1%増)と比較的堅調である。

 このように、国内販売は不振であるものの、タイをグローバル輸出拠点とする日系完成車メーカーの生産能力拡大計画には、いまのところ、大きな変更はない。

  ・トヨタは2015年の国内販売目標を年初の33万台から7月に28万台に下方修正。輸出に関しては新興国戦略車IMVのピックアップトラックを全面刷新し強化を図っている。

  ・日産は新工場を2014年7月に稼働させ、国内販売冷え込みを輸出でカバーする計画だったが、輸出も振るわず生産が想定より伸び悩んでいる。しかし、将来的に稼働率はアップするとみており、同工場近隣にサプライヤーパーク新設を検討。部品の調達コストを削減し、競争力強化を図る。

  ・ホンダは四輪車新工場を2015年中に稼働させる計画を延期し、2016年3月とする方針。

  ・マツダは、2015年1月に自動変速機工場を稼働し、タイのほか海外の生産拠点に供給。また、同年10月にはエンジン工場も稼働する。


 このような動きのなか、日系自動車部品メーカーによるタイ国内での需要増対応や輸出拡大を図るための生産能力増強や生産品目拡大の動きは活発で、一次・二次サプライヤーによる新規進出も続いている。この他、タイでは地域統括会社設立、開発機能強化などの動きも引き続きみられる。

タイにおける日系自動車部品メーカーの動き

新規進出 アイシンAW(自動変速機)、JSP(発泡ポリプロピレン)、スタイ(鋳造部品の含浸処理)、大同特殊鋼(トランスミッション用型鍛造部品)、トーヨーエイテック(オイルポンプ)、東レハイブリッドコード(タイミングベルト用繊維素材)、ニッタ(ホース、チューブ製品)、パイオニア/インクリメントP(デジタル地図)、福寿工業(エンジン用部品)
生産能力増強 <新工場>
協和工業(ユニバーサルジョイント)、JVCケンウッド(車載カメラ)、大豊工業(バキュームポンプ)、ダイヤモンド電機(点火コイル)、TBK(商用車用エンジン部品)、NiKKi Fron(クラッチ部品)、メイドー(ボルト)、安永(コンロッド)、ユニバンス(トランスファーユニット)
<工場拡張>
信越化学(シリコンモノマー)、住友ゴム(タイヤほか)
<設備増強>
愛知製鋼(鍛造部品)、旭テック(アルミホイール)、オイレス工業(軸受)、三遠機材(CVT部品)、自動車部品工業(プロペラシャフトなど)、住友電工(アルミ電線)、日本精工(電動パワーステアリング)、三ツ知(工業用ファスナー)など
生産品目拡大 曙ブレーキなど(新会社設立、ブレーキキャリパー用鋳鉄部品)、神戸製鋼所(新合弁会社設立検討、線材)、山陽特殊製鋼(新会社設立、軸受用素形材)、中央発條(現地部品メーカーと技術援助契約、サスペンション部品)、トヨタ紡織(新会社設立、内装部品)、西川ゴム(グラスランチャンネル)、日清紡ブレーキ(新会社設立、商用車用ブレーキ)、日本ガイシ(新会社設立、排ガス浄化用セラミックス)、日本プラスト(第2工場建設、樹脂部品)
事業体制強化・再編 NPR(タイにバルブシートの生産調整機能)、日立化成(連結子会社4社を統合)、古河AS(東南アジア統括会社設立)、三菱マテリアル(アジア地域の事業統括会社設立)
開発・技術センター等 <新規設立>オムロン(車載製品の設計・開発機能)、河西工業(内装部品の開発センター)、横浜ゴム(タイヤの開発拠点)
<拡充・強化> デンソー(技術者増員)

(資料)各社の計画から作成


 なお、タイ以外の東南アジアにおける日系自動車部品メーカーの動きは、2015年4月に掲載した "東南アジアの日系部品メーカー:インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピン等" に収録した。

 
日系部品メーカー動向関連レポート:
欧州編 (2015年8月)
メキシコへの新規進出 (2015年6月)、メキシコでの増強とブラジルでの動向 (2015年7月)
東南アジア編 (2015年4月)、米国編(2015年3月)
中国編(上):華南・華中・西南での動向 (2015年1月)
中国編(下):華東・華北・東北地域・中国全体での動向 (2015年2月)
インド編 (2014年11月)
タイ編 (2014年9月)
 



