米国自動車メーカーのHEV/EV計画

Fordはトヨタと、GMはLG Groupと提携し、電動車両の開発を加速

2011/09/13

要 約

 以下は、Detroit 3と米国の新興自動車メーカーのHEV(Hybrid Electric Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)の開発・発売計画の概要である。

 GMは、2011年から新世代マイルドHEV eAssistシステムを採用し、今後多くの中型・小型車に搭載していく計画。また2010年末に発売したPHEV Chevrolet Voltのシステムを数車種に採用する。EVは、欧州で発売する小型車に、2013年にも設定する。

 Fordは、リチウムイオン電池を搭載するHEVとPHEVをC-Maxに搭載し、2012年に発売する。EVは2010年末にTransit Connect Van EVの生産を開始し、2011年末にFord Focusに設定する。

 Chryslerは、2009年にDurango、AspenのTwo-mode HEVの生産を中止し、現在HEVを販売していないが、2013年にChrysler 300とミニバンにHEVを設定すると発表した。また2012年に、Fiat 500 EVを米国で発売する。

 なお、Fordは、次期型Light Truck用HEVシステムを、トヨタと共同開発すると発表した。GMは、LG Groupと開発段階から協力し、電池システムやEV関連技術を共同開発する。いずれの計画も、開発期間と費用を節約し、電動車両ラインアップの拡大を目指している。

 新興メーカーでは、2008年秋に高級スポーツカーRoadster EVを発売したTesla Motorsに続き、2011年にFisker AutomotiveがKarma PHEVを発売した。両社とも高級車からEV/PHEV市場に参入したが、販売台数が期待できる中型車の準備を進めている。Wheego Electric Carsは、2人乗り小型EVを発売した。

 他の新興メーカーでは、Coda Automotive(中型セダンEV)、Li-ion Motors(スーパースポーツカーEVとコミューターEV)、Bright Automotive(商用バンPHEV)が、2011~2012年の発売を発表している。

 米国では、2016MYでCAFE(自動車メーカーごとの平均燃費)を35.5 mpgに向上させる規制が決定している。さらにオバマ大統領は、2025MYで54.5 mpgとすることを提案し、また2015年までに、米国の路上にEVとPHEV合計100万台を走らせるとの目標を掲げている。

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