Schaeffler AG 2013年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 11,205 | 11,125 | 0.7 | - |
EBIT | 982 | 1,413 | (30.5) | - |
自動車部門 | ||||
売上高 | 8,165 | 7,658 | 6.6 | 1) |
EBIT | 736 | 997 | (26.2) | - |
要因
1) 自動車部門
-2013年、同部門売上高は6.6%の増加。増加の要因としては、新規顧客のプロジェクトの開始、新製品の立ち上げ、特にCO2の削減に寄与する新製品の登場。
-地域別では、売上はアジア・太平洋 (前年比12.1%増)、北米 (同10.4%増)、欧州 (同4.6%) に牽引された。南米 (同3.9%減) は為替差損が減少の要因となった。
Continentalとの関係
-Schaeffler Groupは、Continentalとの間で2008年に締結した投資協定を2014年5月で終了する。また、2013年にContinentalの株式3.9%を売却し、売却後の所有割合は46.0% (Schaeffler AG 34.2%、Schaeffler Holding 11.8%) となっているが、Continentalの筆頭株主の座を維持している。購買
-SchaefflerとContinentalは、Gibbs Die CastingやHutchinsonを含む12の企業を新たに優秀サプライヤーに選出したと発表した。両社は4年前から共同購買を行っている。受注
-LuK製のマルチリンクチェーンを装着したリニアトロニックCVTおよび水平対向ディーゼルエンジンの組み合わせがスバル 「Outback 2.0D」 に採用されたと発表した。生産はドイツのBuhl工場で行っている。-ホンダの 「Fit Hybrid」 に、同社のデュアルクラッチトランスミッションと電動ギアアクチュエーターが採用された。: ホンダ フィットハイブリッド 分解調査 (1)
生産中止
<ドイツ>-Schaeffler Technologiesは、2016年末までにドイツのSchweinfurt拠点においてホイールベアリングの生産を中止する。生産は他拠点へ移管する予定。これにより、従業員約400名が削減される見込み。一方で、自動車関連の開発・設計や販売事業は長期的に継続する意向で、これらの部門では今後数年間で増員する計画。プロジェクトの1つでは、すでに約85名の増員が決定しているという。
受賞
-中国・江蘇省の太倉 (Taicang) 工場がGM Chinaより2013年「Supplier Quality Excellence Award」を受賞したと発表した。GM向けのホイールベアリングは太倉第3工場で生産している。この第3工場では、Volkswagenや長安Fordをはじめ、中国国内およびグローバルのさまざまな自動車メーカー向けにも納入している。-中国浙江省の寧波 (Ningbo) で開催された吉利汽車 (Geely) の2013年サプライヤー大会において、「Excellent Supplier Award 2013」を受賞した。
-2013年第1四半期において、アジアの顧客より多数の賞を受賞した。
- 日本ではトヨタより2012年度「Certificate of Achievement in Quality Performance」
- 中国では日産より「Excellent Quality Supplier Award」
- 上海VWより「Excellent Supplier 2012」
2014年12月期の見通し
-売上高は前年比5-7%増、EBIT率は12-13%を維持する。開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
全社 | 611 | 593 | 495 |
売上に占める割合 (%) | 5.5 | 5.3 | 4.6 |
研究開発体制
-16の研究開発センターにて、約6,000名が新製品や新技術の開発に従事。-地域別拠点数:ドイツ (5)、ドイツ以外の欧州 (4)、北米 (3)、南米(1)、アジア・太平洋 (3)
-約20,000件の特許と特許申請を保有。2013年には2,500件の発明考案が特許申請中となっている。
研究開発拠点
<ドイツ>-ドイツHerzogenaurachに位置する技術開発センター内の「Competence Center Acoustics」を拡張し、音響試験施設を新設したと発表した。床面積180平方メートルの建物に、「ウォブルルーム」とよばれる最新の測定・コンピューター技術を装備した3つの実験室を設置した。車のドライブトレインやシャシーのほか、ボールねじ駆動やロールスタビライザーなどの部品における空気伝送音や振動挙動の研究を行うという。
<日本>
-日系自動車メーカーとの共同開発体制を強化する。日系メーカーが生産のほか、自動車の開発・評価などでも海外移管を進めていることに対応するもので、日系メーカーとの取引で窓口となる日本法人のシェフラージャパン (横浜市神奈川区) で開発スタッフを増強するとともに、シェフラーが世界各地域に置く研究・開発拠点での日系対応を急ぐ。開発のほか、製品供給でもグローバルのネットワークを活用できることをアピールし、取引拡大を狙う。
研究開発活動
内燃エンジン車の電動化に注力-欧州の2020年に向けたCO2削減の法制化に合わせ、ドライブトレインの電動化に向けた開発を推進。スタートストップや回生 (ブースト) を追加した電動化およびマイルドハイブリッド技術が今後の成長分野として期待される。
地域の要請に応じたドライブトレインを提案
(1) 内燃エンジン車用ドライブトレイン
-北米では、内燃エンジン車用ドライブトレインは、燃費を15%まで改善するとともに、2020年のCAFE基準に合致する。スタートストップ機能、サーマルマネージメントモジュール、AWD遮断クラッチを採用している。
-インドでは、内燃エンジン車用ドライブトレインは、低コスト対応し、燃費を7%まで改善している。
(2) ハイブリッド車用ドライブトレイン
-欧州で発表されたハイブリッド車用「48Vシステム」は、最高12kワットの出力を得られるとともに、CO2の排出量を減少させる。スタートストップ、回生ブレーキ、回生 (ブースト)、滑走等の機能を備えている。
(3) 電気自動車用ドライブトレイン
-中国等で開発が進むEV技術では、コンセプトとしての「eソルーション」としてE-ホイールドライブを提案。電気モーター、パワーエレクトロニクス、ブレーキ、冷却システムがホイールリムの中に内蔵されている。機動性、操縦性、アクティブセーフティー、省スペースに貢献する。
製品開発
電動ホイールハブモーター-電動ホイールハブモーター「E-Wheel」の第2世代製品を開発した。電動モーター、パワーエレクトロニクス、コントローラー、ブレーキ、冷却システムなど、駆動・減速・安全走行に必要な全ての部品がホイールリム内に組み込まれている。駆動モーターの出力は1機あたり40kwで、連続出力は2×33kWとなる。この電気駆動モーターは、Ford 「Fiesta」 をベースとした開発車両で試験が行われている。第1世代のホイールハブモーターは、Opel 「Corsa」 をベースとしたコンセプトカー 「Schaeffler Hybrid」 に搭載され、2010年に発表された。第1世代製品と比べて出力は30%、トルクは75%向上している。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
全社 | 573 | 827 | 846 |
自動車部門 | 434 | 618 | 630 |
-2013年12月期の設備投資は、顧客の工場の近隣地域での、生産立ち上げ、生産能力の増強、および拠点の新設に使用された。
-2014年12月期の全社設備投資額は売上高の6-8%に上昇させる予定。
海外投資
<中国>-同社にとって中国で8番目となる工場の建設を中国江蘇省の太倉 (Taicang) で開始した。この太倉第5工場は、太倉経済開発区内にある同社の第2工場および第4工場近くに建設される。延床面積は約7,400平方メートルで、2013年内に完成する予定。主に、自動車用の油圧トルクコンバーターおよびダブルクラッチを生産する。