デトロイトモーターショー 2013 (1)

米国と 欧州の自動車メーカー展示取材:高性能とスタイリングをアピール

2013/02/08

要 約

シボレーコルベット スティングレイ 2013年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)が2013年1月14日から27日まで米国ミシガン州のデトロイトで開催された。昨年(2012年)の米国新車販売台数は約1,449万台と3年連続で前年比10%以上の増加となり、金融危機前の2007年に記録した1,614万台以来の高水準となった。

欧州経済への先行き不安や米国の財政問題など懸念材料を抱えてはいるものの、堅調に回復する米国市場で行われた2013年の北米国際自動車ショーにおいてメーカー各社は、更なる販売台数増となるような売れ筋のモデルや新車を多く展示していた。

ここ2,3年のデトロイトモーターショーで多く見られた、いわゆる環境に配慮したHV、EV、FCVも見受けられたが、今年は「高性能」や「スタイリング」、「実用性」により重きが置かれていた。またコンセプト車はこれまであった奇抜なデザインモデルではなく、1~2年のうちに量産される「試作車」や「コンセプト車」がその多くを占めた。

新たな傾向として、近年流行のLEDを使うモデルが大衆車から上級車まで広く見られたほか、安全装置として小型カメラやセンサーを搭載する車が増えた。

本取材レポートではデトロイトモーターショーを、米国・欧州メーカー、日本・韓国メーカーの2回に分けて報告する。以下は米国と欧州の自動車メーカー各社が展示したコンセプトカーと市販(予定)車の概要である。


関連レポート:
2012年のデトロイトモーターショー 日本メーカー編米国メーカー編欧州・韓国メーカー編



GM は兄弟車シボレーシルバラードとGMCシエラ、 高級PHV キャデラック ELR とコルベットスティングレイを発表

2014 年新型シボレー シルバラード と 2014年新型 GMC シエラの 1500 ピック・アップシリーズ

GMは今回のデトロイトモーターショーでフルモデルチェンジしたシボレーシルバラードとGMCシエラ の大型ピックアップ・トラックの実車を初公開した。両車とも直噴、可変シリンダー、可変バルブタイミングを持つ3種類のエンジンを用意(下表)。2つのV8エンジンに、軽負荷での走行時に8気筒のうち4気筒を休止して燃費を向上させる可変シリンダー機能を搭載した。

シボレー シルバラード シボレー シルバラード内装
シボレー シルバラード シボレー シルバラード内装

シボレー シルバラードとGMC シエラ搭載 エンジン
仕様 4.3L V6 EcoTec3 (LV3) 5.3L V8 EcoTec3 (L83) 6.2.L V8 EcoTec3 (L86)
排気量 (cc): 4301 5328 6162
ボア & ストローク (mm): 99.6 x 92 96 x 92 103.25 x 92
シリンダーブロック: アルミ鋳造 アルミ鋳造 アルミ鋳造
シリンダーヘッド: アルミ鋳造 アルミ鋳造 アルミ鋳造
圧縮比: 11.0:1 11.0:1 11.5:1

出展: General Motors


GM 5.3L V-8 EcoTec3 エンジン
GM 5.3L V8 EcoTec3 エンジン


この2車種のトラックは、リアバンパーとコーナーステップを一体型とし、足を掛けてトラックの荷台に手が届きやすいようにした。また荷台の内側上部に取手を設け、全長6.5フィート(1,951mm)の荷台へのアクセスの便を図った。

また新モデルにはDuralifeと呼ぶローターを持つ4輪ディスクブレーキが設定された。ローターの表面硬度と強度を上げ、防錆性を従来の2倍に向上させると共に、振動の抑制と静粛性の向上を実現した。

シルバラードの前モデルからの外観上の変更点は小さいが、燃費向上のための空力性能を高めた。標準の17インチもしくは20インチタイヤと、ディーラーオプションの22インチタイヤを収めることのできる大型のホイールフレアを持ち、またエンジンフードは左右が中央部に対して盛り上がった"ツインパワードーム形状"で、空気の流れをフロントガラスのワイパーまで整流することで風音を下げた。デフロスター付のリアスライド式窓がこの新型からオプション設定される。

シエラはクロムメッキのフロントグリルとプレミアム・ブラックのホイールアーチが特色。サイドモールとサイドミラーハウジング、ドアハンドルがクロムメッキのグレードもある。エンジンフードはアルミ製で鉄製と比べ約17ポンド(7.7kg)軽量化したとのこと。

