トヨタの中国事業 (1): 生産・開発体制の最新動向
2015年116万台以上に生産体制増強、HV技術・中核部品等の開発子会社設立
2013/09/13
- 要 約
- トヨタの中国事業における生産開発戦略概要
- 完成車生産体制:現在92万台の年産能力を2015年116万台、のち136万台超に拡張を検討
- 中核部品生産体制: 省燃費従来型エンジン/CVT投入、新エネルギー駆動系部品も開発生産
- 中国での開発体制: 既存体制再編、新エネルギー技術とその中核部品開発を現地化
要 約
要 約
トヨタは、2012年3月に発表した中国市場戦略「雲動計画 (Yundong Plan)」 (トヨタチャイナビジョン) を通して、中国の政策変更などの環境変化により速く順応できる、企画・開発から生産までの現地化を推進する事業経営方針を明らかにした。現地化の推進で、顧客・市場ニーズにより速く応えられる、コスト面など強い競争力持つ商品開発もしやすくなる。
とりわけ、新エネルギー中核コンポーネント・技術などの開発を行う、江蘇省常熟市の開発子会社を2013年に稼動させるなど、次世代自動車の企画・開発・生産の一貫した現地化体制を着実に進める。2015年前後に、現地開発・生産のハイブリッドコンポーネントを搭載するHV乗用車の生産を開始する計画。世界で優位性のあるハイブリッド技術を活用した競争力の強い新型モデルの市場投入で中国シェアを獲得・拡大していく。
トヨタは、2012年9月前後突発した反日デモ後にも、中国の中長期事業計画を変更しないと重ねて表明してきた。年間約130万台規模になる2015年の中国販売目標に向けて、2013年8月時点明らかになった、2015年の中国での年産能力拡張計画は116万台以上となっているが、中国市場・情勢を見極めた上、更なる拡張計画を検討すると報じられている。
2015年前後、FAWとの合弁工場で生産予定の合弁会社自社ブランド「朗世 (Ranz)」のベースとなるEV コンセプトカー (写真:2013年4月開催:上海モーターショーから) |
2015年前後中国生産を計画している広汽トヨタ の自社ブランド(名称未発表) EV のベースとなるEV コンセプトカー (写真:2013年4月開催:上海モーターショーから) |
関連レポート:
・トヨタの中国事業 (2): モデル計画/販売体制構築の最新動向 (2013年9月掲載)
・上海モーターショー2013取材 (4): 日本韓国等の乗用車8社の新型32モデル (2013年5月掲載)
・中国自動車各社の2013年販売計画:乗用車は1,800万台超、商用車は330万台超 (市場予測あり、2013年3月掲載)
・トヨタ:北米とアジアで拡大、米国で2013年に220万台販売を計画 (市場予測あり、2013年2月掲載)
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