2012年の軽自動車市場は200万台水準、乗用車でのシェアは34%

軽で培った低燃費・低コスト生産のノウハウを、海外で生産する小型車に展開

2012/11/29

要 約

軽自動車販売台数

軽自動車メーカー別シェア

 軽自動車の2012年1~10月の販売は1,705,364台で全自動車販売の36.8%を占め、通年で2006年以来の200万台レベルに達する見込み。乗用車における軽の構成比率は過去最高の34.0%で、近い将来、同期間に35.2%を占めた小型乗用車と台数が逆転する可能性もあるとされている。

 軽自動車市場拡大の背景には、以下の要因がある。
(1)価格、維持費の安さに加え、小型車並みの居住性、走り、装備を備えたモデルが投入されており、またハイブリッド車並みの燃費を実現している。ダイハツとスズキはJC08モード燃費30.0km/Lを達成し、各社は35.0km/Lを目指している。
(2)円高の影響を最小化するため、生産の海外移転が進むなか、国内生産を維持するために軽自動車生産を強化している(輸出台数を急減させているホンダで特に顕著である)。
(3)また、ホンダ、ダイハツ(トヨタへの供給を含む)、スズキは、軽自動車で培った省燃費、低コスト生産の技術を、海外で生産・販売する小型車に展開していく計画。

 軽自動車については、乗用車メーカー4社が生産し、全8社が販売している。ホンダが2011年12月に発売したN BOX(N BOX +を含む)が2012年4~8月および10月の軽乗用車車名別販売台数で第一位となり、軽自動車市場におけるシェアを前年の8.5%から15.5%に急拡大して、軽市場が活性化するとともに競合も激しさが増している。

 ホンダは、軽自動車の生産と開発を鈴鹿事業所に集結、ダイハツは軽自動車生産の主力工場がある九州地区に開発要員も移動して、競争力を強化している。



関連レポート:
ホンダ:軽自動車を国内販売の4割に拡大(2012年1月掲載)
ダイハツ:2012年の軽販売計画は65万台(2012年2月掲載)



2012年軽自動車販売は200万台レベル、乗用車市場でのシェアは過去最高の34%

 2012年1~10月の軽自動車販売台数は1,705,364台で前年比36.4%増加した(同期間の登録車販売は32.4%増)。11月と12月が前年並みとすると2012年通年で197.6万台、ホンダが11月2日に発売したN-ONEの販売状況によっては、2006年以来6年ぶりの200万台突破の可能性もある。

 乗用車販売について見ると、1~10月の軽乗用車販売は1,349,327台で、前年比43.4%増(同期間に小型乗用車は32.9%増)。軽乗用車の構成比率は過去最高の34%で、小型乗用車との差は1.2%(台数の差は4.7万台)に縮小した。軽自動車は購入価格・維持費の安さに加え、各社が小型車と同等の走り、広い室内や快適性能を持つモデルを発売しており、近い将来、軽と小型車の比率が逆転する可能性もあるとされている。

軽自動車販売台数

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1~10月
2012年
1~10月
軽自動車 2,023,520 1,919,752 1,869,791 1,688,097 1,726,322 1,521,100 1,250,532 1,705,364
登録車 3,715,887 3,433,829 3,212,342 2,921,085 3,229,716 2,689,074 2,214,878 2,931,871
合計 5,739,407 5,353,581 5,082,133 4,609,182 4,956,038 4,210,174 3,465,410 4,637,235
同構成比
軽自動車 35.3% 35.9% 36.8% 36.6% 34.8% 36.1% 36.1% 36.8%
登録車 64.7% 64.1% 63.2% 63.4% 65.2% 63.9% 63.9% 63.2%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

資料:日本自動車販売協会連合会(軽自動車は、8社以外のその他軽自動車を除く)

 

