日産の中国事業: 2015年ライトビークル販売は、輸入車を含めて200万台以上

大連で新乗用車工場を建設、2014年からInfinitiを現地生産へ

2013/04/01

要 約

 日産は、2013年1月に、中国の合弁会社「東風汽車有限公司」(DFL)の中型・大型商用車部門を分離し、乗用車とLCV (小型商用車) のライトビークル (Light Vehicle) 事業に集約する方針を明らかにした。

 日産は、2013年3月にも、中期経営計画で示していた2015年DFLのライトビークル 200万台以上 (輸入車を含む) の販売目標を堅持することを表明。さらに、2014年からはInfinitiブランド高級車の現地生産を開始するとも発表した。また、2007年に一部を除いて中断していた日産ブランド車の輸入販売事業も2011年末から再開し、現地生産車と高級車輸入販売ならびに高級車現地生産化の相乗効果で中国市場シェアの拡大を図る。


 日産は2015年にライトビークル200万台以上を中国で販売する目標の実現に向け、既存工場の拡張と共に新しい合弁工場を建設し、年産能力を2013年3月時点の約138万台規模から、2014年までに198万台規模、さらに210万台規模に拡大するとしている。

 また、パワートレインについては、DFLの乗用車部門である東風日産乗用車の160万基に、東風汽車股份の中型・大型ディーゼルを含む30万基超と合わせて、2015年まで190万基超に生産体制を拡大する目標を発表した。さらに、広東省の広州(花都区)では、2013年完成に向けて燃費型手動変速機の工場建設を進めている。


 また、日産のパートナーであるRenaultは、東風汽車公司と湖北省の武漢市に、年産30万台 (1期15万台) 規模の乗用車工場を建設することで合意しており、2015年後半以降の稼働を目指して、政府承認を申請している。


 なお、2013年1月のLMC Automotiveの予測によれば、日産の中国におけるライトビークル販売は、2013年には5%減少し約72万8,000台になるとしている。同社は、「中国の反日感情は日産ブランドの2012年の販売に悪影響を与え、この傾向は2013年に入っても継続するだろう。LMC Automotive は、この問題は2014年以降に沈静化し、日産の販売が再び伸び始める」と予想している。

日産-ルノグループと東風汽車グループの関係図


 

 関連レポート中国自動車各社の2013年販売計画:乗用車は1,800万台超、商用車は330万台超 (2013年3月19日掲載)



中国合弁事業再編: ライトビークルに集約、Infiniti など高級車事業を強化へ

中国合弁事業再編: 中・大型商用車事業から撤退、ライトビークルに事業集約

 日産は、中国合弁事業を再編し、乗用車と LCV、所謂"ライトビークル"事業への集約化に軌道修正した。このため、日産は、中国合弁会社 DFL (東風汽車有限公司) の中型・大型商用車事業を分離し、2013年1月に中国パートナーの東風汽車公司と、関連合弁資産の売却に関する契約に調印した。
 同契約により、日産は、東風汽車公司の資産運営子会社「東風汽車集団股份有限公司」 (DFG) と折半出資するDFLの中型・大型商用車事業部門「東風商用車公司」(本拠地:湖北省十堰) を、DFG を通して東風汽車公司に売却した。
 再編によって、日産の中国合弁主体である DFL は、その傘下に「東風日産乗用車公司」 (乗用車事業部門)、鄭州日産汽車有限公司を傘下に擁する「東風汽車股份有限公司」 (ライトビークル/エンジン事業部門)、「東風汽車(集団)零部件有限公司」 (自動車部品事業部門)、「東風装備公司」 (自動車装備事業部門)の四つの既存事業体をもつことになった。また、当面、東風汽車股份傘下の大型バスおよびそのシャシーを生産する「東風襄陽旅行車有限公司」や、中型・大型ディーゼルエンジンも生産する東風Cummins などの、東風商用車公司以外のDFLにおける中型・大型商用車の関連合弁事業は現時点では以前のままになっている。
 (参考) 東風汽車公司とVolvoが、東風商用車公司を再編へ
 東風汽車公司はVolvo (AB Volvo/Volvo Trucks) と、中型・大型商用車の生産販売事業で戦略提携を結ぶことに合意し、2013年1月にその関連合意書に調印した。中国当局へ承認申請をしており、早ければ1年内に承認される見込み。
 両社は、日産の中国合弁事業から分離された東風商用車公司を母体として、新合弁会社を設立する。開発センターを併設する新しい合弁会社「東風沃尓沃汽車有限公司」 (Dongfeng Volvo Truck Co., Ltd.)を、順調に進めば2013年後半に立ち上げる。両社は、この提携により開発・生産・調達分野で大きなスケールメリットが得られるとしている。
 新合弁会社の本社は、「東風商用車公司」本拠地の湖北省十堰市に立地。東風汽車公司は傘下の DFGを通して55%(実物出資)、Volvo が45% (現金56億元) 出資。今後、Volvo のエンジンなどの技術、東風汽車公司の生産資源を生かして、東風ブランドでの完成車のグローバル展開や、中型・大型商用車/バス/特装車、パワートレインなどの開発能力の向上等を図る。
 両社は、合弁会社の認可に先立ち、2013年4月に開催される2013年上海モーターショーで、合弁会社初の大型トラックを発表する予定。また、中国事業より先にVolvo のブラジル工場で、Dongfeng (東風) ブランドの同モデルの生産を開始する計画。