生産拠点の新規構築:アイシンAW、JSP、大同特殊鋼、パイオニアなど

会社名 活動内容
アイシンAW
ATの工場建設、2017年に稼働予定
アイシンAWは、全額出資のAW(THAILAND)CO.,LTD.(Chonburi県)を2015年1月に設立。資本金は20億バーツ(約70億円)。自動変速機(AT)の新工場を建設し、2017年7月に稼働予定。投資額は約100億円。年産能力は12万基。後輪駆動車用ATを生産し、トヨタ向けに供給するが、いすゞや三菱自動車など他の日系メーカーにも販路を広げ生産量を確保する計画。また、ASEAN地域での将来的なAT需要拡大に対応し、周辺国への輸出拠点としても活用。
JSP
発泡ポリプロピレン材料の新工場設立、2016年1月稼働予定
JSPは、JSP Foam Products (Thailand) Co., Ltd (仮称、Samut Prakan県)を設立。2016年1月をめどに工場を稼働させ、発泡ポリプロピレン材料「ピーブロック」を生産開始し、タイの日系部品・完成車メーカーに販売する。タイでの需要拡大に対応して、シンガポールの子会社による輸出から現地生産に切り替える。年産能力は1800トン。投資額は約6億円。
スタイ
鋳造部品などの含浸処理工場を2014年に設立
スタイは、2014年にSUTAI THAILAND CO.,LTD.(Rayong県)を設立し、自動車用鋳造部品などの製造過程で発生する鋳巣を、含浸液で埋めて修復する含浸処理の新工場を稼働。投資額は約5億円。これまで日本から含浸装置や含浸液を輸出・販売していたが、現地ニーズに対応して、初の海外拠点を設立。日系メーカーや現地企業向けに月間数千万円程度の売上を見込む。
大同特殊鋼
トランスミッション用の型鍛造事業の新会社を2015年1月設立
大同特殊鋼は、トランスミッション用の型鍛造部品を生産・販売するDaido Steel (Thailand) Co., Ltd. (Chonburi県)を2015年1月に設立。資本金は5.5億バーツ(約20億円)。工場は、2016年3月に操業予定。最新鋭の熱間高速型鍛造機を導入し、ASEAN地域での供給能力を高める。月産能力は1000トン。総投資額は30億円。新会社には、営業機能を持たせ、タイに進出するグループ企業のサポートも行う計画。
トーヨーエイテック
マツダの自動変速機向けオイルポンプの新工場が2014年12月に開所式
トーヨーエイテックは、2014年12月にToyo Advanced Technologies Automobile Components (Thailand) Co., Ltd.(Chonburi県)の新工場が開所。新工場は、2015年1月に稼働したマツダの自動変速機生産子会社MPMTの工場内にあり、「SKYACTIV-DRIVE」向けにオイルポンプを供給。年産能力は40万台。投資額は12億円。初の海外工場。
東レハイブリッドコード
タイミングベルト用繊維素材の生産販売子会社を合弁で2016年に設立計画
東レハイブリッドコードは、2015年4月にタイに営業拠点を設け、2年内にタイを有力候補地として現地企業との合弁でタイミングベルトを補強する繊維素材を生産・販売する子会社を設立する計画。工場建設の投資額は20億から30億円を見込む。2020年にアジア地域で約50億円の売上高を目指す。
ニッタ
ホース、チューブ生産の新会社を2015年3月設立
ニッタは、ASEAN諸国でのホース、チューブ製品の売上拡大を図るためNitta Corporation(Thailand)Limited(Rayong県)を2015年3月に設立。資本金は約7億8600万円。工場の稼働は2016年2月(予定)。
パイオニア/インクリメントP
デジタル地図製作の合弁会社を2015年1月設立、カーナビ事業に活用
パイオニアは、子会社のインクリメントPがタイの地図会社MappointAsia (Thailand) Public Company Limitedと合弁でINCREMENT P ASIA Co., Ltd.(Bangkok)を2015年1月に設立。ASEAN地域のデジタル地図データを整備する。資本金は1480万バーツ。出資比率はインクリメントPが74%、MappointAsiaが26%。パイオニアは、この合弁会社で作成する地図データを東南アジアでのカーナビやナビサービス事業に活用する。
福寿工業
新工場が2014年9月に稼働、エンジン用部品を生産
福寿工業は、2013年5月に設立したFukuju Industry (Thailand) Co.,Ltd. (Rayong県)の新工場が2014年9月に稼働。投資額は30億円。燃料噴射ポンプ部品などを生産し、タイの日系部品メーカーに供給。初年度の売上高は16億円を見込む。

