現代自動車グループ:品質向上を優先し、急拡大路線を修正

米国で燃費誇大表示が発覚、大規模リコールを実施

2013/08/14

要 約

Hyundai Group whole sale 現代自動車グループ(現代自動車と起亜自動車)はここ数年急速な拡大を遂げてきたが、2012年に、韓国での時限ストライキの発生と操業時間短縮を含む労働条件への同意、それに伴う生産能力の低下、ウォン高、米国で燃費誇大表示や大量リコールなど複数のマイナス要因が発生した。

 ここ数年の急成長の後で、現代自動車の世界の工場は2011年107.4%、2012年108.4%の稼働率で生産した。そこに韓国工場での時短が加わり、市場が拡大している米国などで供給能力が不足している。米国では2013年1~7月期でグループのシェアを9.0%から8.2%に落した。

 しかし現代自グループは今後の設備増強については慎重で、数年間にわたり急速に生産を拡大した後であり、このまま拡大路線を続けると部品サプライヤーの能力が追いつかずに品質問題が発生すると懸念している。そのため、2013年後半以降に予定されている生産能力増強は、2013年末トルコ工場で年産10万台から20万台への増強、および2014年後半に生産開始する起亜自の中国第3工場にとどまる(他に、現代自が中国第4工場を建設するとの報道がある)。

 急速な設備増強はしないで、その結果一時的にシェアを失うことがあったとしても、品質向上、顧客満足と現代自グループおよびディーラーの収益を優先する。経営の効率を高め、次の成長期に備えるとしている。

 現代自グループの業績は、売上高の伸び率は低下しているが(2013年1~6月期の起亜自は0.6%の減収)、営業利益率は現代自が10%程度、起亜自は8%程度で、高水準の収益を維持している。

 レポート末尾に、LMC Automotive社による現代自グループの国別生産台数予測を添付した。今後伸び率は低下するが、2016年に835万台を生産すると予測している。

 また現代自グループで今後最大の成長が見込まれる中国事業については、別途レポートする予定。

関連レポート:「現代グループ:2012年販売計画は40万台増の700万台、質的向上を優先」(2012年4月掲載)



2013年1~6月期、総出荷台数は26万台増だが、韓国からの輸出は9万台減

 ここ数年間、現代自グループの世界販売台数は2010年に前年比108万台増加、2011年86万台増、2012年には53万台増と急速に拡大し713万台を販売した(567万台を販売したFordを押さえ世界第5位の実績)。販売台数とともに、品質も急速に向上したとされている(上記関連レポート参照ください)。

 しかし、2012年韓国国内工場での時短を含む労働条件の導入により、グローバル規模での供給能力不足が表面化した。

 2013年1~6月期のグループ世界出荷台数は前年同期の357.8万台から383.6万台へ25.8万台増加した。ただし、新工場が稼動開始した中国、ブラジル、および2012年秋から3シフトでの生産を開始した米国などで、現地工場からの出荷が35万台増加しており、一方韓国工場からの輸出は8.9万台減少し、米国市場は、韓国からの輸入が減少し小売販売台数は8,000台の減少となった。新工場を除く既存分野での販売は、前年並みまたは微減している。

現代自動車グループの出荷台数(卸売り販売台数)

(1,000台)
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
計画
2012年
1~6月
2013年
1~6月
現代自動車 韓国生産車
(内)国内販売
(内)輸出

海外生産車
1,612
701
911

1,521
1,731
658
1,073

1,881
1,885
682
1,202

2,174
1,911
667
1,244

2,499
1,850
668
1,182

2,810
992
328
664

1,191
922
326
596

1,469
合計 3,133 3,612 4,059 4,410 4,660 2,183 2,391
グローバル工場稼働率 91.5% 100.6% 107.7% 108.4%
起亜自動車 韓国生産車
(内)国内販売
(内)輸出

海外生産車
1,142
411
731

392
1,400
483
917

730
1,581
492
1,089

957
1,589
481
1,108

1,131
1,600
480
1,120

1,150
851
238
613

544
818
226
592

627
合計 1,534 2,130 2,538 2,720 2,750 1,395 1,445
現代自
グループ合計
韓国生産車 2,754 3,131 3,466 3,500 3,450 1,843 1,740
(内)国内販売 1,112 1,141 1,174 1,148 1,148 566 552
(内)輸出 1,642 1,990 2,291 2,352 2,302 1,277 1,188
海外生産車 1,913 2,611 3,131 3,630 3,960 1,735 2,096
合計 4,667 5,742 6,597 7,130 7,410 3,578 3,836
対前年比増 444 1,075 855 533 280 379 258