 

中国で高級車販売強化: 2014年から Infiniti 車を現地生産、日産ブランドの輸入車販売も再開

 日産は、中国での高級車販売を強化する。近年、現地の輸入販売が反日デモが起きた2012年を除いて、大幅に伸びてきたInfinitiブランド車について、日産は、Teana/Murano を生産している東風日産乗用車の襄陽工場 (湖北省) で、2014年をめどに生産を開始。2016年までには年間10万台以上、2017年は更に20万台の販売目標を掲げている。
 日産は2012年に中国で、中国市場に特化して開発したロングホイールベース仕様のInfiniti M (Fuga後継モデル) と Infiniti JX を発売。これにより、既存輸入モデル (Infiniti G/EX/QX/FX) と合わせて、日産Infiniti ブランドのあらゆるラインナップを揃えた。 日産は、2012年以降の4年間において、Infiniti ブランドの既存車種全てのモデルチェンジ (一部マイナーチェンジを含む) を行い、新型エンジンおよび変速機を搭載する Infiniti 新型車を、少なくとも4車種追加投入し、高級車市場シェアアップを図る。
 販売強化のために、中国のInfiniti専売店舗を、沿海部の都市部を中心に拡大。2011年初の約25店舗から、2013年にかけて一気に100店舗に増やす。2015年末までにさらに128店舗へ増設する計画である。
 日産はこれに先立って、2012年5月、Infiniti 本社機能を、日本から中国への入り口である香港に移転。Infiniti ブランドの商品企画や販売・マーケティング機能を移したことに伴い、現地の消費者ニーズに応えた商品開発や販売施策を強化している。

 

 また、日産は、2007年に中断していた日産ブランド高級車の輸入車販売を、2011年末から再開。まず、一部の日産乗用車の販売代理店 (2011年12月時点約13店舗) において、高級MPV Quest の最新型 (4代目) の販売予約を2011年末から開始 (2012年2月正式に発売、販売価格は66.8万元)。日産は高級スポーツカーの GT-R も2013年3月時点販売している。2013年内に、日産は高級スポーツカー 370Z の輸入販売を開始するとされる。
 さらに、合弁関連会社の鄭州日産汽車を通して、2012年2月には高級SUV で 6代目 Patrol の輸入販売も開始した (2011年11月販売予約開始)。

 

 



再編後の生産体制構築: 華南/華中地域工場強化、東北地域大連で新工場建設

 中国事業をライトビークルに集約することに軌道修正した日産は、2015年ライトビークル (輸入車を含む) 200万台以上の販売目標の実現に向けて、生産体制の増強を進めている。


 乗用車では、華南地域の広東省広州、華中地域の湖北省襄陽ならびに河南省鄭州にある既存工場を拡張することに加えて、2012年6月に東北地域の遼寧省大連で年産30万台規模の新しい乗用車工場の建設に着工した。(但し、鄭州既存工場では乗用車に加えて軽型トラック/Pickupも生産。)

 LCVでは、湖北省襄陽および華東地域の江蘇省常州にある既存工場を拡張することに加えて、東風汽車股份は、華東地域の山東省寿光に微型トラックの合弁工場を新規建設した。

 これに合わせて、日産の中国におけるライトビークルの年産能力は、2013年3月時点の約138万台規模から、2014年までに198万台規模、中期的には210万台規模に拡大する。