GMC シエラ GMC シエラ内装
GMC シエラ GMC シエラ内装

2014年新型 シボレーコルベットスティングレイ

7代目新型コルベットは今回のモーターショーで最も人気のあった車の一つである。GMはこれまで歴代コルベットのうち名車と呼ばれたモデルにスティングレイ(Stingray=アカエイ)の愛称をつけており、この7代目コルベットにもスティングレイと名付けた。フルモデルチェンジを行っても、前モデルの面影は残っており、ひと目でコルベットと判る斬新でスポーティーなスタイリングを踏襲した。前モデルとの共通部品はわずかに2点という全くの新設計である。

シボレーコルベット スティングレイ シボレーコルベット スティングレイ
シボレーコルベット スティングレイ シボレーコルベット スティングレイ


新設計の6.2L V8 LT1エンジンは最高出力 450 hp (335 kW) 、最大トルク 450 lb-ft (610 Nm)で直噴、可変シリンダー、 可変バルブタイミングを採用した。

このコルベットスティングレイは0-60mphを4秒以内で走り、現行モデルの高速燃費26 mpgを上回り、これまでのコルベットの中でも最も優れた燃費車になると見られる。(EPA公式燃費は未定)

LT1 6.2L V-8 VVT エンジン シボレーコルベットのアルミフレーム
LT1 6.2L V-8 VVT エンジン シボレーコルベットのアルミフレーム


軽量化と前後重量配分を50/50とするため、カーボンファイバー製のエンジンフードと脱着可能ルーフパネル、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)製のフェンダー、ドア、リアクウォーターパネル、カーボンナノコンポジットアンダーボディーパネル、アルミ製フレームなど軽量材を多く使用した。また熱による変形を抑えるためジョイント部にはレーザー溶接を使った。

低いエンジンフードとその先端にある丸みを持つフロントグリルはいずれも抵抗を下げる効果がある。これまでコルベットには丸型ブレーキランプが使われてきたが、今回、傾斜のある角型を初めて採用し、リアビューから見て車幅を広く見せる効果をもたせた。フロントフェンダーはゆるやかな曲線を持ち、エンジンフードとルーフは1963年型コルベットスティングレイを彷彿とさせる美しい流線を描いている。


シボレーコルベットのリアビュー
シボレーコルベットのリアビュー

2014年新型キャデラック ELR (PHV)

ELRはキャデラックブランド初の電動車でテスラのモデルSやフィスカーのKarmaなど他の高級EV/PHVとの競合するモデルである。基本的にはシボレーのレンジエクステンダー式EV ボルトからシステムを流用。リチウムイオン電池のフル充電状態から約35マイル(約56km)のEV走行が可能。電池残量が少なくなった場合は発電専用のガソリンエンジンが始動。航続可能距離は約300マイル(480Km)。

ELRは2009年のデトロイトモーターショーで公開されたConverjというコンセプト車からほとんど変わっておらず、キャデラックがここ10年来使っている"Art & Science"の両立というテーマに則し、高級車と低燃費車の両立を図っている。縦長のヘッドランプ、長いテールランプ、そしてシャープなボディラインはキャデラックブランドの一員であることを証明している。ELRはこの他に電動カップホールダーカバーやノイズキャンセレーションオーディオなどを搭載している。

キャデラックELR フロントビュー キャデラックELRリアビュー
キャデラックELR フロントビュー キャデラックELRリアビュー


ELRはまた、減速時に自動的に働く回生ブレーキに加え、ステアリングの左右に1個ずつ付いたパドルを作動させ、減速効果が得られる手動式の回生ブレーキを搭載した。シフトダウンほど減速効果はないが、カーブの手前などで作動させブレーキを踏まずに減速しながら充電できるとのこと。高性能車に搭載されるエコ技術として興味深い。

キャデラック ELRはデトロイトのハムトラック工場で2013年後半から生産し発売される予定。



Ford は多目的トランジット、アトラス・トラック、リンカーンMKCクロスオーバーなどを出展

2014年型 フルサイズFord トランジットと小型バン/ワゴン トランジット コネクト

Fordの小型ワゴン トランジット コネクトは2013年後半に、フルサイズバン トランジットは2014年初頭にFord Eシリーズの後継モデルとして米国で発売される予定。トランジットシリーズは大家族向け、業務用、レンタカーなど必要に応じた仕様を、オプションの中から選んで車をオーダーすることが出来る。

