GM:北米5工場での生産を中止、14,000人を削減
手元資金を厚くしてEVと自動運転に注力、2019年にCruise AVをライドシェア市場に投入
2018/12/26
- 要約
- 北米5工場での生産停止と14,000人の削減を発表、年間60億ドルの資金を創出
- 既存モデルでは、ピックアップトラック、SUV、Crossover車を強化
- GM:2019年にレベル4自動運転車をライドシェア市場に投入
- 電動化計画:EV事業を2021年から黒字化、2026年までに年間100万台販売を目指す
- GM:2018年業績見込みを下方修正(2018年7月発表)
- LMC Automotive社予測:GMグループの2021年生産は653万台
要約
2019 Chevrolet Bolt EV (本レポートの写真の出典は全てGM) |
本レポートは、2018年11月にGMが行った2件の発表、「北米でのリストラ計画」と、「自動運転車Cruise AVの商業化に備えた体制の確立」を中心に同社の動向を報告する。
GMが発表した大幅なリストラ計画によると、北米5工場での生産を2019年中に終了し、従業員14,000人を削減する。2020年までに、年間60億ドルの自動車部門フリーキャッシュフローを創出し、EV化と自動運転車開発に注力するとしている。
GMは、Chevrolet Bolt EVベースで開発したレベル4の自動運転車「Cruise AV」を、2019年に米国の複数の大都市でライドシェア市場に投入する計画。Cruise AVの商業化が近づいたとして、GM社長のDan Ammann氏を2019年1月1日付でCruise社のCEOに任命すると発表した。Cruise社には、SoftBank Vision Fundが22.5億ドル、ホンダが27.5億ドルを出資する。
EVについては、2023年までに20モデルのEVまたは燃料電池車を投入する計画。現在販売するEVは赤字とされるが、2021年に投入する新モジュラーPlatformにより黒字化し、2026年までに年間100万台のEVを販売するとしている。
既存分野のモデル計画としては、2018~2020年に、ChevroletおよびGMCブランドのフルサイズおよびヘビーデューティのピックアップトラックとフルサイズSUVといった収益性の高いモデルを更新する。Cadillacブランドでは、Crossover車を中心に多くの新型車を投入する。
GMの2018年1~9月期業績は、EBIT-adjusted比率8.2%(北米は9.2%)と高い利益水準を維持している。しかし、EBIT-adjustedの前年同期比は8.2%減(北米は14.3%減)で、GMは7月に2018年業績見込みを下方へ微修正した。
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