ホンダの電動化戦略:小型EV「Honda e」を2019年欧州、2020年日本で発売
中国には専用EV「理念VE-1」を投入~バッテリージャパン2019の講演から
2019/03/15
- 要約
- 環境とエネルギーの課題
- 2030年に、世界販売の電動化比率3分の2を目指す
- ホンダの電動化戦略:EV/PHEVに注力
- 小型EV「Honda e」を2019年後半に欧州で、2020年に日本で発売
- 中国:2018年11月にVezelベースのEV「理念VE-1」を初公開
- Clarityシリーズ:共通プラットフォームでFCV/PHEV/EVを開発
- 電動パワートレインの技術を進化
要約
欧州と日本で発売する小型EV「Honda e」プロトタイプ (資料:ホンダ) |
2019年2月27日~3月1日に開催された「バッテリージャパン2019」において、株式会社本田技術研究所 第5技術開発室 室長 遊作 昇氏より、「電動化社会の実現に向けたHondaの取り組み」と題した講演があった。本レポートは、同氏の講演を中心にホンダの電動化戦略を報告する。
ホンダは、2030年をめどに世界販売台数の3分の2を電動車とする計画(EV + FCVで15%、HEV + PHEVで50%)。欧州では2025年までに販売する全ての車両を電動化、中国市場には2025年までに20機種以上の電動車モデルを投入すると発表している。
既に1モーター、2モーター、3モーターと3タイプのハイブリッド車、PHEV(Clarity PHEV)、FCV(Clarity FCV)、EV(Clarity Electric、米国専用車)など多くの電動車を投入している。今後、ゼロエミッションへ向けてEV/PHEVに注力するとしている。
最近、EVの投入計画を相次いで発表した。2018年11月の中国広州モーターショーで、中国専用EV「理念VE-1」を公開し、12月から生産を開始。2019年3月のジュネーブモーターショーで、小型EV「Honda e」のプロトタイプを世界初公開し、欧州で2019年後半に日本で2020年に発売する。
遊作氏は講演の中で、ホンダが電動車に導入している新技術を紹介した。重希土類完全フリーのハイブリッド車専用モーター、モーター小型化のための巻線技術、SiCチップの採用、そして載せ替え可能なMobile Battery Systemなど多彩な新技術を導入している。また、超急速充電技術を開発し、2022年をめどに15分で150マイル(240km)を走れる電気を充電できるEVを複数発売するとされている。
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