軽乗用車販売台数

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1~10月
2012年
1~10月
軽乗用車 1,507,574 1,447,066 1,426,930 1,283,402 1,284,599 1,138,734 940,655 1,349,327
小型乗用車 1,908,267 1,654,025 1,549,677 1,480,137 1,507,693 1,246,126 1,051,249 1,396,773
普通乗用車 1,225,867 1,299,168 1,250,987 1,160,175 1,419,909 1,139,910 919,387 1,217,756
合計 4,641,708 4,400,259 4,227,594 3,923,714 4,212,201 3,524,770 2,911,291 3,963,856
同構成比
軽乗用車 32.5% 32.9% 33.8% 32.7% 30.5% 32.3% 32.3% 34.0%
小型乗用車 41.1% 37.6% 36.7% 37.7% 35.8% 35.4% 36.1% 35.2%
普通乗用車 26.4% 29.5% 29.6% 29.6% 33.7% 32.3% 31.6% 30.7%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
資料:日本自動車販売協会連合会(軽自動車は、8社以外のその他軽自動車を除く)
(注) 1. 普通車と小型車の区別はナンバーベース。
2. 本レポート末尾に、軽自動車メーカー別販売台数、同シェア、通称名別トップ10販売台数を掲載した。

 

軽乗用車:JC08モード燃費35km/Lを目指す

モデル JC08モード燃費
(実績と目標)
発売年月 備考
軽自動車 ダイハツ ミラe:S 30km/L 2011年9月
既存軽モデルに展開 2011年11月~
次世代エンジン 35km/L 開発中 2気筒直噴ターボエンジン
スズキ アルトエコ 30.2km/L 2011年12月
ワゴンR 28.8km/L 2012年9月 軽ワゴンで燃費No.1
アルト低燃費車 33.0km/L以上 2013年初め
日産・三菱自 次期型eKワゴン 30.0km/L以上 2013年夏 両社共同開発の第1弾
小型車 マツダ デミオ-SKYACTIV 25.0km/L 2011年6月
ハイブリッド車 トヨタ プリウス 30.4~32.6km/L 2009年5月
アクア 35.4km/L 2011年12月
ホンダ フィットハイブリッド 26.4km/L 2010年10月

(注)JC08モード燃費欄の青字表記は、現在開発中の目標。


 本レポートでは、軽乗用車を車両全高によりトールワゴン、ワゴン、(その他)乗用車および商用バン派生ワゴンの4つに分類している。

本レポートでの軽乗用車の分類

全高(2WD車) 車種例
トールワゴン
ワゴン
(その他)乗用車
1735mm以上
1610mm以上1735mm未満
1610mm未満
ダイハツタント、スズキパレット、ホンダN BOX
ダイハツムーヴ、スズキワゴンR
ダイハツミラ、スズキアルト
商用バン派生ワゴン トールワゴン並み又はそれ以上 ダイハツアトレーワゴン、ホンダバモス

(注)上記は、室内空間を広くとれる背高タイプ軽乗用車が増えていることに鑑みての便宜的な分類。また、4WD性能を強調するスズキジムニー(全高1680mm)、三菱パジェロミニ(1635mm)のような上記分類に納まらないモデルもある。

 

 



ホンダ:N BOXが、2012年4~8月および10月の軽乗用車車名別販売でトップ

 ホンダは、「N」シリーズの3車種を発売した。2011年12月にシリーズ第一弾となる、室内の広さを特徴とするトールワゴンタイプの「N BOX」を発売。2012年7月に使い方を広げた「N BOX +」、11月に走りを強化した「N-ONE」を発売した。

 N BOXは、2012年4~8月および10月の軽乗用車車名別販売第一位となった(1~10月累計は181,103台で、ダイハツミラ189,888台に続く第二位)。ホンダは、2015年までに軽スポーツ車を含む5車種の軽自動車新車種を投入し、商品力をさらに強化する方針。

