J. Eberspaecher GmbH & Co. KG 2012年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年 12月期 |
2011年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,826.5 | 2,590.5 | 9.1 | 1) |
EBITDA | 140.4 | 182.4 | (23.0) | - |
エキゾーストテクノロジー部門 | ||||
売上高 | 2,396.2 | 2,141.6 | 11.9 | 2) |
クライメートコントロールシステム部門 | ||||
売上高 | 430.4 | 448.8 | (4.1) | 3) |
要因
1) 全社
-2012年の全社売上高は、前年比9.1%増。主にエキゾーストテクノロジー部門が寄与。
2) エキゾーストテクノロジー部門
-2012年の売上高は、前年比11.9%増。主に米国の商用車向けが伸びた。
-乗用車に関しては、主要顧客であるドイツの高級車メーカーが欧州市場の落ち込みの影響を全面的には受けなかったことで、売上を確保できた。
-米国商用車に対する排ガス規制EPA2010への適合製品が売り上げに貢献。2013年以降は欧州の排ガス規制Euro 6に適合する製品の売り上げが期待される。
3) クライメートコントロールシステム部門
-2012年の売上高は、前年比4.1%減。欧州での投資および消費状況の悪化により、特にガソリン動力ヒーターの売上が落ち込んだ。
-一方、電気ヒーターの売上は上昇傾向であり、北アメリカおよび中央アメリカでの売上は前年比58.2%の増となった。電気ヒーターの主力製品はPTC補助ヒーターおよび電気自動車用ヒーターである。
-バス用エアコンシステムに関しては、売上は前年比大幅のマイナス。主たる市場である南部ヨーロッパの経済危機が要因。
-車載エレクトロニクスに関しては、車両コントロールの分野での売上が前年比大幅に伸びた。代表的な製品である車載電力供給安定化システムは、アイドリングストップシステムにおいて、エンジンが再スタートする時の電圧の急激な落下を防ぐ働きをする。数社のドイツ自動車メーカーに採用されている。
受注
-同社は、サウジアラビアの国営石油会社Saudi Aramcoが所有するバス270台とバン150台に、子会社Eberspaecher Suetrak製のエアコンが装着されると発表した。バスには「AC 644」システムが、バンには「AC 413」システムが使用される予定。 (2012年3月15日付プレスリリースより)-同社は、子会社Eberspaecher catem製のPTCヒーターが、Rinspeedのコンセプトカー 「Dock+Go」 に搭載されていると発表した。このコンセプトカーは、2012年ジュネーブモーターショーで展示される予定。 (2012年2月17日付プレスリリースより)
-同社は、Opel 「Ampera」 の1.4Lガソリンエンジン向けに、軽量型エキゾーストシステムを開発したと発表。また、Eberspaecher catem製のPTCクーラントヒーターも同モデルに搭載されている。 (2012年1月30日付プレスリリースより)
新工場
<中国>-Jiading工場 (中国、上海) は2011年下期に設立。2012年初頭に、欧州Euro4に相当する中国の商用車に対する排ガス規制に合格する製品の製造を決定。2013年中頃に生産を開始し、2013年末より量産に移行する予定。
<ロシア>
-2012年、Tolyatti工場 (ロシア) では、乗用車用排気システムの生産を開始している。
<欧州>
-2012年、Wilsdruff (ドイツ) の新工場では、ドイツ自動車メーカー向け、Euro 6対応の初代の乗用車排気システムの量産開始。
<米国>
-2012年、Belvidere工場 (イリノイ州) では、米国自動車メーカー向け排気システムの量産開始。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年12月期 | 2011年12月期 | 2010年12月期 | |
合計 | 134.0 | 120.1 | 97.7 |
売上高に占める割合 (%) | 4.7 | 4.6 | 5.1 |
-2012年の研究開発費は、前年比11.6%の増。社内製品開発への投資に加えて、設計、CAE (computer-aided engineering)、試験サービス、サンプル作成などの外部企業に対する研究開発活動にも投資。
研究開発拠点
-研究開発活動は、以下11拠点で実施されている。- Esslingen (ドイツ)
- Unna (ドイツ)
- Neunkirchen (ドイツ)
- Schwaebisch Gmuend (ドイツ)
- Herxheim (ドイツ)
- Renningen (ドイツ)
- Paris (フランス)
- Gothenburg (スウェーデン)
- Novi (米国)
- Pune (インド)
- Shanghai (中国) *2012年に開設
共同開発
-同社は、Robert BoschおよびDeutzと、 ディーゼル排ガス後処理システムの分野における提携関係を再構築することで合意した。これに伴い同社とDeutzは、合弁会社Bosch Emission Systems (BESG) の株式をBoschに売却する。同社はBESGへの部品納入を継続し、さらにBoschと共同で排ガス後処理システムに関する開発を行う計画。なお、 BESGは2010年に設立され、建設機械や農業機械、トラック・バスなど様々な車両向けに、ディーゼル排ガス処理用のモジュラーシステムを供給してい る。現在、ドイツに3拠点を保有し、従業員約180名を雇用している。 (2012年10月12日付プレスリリースより)研究開発活動
排気システム-Euro 6およびTier4に対応する商用車向け製品の開発
-排気ガスが発するノイズを低減する、アクティブマフラーシステム (Active muffler system)
-排気システム部分から熱を回収し電気的および機械的エネルギーに変換する排熱回収システム (Heat recovery system)
-カスタムデザインの材料やデザインの変更で、最大40%の軽量化を実現する (Lightweight construction)。
クライメートコントロールシステム
-スマートフォンでプレヒーターを作動させるシステム (EasyStart Call)
-ディーゼル燃料による固体酸化物形燃料電池の改良 (Solid oxide fuel cell)
-電気自動車用電動ヒーター
-バス用エアコンシステムの改良
-始動電流コントロール (Power network stabilization)
-ガラスルーフの透光性を変化させ、室温をコントロールするシステム (Electro chromatic auto-glazing)
製品開発
バス用エアコンシステム-同社は、エアコン子会社のEberspaecher Suetrakが新型のバス用エアコンシステム「AC 136 G4 Central Air」を開発し、ドイツHanoverで開催されるIAA国際商用車ショー2012に展示すると発表した。通常のエアコンシステムでは、冷気はバスの窓側を通って空気吹き出し口から送られてくるが、特に夏場は窓の付近が最も暑くなる。この新型システムにおいては、車両の中央に冷気を通してから窓側より送り出すことが可能になる。なお、この他にEberspaecher Suetrakは、重量を最適化したフラットチューブコンデンサーを組み合わせたエアコンシステム「AC 188」や、ルーフの幅が小さいバス用の薄型エアコン「AC 353 G4」も展示する。 (2012年7月3日付プレスリリースより)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2012年12月期 | 2011年12月期 | 2010年12月期 | |
合計 | 114.1 | 109.5 | 33.9 |