トランジット コネクト ワゴン トランジット フルサイズ カーゴ バン
トランジット コネクト ワゴン トランジット フルサイズ カーゴ バン


トランジットは3種類の車長、4種類のボディ、3種類の車高、2種類のホイールベースの中から仕様を選ぶことが出来る。また、トランジット コネクト ワゴンは5人乗りか 7人乗りの選択が可能。 折りたたみ式でフルフラットとなるワゴン車の荷台は 100ft3(2.7m3) 以上のスペースがある。トランジット コネクトバンは2,000 ポンド(約900Kg)の牽引が可能。左右のサイドドアはスライド式で、リアはリフトゲートタイプか片ヒンジ開きのいずれかを選択できる。

トランジット オプション
車高・室内高
車高 (mm) 2123、 2560、2797
室内荷物空間高さ (mm) 1417、1829、2070
車長
ホイールベース (mm) 3302、3759。延長ボディも設定
車体タイプ
車体 バン, ワゴン, キャブ, 一部カットした車体も用意。

出展: Ford Motor Company


Fordは、トランジットに高張力鋼と含ボロン超高張力鋼を使用した。またEシリーズに比べ荷室容積は約2倍超の500ft3(1.4m3)近くまで拡大した。

Fordはトランジットバンとワゴンのいずれもが、このクラスで最高の燃費車となるだろうとコメントしている。

Ford アトラス ピック・アップコンセプト (2015年型 Ford F-150)

Ford は米国で最も売れているピックアップ・トラックFシリーズの次期型を意図したコンセプト車アトラスを展示した。幅の広い姿勢が力強く果敢な印象を与え、フロントグリルにはクロムメッキをふんだんに使用した。またタイヤ周りのフェンダーには、大型のアーチ状の縁を使うことで、この車をFordの他のピック・アップと同様、タフな外観に仕上げている。LEDランプがヘッドランプ、テールランプ、荷台内部のランプに使用されている。

Ford Atlas ピック・アップ コンセプト Ford Atlasの 延長テールゲート
Ford アトラス ピック・アップ コンセプト (2015年型 Ford F-150) Ford アトラスの 延長テールゲート


燃費向上対策として、①フロントグリル内側の可変グリル開閉装置、②ホイールの開口部を可変開閉する装置をホイールの内側に、そして③高速時のアンダーボディ整流のための可変エアダムの3つの可変装置を装着した。①と②は低速走行時には開いてスタイリッシュな外観をサポート、③は車速が増すと作動し空力特性を上げ燃費向上に寄与する。また人の乗り降りの便を図るため電動ランニングボードを設定、車が動いている時は空力性能を良くするため格納されている。

ハシゴや板、カヌーなど長尺の物品を運ぶ際に荷台が長くなるよう、テールゲートステップの中央部が高くなるようにした(写真参照)。長尺の物品を運搬する際に車体に傷がつかぬようルーフにはラバーパッドを取り付けた。

狭い駐車場に入る際などに視界を確保するため周囲360°を確認出来るカメラを搭載。また牽引トレーラーを連結する際に運転席からカメラで連結時の様子がわかる「ダイナミックハッチアシスト」も装備している。


2013 F-150のカットモデル
2013 F-150のカットモデル

リンカーン MKC クロスオーバーコンセプト

小型クロスオーバーコンセプトカーのリンカーンMKCは、新しいアイデアと経験に前向きな 「文化的で斬新な人」をターゲットとした。このモデルは高級車を初めて購入する家族向け、もしくは若いカップルがターゲットで、大型SUVから小型に乗り換えたいと考えている人にもアピール出来るよう考えている。

リンカーン MKC クロスオーバーコンセプト リンカーン MKC クロスオーバーコンセプト内装
リンカーン MKC クロスオーバーコンセプト リンカーン MKC クロスオーバーコンセプト内装


3層ホワイトメタリック塗装、20インチクロムメッキホイール、ほぼ全面が開口可能なパノラマルーフなどが外観上の特徴。MKCの低いルーフラインは車を長く見せる効果があるが、後席のヘッドルームは多少犠牲になっている印象を受ける。中央で2つに分かれたフロントグリルの曲線は、左右のLEDヘッドランプとうまく繋がっており、左右がつながったテールランプは車全体をなめらかなデザインに仕上げている。

