世界の二輪車生産と販売:インド、中国、ASEANの概況
コロナ禍で2020年は生産停滞・需要減退、アジア各国で電動車の導入が進行
2021/07/29
- 要約
- 世界の二輪車需要と生産台数
- インド:ロックダウンによる生産停滞、EV普及促進策で電動スクーターの導入が進行
- 中国:排気量150cc以下の二輪車は減少、電動二輪車の分類改定によりEV急増
- インドネシア:コロナ禍で市場規模が半減、EVプログラム始動
- タイ:2020年は生産・販売とも2桁減、政府主導で電動バイクの導入を促進
- ベトナム・フィリピン・マレーシアの生産・販売台数
要約
本レポートは世界の二輪車(オートバイ、スクーターなど)の生産・販売台数の集計とともに、二輪車の主要生産国であるインド、中国、およびインドネシア・タイ・ベトナム等ASEANの概況を報告する。
2020年の世界主要国の二輪車生産台数は合計4,900万台水準と見られる(各国統計より推計)。2020年の二輪車の世界需要は前年比16.6%減の4,450万台(ヤマハ資料)。アジアは20.6%減の3,389万台で、全需の約80%を占める。
インドの2020年度(2020年4月~2021年3月)の二輪車生産台数は前年比12.8%減の1,835万台、販売台数は13.2%減の1,512万台と大幅に減少した。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、アジア各国で工場の操業が休止する事態となり、二輪車の生産が停滞、販売台数も低迷している。一方で電動二輪車の市場導入に関する動きは活発化しており、各国で新興EVメーカーの台頭が見られる。
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主要5カ国の二輪車生産台数 | 主要5カ国の二輪車販売台数 |
(出所:各国自動車工業会、二輪車協会などの統計データよりMarkLines作成)
二輪車の月次台数データは下記よりご参照ください。
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