Continental Emitec GmbH 2014年12月期の動向

Continentalによる同社買収

-2014年7月、Continentalは、合弁相手のGKNより同社の株式残り50%を取得し、完全子会社化。取得金額は46百万ポンド。今回の買収により、同社はContinentalのパワートレイン部門に統合された。引き続きEmitecブランドは存続し、2014年末にはContinentalの中国蕪湖市の生産工場でEmitec製品の生産を開始する予定。

海外事業

<フランス>
-2012年9月、フランス最初の、FaulquemontにあるSCR尿素ドージング工場が稼働を開始した。Grundfos NoNOx A/Sから2010年に買い受けた工場に新建屋と自動化ラインを投入し、生産能力はほぼ倍増となる計画。現在は大型商用車向けの製品を生産しているが、将来はバン向けや乗用車向けの生産も想定している。

買収

-2010年9月、デンマークのGrundfos NoNOx A/Sを買収。Grundfos NoNOxはSCRシステムを生産し、トラック・バス用ディーゼルエンジン向けに供給している。開発・生産拠点はフランスに保有。この買収により、同社のSCR技術分野における製品ラインナップが拡大した。

事業提携

-2010年、米国子会社Emitec Inc.は、オーストラリアのFord Performance Vehicles (FPV) に触媒コンバーターを供給する契約を締結した。2010年6月から「F6」 (Euro4対応)、2010年10月から「Boss V8」エンジン搭載車に採用されている。

研究開発拠点

-Lohmar (ドイツ)
-Eisenach (ドイツ)

特許

-世界で2,700件以上の特許を保有。

研究開発活動

-IAA国際商用車ショー2014において、欧州排出ガス基準「Euro 6」に対応する排ガス後処理システムのコンセプトを出展すると発表。このコンセプトでは、小型軽量化を実現しながら最大積載量や車両設計、燃費を向上させるシステムを展示する。Continental Emitecの触媒コンバーター用メタル担体が持つ設計柔軟性により、商用車のエンジンとシャシーの間のスペースに触媒コンバーターを統合するという初の試みを実現。これにより熱損失を軽減し、システムの効率をアップさせることができるという。このほかにも、商用車部品に個別に設定されるContinentalのAdBlueディーゼルインジェクターや、AdBlueタンクに統合されたドージングシステムなどもこのコンセプトの特徴となる。(2014年9月23日付プレスリリースより)

-2012年、中国、ブラジル、インド、ロシア等、途上国向けのSCR製品開発を強化している。欧州の排気ガス規制ユーロIVまたはユーロVに準じる技術レベルで対応可能であるが、気候条件、燃料の品質、機械的ストレスなどをテストし、市場価格にあった製品をEisenachのテストセンターで開発している。 (2012年9月付プレスリリースより)

製品開発

小型・中型車用タンク内蔵型SCR用投入モジュール
-2014年、Cummins Emission Solutionsと共同開発した、小型・中型車用タンク内蔵型SCR用投入モジュールを発表。この製品はタンクフランジポンプモジュールデザインを採用しており、抽出パイプ、タンクヒーター、フィルターを始め、各種センサー、コントロールユニット、ワイヤーハーネス等の電装品が統合されている。様々な形状・サイズのタンクに適用が可能で、配送車やスクールバス等の小型・中型車に適しているという。2014年第4四半期に、Cummins Emission Solutionsが量産を開始する予定。

タンク内蔵型SCR用投入モジュール
-SCR用投入モジュールGenIII、GenIVはAdBlueのタンク内蔵型で非常にコンパクトであり、同時に重要部品の保守が容易にできるようになっている。設置サイズは前モデル比30%減。AdBlue尿素液のノズルは親会社であるContinentalとの共同開発。内蔵ポンプの能力はGenIIIで毎時8リットル、GenIVで毎時3リットルとなっている。2012年初頭に、開発・生産のための新工場をフランスのFaulquemontに開設した。 (2013年9月付プレスリリースより)

センサー内蔵触媒コンバーター (Sensorkat)
-センサー外付けのメリットは、小型化のみならず、10秒以下の短い時間で最適な温度にまで達すること。従来品と比べNOxの排気量を40%低減する。Volvoの北米モデルで採用されている。 (2013年9月付プレスリリースより)

エアアシストAdBlue尿素投入システム (UDA 2 SCR Dosing system)
-EURO VI規制に適合する、次世代のエアアシストAdBlue尿素投入システムを開発した。EURO VIは2013/2014年に販売される新車のトラックに適用される。MANがまずこのシステムをTGXトラックに使用する。 (2012年9月付プレスリリースより)

圧縮天然ガスエンジン用触媒コンバーター向け担体
-圧縮天然ガスが動力となる商用車の触媒コンバーターとしての、3元触媒コンバーター (または酸化触媒コンバーター) 向け担体を開発した。 (2012年9月付プレスリリースより)

加熱式触媒コンバーター
-近年の効率が良いエンジンから発生する低温の排気、およびスタート・ストップ時の排気に適応するため、加熱式触媒コンバーターが注目を浴びている。小型バンから大型トラックにおよぶ商用車から、高機能のバスに用途が広がっている。 (2012年9月付プレスリリースより)

軽量化触媒
-2011年、触媒カバーの厚さを従来品の1-2センチから、0.5ミリへの薄肉化を実現。0.5ミリの薄さの触媒カバーは機械的強度はあまり高くないものの、圧力、急激な温度変化および熱衝撃への追従性を大きく改善した。触媒カバーの薄肉化により、重量が従来比30%削減され、曲げ剛性および固有安定性は65%の増加を実現。さらにアーチ形状の触媒タイプの場合はさらに耐久性が向上する。この新型軽量化触媒は同社の全製品に適用が可能。

次世代クロースカップルドタイプ触媒
-2008年、小型/中型ディーゼル車のターボチャージャー付近に取付け可能な次世代クロースカップルドタイプ触媒を開発した。同社は、ターボチャージャーのごく近くに装着できる新開発のこの小型クロースカップルドタイプ触媒に、担体内に乱流パターンを発生させることにより触媒効率を向上する効果をもつLS金属箔 (同社特許) を採用。担体の効率を高めたことで、従来品に比べ容積がおよそ4分の3と、小型化も実現した。この新型触媒は欧州系自動車メーカーと共同開発したもので、2008年夏から小型ディーゼル車への搭載を開始する予定。 (2008年4月14日付プレスリリースより)