 

 

 



生産能力増強:愛知製鋼、JVCケンウッド、信越化学、住友ゴム、日本精工、ユニバンスなど

会社名 活動内容
愛知製鋼
トヨタ新型IMVのエンジン、トランスミッション用鍛造部品を2015年から大幅増産
愛知製鋼は、Aichi International (Thailand) Co., Ltd.(Chonburi県)に4500トンプレス機を2014年12月に新設し、トヨタの新型IMVのクランクシャフト用鍛造部品を生産開始。年産能力は2.4万トン。今後、農機・建機を含む新規ユーザーも順次開拓する。また、2015年3月以降には、1600トン、3000トンのプレス機やスクリュープレスの新設備も稼働させ、エンジン、トランスミッション用鍛造部品を新型IMV向けに大幅増産する。2016年には鍛造の年産量を2014年比約9倍の1.8万トンに拡大する計画。
旭テック
アルミホイールの生産能力増強、輸出増も計画
旭テックは、ASAHI TEC ALUMINIUM (THAILAND) CO.,LTD. (Samutprakarn県)のBangpakong工場(Chonburi県)でアルミホイールの年産能力を2015年の90万本から2017年3月末までに130万本に増やす。主にタイ国内の日系メーカーに供給するが、日系メーカーの欧米拠点にも販路を開拓し、輸出増を図る計画。
オイレス工業
2020年までに軸受の生産能力増強を計画
オイレス工業は、軸受事業での海外メーカーの売上高比率を現状の1割強から2020年までに4割に増やす計画。このため、米国やタイ(OILES (THAILAND) COMPANY LIMITED、Rayong県)など海外工場の生産能力を増強する。軸受事業の2014年度の売上高は431億円だが、2019年度に579億円に引き上げる計画。
協和工業
自前の新工場が2015年2月に稼働、ユニバーサルジョイントの生産能力倍増
協和工業は、GMBとの合弁会社THAI KYOWA GMB CO., LTD. (Prachinburi県)が賃借工場でユニバーサルジョイントを生産していたが、自前の新工場を建設して移転。2015年2月に稼働した。新工場への投資額は約6億円。月産能力は20万セットで従来比2倍近くに増加。主要取引先のホンダに加え、日系メーカーへの拡販を計画。
三遠機材
2015年からのメキシコ向け供給開始のためCVT部品の生産能力を倍増
三遠機材は、SAN-EN(THAILAND) Co., Ltd. (Chonburi県)でタイ、日本、中国向けのCVT部品を生産しているが、2015年夏からはメキシコ向けが加わる。このため、NC旋盤などを追加し増産体制を整備。年産能力は、従来の約2倍の12万個に増加。
JVCケンウッド
車載カメラの新工場建設、2015年夏から稼働
JVCケンウッドは、2014年3月からJVC Optical Components (Thailand) Co., Ltd (Nakhon Ratchasima県)の既存工場に車載カメラ用の生産ラインを増設し量産してきたが、アジア地域での先進運転システム(ADAS)普及による需要拡大を見込み、同じ敷地内に車載カメラの新工場を建設し2015年7月に完成(予定)。投資額は数億から10億円規模。将来的に年産能力1000万台を目指す。
自動車部品工業
プロペラシャフト、エンジン部品の生産能力を2014年に増強
自動車部品工業は、2014年にJIBUHIN (THAILAND) CO., LTD.(Chonburi県)にプロペラシャフトとディーゼルエンジン部品の生産設備を導入。プロペラシャフトは、日系乗用車メーカーからの新規受注に対応するもので年産能力は約20万本。投資額は約18億円。商用車メーカーからの受注が全体の8割以上を占めるため、今後も乗用車向け部品受注を開拓する計画。一方、ディーゼルエンジン部品は、いすゞ向けに供給。