資料:現代自・起亜自の2012年および2013年1~6月期決算発表、Hyundai Motor Investor Presentation June 2013

 

海外工場の出荷台数(卸売り販売台数)

(1,000台)
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
計画
2012年
1~6月
2013年
1~6月
現代自動車 米国
中国
インド
チェコ
195
570
560
116
300
703
603
200
338
740
616
251
361
856
641
303
388
970
633
300
175
373
326
162
207
511
332
155
トルコ
ロシア
ブラジル
CHMC(注)
80
1,521
75
0
91
138
86
225
27
519 43
112
45
113
78
28
合計 1,521 1,881 2,174 2,499 2,810 1,191 1,469
起亜自動車 米国
中国
スロバキア
0
241
150
167
333
230
272
433
252
358
481
292
360
500
290
173
221
149
192
276
159
合計 392 730 957 1,131 1,150 544 627

(注)CHMC(Sichuan Hyundai Motor Company)は、現代自と中国の商用車メーカーSichuan Nanjun Automobile Groupとの合弁会社。新工場を建設中で2014年半ばから生産開始する。2013年の販売台数は、Sichuan Nanjunの既存モデルを引き継いだ合弁会社の販売台数を示す。

 

 



品質向上を優先し、早急な生産能力増強はしない

 現代自グループは2012~2013年に下表の通り生産能力増強を実施また計画している。2013年後半以降の計画としては、現代自トルコ工場での10万台の設備増強と起亜自の中国第3工場建設が決定しているが、その先の設備増強計画は発表していない。

 品質問題に加えて、レポート後半で報告する韓国内外の諸々の経営環境から、現代自グループは次の段階の区切りとなる800万台生産を急がない方針とも報道されている。インドに第3工場を建設する案もあったが、経営陣に却下されたとされる。

2012年以降の新規稼働または生産能力を増強する工場

生産開始 年産能力等
中国 現代自 第3工場 2012年6月 当初年産能力30万台、将来は40万台。
CHMC 2013年 年産能力16万台で商用車を生産。
第4工場 正式発表は
ない
年産30万台規模の新工場建設し、早ければ2015年に生産を開始すると報道されている。
起亜自 第3工場 2014年後半 当初年産能力20万台、2015年30万台。
米国 起亜自 Georgia工場 2012年初め 主要設備を拡張し、30万から36万台に増強。
現代自 Alabama工場 2012年秋 3交代制導入。2013年の年産能力は2012年30万台から37万台に増強。
ブラジル 現代自 Piracicaba工場 2012年11月 年産能力15万台で、小型ハッチバックを生産。
ロシア 現代自 St. Petersburg工場 2012年 15万台から20万台に増強。
トルコ 現代自 Bursa工場 2013年末 20万台に倍増し、"i10"を生産。
現代グループは、2012~2014年央の間に、新設工場及び既存工場の増強で109万台の生産能力を増強する
(現代自の中国第4工場は除く)。

 

 



ウォン高:対ドルではウォン高が一服だが、対円では2012年の安値より3割高の水準

 ウォン安が、最近数年の現代自グループ躍進の要因の一つとされてきた。

 対ドルでは、直近の安値である2012年5~6月の「1ドル=1,180ウォン」前後から、2013年1月に「1ドル=1,060ウォン」程度までウォン高が進んだが、8月初めではここ2~3年の平均レートである「1ドル=1,120ウォン」前後まで戻っている。

 対円では過去30年間以上にわたりほぼ一貫してウォン安が進行してきたが、2013年に入り2012年までの超円高が修正されたこともあり、直近のウォン安値である2012年5~6月の水準「100ウォン=6.8円」前後から、ここ2~3カ月は約3割ウォン高の水準である「100ウォン=9円」程度が続いている。世界各地での日本自動車メーカーとの競合に影響が大きいとしている。

 現代自は、韓国からの輸出比率を下げて、為替影響を最小化する努力をしてきたとしている。

現代自の輸出比率とウォンの対ドルレート

2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2012年
1~6月
2013年
1~6月
2013年
計画
輸出比率(注) 40% 29% 30% 30% 28% 30% 25% 25%
対ドルレート(ウォン) 1,102.6 1,276.4 1,156.3 1,108.1 1,126.9 1,141.8 1,105.3 -

