2023年上海国際カーボンニュートラル博覧会:低炭素交通フォーラム

Geely、長安汽車、一汽紅旗、東風猛士、宇通客車

2023/07/03

要約

低碳交通板块平行论坛
低炭素交通フォーラム

 第1回上海国際カーボンニュートラル博覧会(Shanghai International Carbon Neutrality Expo in Technologies, Products and Achievements)が2023年6月11日~14日の日程で国家会展中心(上海)で開催された。展示、フォーラム、ビジネスマッチングの3つの部分から構成され10万平方メートル規模で、中国国内外から600社余りの企業が出展し、来場者は延べ8万人を超えた。

 本博覧会は、中国国内で「カーボンニュートラル」をテーマとした初めての博覧会で、エネルギー転換、省エネと効率向上、低炭素交通、循環経済、低炭素サービス、探求と実践の6つのセクターを網羅。そのうち、低炭素交通セクターでは並行して「2023上海国際低炭素スマートモビリティ展(Green and Smart Auto Shanghai 2023)」が開催され、上汽、一汽、東風、長安、吉利(Geely)、長城、BYD、蔚来(NIO)、合衆新能汽車(Hozon Auto)、Tesla、VW、BMW、GM、日産などを含む自動車メーカー及びBoschFORVIAValeoWebasto等のサプライヤーが出展した。

 開催期中、1件の基調フォーラム、1件の科学フォーラム、4件の業界やテーマ別のフォーラムで構成され、同時に40近くのイベントが開催された。うち、上海市国際貿易促進委員会、中国自動車工業協会(CAAM)、中国汽車工程学会が主催した低炭素交通セクターでは「双炭(カーボンピークアウト及びカーボンニュートラル)サポート下での交通分野のグリーン発展」と「自動車産業におけるグリーン低炭素転換のアップデートと発展」のフォーラムが612日に開催された。本レポートでは吉利、長安、一汽、東風(猛士)、宇通の講演内容を紹介する。

 吉利(Geely)はメタノール自動車を深掘りし、すでにメタノール重型トラックとメタノールハイブリッドセダンをリリース済みで、メタノール産業チェーンシステムを構築している。グリーン電力とグリーンメタノールの2つのエネルギーを通して、2045年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルを実現する計画である。長安汽車はスマート低炭素モビリティ企業への転換を進めており、2023年に新型EVブランド「長安啓源(Qiyuan)」を発表する予定。また、全工場で太陽光発電を建設する計画となっており、完成後には年間約12万トンの炭素排出削減ができる見込み。一汽紅旗は、駆動用バッテリーにおける大規模サプライチェーンのグリーン低炭素化の推進に力を入れ、全ライフサイクルのデジタル管理に注力する。東風汽車傘下の猛士科技工場は、毎年4,600トン超の炭素排出削減を実現させ、製品の全ライフサイクルでカーボンフットプリントの管理システムを構築している。宇通客車はBEV及びFCV商用車に注力しており、NEV商用車の累計販売台数は17万台超。また、新エネルギーコア技術を自主開発し生産を行う。

 全体的に、各社とも主に製品の全ライフサイクル及び生産・製造の全プロセスという2つの軸からグリーン低炭素化を推進している。同時に、サプライチェーンの脱炭素化の促進にも力を入れ、また、デジタル化技術を経営に応用し、さらに規格の構築などにも注力する。


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