スズキ:インドの生産能力を260万台に拡大、2025年からBEVを生産
カーボンニュートラル燃料の開発など先端技術への取り組みを強化
2023/01/17
- 要約
- インド事業:2025年に生産能力260万台体制に拡大
- 電動化戦略:インドで2025年からBEV生産、トヨタグループのBEV商用軽バン
- 研究開発:カーボンニュートラル燃料、インドR&Dセンター新設
- 提携拡大:空飛ぶクルマ、蓄電池と超急速EV充電器
- 2022年度通期業績予想を上方修正:売上高4兆5,000億円(26.1%増)
- LMC Automotive販売予測:スズキの2026年ライトビークル販売は313万台
要約
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EVコンセプトモデル「eVX」 2023年1月のインドAuto Expoで世界初公開 |
スズキは主力のインド事業において、積極的な計画を相次ぎ発表している。スズキのインドでの完成車生産能力は2022年12月時点で年間225万台だが、ハリヤナ州カルコダに新工場を建設するなど、2025年には年産260万台の体制を構築する予定。インド市場は回復傾向にあり、マルチスズキの2022年4~9月期の業績は増収増益、売上高は過去最高を更新した。
インドでSUVセグメントの市場規模が拡大していることに対応して、スズキは2022年6月に新型「ブレッツァ」、9月にトヨタ・キルロスカ・モーターで生産する新型「グランドビターラ」を発売した。2023年1月に開催されたAuto Expoでは新型「ジムニー5ドア」、新型SUV「フロンクス」の2車種を発表、2023年度に市場投入する。
電動化戦略では、グジャラート工場で2025年からBEVを生産、さらに2026年からBEV用電池を生産する。2023年1月にはインドで開催されたAuto ExpoでEVコンセプトモデル「eVX」を世界初公開した。日本では、ダイハツ、トヨタ、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)の3社と共同で、2023年度にBEV商用軽バンを導入する。
2022年8月には、インド・デリーにスズキ100%出資のSuzuki R&D Center India Private Limited(SRDI)を設立した。日本とインドの開発部門を効率的に連携させ、インド市場のみならずグローバルでの競争力と研究開発力を強化していく。スズキはカーボンニュートラル燃料の研究開発、「空飛ぶクルマ」を開発するSkyDriveへ出資、蓄電池と超急速EV充電器を開発・提供するパワーエックスとの協業検討など、今後の成長に向けた先端技術開発の体制強化を進めている。
本レポートは、スズキの直近1年間の新型車発売、新たに発表した計画、業績・業績予想を中心に報告する。
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