電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年7月
7月の電気自動車販売台数は前年同月比20.0%増の117.9万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2024/08/28
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2024年8月26日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における7月の電気自動車販売台数は117.9万台だった。前年同月比で20.0%増加したが、前月比では10.2%減となった。7月の電気自動車シェアは24.0%で、前月から0.4ポイントの微減だった。前年7月の19.3%と比べると4.7ポイント増と高い伸びを示している。1~7月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比22.5%増の732.7万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは21.1%となった。
HVの7月の販売台数は前年同月比で8.0%増、前月比10.3%減の37.6万台だった。シェアは前月から0.1ポイント減の7.7%となった。1~7月のHV累計販売台数は270.6万台、前年同期比で15.1%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.8%だった。
タイではEV産業の誘致が活発化しており、中国メーカーの市場参入が進んでいる。7月5日にBYD、17日に広汽埃安(GAC Aion)が相次ぎタイ工場の稼働開始を発表した。また、五菱繽果(Wuling Bingo)、哪吒(Neta)Xなど、新モデルの発表も盛んに行われ、中国メーカーの勢いが感じられる。
一方で、タイのEV優遇政策「EV3.5」は2023年までの「EV3.0」政策より補助金額が縮小し、義務付けられるEVの国内生産比率が高くなっている。7月には政府が中国EVメーカーに対し、使用する部品の最低でも40%をタイ製にするよう要請したと報じられ、国内産業の保護・発展のための施策が講じられている。また、タイ国家電気自動車政策委員会がHV向けの新たなインセンティブと適用条件を承認するなど、既存メーカーに向けての措置も検討されている。欧米で保護主義的な動きが強まる中で、アジアにおける政策の変化や自動車メーカーの動向も注目される。
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