スズキの新中期計画:インド/日本市場を主力に340万台を目指す
VWとの提携解除、軽~Cセグメント/SUVに注力
2015/08/31
- 要 約
- 商品戦略:プラットフォーム/エンジンを集約、小型車を重点化
- 地域戦略:日本、インドを中心とするアジアが主力
- 日本の軽市場:シェア争いが激化し、収益を圧迫
- インド市場:シェアを拡大、2020年に200万台販売を目指す
- 次の柱 インドネシア・タイ市場:共に販売台数が落ち込む
- 2015度業績見通し: 過去最高の営業利益1,900億円を計画
- LMC Automotive 販売予測:スズキのライトビークル販売は2018年に280万台(主要54カ国)
- 統計表
要 約
新中期計画「SUZUKI NEXT 100」
- インド、日本市場を主力市場に。第三の柱として、インドネシア/タイを生産拠点として育成していく。
- 軽~C セグメント、SUVに集中。
- プラットフォーム/エンジンを集約。
・スズキは2019年度までの、新たな中期経営計画「SUZUKI NEXT 100」を2015年6月に発表。同社は2020年に創立100周年を迎える。その次の100年のための準備期間としてこれからの5年を位置付ける。
・世界的には小型車市場(軽~Cセグメント、SUV)が伸び、インド市場が今後世界第3位市場になることを想定。
・LMC Automotive社が予測するように、スズキのインド販売は、将来的にはスズキ全体の半分を占める見込みで、スズキ自体も「インド一本足打法」に危機感を持っている。
・しかし、母国市場である、日本の軽自動車市場では競争環境の悪化から収益を圧迫。
・第三の柱と位置付けているタイ/インドネシア市場も、足下では、市場が減速。
・インドでは、スズキはシェアを回復しつつある。そして、2017年稼働予定の新工場建設/新しい高級販売チャンネルの設置と2020年に200万台の販売に向けた施策を打っており、中期経営目標を達成するためには、やはりインドでの成功が鍵となる。
・また中期計画の発表と同時に、約40年にわたってスズキを指揮してきた鈴木修会長兼社長が、社長職を長男 鈴木俊宏氏に譲り、今後、集団指導体制でこの中期経営計画を進めていく方針を明らかにした。
・2015年8月30日には、VWとの提携解除を発表。2009年に結んだ資本・業務提携の解除を、VW側へ2011年9月に申し入れたがVW側が応じなかったため、国際仲裁裁判所に2011年11月に仲裁を申し立てていた。仲裁で、提携の解除とVWが持つスズキ株(19.9%)分の売却が認められた。一方、スズキ側の契約違反も認められ、損害賠償の有無及び金額について引き続き仲裁を受ける。
中期計画 経営目標
2014年度 実績 |
2015年度 計画値 |
2019年度 目標 |
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---|---|---|---|---|
連結売上高 | 3兆155億円 | 3兆1,000億円 | 3兆7,000億円 | |
営業利益率 | 6.0% | 6.1% | 7.0% | |
研究開発費 | 1,259億円 | 1,300億円 | 2,000億円 | |
設備投資 | 1,945億円 | 5カ年累計1兆円 (2015年度計画:1,800億円) |
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