 パワートレインについては、DFLの乗用車部門である東風日産乗用車は、2015年までにエンジン160万基の年産体制を構築する計画である。これに加え、DFL傘下の東風汽車股份は、2014年までに、ディーゼル仕様を含む軽型・中型・大型エンジン合計30万基超との目標を掲げている。さらに、DFLの2015年までの中期経営計画には、広州 (花都区) で、2013年完工の予定としていた、省燃費型手動変速機の工場建設計画が含まれている。

日産: 中国における完成車の合弁生産体制

(単位: 1,000台)
主な生産車種 乗用車生産実績
(商用車を除く)
年産能力
2011年 2012年 2013年3月 計画
東風
日産
乗用車
広州花都第1工場 セダン、ハッチバック、MPV 519 542 330
(2012年1月)
670
(短期)
広州花都第2工場 270
(2012年1月)
湖北省襄陽工場 Teana/Murano (2014年から
Infiniti FXなど生産開始へ)
151 92 200 250 (~2014年)
遼寧省大連(新) 工場 SUV (当初予定) - - (工場建設
着工済み)
150 (2014年)→
300 (将来)
東風
汽車
股份
鄭州日産
汽車
鄭州第2
(新) 工場
X-trail/Qashqai,
Venucia D50/R50, NV200/
帥客などの乗用車
197 170 180 *450
鄭州中牟
(第1) 工場
東風日産乗用車以外の
他のSUV/MPV, PickupなどLCV)
*98
東風常州
汽車
江蘇省常州工場 微型バン(俊風CV03) - 2 *50 *100(2013年)→
*200(~2014年)
直営工場 襄陽軽型
トラック工場
軽型トラック
(日産 Cabstarを含む)
- - *180 n.a.
襄陽軽型
バス工場
軽型バス - - *30 n.a.
東風襄陽
旅行車
新エネルギー
大型バス工場
EV/HV仕様の
大型バス/シャシー
- - *2 (他、
シャシー 5)
n.a.
山東東風
凱馬
山東省
寿光市工場
微型トラック - - *50 n.a.
合計 866 807 *1,390 *1,982
(~2014年)
→ *2,132
(内数) ライトビークル n.a. n.a. *1,388 *1,980
(~2014年)
→ *2,130
(参考) Renault の中国工場
主な生産車種 乗用車生産実績
(商用車を除く)
年産能力
2011年 2012年 2013年3月 計画
東風Renault 武漢工場 SUV/MPV (稼動当初)、セダン/
ハッチバック(追加投入)
- - (承認を
申請中)
150 (2015年
後半以降)
→300
(前)三江Renault 孝感工場 自動車部品
(以前は、軽型バン/MPV)
0 0 (乗用車工場から
部品工場に再編中)

(注) 年産能力欄に、*表記は商用車を含み、*表記のないものは乗用車のみ。

 

完成車生産体制: 2014年までに190万台規模、更に210万台規模へ拡大

東風日産乗用車: 2015年130万台強販売に向けての生産体制整備

▽広東省広州で、 2011年12月に第2工場を稼働、年産能力を60万台に増強
 東風日産乗用車は、2011年12月に、新型Tiida などの生産開始に伴い、広東省の広州市(花都区)にある、年産27万台有する第2乗用車工場の稼働を開始した (当初計画より4カ月前倒し)。広州における年産能力を、既存 (第1花都)工場と合わせて60万台に増強した。東風日産乗用車は2011年12月、広州での年産能力を今後更に67万台に引き上げると発表したが、2013年3月現時点の進捗を明らかにしていない。(これに加え、東風日産乗用車は広州市(花都区)で第3の新しい乗用車工場を建設する計画があるとの報道もある。)
 広州第2工場の総面積は140万㎡ (投資総額は50億元)。プレス/溶接/塗装/樹脂成形/組立工場を保有する。東風日産乗用車は、第2工場を既存広州(第1)工場との一体化管理と、フレキシブルな生産体制を導入。
▽遼寧省大連で、2014年稼働の新乗用車工場を建設、30万台年産体制構築へ
 東風日産乗用車は2012年6月、遼寧省の大連市 (保税区) で新しい乗用車工場の建設に着工した。2014年に稼働し、日産ブランド車の生産を開始する。1期建設の年産能力は15万台、2期建設を経て30万台に拡大する。当初の生産モデルはSUVのMurano (楼蘭)/X-Trail (奇駿) であるとされる。
▽湖北省襄陽で、Infiniti 車生産体制整備に伴い、乗用車工場の年産能力を25万台に拡張
 東風日産乗用車は、合計20億元を追加投資し、2014年から開始するInfiniti生産体制整備を含めて、湖北省の襄陽工場を拡張する。襄陽工場の年産能力を、2013年3月時点の約20万台から25万台に拡張する。