資料:Hyundai Motor Investor Presentation June 2013
(注)輸出比率は、「韓国工場からの輸出台数/(韓国工場の総出荷台数 + 海外工場の総出荷台数)」。

 

 



韓国国内の労使問題:新しい労働条件が韓国内の生産能力を低減

 現代自の労働組合では、2011年秋に強硬派の委員長が誕生し、大企業への反感という世論もあって、対決姿勢を強めている。

 2012年7月から8月に、現代自動車の労働組合は労働条件の改善を求めて時限ストライキを実施した。現代自は生産減の影響を重視して妥協し、勤務時間を短縮して徹夜勤務を廃止すること(従来の10時間2交代制を、朝勤8時間と夕勤9時間で午前1時10分に勤務を終了する体制に変更する)と、賃上げで合意した。延べ28日間の時限ストライキで、生産への支障は8.2万台に及んだとされる。また6,800人いる非正規社員のうち3,000人を2013年中に正社員とすることを提示したが、組合側は同意していない。

 さらに2013年3月上旬から約3カ月、2013年の賃金交渉で週末の生産が停止。この間現代自だけで8.3万台の生産に影響したとされる。

 時間短縮による生産低下に対しては、3,000億ウォンを投資して生産設備を拡充し、また生産効率を高めて補うとしている。しかしその効果は未知数であり、現代自最大の蔚山(Ulsan)工場(年産能力150万台)では、年間23.4万台(約15%)の減産になるとの試算もある。2013年1~6月の両ブランド合計の国内出荷台数(韓国国内出荷 + 輸出)は、前年の184万台から174万台に10万台減少した。

 

 



韓国国内販売:輸入車シェアが10%に達し、現代自グループの販売は微減傾向

 韓国国内市場は、2010年以降155~160万台で推移している。FTAを活用した欧州や米国からの輸入車が増加しており、輸入車のシェアは2013年1~6月には10%を超えた。現代自グループ2社は70%台のシェアを維持しているが、2012年、2013年1~6月と微減傾向が続いている。

 現代自グループは、これまで韓国国内での圧倒的なシェアを背景に国内で挙げた利益を海外に投資して発展してきただけに、国内での競合激化は影響が大きいとされている。

現代自グループの韓国販売台数とシェア

2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2012年
1~6月
2013年
1~6月
現代自動車
起亜自動車
570,962
316,432
702,678
412,752
659,565
484,512
684,157
493,003
667,777
482,060
328,115
239,138
325,087
226,404
現代自グループ
シェア
887,394
71.9%
1,115,430
76.2%
1,144,077
72.9%
1,177,160
73.9%
1,149,837
73.5%
567,253
74.5%
551,491
72.7%
その他国内メーカー
国内生産車計
267,089
1,154,483
278,570
1,394,000
321,349
1,465,426
297,477
1,474,637
261,020
1,410,857
127,855
695,108
125,416
676,907
輸入車
シェア
80,537
6.5%
69,002
4.7%
104,977
6.7%
117,592
7.4%
154,407
9.9%
66,391
8.7%
81,493
10.7%
総合計 1,235,020 1,463,002 1,570,403 1,592,229 1,565,264 761,499 758,400
資料:韓国自動車工業会KAMA
(注) 1. 現代自グループのシェアは、輸入車を含めた国内市場でのシェアを示す。
2. 2013年1~6月の輸入車国別内訳は、ドイツ37,971台、米国 15,650台、日本 14,861台、英国3,580台など。日本自動車メーカーは、韓国-米国FTAを活用し、トヨタCamry/Venzaなど米国生産車を輸出している。

 

現代自動車の、所在地別売上高と営業利益

(10億ウォン)
韓国 北米 アジア 欧州 その他地域 連結調整 全社(連結)
売上高 2010年 45,354 21,410 6,916 13,050 - (19,744) 66,985
2011年 51,565 26,029 7,388 20,696 - (27,881) 77,798
営業利益 2010年 4,642 753 364 150 (8) 18 5,818
2011年 5,922 1,408 357 575 (47) (139) 8,076
資料:現代自動車 2011 Annual Report
(注) 1. 2012 Annual Reportでは、所在地別営業利益を開示していない。
2. 2011年の連結営業利益は、2012年業績発表と同時に、8,029(×10億ウォン)に修正された。

