トヨタの中国戦略と進展

地域主導による製品・技術開発とスマート化の融合

2025/07/18

要約
トヨタ中国による研究開発
現地での4大開発方針
広汽トヨタの車両開発技術路線と現在のAI搭載製品に対する考え方
Huawei、Momenta、Xiaomiとの提携

要約

鉑智7

　トヨタ中国は、現地化とインテリジェンス戦略を加速させており、「油電同強(ガソリン車と電気自動車ともに市場プレゼンスを強固にする)、油電同進(ガソリン車と電気自動車ともに注力する)」という発展の方向性を示した。中国市場向けに2つのNEV専用プラットフォームを開発し、新しいE/Eアーキテクチャを搭載し、スマートハイブリッド双擎(Shuang qing)HEVの継続的なアップデートを行う。高性能PHEVの導入加速、高性能レンジエクステンダーEVの初投入という3つのハイブリッド技術路線を推進する。

　知能化について、AIエコシステムを構築し、Huawei、Momenta、小米(Xiaomi)などの企業と提携しAIを高度に活用することで業務効率と生産品質の向上を図る。同時に、中国で「ONE R&D」戦略を導入し中国における研究開発リソースを統合するとともに、「リージョナル・チーフ・エンジニア(RCE)」制度を始動。中国人エンジニアがグローバルモデルと共同開発モデルの研究開発の全プロセスを主導し、「中国のニーズにより定義する」から「中国の知恵によって推進する」へのアップグレードを図る。

さらに、トヨタは現地化「4大戦略方針(多角的なプロダクトライン、スマートコックピット、安全なデザイン、ローカルバリュードリブン)」を提唱する。次世代マルチメディアシステムを発表するとともに、HuaweiやTencentなどのパートナーと共同で中国ユーザーのニーズに合ったスマートコックピット体験を創造する。

　合弁会社の広汽トヨタでは、2つのNEVプラットフォームをベースにした未来志向の製品体系を構築し、集中型ドメインコントローラーアーキテクチャを採用し、従来の分散型ECUから高性能中央演算処理装置への置き換えを図る。2026年から2027年に広汽トヨタは業界をリードするパートナーと共同で「世界モデル」に基づくインテリジェント運転支援システムを開発する。さらに2028年には「スマートコックピットとスマート運転の一体化」という新たな段階に入り、コックピットとスマート運転の深い融合を図る。

　本レポートは、広汽トヨタ 2025 テクノロジーデイにおいて、トヨタ中国と広汽トヨタが共同で発表した主な戦略と技術の進展をまとめた。

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