 

東風汽車股份: 2014年50万台超の販売に向け、華東/華中地域で生産体制拡張

 東風汽車股份は、2014年までの5カ年中期事業計画 (新315計画) で、2014年の自動車販売目標を、傘下の鄭州日産汽車を含めて50万台以上 (うち、輸出10万台) 、中国の軽型商用車市場シェアは上位2位入りを目指すとしている。また、パワートレインでは年間生産販売台数30万基超という目標を設定している。

▽河南省の鄭州で、鄭州日産汽車 2工場を拡張、年産能力を2013年27.8万台に拡大
 鄭州日産汽車は、2013年~2015年に年間35万~40万台生産販売 (2011年6月発表)の目標達成に向け、年産能力を、鄭州2工場合計で 27.8万台に引き上げた。今後、更に合計45万台に拡張する計画を進めている。2013年3月時点は、塗装新工場の建設が着工済み。
 鄭州日産汽車は2013年3月時点、河南省の鄭州市 (経済技術区) にある第2 (新) 工場の年産能力を、2010年9月稼働当初の14万台から、18万台に引き上げた。第2工場の敷地面積は60万㎡、プレス/溶接/塗装/組立工場を擁する。 同第2工場は2013年3月時点、自社の帥客/日産 NV200 などを生産するほか、東風日産乗用車の広州本工場から移管した 日産のSUV (Quashqai/X-Trail)と、「啓辰 (Venucia) 」合弁ブランド車 (D50/R50) の生産も行っている。

 

 また、鄭州日産汽車は2013年3月時点、東風日産乗用車ブランドのMPV/SUVおよびPickupなどを生産する、鄭州市郊外の中牟 (既存)工場の年産能力を、2011年末時点の6万台から、9.8万台に引き上げた。 (今後、18万台にさらに拡大する計画があると報じられている。)
▽湖北省の襄陽で、LCV 21万台、新エネルギー大型バス 2,000台の年産体制を整備
 東風汽車股份は、2012年後半、湖北省の襄陽にあるLCV工場の年産能力を、以前より6万台増の18万台に引き上げ、隣接する襄陽 (既存) 軽型バス工場と合わせて、襄陽での軽型商用車年産能力を、これまでの15万台から21万台に拡大した。(工場拡張への投資総額は4.94億元。)
 東風汽車股份はこれに併せて、投資総額 1.32億元を行った併設プレス工場を稼働した。これに先立ち、2012年4月には、新規に軽型商用車向け溶接工場 (ライン1本) および組立工場の建設を完了し稼働を開始した (同建設への投資総額は1.02億元)。

 

 また、東風汽車股份は、2010年8月に湖北省の襄陽で着工した、東風襄陽旅行車の新エネルギー大型バス工場を、2012年に稼働した (工場建設への投資総額は2.78億元)。2013年3月時点、大型の新エネルギー車用シャシー5,000台、新エネルギー大型バス2,000台の年産能力を整備した。
 なお、東風汽車股份は、現在、オランダ VDLグループと、新エネルギーバスの事業提携について協議している。VDLグループは2012年3月、代表団を送り、東風汽車股份の襄陽新エネルギー大型バス工場を視察した。
▽山東省で、山東凱馬汽車と合弁で、微型トラック 5万台の生産体制を整備
 東風汽車股份は2011年9月、10%出資する関連会社「山東凱馬汽車製造有限公司」などと、華東地域での山東省の寿光市で、合弁新会社「山東東風凱馬車両有限公司」を設立した。資本金は2.75億元。東風汽車股份が現金で40%、山東凱馬汽車が工場敷地や設備などの実物で51%、合弁会社経営陣が現金で9%をそれぞれ出資。
 合弁工場は、寿光市開発区にある山東凱馬汽車製造の(新)工場と同じ構内に立地。すでに工場は稼働しており、主にPickup、とりわけ微型トラックを生産、東風ブランドで販売する。2013年3月時点の年産能力は 5万台、今後拡大する予定。
▽江蘇省の常州子会社で、微型バン 5万台の年産体制を整備
 東風汽車股份は、2013年3月時点、江蘇省の常州子会社 (東風常州汽車) 工場で、微型バン 5万台の年産能力を整備した。これに加えて、常州工場における軽型トラック/Pickupの生産事業を、湖北省の襄陽工場に移管した。常州工場では現時点で、主に微型バン「俊風CV03」 (開発コード:W03) を生産している。
 東風汽車股份による常州工場の生産体制整備は計画よりも遅れている。当初の計画では、2014年に微型車 20万台 (エンジン20万基)/中国微型車市場シェア5%の販売目標の実現に向けて、2012年までの1期建設 (4.5億元投資) で微型車の年産能力を10万台に整備。2014年までの2期建設 (6.53億元投資) でボディ生産施設を改良し、年産能力を20万台に拡大するとしていた。