 

米国市場:現代自グループ2013年1~7月のシェアは、0.8%減の8.2%

 米国市場では、現代自グループの2013年1~7月の販売台数は、前年の75.5万台から75.3万台に微減、シェアは9.0%から8.2%に下降した。

 現代自のAlabama工場は2012年9月から3交代でSonataとElantraを生産し、現代/起亜ブランド米国生産車の1~7月販売台数は48万台に7.3%増加したが、輸入車の販売は27万台に11.2%減少した。

 しかし2013年6月10日付Automotive Newsなどによると、現代自と起亜自の韓国本社およびそれぞれの米国販売会社は、たとえ多少シェアを失うことがあっても、インセンティブを抑制し、品質・顧客満足・収益性を重視して次の飛躍に備える姿勢を貫いている。

 現代自によると、現代自の2012年米国でのインセンティブは台当たり946ドル(トヨタは1,804ドル、ホンダは2,206ドル)、また2011年4月以降、在庫日数は60日以内を保っている。

米国販売における米国生産車と輸入車の内訳

(台)
2009年 2010年 2011年 2012年 2012年
1~7月
2013年
1~7月
現代自動車 米国生産車 200,371 273,303 486,713 503,655 293,730 320,118
韓国からの輸入車 234,693 264,925 158,978 199,352 124,960 106,897
合計 435,064 538,228 645,691 703,007 418,690 427,015
起亜自動車 米国生産車 0 108,202 130,235 274,996 154,044 160,173
韓国からの輸入車 300,063 248,066 355,257 285,603 182,737 166,182
合計 300,063 356,268 485,492 557,599 336,781 326,355
グループ 米国生産車 200,371 381,505 616,948 775,651 447,774 480,291
韓国からの輸入車 534,756 512,991 514,235 484,955 307,697 273,079
総合計 735,127 894,496 1,131,183 1,260,606 755,471 753,370
市場シェア 7.0% 7.7% 8.9% 8.7% 9.0% 8.2%
米国Light Vehicle 10,431,509 11,589,844 12,779,007 14,492,398 8,426,339 9,134,810

資料:Automotive News

 

 



米国市場で、燃費誇大表示と大規模リコールが発生

 2012年11月、米国EPAは、現代自/起亜自が販売した90万台の車両で、燃費誇大表示があったと発表した。現代グループは顧客とディーラーに陳謝し、顧客への補償もおこなったため、大半の顧客には比較的冷静かつ好意的に受けとめられている。

 また2013年4月、ブレーキライトスイッチの不具合で、現代/起亜ブランド合計168万台のリコールをおこなった。

現代自と起亜自13車種90万台で、燃費誇大表示が発覚

 米国EPA(Environmental Protection Agency)は2012年11月、2011~2013モデルイヤーの現代ブランド8車種、起亜ブランド5車種、合計約90万台で、燃費を誇大に表示していたと発表した。EPAによると、燃料1ガロン(約3.785L)当たりの走行距離を、最大で6マイル、平均で3%誇大に表示していた。
 EPAの検査で誇大表示が発見されたのは2000年以降2例のみで、このように大量の車で、これだけの逸脱が発見されたのは初めて。また今回対象となる13車種のうち6車種が、highway燃費を1ガロン40マイルと表示している。Highway燃費 1ガロン40マイルが低燃費の一つの目安とされていることから、意図的であったのではないか、との疑問もあるが、現代グループはそれを否定し、韓国の研究所で行った試験にミスがあったことが原因としている。
 現代自グループは、EPAの指摘に基づいてフロントウインドーに貼る燃費を表示するステッカーを貼り直した。また走行距離と「計測し直した燃費と購入時に表示されていた燃費の差」から顧客が過大に支払ったとみられる燃料費を算出し、それに15%上乗せして顧客に補償した。さらに無料洗車などのサービスも提供した。大半の顧客は、この申し出を冷静かつ好意的に受け止めたとされている。

資料:EPA (Environmental Protection Agency) 2012.11.2

 

ブレーキライトスイッチの不具合で168万台をリコール

 現代自と起亜自は、2013年4月ブレーキライトスイッチの不具合で、合計168万台のリコールを行うと発表した。ブレーキを踏んでもブレーキライトが点灯しない、ブレーキを踏んでもCruise Controlの設定速度をキャンセルできない、ATのシフトレバーをPから動かせないなど、大きな事故につながる可能性がある。
 現代ブランド車では、2011 Sonata、2007-2009 Accent/Tucson、2007-2011 Elantraなど約106万台、起亜ブランド車では2010 Optima、2007-2010 Rondo/Sportageなど62万台、合計168万台が対象となった。これらの車種は、同じ韓国サプライヤーの生産したスイッチを搭載していた。