 またN シリーズに使用した新開発プラットフォームは、660cc超エンジンにも対応可能で、今後ホンダの海外向け小型車にも活用するとされる。

ホンダ:Nシリーズの3車種を発売

N BOX  ホンダは2011年12月、新型軽乗用車Nシリーズの第一弾となるN BOXを発売した。全高1770mmのトールワゴンで、新開発プラットフォームを採用。軽乗用車として最小のエンジンルーム長と、センタータンクレイアウト(ホンダ軽で初採用)による低床設計により、軽自動車最大級の室内空間を実現した。ホンダは、N BOXをミニ・ミニバンと表現している。
 パワートレインには、新開発DOHCエンジンと、動力効率の高い新開発CVTを搭載。これまでハイブリッド車で展開してきたアイドリングストップも組み合わせて、軽トールワゴントップクラスのJC08モード燃費22.2km/L(FF車)を達成した。またVSA(Vehicle Stability Assist)を全車標準装備した。
N BOX +  2012年7月に、様々なレイアウトや使い方を可能にした「N BOX +」を発売した。3つのボードを組み合わせることで、多様な荷室モードを実現するマルチスペースシステムと、斜めの床とアルミスロープの組み合わせで、バイクなどの車輪付重量物を容易に積み降ろしできるユニバーサルブリッジが特徴。
 アルミスロープや電動ウインチ、手すりなどを標準装備した車椅子仕様車も同じ車体骨格から開発し、低コスト化を図った(従来車椅子仕様は、車体骨格から別の車だった)。
N-ONE  11月に発売したN-ONEは、1967年に発売したホンダ初の市販軽乗用車N360をモチーフに、個性的なデザインと、走りや質感でホンダの主力車種フィット超えを目指し、小型車の顧客も取り込める車として開発した。全高は1610mm。
 ターボ搭載車には、1300ccのフィットを上回る加速性能を持たせた。また自然吸気エンジンFF車は、JC08モード燃費27.0km/Lの低燃費を実現した。N BOXに続きVSAを標準装備とし、急ブレーキを後続車に知らせるエマージェンシーストップシグナルを軽自動車で初めて標準搭載した。
 N BOXとN BOX +は、2012年1~10月に合計18万台強販売している。ホンダは、N-ONEはN BOXを超える発売前の受注を得ているが、プロダクトアウト(提案型)の商品なので売り出してみないと顧客の反応は分からないとして、月間販売計画は1万台と発表した。

 

軽乗用車の生産、開発、販売体制を強化

生産体制
(鈴鹿製作
所で生産)
 ホンダは、これまで軽自動車を連結子会社の八千代工業で生産してきたが、N BOXからはホンダ本体の鈴鹿製作所で生産する。軽用エンジンの生産を熊本製作所から鈴鹿製作所に移管することも決定している。八千代工業で生産している軽乗用車は、新型車投入や全面改良に合わせて生産を順次鈴鹿製作所に移す。異なるシャシーを使用するトラックやバンの年間約3万台の生産は、八千代工業に残す計画。
 現在N BOXは、鈴鹿製作所の1本目のライン(ナンバー1ライン)で生産しているが、既にナンバー1ラインは軽生産で埋まり、11月発売のN-ONEはもう1本のライン(ナンバー3ライン)で生産を開始した。ナンバー3ラインでは、フィットやフィットシャトルを生産しているが、2013年7月の寄居工場生産開始に合わせて、国内生産体制を再編する模様。
開発体制
(鈴鹿製作
所で開発)
 ホンダは2012年4月に、N BOXを生産する鈴鹿製作所に、栃木研究所の分室「四輪R&Dセンター鈴鹿分室」を設置した。商品開発担当エンジニアが60人、生産技術と購買を担当するスタッフが合計40人の計100名体制でスタートし、2013年度をめどに200人弱まで増員する。
 開発部門が鈴鹿製作所に合流した結果、量産までの期間短縮や設備の効率化が進み、N シリーズの1台あたりの利益が主力商品であるフィットを超えるほどに改善されたとされる。
販売体制
(「スモール
ストア」を拡充)
 ホンダはN BOXの発売に合わせて、既存店舗を改装して、新たに軽自動車やコンパクト車を中心に扱う店舗「スモールストア」の全国展開を開始した。軽自動車やコンパクト車を豊富に展示し、女性客にも入りやすい店舗とした。2012年11月時点で208店舗を整備、2013年末には250店に拡大する見込み。

 

ホンダ:2013年度の国内販売軽比率は50%を見込む

 ホンダの、2012年4~9月期の軽自動車販売は160,370台で、前年同期比2.9倍、国内販売での軽比率は44.1%に高まった。2013年度には、軽比率が50%に達する見込み。

 ホンダが軽自動車を強化する背景としては、輸出台数が減少するなかで、国内生産台数100万台を維持する狙いが大きい。ホンダの輸出台数は、2007年度の69.6万台から2011年度25.3万台に減少した。国内生産に占める輸出車の割合は2006~2008年度は5割前後であったが、2012年4~9月期には2割弱に低下している。

ホンダの国内販売台数

2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年
4~9月
2012年
4~9月
2012年度
見通し
2013年度
見通し
軽四輪車
軽四輪比率
189,109
32.6%
158,429
23.9%
154,210
25.3%
165,666
27.6%
56,150
24.5%
160,370
44.1%

50.0%
登録車 391,037 503,841 454,270 434,918 172,909 203,472
合計 580,146 662,270 608,480 600,584 229,059 363,842 730,000 850,000