内装やシートには高級皮革を使用。フロアマットとスピーカーのメッシュ部にはリンカーンのロゴマークをつけた。リンカーンブランドの「簡潔でエレガント」というテーマに則して、ハンドル、インパネ上部、ドアパネルには光沢のあるメタリックを散りばめた木目材を使った。リンカーンの説明員によると、今後開かれるニューヨークモーターショーやロサンゼルスモーターショーでは、量産仕様に近い形のMKCが見られるとのこと。

Ford エコブーストエンジン

Ford は直噴とターボが共通の仕様で、従来のエンジンに比べ燃費が最大20%向上、CO2排出量が20%削減されたエコブースト エンジンというエンジンシリーズを展示した。

Ford 1.0L エコブースト 直4エンジン Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン
Ford 1.0L エコブースト 直4エンジン Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン
Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン
Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン Ford 1.6L エコブースト 直4エンジン


エコブーストは小排気量エンジンにターボを搭載し、高出力と低燃費を両立させるFordが推進するエンジンシリーズで、欧州向けフィエスタに搭載される3気筒1Lエンジンから、Fシリーズピック・アップに搭載される6気筒3.5Lエンジンまで、4種類がある。(下表)

エコブーストエンジン
仕様 1.0L 直列3気筒 1.6L 直列4気筒 2.0L 直列4気筒 3.5L V型6気筒
搭載車種 2013欧州向Fiesta, B-MAX, Focus ,C-MAX, 2014 北米向 Fiesta 2013 Escape, 2013 Fusion, 2014 Fiesta ST, 2014 Transit Connect 2013 Escape, 2013 Explorer, 2013 Fusion, 2013 Taurus, 2013 Edge, 2013 Focus ST 2013 F-150, 2014 Transit Cargo Van
ブロック・ヘッド 鋳鉄ブロック・アルミヘッド アルミブロック・アルミヘッド アルミブロック・アルミヘッド アルミブロック・アルミヘッド
ボア x ストローク 72mm x 82mm 79mm x 81mm 87 mmx 83 mm 92mm x 88mm
排気量 61.9 立方インチ/999 cc 97.4 立方インチ/1,596 cc 122立方インチ1,999 cc 214立方インチ3,496 cc
圧縮比 10.0:1 10.1:1 9.3:1 10.0:1
最高出力 125hp(92kW) @ 6,000 rpm 178hp(131kW) @ 5,700 rpm 240hp(177kW) @ 5,500 rpm 365hp(268kW) @ 5,000 rpm
最大トルク 170 lb.-ft.(230N・m) 177- 184 lb.-ft.,(240-249N・m) 搭載車により異なる 270 lb.-ft.(366N・m)@ 3,000 rpm F-150: 420 lb.-ft.(569kW)

出展: Ford Motor Company 、マークラインズ


Ford は2012年、米国政府が発表した厳しい新燃費規制に対応するため、エコブーストエンジンシリーズに更なる改良を加えるとしている。またFordは北米で生産する車種のほとんど全てに、従来タイプのエンジンに加え、このエコブーストエンジンを選択できるよう設定している。



クライスラー/フィアット:安全性と豪華さを誇る、ジープグランドチェロキーとマセラティ・クアトロポルテ

2014年型ジープグランドチェロキーとチェロキーSRT スポーツユーティリティー

北米の人気車種 グランドチェロキーは、Laredo、Limited、Overland、Summitの4グレードからなり、顧客が好みのグレードを選択できるように、それぞれが異なる外装、カラー、標準装備を持つ。

ジープグランドチェロキー ジープグランドチェロキー SRT
ジープグランドチェロキー ジープグランドチェロキー SRT


グランドチェロキーには3.0L V6 ターボエコディーゼル、3.6L V6 ペンタスターエンジン、5.7 V8 Hemiエンジンの3種類が用意される。3.0Lのターボディーゼルは新しい選択肢となり、最高出力240hp(177kw)、最大トルク420 lb・ft(569kW)を発生。このクラス最高の高速燃費30mpg(miles per gallon)と730マイルの航続距離を達成する見込み。V8エンジンではエコモード走行にセットすると、トランスミッションの変速スケジュール、可変シリンダー、スロットル感度などをコンピューターが最適化する。

新設計の8速ATは牽引能力と燃費向上を両立。2速トランスファーケースを装着すれば、最終減速比は44.1:1となり、前モデルよりも46%もアップ。障害物乗り越え走行などの際に大きな助けとなる。