資料:NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)2013.4.1、Automotive News 2013.4.15

 

 



2013年1~6月期、利益水準は高いが、現代自は7.7%、起亜自は21.0%の営業減益

 2011年から、韓国の上場企業は、従来のK-GAAP基準に替わりK-IFRS基準の連結決算の報告を義務づけられている。現代自の起亜自への出資比率は33.88%で、起亜自は現代自の持分法適用会社になっている。また海外事業の大半は連結対象だが、中国事業は持分法対象会社。

 現代自と起亜自の収益は高水準で推移しているが、労働条件の変更による生産能力不足とウォン高の影響で、両社とも2012年第4四半期は営業減益となった(2012年通年では営業増益を維持)。

 2013年1~6月実績では、現代自が7.7%、起亜自が21.0%の営業減益。韓国での生産と輸出の比率の高い起亜自に影響が大きい。しかし、現代自は9.6%、起亜自は7.6%の営業利益率を維持し、純利益は中国事業など関連会社の持分利益を加えて、現代自で4.6兆ウォン(約4,100億円)、起亜自で2.0兆ウォン(約1,800億円)の高い水準を維持している。

現代自動車グループの業績

(10億ウォン)
2010年 2010年 2011年 2012年 2012年
1~6月
2013年
1~6月
K-GAAP基準
単独決算
K-IFRS基準連結決算
現代自動車 売上高
営業利益
営業利益率
36,769
3,227
8.8%
66,985
5,918
8.8%
77,798
8,029
10.3%
84,470
8,437
10.0%
42,105
4,631
11.0%
44,551
4,275
9.6%
持分利益
税引前利益
純利益
2,801
6,308
5,267
1,682
7,492
6,001
2,404
10,447
8,105
2,580
11,605
9,056
1,405
6,296
5,001
1,413
5,939
4,611
起亜自動車 売上高
営業利益
営業利益率
23,261
1,680
7.2%
35,827
2,490
7.0%
43,191
3,499
8.1%
47,243
3,522
7.5%
24,341
2,317
9.5%
24,197
1,831
7.6%
持分利益
税引前利益
純利益
1,106
2,776
2,254
982
3,323
2,698
1,337
4,722
3,519
1,414
5,164
3,865
666
3,074
2,298
617
2,440
1,965
資料:両社の2012年および2013年1~6月期決算発表資料
(注) 1-1. K-GAAPでは、30%超を出資しかつ筆頭株主である子会社を連結対象としたが、K-IFRSでは50%超出資する子会社が連結対象となる。現代自の起亜自への出資比率は、2012年12月31日現在で33.88%。
1-2. このため、現代自動車のK-IFRS基準連結決算は起亜自動車やHyundai Hyscoなどの子会社をフル連結対象としない。これら子会社には持分法が適用され、それぞれの持分利益が現代自動車の連結純利益に反映されている。中国事業も持分法適用の対象となる。
2. 起亜自動車も、K-IFRSベースの連結決算を発表している。
3. 現代自および起亜自の2012年通期業績は増収・増益だが、第4四半期はウォン高の影響で増収・減益になった。現代自は11.7% 起亜自は51.1%の大幅営業減益だった。
4-1. 2013年1~6月期に、起亜自の出荷台数は139.5万台から144.5に増加したが、0.6%の減収。主に3.1%のウォン高(前年同期は1ドル1,142ウォン、当期は1,107ウォン)の影響としている。
4-2. 同1~6月期、現代自でも、1ドル=1,142ウォンから1,105ウォンのウォン高になった(増収は確保した)。

 

 



LMC Automotive 生産予測:現代自グループは2016年に835万台を生産

(LMC Automotive社、2013年6月)

 Hyundai Group production forecastLMC Automotive社の2013年6月時点での予測によると、現代自グループの2013年生産台数は、前年比5.9%増加し765万台となり、2016年には835万台に達する。中国での生産は2013年に前年比15.9%拡大して154万台となり、現代グループの安定的な拡大を支える。中国での生産は2016年にほぼ200万台に達するが、これは2013年対比で約30%の大幅な拡大である。