 

パワートレイン生産体制強化: 東風日産乗用車の2015年エンジン年産能力は160万基へ

東風日産乗用車:広州でのエンジン年産能力を100万基に拡大、鄭州で60万基年産体制整備中

▽広州赤坭エンジン工場稼働で、広州におけるエンジン年産能力を100万基に拡大
 東風日産乗用車は2012年9月、広州市の赤坭エンジン工場 (花都汽車城赤坭園区) の建設を完工。日産のHRシリーズ (排気量 1.5/1.6L)、MRシリーズ (1.8/2.0L) などのエンジンの生産を開始した。赤坭工場の年産能力は 52万基で、日産の広州におけるエンジン年産能力を、広州既存 (花都) 工場の 48万基のみから、100万基に拡大した。
 東風日産乗用車は2015年までに、広州赤坭工場において、シリンダーヘッド、クランクシャフト、コネクティングロッド等のエンジンの中核構成部品の現地生産体制の整備も進めている。
▽河南省の鄭州で、エンジン60万基年産体制を整備へ
 東風日産乗用車は2011年10月、自社のSUVの委託生産が開始された河南省鄭州市で、60万基の年産能力を有する新エンジン工場 (東風日産乗用車鄭州発動機廠) の建設に着工した。進捗は明らかにされていないが、1期建設 (建屋面積12.38万㎡) の当初計画では、鋳造/加工/組立工場の建設を含めており、2013年1月の稼働予定だった。

東風汽車股份: 2014年までにパワートレインの年産体制を30万基超整備へ

 東風汽車股份は、2014年までの五カ年中期事業計画で、パワートレイン子会社の年産能力を2014年までに30万基超に拡大するとしていた。2013年3月時点、傘下の東風 Cummins (湖北省の襄陽) の年産能力は、軽型・中型・大型商用車向けのディーゼルエンジンが約20万基と、DFL との合弁軽型エンジン子会社の東風軽型発動機 (湖北省の十堰市) が約6万基と、合わせて約26万基に到達している。

▽湖北省の十堰で、DFL との合弁軽型エンジン工場の年産能力を15万基に拡張へ
 DFLは、湖北省の十堰にある、東風汽車股份傘下の軽型エンジン合弁工場 (東風軽型発動機有限公司)の年産能力を、現行の約6万基から、今後10万基、15万基へと段階的に拡大していく計画とされる。
 同軽型エンジン工場は、2008年11月から、日産 (排気量3.0L ZD30型ディーゼル仕様)/東風ブランド (2.0~3.0L)を含む軽型エンジンの生産を開始した。2013年3月時点、鄭州日産汽車 (鄭州工場) のCabstar/東風汽車股份 (襄陽工場) の御風 (2012年発売) をなどの軽型商用車/SUVなどに向けに供給している。

 

東風日産乗用車: 広州でMT生産体制整備

 DFLは、東風日産乗用車花都工場の隣接地で、省燃費型MTの変速機工場を建設する計画があることを、DFLは2011年7月に中期事業計画の発表会で明らかにしていた。2013年完工の予定であったが、進捗状況は明らかにされていない。

 (参考) ジヤトコ: 広州CVT工場の年産能力を2013年春に90万基に拡大へ
 日産の変速機子会社であるジヤトコは、約200億円 (約15億元) の追加投資を実施。2013年春をめどに、東風日産乗用車向けの広州CVT工場 「加特可 (広州) 自動変速器有限公司」(JATCO (Guangzhou) Automotive Transmission Ltd.) の年産能力を、2012年の73万基から90万基に拡大する。ジヤトコは、現地調達率を、75%超 (2011年11月時点)から、2012年末までには90%以上へ拡大する計画とされる。

