中国省エネルギー車・NEV技術ロードマップ2.0:グリーン社会に向けて炭素排出量を抑制へ
2035年に販売台数の50%以上をNEVに、従来のエネルギー乗用車は全てHVに
2021/04/20
- 要約
- 目標
- 省エネルギー車: 2035年に従来のエネルギー乗用車を全てHVに
- EV及びPHV: NEVのうち95%以上をBEVに
- 燃料電池車: 商用車を中心にFCVを発展させ、2035年に保有台数100万台をめざす
- インテリジェントコネクテッドカー:2035年に大規模な運用へ
- 駆動用バッテリー:2030年に次世代の高機能駆動バッテリーを量産化へ
- NEV電気駆動システム:電動パワートレインシステムの鍵となる性能を世界トップへ
- 充電インフラ:全国の住宅/商業エリアをカバー、充電サポート車両1.5億台を目指す
- 軽量化技術: 2035年に複合材、高張力鋼、軽質アルミニウム合金を幅広く適用
- 自動車のスマート製造: バーチャル工場で最適化しリアルな工場へ反映
要約
2021年4月9日の中国汽車工業会(CAAM)の発表によると、3月のNEVの販売台数は前年同月比247.4%増の21.6万台。1-3月の販売台数は前年同期比318.6%増の53.3万台となった。ここ数年で電動化モデルを製造する新興EVメーカーが次々と設立され、既存のOEMからも電動化モデルが投入された。企業間の競争が激化し、一部のメーカーは市場からの撤退を余儀なくされた。
2016年10月に中国汽車工程学会(China-SAE)が発表した「省エネルギー車と新エネルギー車の技術ロードマップ1.0」(以下、ロードマップ1.0)では、中国の電動化の方向性を示した。2017年9月には「乗用車企業平均燃費と新エネルギー車のクレジット同時管理方法」が公布され、乗用車を生産する全ての企業に対して、年度ごとの燃費目標の設定と一定台数のNEV生産(または輸入)が義務付けられることとなった。2020年には改訂版が発表された。
2020年10月下旬に「省エネルギー車と新エネルギー車の技術ロードマップ2.0」(以下、ロードマップ2.0)が中国汽車工程学会より発表された。本ロードマップは中国工業和信息化部(工信部、MIIT)の委託を受けて、中国汽車工程学会(China-SAE)に所属する1,000名余りの専門家が、2035年までの中国自動車産業における省エネルギー車及び新エネルギー車の方向性を示したものである。今回のレポートでは、ロードマップ2.0の一部を取り上げる。
2025年 | 2030年 | 2035年 | ||
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中国生産/販売台数(年) | 3,200万 | 3,800万 | 4,000万 | |
NEV | 20%以上 | 40%以上 | 50%以上 | |
BEVの割合 | 90%以上 | 93%以上 | 95%以上 |
2025年 | 2030年 | 2035年 | |
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従来のエネルギー 乗用車HVの割合 |
50%-60% | 75%-85% | 100% |
関連レポート:
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