電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年6月

6月の電気自動車販売台数は前年同月比19.6%増の131.2万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)

2024/07/25

電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア

 本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。

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 主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ

 北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド

 電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。

 

(注1)2024年7月22日集計
     過去の台数データの一部に修正が入りました。
     2024年1月よりタイを集計対象に加えました。
     中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。

(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
    1. 国民の元々の環境意識が高い
    2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
    3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
    4. 電気自動車のモデルラインナップが多い

 

 主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における6月の電気自動車販売台数は131.2万台だった。前年同月比で19.6%の増加となり、前月比では13.2%増だった。6月の電気自動車シェアは24.4%で、前月から1.7ポイント増加した。販売台数・シェアともに昨年末に次ぐ過去2番目に高い数字となった。2024年上半期の電気自動車累計販売台数は、前年同期比23.0%増の614.8万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは20.6%となった。

 HVの6月の販売台数は前年同月比で5.9%増、前月比0.5%増の39.6万台だった。シェアは前月から0.3ポイント減の7.4%となった。1~6月のHV累計販売台数は230.8万台、前年同期比で15.3%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.7%だった。

 欧州委員会は6月12日、中国製EVに対する追加関税を発表した。サンプル調査の対象となったBYDに17.4%、吉利に19.9%、上海汽車に37.6%が現行の関税率である10%に上乗せされる。また、調査に協力したメーカーに20.8%、調査に非協力的だったメーカーには37.6%の追加課税が課せられる。これらの暫定関税は7月5日から最大4カ月間適用され、この期間中に最終的な関税率がEU加盟国の投票によって決定される。この決定が採択されると暫定関税が最低でも5年間適用されることになる。EU内の自動車産業の保護を目的とした措置だが、ドイツ自動車工業会から欧州の消費者と企業にとっても損害が大きいと批判されるなど議論を呼んでいる。現在も中国政府との協議が続いており、今後の進展も引き続き見ていく必要がある。

 

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