 

 



グループ会社Renaultの中国事業動向:東風汽車公司との合弁工場建設へ

 Renaultは、日産の中国パートナーでもある東風汽車公司と、Renaultの中国既存合弁会社三江Renault (三江雷諾汽車有限公司)を再編して、新しい合弁会社(東風Renault) を新設する。本社は湖北省の武漢市 (漢陽区黄金口工業園の西南部) に移す。湖北省の孝感市既存工場を、エンジン/変速機などパワートレインの専属工場に再編する予定。

Renault: 東風汽車と乗用車合弁会社を湖北省の武漢に新設へ

 Renaultは、日産の中国パートナーでもある東風汽車公司と、三江Renault を再編して、華中地域の湖北省武漢で新しい合弁乗用車工場の建設プロジェクトを進めている。2013年3月、政府関連部門の各種承認を申請中。また、合弁工場予定地の武漢市政府 (武漢環境保護局:Wuhan Environmental Protection Bureau) による環境アセスメントの審査情報が公示された。
 合弁会社は、仮称・東風Renault (Dongfeng Renault Automobile Co., Ltd./東風雷諾汽車有限公司)。武漢市の漢陽区(黄金口工業園の西南部) に立地。投資総額は110億元 (1期建設72億元)。乗用車工場は、プレス/溶接/塗装/成形/組立工場を含む。エンジン工場および研究開発センターも併設。工場の敷地面積は合計 179.4万㎡。うち、南区工場は 41.6万㎡、北区工場は 137.8万㎡。 同工場の従業員定員は3,544名。年産能力は1期建設で15万台、主にSUV/MPVを生産。2期建設を経てセダンおよびハッチバックを追加生産する。年間稼働日数は250日。工場建設は28カ月予定される。2015年後半以降に、生産を開始する見通し。現地生産の第1弾モデルはSUV Koleosで、今後新エネルギー車も追加生産すると報道される。

 

 Renaultは近年、中国での輸入車販売が順調に伸びている。2012年の販売台数は29,724台で、前年比22.4%強増になっており、2015年には10万台以上の販売目標を目指している。 また、2013年末までに、中国の販売代理店を、2012年末時点の95社から115社に増設 (2012年15社増)。新車投入においては、2013年に、Fluence/Latitude/Clio などの新型を中国で発売する予定。

 

 一方、Renaultの既存孝感乗用車合弁工場 (三江 Renault) は、新合弁乗用車工場を設立した後、新工場のエンジン/変速機などパワートレインを生産する専属工場 (サプライヤー)に再編される予定。

 

 



(参考) 日産の中国乗用車販売実績と計画

日産: 中国におけるメーカー別モデル別乗用車販売の実績と目標

(台)
メーカー
(OEM)
モデル 乗用車販売実績 販売目標 (注1)
2011年 2012年 2012年
1~2月
2013年
1~2月
2013年 2014年~
東風
日産
乗用車
合計 808,588 772,995 136,662 110,089 1,000,000
(必達目標:
900,000)
1,300,000超
(2015年)
(注2)
襄陽(樊)
工場
New Teana 156,165 90,072 18,640 2,156 うち、啓辰
(Venucia)
ブランド車は
9.3万台以上
n.a.
Murano 858 946 98 22
Infiniti series (2014年から現地生産開始)
広州工場 New Sunny 156,954 137,820 27,936 21,474
Tiida 3box 1,830 1 1 8
Tiida 2box 23,398 3 3 3
New Tiida 2box 86,680 144,212 28,606 17,293
March 16,225 6,720 1,102 176
Livina 98,770 87,724 17,444 3,859
Livina Geniss 2,713 1,857 465 179
Sylphy 125,427 78,233 16,601 11,853
New Sylphy - 55,590 - 23,512
鄭州日産
第2工場
(委託生産)
Qashqai (Dualis) 111,304 105,143 19,998 13,118
X-Trail 28,264 22,869 5,768 1,979
啓辰(Venucia) D50 - 30,193 - 8,218
啓辰(Venucia) R50 - 11,612 - 6,239
東風
汽車
股份
合計 51,509 48,795 8,332 7,071 *294,000 *500,000
(2014年)
襄陽(樊)/常州/寿光工場合計 - 1,192 - 513 *173,000 n.a.
俊風(Just For) CV03 - 1,192 - 513 n.a. n.a.
鄭州日産汽車
(東風日産の委託生産以外)
51,509 47,603 8,332 6,558 *121,000 *350,000~
*400,000
(~2015年)
Paladin 8,199 5,361 1,049 744 n.a. n.a.
奥丁 2,312 1,267 216 143
御軒 1,444 860 208 175
帥客 24,148 25,157 4,585 3,817
NV200 15,406 14,958 2,274 1,679
以上合計 860,097 821,790 144,994 117,160 *1,294,000 *2,000,000以上
(2015年)

