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タイ: ASEAN地域のEV生産ハブへ コロナ禍を経て計画推進を再開

2020年生産台数は130-140万台(3割強減)の見込み、買い替え促進計画に期待

2020/09/28

要約

  タイ政府は2020年3月、2025年までにタイをASEAN地域のEV生産ハブとして発展させる方針を発表。同年までに国内のEV生産台数を25万台とし、2030年のEV生産台数を国内自動車生産の30%に当たる75万台に拡大することを目標とする。タイ投資委員会(BOI)は優遇措置を適用する生産投資として、2020年6月までにHV5件、PHV6件、EV13件を承認した。新型コロナウイルス感染拡大で政府の電動化計画は一時停止していたが、2020年8月には国家電気自動車政策委員会の活動も再開され、電動化計画の推進を急ぐ。

  2019年のタイの生産台数は前年比7.1%減の201万台。車種別では、乗用車が前年比9.3%減、商用車が5.6%減となった。タイでの販売台数は前年比3.3%減の101万台。金融機関による自動車ローン審査の厳格化が販売減の要因とされる。輸出は7.6%減の105万台となった。中東向けは増加したが、アジア向けは横ばい、欧州、北米などその他の地域向けは減少した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年1-7月の生産は43.8%減の69.5万台、販売は35.9%減の38.8万台、輸出は37.7%減の40.0万台。

  タイ工業連盟(FTI)は、ロックダウンが緩和され、工場が稼働を再開したことから、2020年の生産について130-140万台と予測している(2020年8月)。その半数は国内需要向け、残りの半数は輸出向けである。コロナ前の水準に戻るには5年が必要としている。タイで感染を防止できたとしても、多くの国で感染率が高い状態が続いたり第2波が発生したりすると世界経済は低迷し、タイ内外の需要が減少すると予測される。

  タイ政府は新型コロナウイルスによって打撃を受けた自動車産業を支援するため、車両買い替え促進計画と排ガス基準Euro5の導入延期を計画している。バイオエタノール20%を混合するガソホールE20を標準ガソリンとする計画も延期を検討中。また、自動車産業も投資対象となっている東部経済回廊(EEC)では投資家向けの税制優遇政策を準備している。

  生産拠点の動きでは、タイ市場から撤退するGMの工場を、長城汽車が買収。2021年前半に生産を開始する計画。日産は、3モデルの生産を終了し、今後はサブコンパクトカー、小型MPV、EV等の生産に注力する。

タイの車種別自動車生産台数 Nissan Kicks e-Power
タイの車種別自動車生産台数 Nissan Kicks e-Power(バンコク国際モーターショー2020)


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