資料:ホンダの月別四輪車生産・販売・輸出実績リリース、2012年度と2013年度見通しは日本経済新聞 2012.11.17

 

ホンダの国内生産台数と輸出台数

2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年
4~9月
2012年
4~9月
国内生産 1,348,085 1,296,682 1,148,361 901,775 912,307 870,455 294,234 483,184
日本からの輸出 645,203 695,678 573,561 230,010 310,254 253,060 89,822 95,875
輸出/国内生産 47.9% 53.7% 49.9% 25.5% 34.0% 29.1% 30.5% 19.8%

資料:ホンダの月別四輪車生産・販売・輸出実績リリース

 

 



ダイハツ:「ミラe:S」の低燃費技術を横展開、さらに35km/Lを目指し開発中

 ダイハツは2011年9月に、JC08モード30.0km/Lの低燃費と79.5万円からの低価格を両立させた「ミラe:S」を発売。低燃費技術を既存の軽乗用車モデルにも展開している。

 ダイハツは、インドネシアで年内にも生産を開始する1000ccのエントリーユーザー向けのファミリーカー「ダイハツアイラ(AYLA)/トヨタアギヤ(AGYA)」に、「ミラe:S」で培った低燃費・低価格のコンパクトカーづくりのノウハウを活用する。

 またダイハツは、次のステップとして、2気筒直噴ターボエンンジンに、新しい燃焼方式であるアクティブ着火システムと蓄電容量の大きいキャパシタを組み合わせて、JC08モード燃費35km/L達成を目指し開発中。

ダイハツ:JC08モード燃費30.0km/Lの「ミラe:S」を発売

ミラe:S  ダイハツは2011年9月、発売時点でガソリン車トップのJC08モード燃費30.0km/Lを達成した「ミラe:S」を発売した。価格は79.5万円から。
 圧縮比のアップ(10.8→11.3)、各部位のメカニカルロスの低減、動力伝達効率の向上、走行抵抗の低減、約60kgの軽量化などにより燃費を向上させた。また時速7km以下でエンジンを停止させるアイドリングストップ機構(デンソー製タンデムソレノイドスターターを搭載)を採用した。
 部品の使い方の見直し、海外を含む14社の新規サプライヤーの開拓、部品の65%を九州地区から調達するなどで輸送費も低減し、79.5万円からの低価格を実現した。

 

「ミラe:S」の低燃費技術を、他の軽モデルに展開

発売年月 JC08モード燃費
ムーヴ
タント
タントエグゼ
2011年11月
2011年11月
2011年11月
27.0km/L
25.0km/L
25.0km/L
発売年月 JC08モード燃費
ミラココア
ムーヴコンテ
2012年4月
2012年4月
26.0km/L
26.0km/L

(注)燃費は2WD車。

 

九州での生産・開発体制を強化

久留米
エンジン工場の
生産能力を増強
 ダイハツは、久留米エンジン工場において現在の1ラインを2ラインに増強し、エンジン年産能力を現行の約21.6万基から2013年5月に約32.4万基へ増強すると発表した(2012年9月発表)。投資額は約70億円。
 久留米エンジン工場は、2008年8月に操業を開始し、大分(中津)完成車工場にエンジンを供給している。完成車生産の拡大に伴いエンジン生産能力が不足し、不足分は滋賀工場から供給している。大分(中津)工場は、2011年度に前年比23.4%増の41.6万台(ダイハツ国内生産85万台の48.9%)を生産した。
研究開発機能を
九州に移管
 ダイハツは、大阪府池田市の本社工場にある研究開発機能を順次九州の久留米工場に移管する計画。2014年をめどに、まずエンジンの性能評価業務を移管する。同工場の敷地内に研究棟を新設して性能試験の設備を導入し、テストコースも新設する。エンジン開発分野に加え、車体の研究開発についても九州に移す方向で検討している。

 

 



スズキ:軽自動車販売トップの奪還を目指す

 スズキは、2011年12月、ガソリン車トップとなるJC08モード燃費30.2km/Lを達成したアルトエコを発売。2012年9月には、軽ワゴンNo.1となる燃費28.8km/Lを達成した新型ワゴンRを発売した。

 スズキは、海外市場向け小型車に優先的に生産能力を振り向け、また軽販売において収益重視の販売方針に転換し、2007年度からダイハツに軽自動車販売台数の首位を譲っている。ダイハツとホンダの攻勢に対抗し、再度軽自動車首位を目指す。

