タカタ (株) 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 415,521 | 382,737 | 8.6 | 1) |
営業利益 | 14,493 | 13,618 | 6.4 | - |
経常利益 | 17,050 | 13,499 | 26.3 | |
当期純利益 | (21,122) | 11,937 | - | -客先の市場回収処理に伴い、製品保証引当金繰入額を特別損失として計上。 |
要因
1)
- 日本は売上微増。上半期には前年度の震災による減産から回復したが、下半期にはエコカー補助金終了による需要の落ち込みがあった。
- 米州では増収。自動車生産台数が前年に引き続き2桁の増産となったため。
- 欧州は小幅な減収。欧州域内での自動車生産は大幅に減少したが、ロシア工場本格稼働開始に伴うロシア市場向け売上げが増加。
買収
-2012年11月、ドイツのSDI Molan GmbH & Co. KGを買収した。SDI Molanは、エアバッグやシートベルトプリテンショナーなどのパッシブセーフティシステムに使用するパイロエレクトリックイニシエータおよびマイクロガスジェネレーターを生産している。 (2012年11月30日付プレスリリースより)新興国での生産増強
地域あるいは 国名 |
事柄 | 年月 | 生産増強の内容 |
南米 | ウルグアイ工場の本格稼働 | 2013年 | エアバッグクッションの製造 |
アジア | インドネシア工場の本格稼働 | 2012年 | シートベルト、エアバッグ、ステアリングホイールの製造 |
ロシア | ロシア工場の本格稼働 | 2012年 | シートベルト、エアバッグ、ステアリングホイールの製造 |
ドイツ | SDI Molan社の買収 | 2013年 1月 |
エアバッグ、プリテンショナー向けイニシエーターの製造 |
欧米 | BAE子会社の買収 | 2012年 3月 |
レーシングカー向けのシートベルト、軍用車両向けの安全装置の製造 |
韓国 | Hyundai Mobisとの提携 | 2011年 11月 |
モータライズド・シートベルトで技術提携。韓国車への搭載に向けて準備中。 |
受賞
-同社の中国・上海の子会社Takata Automotive ElectronicsがFordより「World of Excellence Award」の金賞を受賞した。拘束システム用エレクトロニクスが評価されたもの。また、同社はGMの2011年度「Global Supplier of the Year」も受賞しており、今回で2年連続となる。 (2012年6月21日付プレスリリースより)
2014年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2014年3月期 (予測) |
2013年3月期 (実績) |
増減 (%) | |
売上高 | 460,000 | 415,521 | 10.7 |
営業利益 | 20,000 | 14,493 | 38.0 |
経常利益 | 19,000 | 17,050 | 11.4 |
当期純利益 | 13,000 | (21,122) | - |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
日本 | 3,140 | 5,032 | 3,924 |
米州 | 6,991 | 6,576 | 5,567 |
欧州 | 7,461 | 5,721 | 6,121 |
アジア | 1,916 | 1,297 | 859 |
調整額 | 42 | (366) | (414) |
合計 | 19,552 | 18,261 | 16,058 |
売上に占める割合 (%) | 4.8 | 4.7 | 4.2 |
-2014年3月期の研究開発費は、前年度比12.8%増の220百万円、売上に占める割合4.8%を予定している。
研究開発体制
-研究開発拠点は、日本(滋賀)、米国(デトロイト)、欧州(ベルリン)の3極に設置。-2013年1月、インド、チェンナイのL&T Technology Services内にエンジニアリングサービスセンター「Global Engineering Service Center (GESC)」を設置した。次世代の自動車乗員安全保護システムの開発に向け、今後5年間にわたって、このGESCの拡張・最適化に取り組む予定。 (2013年1月25日付プレスリリースより)
-製品化活動は、アジアを含む各セグメントにおいて実施。
ピッチング機能を備えた衝突シミュレーション試験機の導入
-滋賀県の愛知川製造所内に第3評価棟を新設し竣工式を実施したと発表した。延床面積は約6,500平方メートル。同評価棟には衝突シミュレーション試験機を導入し、2013年5月初旬より順次稼動を開始する予定。衝突シミュレーション試験機は、実車衝突状況を擬似的に作り出すことができる試験機のことで、現在日本に4台、ドイツに4台、アメリカに2台、中国、韓国にそれぞれ1台、世界で12台保有している。今回導入した13台目となる試験機は、前面衝突した際に後部が持ち上がる事象を再現できる機能 (ピッチング機能) を備えた試験機で、同試験機は既にドイツ、アメリカにも導入しており、同社では3台目の導入となる。 (2013年2月4日付プレスリリースより)製品開発
フレキシブル・ベンティング・テクノロジー (FVT) エアバッグ-運転席用エアバッグでベントホール (排気孔) のカバーを設けるなどの独自構造の「フレキシブル・ベンティング・テクノロジー (FVT) エアバッグ」を製品化したと発表した。エアバッグ背面のベントホールをふさぐベントカバーが、エアバッグ展開時のガスの排気をコントロール、様々な体格の乗員の衝撃エネルギー吸収に対応する。世界初の構造を持つ新製品は、米国の安全基準をクリアしており、同社では米完成車メーカー2社向けに供給を始めている。システムの簡素さやコスト低減にもつながるとしており、さらなる拡販を目指す。 (2013年3月7日付日刊自動車新聞より)
世界初のフロントセンターエアバッグ
-米国の自動車メーカーであるGMとの共同開発により、世界初のフロントセンターエアバッグが製品化された。GMの2013年モデルの車両に順次搭載が予定されている。側面衝突は乗員から見ると、自分から近い側 (ニアサイド)の衝突とその反対側、つまり自分から遠い側 (ファーサイド) の衝突の2種類がある。 現在法規やアセスメントで評価されているのはニアサイドのみだが、事故から乗員を守るためにはファーサイドの衝突をもケアしなければならない。 フロントセンターエアバッグは左右二つの席の間に展開してどちらの衝突からでも乗員を守ることを目的に開発された。この新製品で、カナダ自動車産業者協会 (AJAC) 主催の「2013年ベスト・ニュー・テクノロジー賞」を受賞した。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
日本 | 3,447 | 3,406 | 1,529 |
米州 | 7,572 | 6,329 | 6,132 |
欧州 | 6,448 | 6,069 | 4,465 |
アジア | 3,116 | 3,618 | 3,584 |
合計 | 20,584 | 19,422 | 15,712 |
- アジア新興国の自動車生産拠点となりつつあるタイに新しい工場の建設に着手するなど、各セグメントにおいて生産ラインの新設、拡充等を行い、各地域の需要増に対応可能な生産体制を整えている。
-2014年3月期の設備投資の製品別内訳は、エアバッグ関連25%、ステアリングホイール関連23%、シートベルト関連21%と計画されている。
設備の新設 |
(2013年3月31日現在) |
会社名/事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了年月 |
Takata India Private Limited (インド チェンナイおよびニムラナ) |
シートベルト、エアバッグおよびステアリング生産設備、評価設備 | 4,222 | 2008年1月 | 2014年3月 |
Takata-TOA Co., Ltd. (タイ バンコク) |
ステアリング生産設備 | 1,453 | 2011年6月 | 2013年4月 |