信越化学
シリコーンモノマーなどの生産能力を2017年までに増強
信越化学工業は、Asia Silicones Monomer Limited(Rayong県)工場の増設を2017年までに完成させ、シリコーンモノマーの年産能力を2014年度の7万トンから10.5万トンに5割増強する。隣接地の別工場で生産するシリコーンポリマーも同4割増の7.4万トンに引き上げる。投資額は約200億円。シリコーン事業を拡大するための海外生産体制強化の一環。
住友電工
アルミ電線の生産能力増強、一貫生産体制を構築
住友電気工業は、SEI Thai Electric Conductor Co., Ltd.(Rayong県)の自動車用アルミ電線の設備を増強し、2016年9月から月産能力を2014年比5倍の300トンに引き上げる。輸出先の中国や東南アジア域内での需要増に対応。あわせて、素材となるアルミ線材の鋳造圧延設備を導入し、同一工場敷地内でのアルミ電線の一貫生産体制を構築。投資額は約73億円。
住友ゴム
乗用車用タイヤの生産能力を2016年までに拡充
住友ゴムは、Sumitomo Rubber(Thailand) Co., Ltd.(Rayong県)の乗用車用タイヤの日産能力を2014年9月末の約7.6万本から2016年に10万本に引き上げる。新工法を採用した第1工場の建屋を拡張し8ラインを追加。従来工法の第2工場も量産設備を増強。また、金型工場でもマシニングセンターなどの設備を追加し、年産能力を2016年末までに2014年比約2倍の1250面に引き上げる。さらに、Sumirubber Thai Eastern Corporation Co.,Ltd.(Udon Thani県)では、天然ゴムからタイヤ用ゴム素材を生産するゴム加工所の年産量を2014年の3500トンから2015年以降に3800トンに増やす。
大豊工業
バキュームポンプの新工場が2015年2月に量産開始、別工場ではガスケットを量産開始
大豊工業は、Taiho Corporation of Thailand Co., Ltd. (Pathum Thani 県)の新工場(Prachin Buri県)でバキュームポンプの量産を2015年2月に開始。トヨタの新型IMV向け需要の拡大を見込んだ海外では初めての組立工場。投資額は7億円。2016年にフル生産を見込み、売上高は2013年比約5割増の30億円を目指す。将来は軸受の生産も検討。  また、ガスケット事業を生産移管しているNIPPON GASKET(THAILAND)CO., LTD.(Pathum Thani県)では、IMV向けにディーゼルエンジン用ガスケットの量産を2015年4月に開始。売上高は、2014年度の8億5600万円から2015年度に18億1000万円に増加する計画。
ダイヤモンド電機
点火コイル製造販売の第2拠点を2014年12月設立
ダイヤモンド電機は、インドネシア子会社での新工場建設を中止し、点火コイルの生産拠点をタイに集約化するため、タイ第2拠点のDiamond Electric Asia Pacific Co., Ltd.を2014年12月に設立。資本金は約5億円。工場はChachoengsao県に、営業拠点はBangkokに置く。2015年11月の稼働予定。年産能力は300万個。インドネシアで予定していた新工場設備費用の2.8億円をタイ第2拠点稼働の準備資金とした。なお、第1拠点はDiamond Electric (Thailand) Co., Ltd.(Ayutthaya県)。
TBK
新工場を建設し、商用車用エンジン向け部品などの生産能力増強