 またスズキは、これまで軽ベース車に800~1000ccのエンジンを積んだ車をインド市場に投入し成功してきた。今後も、軽で培った技術は世界で戦う際の武器になるとしている。

スズキ:ガソリン車燃費トップのアルトエコ、軽ワゴン燃費トップのワゴンRを発売

アルトエコ  スズキは、2011年12月、ガソリン車トップとなるJC08モード燃費30.2km/Lを達成したアルトエコを発売した。
 新開発のR06Aエンジン(2011年1月に発売した新型MRワゴンに初採用した)を搭載、副変速機付CVTの各パーツの見直しでフリクションを低減し、パワートレイン全体で燃費性能を向上させた。またエンジンルームまわりの骨格などを見直し、最大20kg軽量化した。
 ブレーキを踏んで時速9km以下になるとエンジンが停止し、またエンジンが完全に停止する前でも再始動を可能にする新機構スターター(デンソー製の「タンデムソレノイドスターター」)を搭載する新しいアイドリングストップを採用した。
新型ワゴンR  新型ワゴンRは、軽自動車初の低燃費技術である「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を全車に採用。また最大70kgの軽量化を図り、軽ワゴン最軽量の780kg(FX 2WD)を実現。その結果、軽ワゴンNo.1のJC08モード28.8km/Lの低燃費を達成した。
 ・「エネチャージ」は、アイドリングストップ専用鉛電池に加え、リチウムイオン電池と通常の倍の出力を持つオルタネーターを併用する減速エネルギー回生システム。
・「新アイドリングストップ」は、時速13km以下になるとエンジンを停止させる。
・「エコクール」は、エンジン停止時間が長くなったアイドリングストップ中に、エアコンが停止し送風状態になったとき、蓄冷材を通した冷風を室内に送り、車室内の温度上昇を抑制する
(通常真夏には30秒でエンジンが再回転し冷房を作動させるが、エコクールは約60秒間涼しく保つことができる)。

(注)アイドリングストップについては、車両が停止してからエンジンを止めるシステムは第1世代、車両減速中にエンジンを止め、かつエンジン回転中の再始動を可能にしたシステムは第2世代、エネチャージのように減速エネルギー回生を強化したシステムは第3世代と呼ばれている。

アルト低燃費車
(33km/L超)
 スズキは、2013年初めに、アルトシリーズにJC08モード燃費33km/Lを超える低燃費車を投入するとされている。新型ワゴンRに搭載した「エネチャージ」、「エコクール」と「新アイドリングストップ」を採用し、それに車体の軽量化などの技術を積み上げて、アルトエコの燃費を1割向上させる方針。

 

 



日産と三菱自:2013年夏に共同開発車第一弾を投入、合計シェア20%が目標

 日産と三菱自動車は、2011年6月に、軽自動車の商品企画・開発等を行う「株式会社NMKV」を設立した。2013年夏に、共同開発した三菱eKワゴン次期型車を三菱自の水島製作所で生産し投入する。

 使用する部品の3割を海外から調達し、捻出した費用を内外装の高品質化に充てる方針。両社は合計シェアを約20%に引き上げる計画(2012年1~10月実績は、日産7.8%、三菱自4.1%、合計11.9%)。日産は、現在販売する軽全車がOEM調達のため、供給が間に合わず2012年の軽自動車市場拡大に遅れをとっているが、三菱自との協力体制により単独で12%のシェアを目指す。

日産が販売する軽自動車(2012年11月中旬時点)

発売年月 供給するOEMとモデル
モコ
ルークス
ワゴン
トールワゴン
2002年4月
2009年12月
スズキ MRワゴン
パレット
NV100クリッパー
NT100クリッパー
オッティ
バン
トラック
乗用車
2003年10月
2003年10月
2005年6月
三菱自動車 ミニキャブ バン
ミニキャブ トラック
eKワゴン

 

 



トヨタ、富士重工、マツダが販売するOEM調達車

 トヨタ、富士重工、マツダの3社は、軽自動車を生産していないが、それぞれダイハツとスズキからOEM供給を受けて軽自動車を販売している。

トヨタが販売する軽自動車(2012年11月中旬時点、以下同様)