 LMC Automotive社は、「現代グループは、中国とインドでの需要拡大を背景に、Asia Pacific地域での存在を強化していくが、同時に現代自・起亜自とも北米と欧州市場開拓を継続する」とコメントしている。

 現代自グループの韓国での生産は、2016年まで350万台前後で推移する見込み。

 またLMC Automotive社は、「現代自と起亜自は、韓国国内で人件費の高騰に直面しており、グローバルでの競争力に影響すると思われる。しかし両社とも、今後数年間に生産を大幅に韓国外に移動させる可能性は低い。その理由は、両社の主要モデルへの需要は、海外生産能力を構築するよりも早いスピードで拡大することが見込まれるため」と指摘している。

LMC社による、現代自グループ国別生産台数予測

(台)
COUNTRY GLOBAL MAKE 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Total 5,845,457 6,755,505 7,224,062 7,648,744 7,762,876 8,071,547 8,343,168
Brazil Hyundai 23,711 38,635 51,242 189,521 197,220 214,621 225,006
China Hyundai 704,441 743,888 855,307 988,381 1,063,142 1,179,657 1,284,725
Kia 338,362 431,265 485,268 548,372 579,012 640,094 700,698
China Sub-total 1,042,803 1,175,153 1,340,575 1,536,753 1,642,154 1,819,751 1,985,423
Czech
Republic
Hyundai 151,249 223,631 303,035 302,902 276,413 259,337 274,721
Kia 48,886 27,515 0 0 0 0 0
Czech Republic Sub-total計 200,135 251,146 303,035 302,902 276,413 259,337 274,721
Ecuador Kia 13,092 13,888 16,831 18,335 20,837 22,384 21,988
India Hyundai 600,478 619,678 647,731 626,952 523,820 564,695 615,171
Indonesia Hyundai 6,104 5,173 8,207 4,456 5,879 4,222 4,658
Iran Hyundai 7,611 5,140 1,558 157 0 0 3,703
Kia 18,114 19,320 4,258 0 0 0 31,879
Iran Sub-total 25,725 24,460 5,816 157 0 0 35,582
Kazakhstan Kia 148 2,073 4,899 8,343 11,068 13,003 13,985
Korea Hyundai 1,697,434 1,842,508 1,857,137 1,848,293 1,873,680 1,869,384 1,824,913
Kia 1,415,096 1,582,304 1,584,148 1,596,528 1,683,812 1,712,193 1,712,748
Korea Sub-total 3,112,530 3,424,812 3,441,285 3,444,821 3,557,492 3,581,577 3,537,661
Malaysia Hyundai 3,608 4,979 5,829 8,588 9,207 9,823 10,460
Kia 7,551 6,518 9,300 12,396 12,329 12,587 12,789
Malaysia Sub-total 11,159 11,497 15,129 20,984 21,536 22,410 23,249
Philippines Kia 1,308 562 1,337 939 1,082 1,097 1,188
Russia Hyundai 10,224 131,877 122,207 127,043 112,331 112,530 144,435
Kia 80,281 118,424 193,706 205,844 198,289 192,202 185,328
Russia Sub-total 90,505 250,301 315,913 332,887 310,620 304,732 329,763
Slovakia Hyundai 80,005 36,004 0 0 0 0 0
Kia 99,646 161,803 230,141 232,228 218,234 203,156 186,607
Slovakia Sub-total 179,651 197,807 230,141 232,228 218,234 203,156 186,607
Taiwan Hyundai 9,904 12,372 15,356 16,402 16,882 18,790 20,882
Turkey Hyundai 77,207 90,265 86,977 99,393 168,554 199,164 198,978
Ukraine Hyundai 11,414 6,310 3,504 3,193 500 0 0
Kia 4,697 2,957 1,440 0 0 0 0
Ukraine Sub-total 16,111 9,267 4,944 3,193 500 0 0
Uruguay Kia 1,519 9,914 11,225 11,288 11,869 12,041 12,209
USA Hyundai 317,551 429,282 459,439 519,350 490,967 509,034 500,841
Kia 111,844 181,149 260,108 274,925 278,606 312,147 345,592
USA Sub-total 429,395 610,431 719,547 794,275 769,573 821,181 846,433
Venezuela Hyundai 3,972 8,071 3,872 4,915 9,143 9,386 9,664
資料:LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (June, 2013)"
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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