TBKは、TBKK (Thailand) Co., Ltd. (Chonburi県)の既存工場の隣接地に新工場を建設し、商用車のエンジン向けのウォータ・ポンプ、潤滑用オイル・ポンプ、ブレーキ等の生産能力を、2018年までに約1.5倍に拡大する。新工場は2015年9月竣工、2016年前半の本格稼働を目指す。タイを中心にASEAN域内への供給力を増強する。投資額は約37億7700万円。
NiKKi Fron
クラッチ部品の第2工場が2015年に稼働
NiKKi Fronは、クラッチ部品を生産するNiKKi Fron (Thailand) Co., Ltd. (Chonburi県)の第2工場を2015年に稼働。第1工場で生産するクラッチフェーシングの土台となる材料、ガラス繊維への耐久性樹脂のつけ込みなど、日本の工場で行っていた工程を第2工場に移管し、タイでの一貫生産体制を構築。投資額は約3億円。月産能力は25万~28万枚。アジア各国の中古車での需要増に対応。
日本精工
電動パワーステアリングの生産能力増強
日本精工は、2015年度に電動パワーステアリング(EPS)の世界生産量を前年度比約7%増の910万台程度に引き上げる。このため、米国、中国、タイで生産ラインを増設し、あわせてネジ歯車、ECUなど構成部品の内製化を進める計画。タイでは、SIAM NSK STEERING SYSTEMS CO., LTD.(Chachoengsao 県)でコラムタイプのEPSの需要増大に備える。
三ツ知
工業用ファスナーの生産能力増強
三ツ知は、2016年6月期までに海外でのピンやボルトなどの工業用ファスナーの売上高を2014年6月期の2割から3割に引き上げる計画。その一環としてThai Mitchi Corporation Ltd.(Pathumtani県)の工場に1億から2億円程度の鍛造機を一台導入することを検討。Thai Mitchi の2016年6月期の設備投資額は5億円(計画)で、日系メーカーからの新規受注やインドネシアなど近隣諸国への輸出増、内製化、品質向上等を図る。
メイドー
新工場が2015年に稼働、ボルトの生産能力拡充
メイドーは、加藤螺子との共同出資会社SIAM KATO CO.,LTD(Samutprakarn県)の工場が手狭となったため移転拡張する。2014年に資本金を約6000万円から5億6000万円に増額し、メイドーの出資比率を従来の9%から90%に引き上げ、社名をSK Meidoh Thailand Co., Ltd.(Samutprakarn県)に変更。増資分で新工場を建設し、2015年4月に稼働(計画)。高強度ボルトやエンジン用高機能ボルトを生産し、月産能力を2015年度に100トン、2018年度に300トンへ拡大する計画。2018年度の売上高10億円を目指す。
安永
新工場に生産ラインを追加し、コンロッドを増産
安永は、YASUNAGA(THAILAND)CO.,LTD.(Rayong県)の新工場が、2015年1月にコンロッドの量産を3ラインで開始。新興国戦略車のモデルチェンジに合わせトヨタからコンロッドの受注に成功したため。また、同戦略車の増産に伴い10億円を追加投資して2015年に更に2ラインの立ち上げを準備。月産能力を15万本から25万本に増やす。
ユニバンス
自社工場を新設し、トランスファーユニットの生産能力を増強
ユニバンスは、レンタル工場でトランスファーユニットを生産中のUNIVANCE (Thailand) Co., Ltd. (Chonburi県)で近隣に新工場を建設し、生産設備を移管して2016年の稼働を計画。納入先の日産とフォードでの輸出車生産増加に対応。年産能力を現在の40万基の1.5倍に増やす。投資額は約15億円。売上高は2014年度の約60億円から、新工場フル稼働時に最大90億円になる見込み。

