吉利汽車(Geely) (下):電気自動車ブランドを新設、商用車事業を強化

Mercedes-Benzとともにsmartを展開、ProtonやRenaultと協力し新たな市場へ

2022/10/26

要約

プレミアムインテリジェントEVブランド「ZEEKR」(出典:2021年上海モーターショー)

 中国民営大手自動車メーカーの吉利汽車控股有限公司(以下、吉利汽車控股/Geely)の発表によると、2021年中国国内販売は121.3万台、輸出台数は11.5万台で、合計販売台数は前年比0.6%増の132.8万台となった。2022年の販売台数は165万台を目標に掲げる。

 吉利汽車控股は、2019年の電気自動車ブランドGeometry(幾何汽車)の投入以降、2021年にはプレミアムインテリジェントEVブランドZEEKR(極氪汽車)を、2022年にはバッテリー交換式電気自動車ブランドLivan Auto(睿藍汽車)とアウトドアでのライフスタイルを意識した電気自動車ブランドRADAR(雷達汽車)と次々にEV専用ブランドを新設。また、Mercedes-Benzとは合弁会社smart Automotive(智馬達汽車)で電気自動車smart#1を販売する。

 2022年9月30日にはAston Martinの7.6%の株式取得を発表した。海外関連では、Renault Groupと車両を共同開発し2024年に韓国での生産開始を計画。Renault Koreaのネットワークを通じて販売する。アセアン市場ではProtonのネットワークを活かすとともに、南西アジアやアフリカ地域の市場拡大を狙う。

  近年、吉利汽車控股は中小商用車メーカーの買収/提携を行い、商用車事業を強化している。山東唐駿欧鈴汽車でEV小型商用車を、遠程汽車と華菱星馬汽車ではNEV重型トラックを製造する。


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