SRT (Street and Racing Technology) グレードは最大トルク465 lb・ft (630 N・m) を発生する高性能バージョン。始動時にセンターコンソールにある"ローンチ(Launch)制御"のボタンを押すと、四駆のトルク分配、エンジンスピード、ATのシフトパターン、スタビリティコントロールやサスペンションの硬さなどが最適化され、あたかもプロのドライバーのような運転を楽しむことが出来るとのこと。

クライスラー 300S ターバイン デザイン コンセプト

300Sターバインエディションは、1963年のクライスラー ターバインショーカーの50周年にちなみ、今年のデトロイトモーターショーに出展された。この車は外板が銅色のつや消し、ルーフが光沢のある黒で塗装され、22インチのタービン型ホイール、ブラックスモークのヘッドランプとテールランプ、プラチナ色のサイドミラーを装着する。現時点で、この奇抜な外観のモデルが300Sに追加されるかは不明。

クライスラー 300S ターバイン デザイン コンセプト クライスラー 300S ターバイン デザイン コンセプト
クライスラー 300S ターバイン デザイン コンセプト

2013年型 フィアット 500 ターボ

フィアット500のターボ車は1.4Lで16 バルブのMultiairと呼ぶフィアットのターボエンジンとインタークーラー2基を搭載し、最高出力135 hp(99kW)、最大トルク150 lb・ft(203N・m)を発生する。動力性能をアップするため、サスペンションとブレーキを強化し、電制スタビリティコントロールとヘビーデューティー用5速MT を搭載する。


フィアット500 ターボ
フィアット500 ターボ


外観上の特徴は、黒いポケットを持つ16インチアルミホイール、赤のブレーキキャリパー、ヘッドランプとテールランプの黒い反射板などで、内装はオーディオコントロールスイッチ付の革巻きハンドルが特徴。

2014年型マセラティ クアトロポルテ

マセラティは、イタリア語で4ドアを意味する新型クアトロポルテを初公開した。このモデルは先代と比べ寸法を拡大しつつ、軽量化を図り、より高級感を高めた。最高時速は191mph(305k/h)で、ライバルの2ドアスーパーカーと同等の速さ。

マセラティ クアトロポルテ マセラティ クアトロポルテ
マセラティ クアトロポルテ


エンジンは2タイプ。3.8L V8 もしくは 3.0L V6でいずれも新開発の直噴ターボ。ZF製の8速ATを搭載。

新型クアトロポルテには"Q4"と呼ばれるシステムが初搭載され、前輪へのトラクションが必要な場合に前後輪のトルク配分が最大で50/50となるよう瞬時にトルクを自動分配する。また前輪にダブルウィッシュボーン、後輪に5リンクサスペンションを配置することで、前後重量バランスを概ね50:50とし、運動性能を向上させた。


マセラティ V-8 エンジン
マセラティ V-8 エンジン

この車は新設したイタリアのトリノ工場で生産され、2013年2月か3月に発売開始の予定。マセラティの説明員によると、今年夏にはコンバーチブルが発売される可能性がある、とのこと。



テスラの SUV 「 モデル X」 コンセプト

2014年型 テスラ 「モデル X」 スポーツユーティリティーコンセプト

EV高級車の「モデルS」などで知られるテスラが、このデトロイトモーターショーで新たなSUVのEV「モデルX」コンセプトを展示した。ゆるやかなフロントガラスの曲面がルーフへと一体化されている。小型ヘッドランプは目を細めているようで、車全体の滑らかさを強調しているように見える。


テスラ「モデルX」コンセプト
テスラ「モデルX」コンセプト


ファルコンウィングと呼ばれるドアの採用で、後席2列目3列目の乗降性を向上させた。上質な皮革を使った2トーン色の内装により、室内全体に高級感が漂っている。センターのダッシュボードの大型タッチスクリーンにはオーディオやビジュアルなどの機能を集約。リチウムイオン二次電池の容量は60kwhと85kwhから選択可能。2個のモーターを追加搭載する四駆仕様がオプション設定される。「モデルX」は2014年前半に発売の予定。



VWはクロスブルーSUVとパサートコンセプトを、Audiは多数の高性能車を、Bentley コンチネンタルGTを出展

VW クロスブルー SUV PHVコンセプト

VW は7人乗りミッドサイズクロスオーバーのPHVコンセプトカー「クロスブルー」を出展。力強い外観とヘッドランプからテールランプまで伸びる真っすぐなサイドライン、車長に対し比較的長いエンジンフード、短いオーバーハングが特徴。