 

 



生産品目拡大:曙ブレーキ、神戸製鋼所、山陽特殊製鋼、トヨタ紡織、西川ゴム、日本ガイシ、日本プラストなど

会社名 活動内容
曙ブレーキ、 真岡製作所
鋳鉄部品の新会社設立、2016年に生産開始
曙ブレーキ工業と真岡製作所は、合弁会社のA&M Casting (Thailand) Co., Ltd.(Ratchaburi県)を2014年10月に設立。出資比率は曙ブレーキ74.9%、真岡製作所25.1%。新工場は、2016年8月に稼働し、Akebono Brake (Thailand) Co., Ltd.向けのブレーキキャリパー用鋳鉄部品を中心に、2017年までは月600トンを生産。2018年以降は市場動向を見つつ、月産1,300トンへの拡大を予定。タイの鋳鉄部品他社への販売も検討。投資額は約22億円を予定。
神戸製鋼
線材生産の合弁会社設立検討で現地企業と合意
神戸製鋼所は2015年6月、タイのMillcon Steel Public Company Limitedと、線材の圧延及び販売を目的とする合弁会社設立を共同検討することで合意。神戸製鋼は、Millcon社が2014年に買収した線材単圧メーカーのThai Special Steel Industry Public Company Limited(Rayong県)の株式の50%を取得する方向。両社で、製造設備の増設、投資額など合弁事業の枠組みについて協議・検討する。
山陽特殊製鋼
軸受用素形材製品の生産・販売会社設立
山陽特殊製鋼は、軸受用旋削リングを生産・販売する完全子会社Siam Sanyo Special Steel Product Co., Ltd.(Samut Prakan県、山陽特殊製鋼子会社SKJ METAL INDUSTRIES CO., LTD.の敷地内)を2015年9月に設立。資本金は約13億円。同年10月頃から操業開始予定。日本や中国のグループ工場から鍛造リング、鋼管切断リングを輸入し、旋削加工して日系ベアリングメーカーに販売する。同社の非鋼材事業強化の一環。
中央発條
現地部品メーカーとサスペンション部品の技術援助契約、シャシー系バネの供給体制構築
中央発條は、タイのバネメーカーBANGKOK SPRING INDUSTRIAL Co.,Ltd.(以下BSK 社、Samut Prakan県)とサスペンション部品の開発・製造に関する技術援助契約を2015年5月に締結。コイルスプリング、スタビライザーバー、リーフスプリング等でのBSK社の品質・価格・生産性・製造管理の向上をはかり、タイでのシャシー系バネの供給体制を構築する。
トヨタ紡織
内装部品の新会社工場が2015年2月に正式開所、内装部品を生産開始
トヨタ紡織は、2013年11月設立のBOSHOKU AUTOMOTIVE (THAILAND) CO., LTD.(Rayong県)の新工場が2015年2月に正式開所。サイレンサー、パッケージトレイ、ラゲージマットなどの内装部品を生産。投資額は約18億円。将来的にはシートやドアトリムなどの取引拡大を目指し、構成部品単位の受注にも対応する。
西川ゴム
ドアガラス枠に取り付ける軽量化ゴム製品を初の海外生産
西川ゴム工業は、ドアガラスの枠に取り付ける軽量化したゴム製品のグラスランチャンネルの海外生産を開始する。現在は日本でのみ生産しているが、日系メーカーの海外生産拡大に対応し、現地での受注獲得を目指す。タイではNishikawa Tachaplalert Cooper Ltd.(Nakornratchasima県)に設備導入を進めており2015年度中に生産開始する計画。この他、中国、インドネシア、インド、メキシコの拠点でも順次設備投資し、2017年度までに生産開始する。同製品の世界売上高を2015年度の約90億円(見込み)から2017年度に125億円に引き上げる。投資額合計は10億円程度の見通し。
日清紡ブレーキ
第2拠点を設立し、商用車用ブレーキを2014年12月に量産開始
日清紡ブレーキは、第2拠点のNisshinbo Commercial Vehicle Brake Ltd.(Rayong県)の新工場で商用車向けドラムブレーキを2014年12月に量産開始。主にタイ国内とインドネシアに出荷。投資額は約15億円。摩擦材、乗用車向けドラムブレーキなどを生産する第1拠点のNisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.(Rayong県)も再整備し、能力増強を図る計画。
日本ガイシ
排ガス浄化用セラミックスの生産拠点を2015年5月設立
日本ガイシは、自動車用排ガス浄化用セラミックスの製造子会社NGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD.(Samut Prakarn県)を2015年5月に設立。資本金は13.5億バーツ。出資比率は日本ガイシ95%、住友商事5%。新工場を建設し、2018年4月に操業開始予定。まず、触媒に用いるハニセラムを生産し、段階的な設備投資によりコージェライト製と炭化ケイ素製の2種類のディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)を生産する予定。2020年までの設備投資額は約500億円の見込み。
日本プラスト
樹脂部品を生産する第2工場が2014年に稼働
日本プラストは、エアバッグ、樹脂内外装品、革巻ステアリングホイールをグローバル供給しているNihon Plast Thailand Co., Ltd(Rayong県)に第2工場を建設し、現地企業に生産委託していた樹脂部品を内製に切り替える。2014年に稼働し、需要増や納入先のQCD(Quality, Cost, Delivery time:品質、コスト、納品時間)の要求に応える。タイ子会社は売上高の7割が同グループ内部向けだが、今後は外部比率を5割に引き上げる計画。

 

 



