(株) 東海理化電機製作所 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 476,202 452,195 5.3 -
営業利益 34,608 31,192 11.0 -増益要因:円安効果、原価低減活動の成果
-減益要因:人件費や減価償却費など固定費が増加
経常利益 34,673 32,242 7.5 -
親会社株主に帰属する当期純利益 5,591 19,730 (71.7) -製品保証引当金繰入額の増加
地域別売上
-日本 226,204
229,260 (1.3) -消費増税の影響による落ち込みが長引くほか、軽自動車増税の影響が見られた
-北米 121,649 106,906 13.8 -米国:個人消費が好調
-アジア 102,005 88,476 15.3 -中国:自動車取得税に減税措置を導入
-その他 26,343 27,552 (4.4) -欧州:景気回復の継続



海外投資

<メキシコ>
-2015年4月、メキシコに新工場を建設すると発表。同社のメキシコ進出は初めて。5月に新会社を設立し、2016年秋の操業開始を目指す。新工場ではスイッチやセキュリティー製品などを手がける。投資額は2018年度までで約3,400万ドル (約40億円)。売上高は2018年度に5,200万ドル (約62億円) を見込んでおり、2020年度には1億2,600万ドル (約151億円) に引き上げる計画。(2015年4月28日付日刊自動車新聞より)

国内投資

-2015年9月、新たな風洞実験施設が10月末にも稼働することを明らかにした。同社の主力製品の一つであるドアミラーの機能向上に役立てるもので、従来の設備よりも測定可能な範囲を約3倍とし、再現できる速度域も時速140キロメートルから同200キロメートル以上に引き上げた。市販車の静粛性に対する要求水準は高まっており、同社は新たな風洞を活用して風切り音や振動をより抑制すると同時に、高いデザイン性を両立するドアミラーの創出につなげる狙いだ。実験設備だけでなく、いくつかに点在していたドアミラーの信頼性評価などを行う部署も10月中に施設内に集約する計画で、試験や評価の効率も高めていく。(2015年9月19日付日刊自動車新聞より)

-2015年8月、シートベルトを生産する豊田工場に新B棟が完成。新棟の竣工により、シートベルト生産体制を強化する。

製品開発

-レバーコンビネーションスイッチなどのステアリングコラム周辺部品について、機能向上と小型化・部品配置最適化を実現。

-ATシフトレバーが、トヨタ自動車のLexus 「RX」 に採用。

TNGA対応ATシフトレバー
-トヨタ自動車が推進する設計改革 「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA)」 に対応した第3世代のATシフトレバーを開発。車台や運転位置を軸に部品共通化を図るTNGAのコンセプトに対応し、設計を共通化。さらに部品開発、工程構想の同期一括企画を推進。これにより、2009年にトヨタが3割の原価低減を掲げて打ち出した 「RR-CI」 の目標を完全に達成。レバー周辺のデザインにコストをかける余地をつくり、コストダウンと商品力の向上を一挙に実現した。2015年以降、国内外で同製品の供給を開始する。(2015年3月16日付日刊自動車新聞より)

受賞

-2015年11月、トヨタ自動車九州 (株) 宮田工場で開催された新型Lexus 「RX」 のラインオフ式において、ATシフトレバーが 「技術の部」、フロントシートベルトが 「原価の部」 でプロジェクト表彰を受賞。

-2016年2月、トヨタ自動車 (株) グローバル仕入先総会で、ステアリング周辺部品の開発における機能向上・原価低減がTNGA活動の推進に貢献したとして、「TNGA推進優秀賞」 を受賞。前年に続き、2年連続受賞となる。

研究開発活動

スイッチ関連
-意匠性と操作性の向上、小型化スイッチ
-スマートフォンのような直感的な操作を実現したタッチパッド式遠隔操作デバイスを量産化

シフトレバー関連
-ATシフトレバーの標準化、低コスト化
-バイワイヤータイプのシフトレバーのバリエーション展開

セキュリティシステム関連
-小型車への普及を目指しスマートキーシステムの低コストタイプを開発
-セキュリティ性の向上

セーフティシステム関連
-乗員保護性能の向上
-小型化ニーズに応えた次期標準リトラクターを搭載したシートベルト
-低コストドアミラーのラインナップ追加
-独自の高精度加飾技術 「3Dドライ転写技術」 を用いたステアリングホイールの高品位化など、製品の意匠性向上

研究開発体制

-日本では先行開発や要素技術開発を行い、北米・欧州・中国の各拠点では地域ニーズの把握、地域最適を目指した企画提案や製品開発を行う。

主な技術導入契約

 (2016年3月31日現在)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
同社 Autoliv Development AB スウェーデン 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007年12月01日 -
該当特許権の終了日
TRW Vehicle Safety System Inc. 米国 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2008年01月01日 -
該当特許権の終了日



主な技術援助契約

(2016年3月31日現在)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
同社 芦森工業 (株) 日本 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007年02月02日 -
該当特許権の終了日
自動車用シートベルトに関する海外特許実施権の許諾 2007年02月02日 -
該当特許権の終了日



業務提携契約

(2016年3月31日現在)
契約会社名 相手方会社名 契約内容
同社 豊田合成 (株) セーフティシステムの開発、設計、販売および生産について豊田合成 (株) と提携して業務を行う。業務提携の範囲は日本国を含む全世界を適用範囲とする。
(株) 村上開明堂 自動車用ミラー製品の開発、設計、生産および販売について、協業して業務を行う。



研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
日本 24,293 21,849 19,768
北米 712 678 493
全社 25,006 22,527 20,262


-2017年3月期計画 は27,500百万円。

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 (予想) 2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 23,000 21,908 24,186 25,220


-2016年3月期:

  • 日本: 9,800百万円 新製品切り替えに対応した生産設備等
  • 北米: 3,700百万円 メキシコでの新工場建設
  • アジア: 4,900百万円
  • その他: 3,500百万円

-2017年3月期 (予想):

  • 日本: 12,500百万円 新製品対応
  • 北米: 5,800百万円 メキシコ工場新設、北米新製品
  • アジア: 4,200百万円 IMV立ち上げが一巡
  • その他: 500百万円 ブラジル工場でのめっき投資が一巡



設備の新設計画

(2016年3月31日現在)
事業所名 所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
本社・本社工場 愛知県
大口町
スイッチ、エレクトロニクス製品等の部品製造、組付、検査設備等 4,920 2016年
4月
2017年
3月
豊田工場 愛知県
豊田市
シートベルト、装飾品の部品製造、組付、検査設備等 1,492 2016年
4月
2017年
3月
音羽工場・萩工場 愛知県
豊田市
キーロック、ステアリングホイール等の部品製造、組付、検査設備等 4,187 2016年
4月
2017年
3月



2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予想)
2016年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 444,000 476,202 (6.8)
営業利益 26,000 34,608 (24.9)
経常利益 27,000 34,673 (22.1)
親会社株主に帰属する当期純利益 18,500 5,591 230.9

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)