注1:販売目標欄に、*表記は商用車を含み、*表記のないものは乗用車のみ。
注2:東風日産乗用車の2015年販売目標は、最大150万台とも報じられている。



LMC Automotive 生産予測:日産の地域別/ブランド別生産予測

(LMC Automotive社、2013年2月)

2013年2月のLMC Automotiveの予測によれば、日産の世界ライトビークル生産は、2013年は前年比4.7%増加して約4,955,000台へ、2016年には約5.719,000台まで増加するとしている。日本での生産比率は、2014年以降BRICSでの生産が拡大するために、2012年の27.5%から2016年には16.3%にまで低下する。LMC Automotiveは、「為替リスクを軽減するために、日産は日本の九州工場から北米へSUVのムラーノとローグを移管する。余剰になった九州工場の生産能力は2014年に削減され、生産移管後も九州工場はフル稼働を維持する」と予想している。

日産の地域別/ブランド別ライトビークル生産予測

(台)
Country Global make 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Total 4,049,277 4,531,360 4,730,780 4,955,062 5,288,048 5,448,546 5,718,714
Brazil Nissan 18,155 33,358 28,779 34,061 111,054 122,969 128,470
China Infiniti 0 0 0 0 0 19,861 38,076
Nissan 757,645 891,264 747,581 778,322 864,538 937,121 1,019,191
China Sub-total 757,645 891,264 747,581 778,322 864,538 956,982 1,057,267
India Nissan 92,922 165,955 169,843 208,611 229,181 267,509 326,422
Indonesia Nissan 34,572 43,606 88,255 106,722 115,901 116,305 124,754
Iran Nissan 63,352 65,276 43,680 37,365 39,003 45,171 46,606
Japan Infiniti 141,634 145,441 123,086 186,968 191,174 201,386 207,313
Nissan 1,150,106 1,117,746 1,179,811 1,014,129 793,280 698,905 722,234
Japan Sub-total 1,291,740 1,263,187 1,302,897 1,201,097 984,454 900,291 929,547
Korea Nissan 0 0 0 0 51,309 53,790 59,695
Malaysia Nissan 29,745 25,656 40,841 53,395 54,520 55,628 58,233
Mexico Infiniti 0 0 0 0 0 33,151 55,252
Nissan 494,581 607,098 685,035 740,068 758,603 724,442 733,763
sMexico Sub-total 494,581 607,098 685,035 740,068 758,603 757,593 789,015
Philippines Nissan 4,666 4,443 4,281 6,959 7,553 7,971 8,264
Russia Infiniti 0 0 3,823 6,942 6,199 186 0
Nissan 24,486 43,605 46,700 93,066 148,470 187,958 192,360
Russia Sub-total 24,486 43,605 50,523 100,008 154,669 188,144 192,360
South Africa Nissan 25,633 23,968 30,174 42,262 47,225 48,090 46,047
Spain Nissan 67,207 93,918 94,904 76,351 117,945 175,065 178,437
Taiwan Nissan 37,001 43,311 36,384 43,607 49,197 50,010 52,096
Thailand Nissan 175,070 185,204 253,412 279,237 285,425 283,677 303,801
UK Infiniti 0 0 0 0 0 41,951 54,803
Nissan 423,262 480,485 511,172 477,796 486,657 453,483 456,622
UK Sub-total 423,262 480,485 511,172 477,796 486,657 495,434 511,425
USA Infiniti 3,466 0 32,578 44,476 43,342 43,112 45,424
Nissan 505,774 561,026 610,441 724,725 887,472 880,805 860,851
USA Sub-total 509,240 561,026 643,019 769,201 930,814 923,917 906,275
資料:LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (February, 2013)"
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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