事業体制強化、地域統括会社設立、開発拠点設立・強化:NPR、古河AS、三菱マテリアル、オムロン、デンソーなど

会社名 活動内容
NPR
タイを2015年後半からバルブシートの生産調整拠点に
NPRは、2015年後半からSiam NPR Co., Ltd.(Saraburi県)にバルブシートのグローバルな生産調整機能をもたせる。2015年にインドネシアでのバルブシートの現地生産が始まるため、同国に供給してきたタイで月産100万個分以上の余力が発生する。このため、北米やインドなど他の地域で生産能力を超える需要が発生した時に、タイ拠点にバッファー役の機能を持たせる。
オムロン
タイ工場に2016年度に設計開発機能新設、仕様変更などを現地で完結
オムロンは、OMRON AUTOMOTIVE ELECTRONICS Co., Ltd.(Ayuthaya県)を車載事業でのASEAN地域のエリアマザー工場に位置付ける。2016年度にタイ工場にデザイン部門を新設し、設計開発機能を持たせ、タイをはじめとするASEAN域内向け部品の仕様変更に対応。顧客サポートなどをタイで完結させる。将来は、インドネシアやインドなどの工場での新規部品立ち上げなども支援する計画。
河西工業
タイ工場内にASEAN開発センターを2015年1月に開設
河西工業は、Kasai Teck See Co., Ltd.(Ayuthaya県)の工場内にASEAN開発センターを2015年1月に開設。導入済みの設計機能に加え、2015年内に複数の実験設備を設置し、人員も拡充して開発体制を強化。ASEAN地域で生産するドアトリムなどの内装部品について、設計から生産までの一貫したものづくりを強化する。
デンソー
技術者を2015年度までに5割増員
デンソーは、新興国(中国、インド、タイ、ブラジルの各国)に設置するテクニカルセンターの技術者を2015年度までに5割増員し、合計600人規模に拡大する。各国で現地のニーズを吸い上げ、自前で可能な適合開発を拡大し、受注増につなげる。
日立化成
タイの連結4社を2015年4月に統合、全社機能のレベルアップを図る
日立化成は、タイの連結子会社4社を2015年4月に統合し、マーケティング、営業、生産、資材調達、財務、人事、ガバナンスなどの会社機能のレベルアップと顧客サービスや運営効率の向上を図る。Hitachi Chemical Asia (Thailand) Co., Ltd.(Chachoengsao 県、Hitachi Powdered Metals (Thailand) Co., Ltd.より商号変更)を存続会社として、Japan Brake (Thailand) Co., Ltd.と、 Hitachi Storage Battery (Thailand) Co., Ltd.と、 Hitachi Chemical (Thailand) Co., Ltd.を統合。存続会社の資本金を従来の約24.9億円から約71億円に拡大。事業内容は、粉末冶金製品、摩擦材、電池の製造、販売、機能材料製品の輸入販売。
古河AS
東南アジア統括会社を2014年2月に設立、製品の設計、販売などを統括
古河ASは、東南アジア統括会社Furukawa Automotive Systems Asia Pacific Co., Ltd(Bangkok)を2014年2月に設立し、同年7月に業務開始。資本金は2000万バーツ。新機種向けワイヤーハーネスの設計、東南アジア地域の営業、調達などを統括する。東南アジアでの最適部品調達網を構築し、コスト競争力の強化を図る。
三菱マテリアル
アジア地域の事業統括会社が2015年4月から業務開始
三菱マテリアルは、東南アジアおよび南アジア地域のグループ各社の事業統括事務所である東南アジア事業支援センター(Bangkok)を発展的に改組し、2015年4月から新たにMitsubishi Materials Southeast Asia Co., Ltd.として業務を開始。資本金は1000万バーツ(約3700万円)。管轄する会社は、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドなどの現地法人26社。経営方針の浸透、コーポレートガバナンスやコンプライアンスの強化に向けた活動、部門横断的な営業活動などを支援。
横浜ゴム
タイヤの開発拠点を2015年4月設置
横浜ゴムは、タイにタイヤの開発拠点を2015年4月に設置。今後、米国にも新設し、既存の日本と中国を含めた世界4極体制を整え、世界各地のユーザーニーズに対応するタイヤ開発のグローバル化を進める。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>