VW クロスブルーは短距離ではバッテリーだけによるEV走行が可能で、中距離以上は2.0Lクリーンディーゼル(TDI)エンジンで走行。2個のモーターを搭載し、前輪は40kWのモーター兼発電機とエンジンで、後輪は85kWのモーターだけで駆動する。回生ブレーキを搭載する。

VWクロスブルーコンセプト VWクロスブルーコンセプト リアビュー
VWクロスブルーコンセプト VWクロスブルーコンセプト リアビュー


クロスブルーは、HV、エコ、スポーツの3つの走行モードの切り替えが可能。ドライバーがアクセルから足を離すとエンジン駆動力はドライブトレーンから切り離され、車の運動エネルギーはモーター兼発電機を通じて電気としてバッテリーに蓄えられる。EV走行の航続距離は約13.7マイル(22Km)、最高速度は75 mph(120Km/h)。燃費はガソリン換算で89 MPG(37km/L)。

VW パサート パフォーマンス コンセプト

VWはパサート パフォーマンスコンセプトも展示。最高出力250hp(184kW)の1.8Lターボディーゼルエンジンを搭載。この1.8Lターボディーゼルエンジンは、すでに量産されているエンジンをベースに出力を上げたもの。現行パサートとの外観上の違いは19インチタイヤとデュアルマフラーのみ。内装にはカーボンファイバーのように見えるトリムを使い、黒と銀色の2トーンのシートを使用。 VWはこのコンセプトモデルを近い将来市場投入する予定。


VWパサートパフォーマンスコンセプト
VWパサートパフォーマンスコンセプト

2014年型 Audi RS 7 スポーツバックミッドサイズセダン

アウディは今回のデトロイトモーターショーでRS7を世界初公開した。RS7は4.0L ツインターボのV8エンジンを搭載。 最高出力560 hp(412kW) 、最大トルク516 lb・ft(699N・m)を発生する。スピードリミッターオフの状態で100 km/h到達時間は3.9秒、最高速度は305 km/h に達し、アウディで最も高速なモデルである。他のモデル同様、RS7は四輪駆動で8速ATを装備する。
アウディ RS 7スポーツバック アウディ RS 7スポーツバックリアビュー
アウディ RS 7スポーツバック アウディ RS 7スポーツバックリアビュー


RS 7に搭載するV8エンジンには可変シリンダー機構があり、中低速負荷の領域では4つのシリンダーの吸気弁の開閉を止める。これにより最大で約10%の燃料消費削減が可能とのこと。また可変車高エアサスペンションと可変ダンパーにより、車高を最大で20mm低くすることができ、道路コンディションに合わせ操縦性と走行安定性を向上させることができる。

展示されたモデルの外装色はスズカ グレイメタリック、内装はロックグレーの縫い糸を使ったブラックベロニカレザー、オプションの21インチタイヤと5本スポークのホイールを装着。光沢の黒色で塗装したフロントグリルは内部にハニカムを持ち、またつや消しのアルミ塗装がエンブレムなどに使われており、エレガントかつ工学的な印象を与えている。価格は約9万ドルから10万ドルになるとされる。

2014年型 アウディ SQ5 スポーツクロスオーバー

今回のデトロイトモーターショーでアウディはRS7に続きSQ5スポーツクロスオーバーのガソリン車を世界初公開した。SQ5のV6ガソリンエンジンは最高出力354 hp (260 kW) で最大トルクは 346lb・ft(470 Nm) を発生する。100 km/h (0-62 mph) 到達時間は 5.3秒、最高速度は250 km/h (155 mph) 。四輪駆動で8速ATを装備する。

アウディSQ5 アウディSQ5 内装
アウディSQ5 アウディSQ5 内装


展示モデルの外装色はEstoril ブルークリスタル、ラジエーターグリルはプラチナグレー。内装はナッパブラック色の皮革を基調とし、木目のパネルを使った落ち着いたデザインでシルバーのスポーティーなシートを使用。

SQ5の米国での販売は2013年第3四半期で、多くの機能が標準装備される予定。

2013年型アウディ RS5 カブリオレ

RS5カブリオレに採用される多くの新機能のうち、重量低減としてアウディはフロントフェンダーにアルミを採用した。また後輪のディスクブレーキのローターを波形とし"7~8lbs" (3kg程度) 軽量化した。前輪にはオプションでカーボンセラミック製ディスクが選べる。米国での発売は2013年の春頃とのこと。

