インドの日系部品メーカー:日系自動車メーカーの能増対応や取引先拡大を目指す
愛三工業、エイチワン、カルソニックカンセイ、セーレン、テイ・エステック、ティラド、デンソー、住友理工、リケンなどの動向
2014/11/21
- 要 約
- 生産拠点、販売会社の新規設立:カルソニックカンセイ、テイ・エステック、東洋シート、トヨタ紡織、パナソニックなど
- 生産能力増強・新製品の追加、新会社設立:エイチワン、新日鉄住金、ティラド、住友理工、パイオラックス、リケンなど
- 事業体制・開発体制強化:FCC、河西工業、日立金属、デンソーなど
要 約
![]() (地図をクリックすると拠点マップが開きます)。 |
インド市場概況:6月より回復
インドの2013年の自動車生産台数は388万台(前年比6.3%減)、新車販売台数は324万台(同9.6%減)と、景気低迷、高金利、燃料高などの影響からマイナスとなった。減少傾向は2014年4月頃まで約2年間続いたが、5月の政権交代に伴う景気回復への期待から新車販売・生産は6月からプラスに転じた。ただ、1~9月累計では新車販売台数は238万台で前年同期比3.4%減、生産台数も290万台で前年同期比2.4%減となっている。
日系部品メーカーの進出
こうしたなか自動車メーカー各社の中期的な増産計画を受けて、日系部品メーカーの新規進出、生産能力拡充、事業計画強化などの動きが続いている。新会社設立では、現地部品メーカーとの合弁も多くみられる。
投資地域は、Haryana州、Rajasthan州、Uttar Pradesh州、Delhi首都圏などの北部、Tamil Nadu州、Karnataka州、Andhra Pradesh州の南部、Maharashtra州、Gujarat州の西部や、中部のJharkhand州に広がっている。
新規拠点設立
新規工場建設 (J=合弁会社) |
日系自動車メーカー向け 安定供給や増産への対応 |
カルソニックカンセイ、シロキ工業(J)、セーレン、テイ・エステック、東洋シート(J)など |
---|---|---|
日系自動車メーカー以外への供給 | ナブテスコ(ボルボ系向けJ)、アルプス電気、富士通テン(J)など (現地メーカー向けにも納入) | |
日系部品メーカーに供給 | 小倉クラッチ、菊和、共進 | |
販売会社設立 | 主取引先以外への事業拡大 | トヨタ紡織 |
市場開拓 | ルネサスエレクトロニクス |
生産能力増強など(現地メーカーなど日系メーカー以外への取引拡大を図る動きが多い)
第2工場建設 | 愛三工業、エイチワン、東洋ゴムなど | |
---|---|---|
第3工場建設ほか | 尾張精機、矢崎総業(9拠点目) | |
設備・建屋の増設 | アルファ、アーレスティ、エイチワン、カネミツ、武蔵精密 | |
新製品投入 | 民族メーカーと合弁会社設立 | 新日鉄住金(高張力鋼)、ティラド(カーエアコン)、豊田通商樹脂(コンパウンド)、リケン(カムシャフト) |
既存工場に設備増設 | パイオラックス(現代自動車向けに開閉機構部品) |
事業体制の強化/進出中止・延期
合弁会社や技術提携先を完全子会社化 | FCC、河西工業、日立金属 |
---|---|
テクニカルセンターの開発技術者増員 | デンソー |
生産拠点の新規進出を中止・延期 | クラリオン、GMB、市光工業など |
以下は、インドにおける日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2014年10月までの約14カ月間)。
日系部品メーカー動向関連レポート:
・ メキシコへの新規進出 (2014年10月)、メキシコでの工場拡充・ブラジルでの動向 (2014年10月)
・ タイ編 (2014年9月)
・ インドネシア編 (2014年6月)、ベトナム/マレーシアなど編 (2014年6月)、欧州編 (2014年7月)、米国編 (2014年3月)
・ 中国編(下):華南・華北・東北などでの動向 (2014年3月)、中国編(上):華東・華中地域の動向 (2014年3月)
・ インド編 (2013年8月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。