Escape (Ford)

 ニュース
2024年04月18日(木)

・フォードが米国でコンパクトオフロードSUV「ブロンコスポーツ(Bronco Sport)」とコンパクトピックアップトラック 「マーベリック(Maverick)」45万台超をリコールすると発表したと、4月17日付のデトロイトニュースが報じた。バッテリーの検出機能の問題で駆動力が失われ、衝突のリスクが高まる可能性があるという。

・米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が公表した資料によると、「ブロンコスポーツ」と「マーベリック」のボディ及びパワートレイン制御モジュールは、バッテリー残量の変化を検出できない可能性があるという。

・検出できない場合、バッテリー残量が少なくなると、突然エンストしたり、再始動できなくなったりするなどの予期しない駆動力の低下や、ハザードランプなどの他の電気系統の機能が使えなくなることがあるとしている。

・2020年2月から2024年3月までに生産された2021-2024年型モデルの「ブロンコスポーツ」約40万2,978台と、2021年2月から2022年10月までに生産された2022-2023年型モデルの「マーベリック」約5万3,587台の計45万6,565台がリコール対象車となる。

・この問題を是正するため、フォードは5月13日にオーナーに通知書を郵送し、ディーラーが対象車のボディ及びパワートレイン制御モジュールを無償で再調整するという。

・フォードは4月8日の週にも、「ブロンコスポーツ」とコンパクトクロスオーバーSUV「エスケープ(Escape)」の一部約4万3,000台について、ガソリンが燃料噴射装置から高温のエンジン表面に漏れ出し、火災の危険性が高まるとしてリコールを発表している。しかし、このリコール対策には燃料漏れの修理が含まれていなかったため、連邦政府機関による調査が行われている。

(Detroit News article on April 17, 2024) (U.S. NHTSA document on April 12, 2024)

2024年03月21日(木)

・3月19日付の複数の米国メディアの報道によると、フォードは、ミッドサイズクロスオーバーSUVの「エクスプローラー(Explorer)」やリンカーン「アビエーター(Aviator)」に似たサイズの3列シートの電気自動車(EV)の開発計画を延期しているという。

・関係者の話によると、3列シートのEVは、EV生産に向けて改修を進めているカナダ・オンタリオ州オークビル(Oakville)工場で生産され、2025年初頭に発売される予定だった。フォードはその代わりに、早ければ2026年後半に、ケンタッキー州ルイビル(Lousville)工場生産の小型車用プラットフォームベースの手頃な価格のEVを発売する予定だという。

・UAWとフォードは、2023年の労使協約の一環として、2028年に契約が切れる前にルイビル工場に新型EVを追加することで合意しているが、時期については明言していない。

・フォードは新しい小型プラットフォームで3つのモデルを計画していると報じられている。2026年後半に販売価格が2万5,000ドル前後の小型SUVを発売予定で、それにピックアップや配車サービス用車両が続くという。

・3列シートのEVがどの程度遅れるかは不明だが、フォードのJim Farley CEOは以前、米国のEV市場で競争するにはより小型で手頃なEVが必要だと語っていた。同氏によると、ある顧客は「現在フォードが計画しているEVが『エスケープ(Escape)』より大型であれば、機能的でワークユースに適したものが好ましい。それよりも小さいサイズのEVであれば、申し分ない」とフィードバックしているという。

(multiple sources on March 19, 2024)

2024年02月19日(月)

・2月15日付のデトロイトニュースおよびデトロイトフリープレスの報道によると、ニューヨークで開催されたWolfe Research Global Auto Conferenceで、フォードのCEOであるJim Farley氏は、同社の今後の電気自動車(EV)戦略について語った。

・同氏は、「フォードはEV戦略を、小型で低価格のEVと、ピックアップトラックやフルサイズバンなどのワークユースのEVに集中するようにシフトしている。コンパクトクロスオーバーSUVの『エスケープ(Escape)』より大きなEVは、本当に機能的で、ワークユースに適した車であることが望ましい」と語った。

・フォード社内の小規模チームは、より低コストの小型EVの基礎開発を進めているという。Farley氏によると、1台あたり7,500ドルの連邦税額控除の適用を受けて、最初の12カ月で採算がとれるようにする必要があるという。

・同氏は小型EVが登場する時期は明言しなかったが、フォードの次世代EVは2025年から2027年の間に発売されるだろうと語った。

・Farley氏は、生産能力の増加に伴う競争の激化によりEV用バッテリーの価格は下がるとの見方を示し、より安い価格を実現するために汎用の円筒形バッテリーセルを採用する可能性があると述べた。他の自動車メーカーと協力する可能性もあるという。

(Detroit News article on February 15, 2024) (Detroit Free Press article on February 15, 2024)