アウディ RS5カブリオレの"波形ローター" ブレーキ アウディ RS5カブリオレ
アウディ RS5カブリオレの"波形ローター" ブレーキ アウディ RS5カブリオレ

2013年型 ベントレー・コンチネンタル GT スピード コンバーチブル

ベントレー・コンチネンタル GTスピード コンバーチブルは616hp(453kW)のV12 6Lターボエンジンを搭載し、最高速度は202mph(323km/h)。60mph(96km/h)到達時間は4.1秒。価格は$238,700から。


ベントレー・コンチネンタルGT スピードコンバーチブル
ベントレー・コンチネンタルGT スピードコンバーチブル



メルセデス・ベンツは改良型Eクラスを発表

2014年型 メルセデス Eクラス

メルセデス・ベンツは今年のデトロイトモーターショーで改良型Eクラスを発表した。前モデルからの大きな変更点はフロントマスクで、1995年から採用されている4灯(左右2灯ずつ)ヘッドランプをやめ、よりモダンな単灯式(一つのランプ内に2つのバルブ)を採用。またフロントグリルは3本の横棒が特徴の標準仕様と太くスポーティーな1本の横棒のオプション仕様の2種類から選べる。前者はエンジンフードにロゴマークが、後者はグリル中央に大きなロゴマークが付く。その他、LEDヘッドランプとLEDテールライトがオプション設定される。

メルセデス Eクラス クーペ メルセデス Eクラスコンバーチブル
メルセデス Eクラス クーペ メルセデス Eクラスコンバーチブル


新型Eクラスは、前方を横切る歩行者や車との衝突防止機能をもつ計11個の電子装置からなる「メルセデス・ベンツ・インテリジェント・ドライブ」システムを搭載。バックミラーの裏側にある2台のカメラで3次元イメージを捉え、障害物を認識する「ステレオカメラ」と、サイドミラーの下にあるカメラで左右の死角に入った他車との衝突を避ける衝突警告システムで安全性を高めた。

バックミラー裏の前方カメラ: Eクラスクーペ サイドカメラ: E 63 AMG
バックミラー裏の前方カメラ: Eクラスクーペ サイドカメラ: E 63 AMG


新型Eシリーズにはガソリンとディーゼル合わせて6種類のエンジンが用意される。これまでリアドライブのE350 だけに搭載されていた3.5LのV6ディーゼルに代わり、2.1Lの直列4気筒エンジンを新開発。このディーゼルエンジンは最高出力 190 hp(140kW)、最大トルク369 lb・ft(500N・m) を発生。この他にガソリン3.5L直噴V6、ガソリン4.6L直噴V8ツインターボ(402hp)、ガソリン5.5L V8ツインターボ(557hp)などがある。

メルセデス Eクラスセダン メルセデスE 63 AMG
メルセデス Eクラスセダン メルセデスE 63 AMG


ブルーダイレクトと呼ぶスプレーガイド付のピエゾ素子インジェクターを持つ直噴4気筒ガソリンエンジンが新型Eクラスでも採用され、このクラスでは最良の燃費となる。3.5LのV6エンジン(302hp/222kW)と27hp(20kW)のモーターを搭載したE400HVも前モデルと同様、ラインアップに加わる。このHVの燃費は24/30 mpg (市中/高速)。新型Eシリーズにはスタート・ストップ機能が全車に標準で設定される。

E 63 AMGは新型Eクラスの中で最もパワフルで、フルタイム四駆システム(4MATIC)が最上位のSモデルには標準装備される。V8エンジンの最大出力は585hp(430kW)。4MATICシステムはSモデル以外のE63AMGにはオプション設定となる。新型Eクラスはドイツ南部のシュトゥットガルト市近くのジンデルフィンゲン工場で生産される予定。

2014年型メルセデス Bクラスエレクトリックドライブコンセプト

メルセデスは5人乗りのBクラスをベースにしたEVコンセプトを出展。欧州でのテストではモーター出力134 hp(99kW) と最大トルク 229 lb・ft(310N・m)を達成した。最高速度は90mph(144Km/h)で、航続可能距離は約100マイル(160Km)。この車はリチウムイオン電池を車体後方のアンダーボディに搭載し"Energy Space*" で保護しているとのこと。(*将来、代替動力装置を設置するため、メルセデス・ベンツはBクラス設計の際に予め後席下側に予備空間を作っておいたとのこと)