発売年月 供給するOEMとモデル
ピクシス スペース ワゴン 2011年9月 ダイハツ ムーヴコンテ
ピクシス トラック
ピクシス バン
トラック
バン
2011年12月 ハイゼットトラック
ハイゼットカーゴ
ピクシス エポック 乗用車 2012年5月 ミラ イース
富士重工が販売する軽自動車
発売年月 供給するOEMとモデル
ディアスワゴン
ルクラ
商用バン派生ワゴン
トールワゴン
2009年9月
2010年4月
ダイハツ アトレーワゴン
タントエグゼ
プレオ
ステラ
乗用車/バン
ワゴン
2010年4月
2011年5月
ミラ
ムーヴ
サンバートラック
サンバーバン
トラック
バン
2012年4月
2012年4月
ハイゼットトラック
ハイゼットバン
マツダが販売する軽自動車
発売年月 供給するOEMとモデル
スクラムバン
スクラムワゴン
スクラムトラック
バン
商用バン派生ワゴン
1989年6月
1999年12月
スズキ エブリイ
トラック 1989年6月 キャリイ
キャロル
AZ-オフロード
乗用車
パートタイム4WD車
1998年10月
1998年10月
アルト
ジムニー
フレアワゴン
フレア
トールワゴン
ワゴン
2012年6月
2012年10月
パレット
ワゴンR

 

 



軽自動車メーカー別および通称名別販売台数

軽自動車のメーカー別販売台数とシェア

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1~10月
2012年
1~10月
ダイハツ 601,271 615,160 635,164 588,301 602,703 545,178 445,466 585,797
スズキ 611,362 591,391 590,280 552,394 561,492 476,138 392,994 504,300
ホンダ 284,635 223,855 200,919 162,154 160,515 125,002 106,336 264,788
日産 134,665 150,187 140,607 134,402 146,117 145,433 119,063 133,560
三菱自動車 184,736 142,450 123,829 103,600 107,992 92,673 79,039 69,913
富士重工 152,192 140,990 121,693 97,996 97,558 84,895 66,967 63,535
マツダ 54,654 55,718 57,299 49,250 49,945 45,473 38,606 45,545
トヨタ 0 6,308 2,061 37,926
その他 104 68 102 74 98 45 37 41
合計 2,023,619 1,919,819 1,869,893 1,688,171 1,726,420 1,521,145 1,250,569 1,705,405
同シェア
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1~10月
2012年
1~10月
ダイハツ 29.7% 32.0% 34.0% 34.8% 34.9% 35.8% 35.6% 34.3%
スズキ 30.2% 30.8% 31.6% 32.7% 32.5% 31.3% 31.4% 29.6%
ホンダ 14.1% 11.7% 10.7% 9.6% 9.3% 8.2% 8.5% 15.5%
日産 6.7% 7.8% 7.5% 8.0% 8.5% 9.6% 9.5% 7.8%
三菱自動車 9.1% 7.4% 6.6% 6.1% 6.3% 6.1% 6.3% 4.1%
富士重工 7.5% 7.3% 6.5% 5.8% 5.7% 5.6% 5.4% 3.7%
マツダ 2.7% 2.9% 3.1% 2.9% 2.9% 3.0% 3.1% 2.7%
トヨタ 0.4% 0.2% 2.2%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

 

軽乗用車通称名別トップ10販売台数
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1~10月
2012年
1~10月
ミラ ダイハツ 90,500 85,281 83,952 97,616 120,014 82,359 189,888
N BOX ホンダ 0 2,860 0 181,103
ワゴンR スズキ 226,725 205,354 201,528 195,105 160,439 131,601 168,909
タント ダイハツ 100,216 159,322 145,432 191,391 129,118 111,560 148,333
ムーヴ ダイハツ 210,425 190,364 182,325 131,859 145,201 123,729 128,249
アルト スズキ 76,117 70,814 87,386 106,709 83,100 68,959 99,649
モコ 日産 60,715 57,945 58,469 55,262 61,766 51,216 58,637
パレット スズキ 0 72,595 62,130 80,435 54,825 45,865 54,707
ルークス 日産 0 7,453 51,391 49,548 41,867 43,291
ライフ ホンダ 87,132 97,126 75,745 63,344 67,574 58,419 41,325

資料:全国軽自動車協会連合会
(注)ホンダNシリーズは、2012年4~8月および10月の通称名別販売台数でトップになった。


(参考資料)各社プレスリリースと各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>