メルセデスBクラスエレクトリックドライブ コンセプト
メルセデス Bクラスエレクトリックドライブ コンセプト



BMWは4シリーズクーペ、 M6グランクーペ、MINI JCW ペースマンなどを展示

2014年型 BMW 4シリーズクーペコンセプト

BMWは「Driver Experience」 をテーマに高級スポーツクーペ4シリーズコンセプトを初公開した。BMWが「流れるエレガンスと力強い存在感」と表現したように、新モデルの4シリーズは現行の3シリーズスポーツセダンのクーペとコンバーチブルの後継車として設計された。3シリーズクーペと比べ全長が約3インチ(約75mm)長く、全幅が約2インチ(約50mm)広い。

BMW 4シリーズクーペコンセプト BMW 4シリーズヘッドランプ
BMW 4シリーズクーペコンセプト BMW 4シリーズヘッドランプ


六角形のLEDヘッドライト、ルーフの低さ、幅の広いエンジンフード、長い水平のサイドラインはいずれも、この車を他のモデルから際立たせており、精悍な印象を与えている。前輪後ろの空気口には空気抵抗を減らすための機能があり、BMWでは「空気吸入口」と呼んでいる。また空力性能を高めるため可変開閉式のフロントグリルを採用。グリルは低速走行時には閉じている。

BMWはこの4シリーズを3シリーズのクーペとコンバーチブルの後継車と考えている。3シリーズのクーペに慣れ親しんでいるドライバーにとっては、この計画は受け入れがたいかもしれない。BMWでは4シリーズにも満足してもらえることを願っているとコメントしている。このデトロイトモーターショーに出展したモデルは、量産モデルの90%近くまでのレベルになっているとのこと。

2014年型BMW M6 グランクーペ・パフォーマンスセダン

BMW はM6 グランクーペを 「スポーツと美学の最も純粋な到達点」と表現している。グランクーペは高性能スポーツカーM6の3番目のボディースタイルで、V8の4.4Lツインターボ4バルブエンジンを搭載。最高出力560 hp/412 kW、最大トルク502 lb・ft(680N・m) を発生する。 BMWのテストでは0-60 mph(96km/h) が4.1秒。後輪駆動で7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載する。

BMW M6 グランクーペ BMW M6 グランクーペ内装
BMW M6 グランクーペ BMW M6 グランクーペ内装
BMW M6 グランクーペリアビュー
BMW M6 グランクーペリアビュー


M6は複数の車載カメラを使い、車線逸脱警告機能、死角障害物検出警告機能のある「ドライバー・アシスタント・パッケ-ジ」を装備。また駐車時に使うリアビューカメラは夜間の歩行者検知にも役立てる。

展示モデルの外装色は滑らかなシルバーメタリックのつや消し塗装で、ルーフパネルにはカーボンファイバーを採用。内装はチョコレート色の皮革シート、カーボン調のアクセントの入った栗色で木目のトリムが使われている。全体の仕上がりは非常に洗練されており、BMW独特の精巧な作りで上手くまとめられていた。トランクリッドのリリースボタンは、BMWのロゴの下に隠されている。

2013年型 MINI ジョンクーパーワークスペースマンクロスオーバー

「ペースマン」は「カントリーマン」などに続くMINIの7番目のボディタイプ、2ドア4シーターで空力を考慮しルーフを後傾させて設計された。4ドアの「カントリーマン」よりスポーティーな車に設定されている。英国の偉大なレーサー、ジョンクーパーに敬意を表し特別にスポーティーチューンされた。1.6Lの4気筒インタークーラー付ターボエンジンはアルミブロック製で、最高出力208 hp(153kW)、最大トルク207 lb・ft(280N・m)を発生する。最上級モデルのGPバージョンは211hp(155kW)で軽量化のため2シーターとし、最高速度は150mph(240km/h)。2000台限定生産され、うち米国での販売割当て数はわずか500台の予定。

MINI ジョンクーパーワークスペースマン MINI ジョンクーパーワークスペースマンエンジンルーム
MINI ジョンクーパーワークスペースマン MINI ジョンクーパーワークスペースマンエンジンルーム


MINIには6色の外装カラーが準備される。展示車はメタリックブラックで、18インチアルミホイール、ブラックメッシュのフロントグリル、フォグランプ、ボディカラードバンパー、クロム仕上げ排気管、リアスポイラーなどを装着しており、レース場で走ることを前提に作られたモデルのように見えた。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>